kagemiya@ふたば - ウィリアム・マーシャル
「貴方も人理に名を刻みし英雄なれば、誇りと挟持を以てその剣を取りなさい」


「我が名はウィリアム・マーシャル……この身に騎士道ある限り、我らに“敗北”はありえません」


基本情報

【元ネタ】史実
【CLASS】ランサー
【真名】ウィリアム・マーシャル
【異名・別名・表記揺れ】初代ペンブルック伯、至高の従士、無敗の騎士
【性別】女性
【身長・体重】162cm・64kg(鎧込み)
【髪色】薄い金髪 【瞳色】薄い翡翠色
【スリーサイズ】89/58/93
【外見・容姿】軽装の鎧を身に着けた中性的な騎士
【地域】イギリス
【年代】中世 12世紀〜13世紀初頭
【属性】秩序・善
【天地人属性】人
【ステータス】筋力:C 耐久:A 敏捷:B 魔力:D 幸運:B 宝具: C

【クラス別スキル】

対魔力:D

 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。魔術に縁がなかったためか三騎士としては低めの部類。

騎乗:B

 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
 馬上槍試合に於いて類まれな成績を残し、反乱を起こしたリチャード……後の獅子心王の命を握るまでに至った程。

【固有スキル】

騎士道:B

 一人の主へ、或いは一つの矜持を貫く信念。悪辣を嫌い秩序を掲げる心意気。
 最高の騎士とまで謳われたウィリアムの騎士道の現れ。騎士としての剣技や礼節を獲得する。
 また一般的に卑劣とされる悪逆、主への謀反を行うことが出来ない。主に準ずる者への許可なき裏切るも同様。

不敗の忠義:EX

 生涯無敗。騎士として幾多もの戦場を越え、5人もの王に仕えて尚屈する事は無かった鉄の忠義。
 全ての精神干渉、魅了、混乱と言ったバッドステータスを完全無効化。また、ウィリアムに敗北は「許されない」。
 Aランク相当の仕切り直し或いは戦闘続行を内包。勝つのではなく負けない戦いを得意とする。

軍略:D

 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。

【宝具】

赦されざる敗北の長槍エルサレム・テイク・バッカー

ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:1人
 生前彼女が愛用した馬上槍―――其の形状を模倣した、彼女が持ち得る“騎士道”の具現。
 特筆すべき点も無い一般的な長槍だが、この槍はウィリアムの“精神”、即ち騎士道の強さにより性能が変化するという特性を持つ。
 彼女が確固たる騎士道を抱く限り穂先が刃毀れを起こす事はなく、その柄が折れ曲がる事はない。まさに実直たる信念の現れ。
 但し一度心が折れてしまえば槍も同様に屈してしまい、後述する宝具含めた一切の宝具が発動不可能となってしまう。
 まあ尤も、彼女ほど屈強な騎士道を抱く者であれば心が折れる前に自ら心臓を貫いて自害するであろうが。
 
 真名を開放することで槍全体が光を帯び、直線上に眩い一閃を放つ攻撃宝具となる。
 彼女の逸話、生涯無敗と謳われた伝承を槍に帯びさせ、光帯というエネルギーに変換してから相手へ向け放つ。
 レンジが数倍に跳ね上がり、質量を持たない攻撃故に物理的な防御をも貫通するなど、地味ではあるが利便性は高い。
 魔力とは別のエネルギーによるダメージのため、消費も少なく済む。唯一の弱点は……自身以上の“格”を持つ英雄には通じにくい、という点か。

征け、靡く十字は赫き勝鬨クルセイド・フォー・ヴィクトリア

ランク:C 種別:対陣宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:100人
 ウィリアム自身を中心としたレンジ内全体に対し展開する神聖決着術式。厳密には異なるが、形無い固有結界と表現するのが適当か。
 範囲内に居る者全てに対し「騎士道」のスキルを強制付与。この陣地に足を踏み入れている限り、全ての“悪逆”が無効となる。
 裏切りも謀反も鏖殺も、この旗が靡く限りは許されない。ウィリアムが誇る騎士道の極地――――文字通りに「決着」の為の陣地。
 発動中は自身も効果の対象となるため、相手とは正真正銘の「一騎打ち」となる。また、ウィリアムが“相手”と定めた者以外は横槍を入れられない。
 宝具の行使にも制限が掛けられ、同等のランクを持ってしても発動は難しい。上回るほどの神秘を有するのであれば無条件で発動可能。
 陣地の持続には相当の魔力を消費する為、長く見積もっても10ターンの維持が限界。加えて自分以上のカリスマを有する相手には効果が薄まる。
 なお仕様上、アウトレンジ―――範囲外からであれば上述の弱体を無視した攻撃が可能。但し、そういった卑劣な手段を使うとウィリアムはキレる。

【解説】

イングランドに名高き騎士、ウィリアム・マーシャル。その名はイングランドに留まらず欧州全土に知れ渡っている程。
「最高の騎士」、「不敗の騎士」とまで謳われた伝説的な人物。生涯を通して500を下らぬ試合を勝ち抜いてきた止事無き「英雄」。
その騎士人生の中で5人もの国王に仕え、時にはかの著名な獅子心王「リチャード一世」に仕えていた経験もある忠義の騎士。
十字軍として従軍した経験も持ち、70歳を間近として尚前線に趣戦っていたともされる、「騎士道」の名に相応しき気高く高潔たる女性である。
戦闘の腕前もまた目覚ましいものがあり、反旗を翻した後のリチャード一世を相手取り圧倒したという史実も残されている程の馬術の使い手。
青年期には馬上槍試合で一財産を築いた事もある等、ランサーというよりはライダーに向いた実力の持ち主。但し本人はランサーで喚ばれる事を望む。
兵士としてではなく軍師としての才能も有し、リンカーンの戦いでは摂政でありながら自ら軍を指揮し戦ったともされる。
死後、長男により彼女の武勲を綴った『ギョーム・ル・マレシャル伝』が出版され、後のイングランド史に於いて多大な影響を残した。

余談だが、ウィリアム・マーシャルという存在は史実のものでありながら、伝承・伝説に近い逸話で構築されている。
これは彼女が生きた時代が「神秘と歴史が切り替わる境界線」であり、彼女が仕えた王もまた、神代に片足を突っ込んだような王であったため。
故に、彼女は史実の人物でありながら伝説的な存在、英雄視される存在となっており、その在り方は叙事詩マイソロジーを出典とする英霊に近い。
こうしてランサーのクラスで喚び出される彼女は「生涯無敗、英国最強と謳われた宮廷騎士」としての側面が強く、より伝承や伝説側に偏っている。
別のクラス……特にライダーで喚び出された場合などは、史実での“彼”に則した、馬に乗り馬上槍を構えた老年の騎士として現れる事だろう。

【人物・性格】

穢れの無い軽鎧に赤十字の外套を纏った凛とした女性。静かな微笑みには騎士としての忠義、兵士としての覚悟が備わっている。
男装の麗人。美しい黄金の髪を束ね、果敢にも槍を振るい競い合う姿は逸話に違わぬ“最高の騎士”。尚普段は厳かな私服に身を包む。
性格は真面目で実直。また悪辣を赦さぬ騎士道の体現者であるためか、“悪”の属性を持つサーヴァントを優先的に狙う傾向にある。
非道を働く者へは容赦せず、騎士道に則り正確無慈悲且つ冷淡な槍裁きを見舞う。例え一般人であっても同様。
それでも「命」を取る事はない。無益な殺しで人を裁くのではなく、罪を憎んで人を憎まず―――生かしてその過ちを正すことが忠義であるとしている故。
が、仮に極悪非道なマスターの元に召喚された場合は槍を振るえない。上述したスキルを保有する異常、主であるマスターの命令は絶対である為だ。
私情は薄いが無感情と言うほどではない。マスターと過ごす際には騎士というよりも執事めいた、身の回りの家事手伝いも全て執り行ってくれる。
好物はティータイム。英国人として紅茶は欠かせないようで、例え聖杯戦争という血腥い状況下に在っても嗜みは欠かさない。

幼い頃、ウィリアムは内戦により人質となった経験があり、その際に父親から罵声とともに見捨てられたという経験を持つ。
辛うじて殺されずに生き延びたウィリアムだが、父を失い途方に暮れ、自ら財産を稼ぐために“騎士”として生きることを決意。
こうして騎士としての修行を積む過程で、ウィリアムは自分が“女性である”ということを明かさず、少年としてウィリアムの名を名乗り続けた。
意識して隠していたわけではなく、父親に見捨てられた際に「これまでのウィリアムは死んだ」として、また新たな人生を作り上げているという理由から。
彼女が女性であったことを知るのは僅か5名―――嘗て自らが仕えた、5人の王のみに限られる。
尤も、当時生きていた者達の間では「あの人女じゃない…?」と心の中で訝しまれていたのだが。


イメージカラー:燻し白金
特技:馬上槍試合、事務作業
好きなもの:読書、叙事詩(特にアーサー王伝説)
嫌いなもの:父親、雑な料理
天敵:獅子心王、ジョン=ザ=ラックランド
願い:特に無し

【一人称】私、自分 【二人称】貴方、貴殿、貴様 【三人称】〜〜さん、〜〜様、皆様

セリフ集


【因縁キャラ】

リチャード1世:
 中世イングランドの王、獅子心王ことリチャード1世。
 ウィリアムが仕えた王の一人であり、彼とともに十字軍として戦場を駆けた盟友でもある。
 彼が子供であった頃、反乱を起こした彼を一振りにて落馬させ、後一歩で命を奪える状況にまで追い詰めた。
 が、丸腰であった彼の命を取る事はせずに見逃し、後に獅子心王として名を馳せる彼の元へ仕えることとなった。
 幼少期からリチャードを知っていて、嫁の勧めや戦場での間柄も在り、最も主従関係の繋がりが深い王と言えるだろう。
 また彼からは度々アーサー王伝説を語り聞かされていて、趣味の一つが読書となっているのもそれが原因。
 共にアーサー王ごっこをして遊んでいたこともあったが、同じく男性として語られているアルトリアを演じることは無かったらしい。

ジョン=ザ=ラックランド
 中世イングランドの王、失地王ことジョン=ザ=ラックランド。
 リチャード1世の弟であり、イングランドに於いて史上最悪とも語られる曰く付きの君主。
 彼が行った愚行・蛮行・悪行、その全てを側近として眺めていて、リチャード1世とは大きく異なる在り方であると気が付いていた。
 一方、彼がイングランド王として即位するために協力し、多くの者がジョンを見限っていく中で、最期まで彼――イングランド王家への忠誠を貫く。
 そんなウィリアムの忠心により、ジョンは死の際に於いて、ヘンリー3世の王位継承に尽くすよう言葉を遺したという。
 英霊となってからも彼を王として慕っているようで、獅子心王とは異なる「王」としての在り方を認めている。
 また重臣として彼の扱い方を心得ており、万一に備えて常に桃缶を数個携帯しているらしい。

サンジェルマン:
 リチャード1世の統治時代に仕えていた宮廷魔術師。
 魔術師とは言うが魔術の素養も無く、その胡散臭い言動を振りまいていたことからとてつもなく印象が悪い様子。
 あまり私事で感情を荒らげないウィリアムだが、彼に関して言及するときのみ、少々表情が険しくなってしまう。

アーサー・ペンドラゴン:
 獅子心王が語り聞かせてくれた、彼女が羨み望む崇高にして高潔たる騎士王。
 同じ騎士としても、仕えるべき王としても、その在り方全てに敬愛を抱き、目指すべき存在として英霊となって尚讃えている。
 同時に、獅子心王が敬い愛する存在として、決して届かぬ存在なのだと僅かながらの嫉妬心を覚えていたりもする。

アルトリア・ペンドラゴン:
 史実…?に於けるアーサー王。女性であるとは知らなかったため、出会った時はたいそう驚いた。
 しかし文献では男性として語られその実態は女性であったという、どこか似た境遇であるためか、密かにシンパシーを抱いていたり。
 ちなみに彼女とは雰囲気や風貌が似ているらしく、英霊の座でこっそりコスプレに興じるのが最近の趣味。
 どこかのコメディ臭のするアーサー王の存在も一応認識してはいるが、さすがのウィリアムも苦笑いで済ませる。

2102年の聖杯戦争において】

白神竜胆に喚び出されたランサーのサーヴァント。
戦争に於いては主たる竜胆のため、彼女の矛となり盾となることを誓う。
私情を殺し、戦闘では徹底して騎士――――というよりも、マスターを守るべく戦う防衛機械として振る舞う。
無敗の騎士と唄われたその槍捌きは神話級のサーヴァントにも引けを取らず、セイバー、バーサーカーを相手取ったとしても互角の戦いを繰り広げてみせるだろう。
一方で戦闘以外では規律正しく、現代のルールに則って過ごす。そのギャップも相まって初見では同一人物であると見抜けないかもしれない。

白神竜胆:マスター。
召喚時から毅然とした態度で、自らの主として振る舞う彼女に信頼を寄せていた。
が、ある戦いで彼女の振る舞いが痩せ我慢に近いものであること、本心には不安と焦りが陰っていることを悟り
「王に従う騎士」ではなく、「主を守る騎士」として――――己の忠義こそを原動力として、一人の少女である彼女を守り抜こうと決心する。
初めは王に付き従う側近の如く丁寧で、堅苦しい態度を取っていたものの、彼女の本心を知ってからは幾分態度が軟化し、距離の縮まった主従として穏やかに接する。
とはいえ、王に人生を捧げた騎士として「女性」らしく生きることは新鮮であるらしく、時折彼女からお洒落やショッピングなどに誘われては、慣れない様子で楽しんでいる。
また“こちら”のランサーは恋愛事情に疎く、そういった経験をせずに英霊として昇華された。故に恋愛相談を持ちかけられた際には目を丸くし、珍しい表情で唸る姿が見受けられた。

【コメント】

男装系女騎士。セイバー顔だけどジャンヌにも似ている、中間くらいな顔立ち
騎士だけどどちらかと言うと側近とか忠臣寄り。マスターの側に仕えて身の回りの世話をする執事系サーヴァント
普段は穏やかでしっかり者で心優しい人が戦闘になると目付きが変わって戦闘機械になるのいいよね……