kagemiya@ふたば - ドゥヴサハ
「今日は良い日だ───だからお前は業火に焼かれてもらう」

基本情報

【元ネタ】ケルト神話
【CLASS】バーサーカー
【真名】ドゥヴサハ・ドイルシャンガハ
【異名・別名・表記揺れ】暗黒のドゥヴサハ タマコガネの舌
【性別】男性
【身長・体重】193cm・49kg
【肌色】白【髪色】白【瞳色】黒
【外見・容姿】全身を白と赤の刺青で覆った眼が虚ろな男
【地域】アイルランド
【年代】アルスターサイクル
【属性】秩序・中庸(狂)
【天地人属性】天
【その他属性】人型
【ステータス】筋力:B耐久:B敏捷:D魔力:D幸運:D宝具:A

【クラス別スキル】

狂化:-

彼自身はバーサーカーとして召喚されようと狂化スキルを所持しない。しかし槍の侵食の度合いによって狂気の深度が変更されていく。
槍に侵食される程に狂化のランクが向上し、ステータスも上昇していく。

【保有スキル】

矢避けの加護:C

戦士達に伝わる戦化粧と呼ばれる刺青を全身に書き込み、更にゲッシュによって神々に誓約を伝えることによって得た加護。
ドゥヴサハやコナルといった一部の戦士はこの加護によって空全てが矢によって覆われたかのような攻撃すらも無力化したという。

戦闘続行:B

決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
文字通り、死ぬほどの傷を受けようと死ぬそのときまで諦めない。

タマコガネの舌:B

異名ともなった毒舌がスキルと化した物。
敵陣営からの敵意を独占し、味方陣営からも憎まれるほぼ完全なマイナススキル

侵食魔槍:EX

常に血肉を欲する槍にどれほど侵食されることが出来るかを現すスキル。
バーサーカーのサーヴァントとしてのドゥヴサハは、赤枝の戦士有数の強者としての側面ではなく、最高神がかつて持ちそして放棄した魔槍を所持し、発狂し破滅した側面として顕現する。
血肉を求める魔槍は召喚した瞬間は鎮まっているが、時間が経ち自らへの供物が足りなくなると所有者の骨肉すらも啜り、未だ足りぬと喚くかのように皮膚から炎と呪いを撒き散らす。

【宝具】

勇士の槍よ、世を照らせケルトハル・ルーン

''ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:'1人'
ルーン。アルスターサイクルにおいてドゥヴサハの持つルーンとは、太陽神の槍を所持したもう一人の勇士、ケルトハルから受け継いだ魔槍を現す。
この槍は持ち主の技量に関わらず敵への攻撃を必ず過たず業を授けると共に、槍の穂先から禍々しい炎を吹き出すことによって敵対者を恐怖させるという。
ただし魔槍は常に血肉に飢え、生け贄を差し出し続けなければ制御不能の炎を吐き出し、所有者と周囲の土地に破滅をもたらす。
サーヴァントとなってからもメリットとデメリットは健在であり、生け贄が尽きた場合その場で最も近くにいる人間───多くはマスターとなるであろう───を喰らい、それすらも足りなければ槍は自身の所有者の肉体を乗っとり周囲の生物の魂喰らいを続け、最終的には所有者ごと周囲の地形を焼き払いながら消滅する。

太陽の槍よ、暗黒に堕ちよアラドヴァル・ルーン

''ランク:A+ 種別:対城宝具 レンジ:10〜60最大捕捉:'300人'
この槍の本来の所持者であるルーが所持する、殺戮者と表される魔槍との同一化そしてドゥヴサハが行ったとされるアルスターの王都エウィン・ヴァハを焼き付くした放火の逸話が融合することによって得た宝具。
槍を一時的に暴走状態にすることにより放たれる熱エネルギーは太陽の黒点に匹敵し、生者も死者も物質すらも例外なく全てが黒炭に変わるほどの凄惨な状況を産み出す。生前はこれほどの出力を出したのは一度だけだが、その一つだけでバーサーカーの異名に暗黒の二文字が与えられた。
理性ある状況で発揮したのならば焼き付くすのは敵対者と非生物を焼き付くすような緻密な操作すらも可能とするが、槍の侵食が高まるにつれて操作の精密性は失われ、最終的に自身すらも焼き付くす自爆技となる。
焼き付くされた血肉と魂が行き着く果ては有るかも分からぬ死後の世界ではなく、魔槍の内部である。

【解説】

 アルスターサイクル、赤枝の騎士団においてクー・フーリン。フェルグス。勝利のコナルの三強に次ぐとされる戦士。
 若かりし頃にはフェルグスが王であった時期に仕えていた戦士であったが、王の賓客である毒舌のブリクリウの仲の良い存在であるほどに殺し合う姿が見たくなるという悪癖によって、国中の夫妻や義兄弟が殺しあいをするような状況となったことに怒りを燃やし、ブリクリウを半殺しの目に合わせる。
 しかし王の賓客に危害を加えることによって王の面子を潰してしまったとして、半ば自分から国を追放され数年間の流浪の日々を過ごすこととなった。
 数年間の流浪の末に王の座はフェルグスからコンホヴォル王へと代わり、その時にケルトハルやフェルグスからの推挙によってコンホヴォル王の部下となるという経緯を持つ。

 他者への辛辣な評価と傷口に刷り込むようなタイミングでの毒舌は、陰口・中傷・嫌みを言う才に恵まれているとして、周囲から奴の口から出る言葉は糞でも喰らったからここまで汚いと揶揄されたことから、ついた異名がタマコガネの舌、またはアルスターの糞虫ともされることからその悪漢ぶりは伺いしれよう。
 しかし道理と義理を常に重視するという人柄もまた重視され、騎士団内でも上位の立場に置かれていた。
 だが、道理と義理を重視するが故に無視できぬ事件が起きてしまう。コンホヴォル王が騎士団の中でも上位の戦士であったノイシュをディアドラ欲しさに殺したのだ。

 この暴挙にはフェルグスを初めとした多くの騎士が反感を持ち、アルスターから去った戦士達は流浪組と評される程に規模が大きくなっていた。その中にはドゥヴサハを含めて多くの赤枝の騎士団の主力が入っていたのだ。
 牛争いが終わった後にはアルスターに戻り、戦士として活躍している。彼がケルトハルから魔槍ルーンを継承した時期には諸説あるが、どう遅く見積もってもこの時期には継承を終え魔槍ルーンを振るう戦士として活躍したと考えられる(牛争い後と明言されている説話で魔槍ルーンの説明を周囲に見せながら行っているため)

 彼が主人公として活躍する説話は残念ながら存在しないが、アルスターサイクル初期から活躍しコンホヴォル王死後のアルスターサイクル後期にも顔を見せることから、味のある脇役として息の長い活躍を見せる。ただし、基本的に噛ませ犬として。

 例えば、クーリーの牛争い前の説話であるフリザスの牛追いにおいてはアルスター・コナハト連合軍の一人として立ち塞がるフェルディアと激突。敗北こそするものの、生存をする。この場合、フェルディアは3000のアルスター軍を残り24人になるまで殲滅し、フェルグスを打ち破りその後は当時のコナハト最強の戦士であるケト・マック・マガフを軍勢ごと打ち破っているため、どちらかと言えば生存している事を評価すべきだろう。

 だがコンラと戦った戦士の一人にもドゥヴサハの名は挙げられ、勝利のコナルは単身でコンラに負けた扱いだが、ドゥヴサハは二人係で敗北した扱いのことから、アルスター三強には劣ると言わざるを得ないだろう。

 しかし活躍は存在し、クーリーの牛争い後の戦争であるロスナリーの戦いにおいては不調のクーフーリンが100人しか倒せなかった集団を500人殺戮したという記述があるなど、尋常の戦士と比較すると遥かに上回る力量を持つことが伺える。

 ただし魔槍を持ってしまったが故か、ドゥヴサハにも破滅の時は訪れる。クーフーリンが死に、コンホヴォル王が死に、後継者としてクースクリド・メンがアルスターの王となった時、多くの英雄は死に、多くの戦士は疲弊し、多くの国は戦を避けようとしていた。
 ───血が足りなくなったのだ。

 魔槍は常に血肉を欲する。しかし戦争や個人的な闘争以外で無意味に殺すことは許されることではない。その道理を守る考えを持ってしまっていたが故に、魔槍は所持者を侵食し飢えを満たした。
 仕える王であるクースクリドを殺した。多くの守るはずだったアルスターの民を殺した。その中には友である勝利のコナルが愛している妻もいた。故に、彼はコナルとの戦いの末に殺された。
 首を絶ったコナルが目にしたところ、ドゥヴサハの死体からは血肉や内蔵の殆んどが失われ、気付けはドゥヴサハの死体からは所持していたはずの魔槍は姿を消していた。
 仕えるべき王を失い、愛していた妻を失い、救うべき友すらも失った勝利のコナルはアルスターから去り、自らのルーツであるコナハトへと移住した。
 ───王と国最強の戦士を失った国がどうなるかは言うまでもなく、仮にそうなった原因を求めるのならば一つに収まるものでは決してないが、その原因の一つである魔槍の所持者は最期には戦士として戦う思考すらも奪われていたのかもしれない。

【人物・性格】

 控え目に言ってなお最悪に口汚く、意地が悪く人の欠点に目敏い最低の人格。しかしマスターの命令には基本的に従い、生け贄が有るのならばバーサーカーとしてのメリットは殆ど存在しないがデメリットもなく、比較的扱いやすいサーヴァント。槍ではなくドゥヴサハが要求するのは並以下のため、生け贄が用意できるのならば非常に使い勝手が良い。
 例えば、戦闘を見てしまった結果神秘の秘匿に悪影響だから殺す、といった魔術師にとっての道理の伴う行動には従う上に、生け贄を事前に用意しているのならばそれも躊躇なく消費する反英雄に似た運用も可能のため、魔術師らしい魔術師ならば運用は容易だろう。
 だが生け贄を用意するのは良心が痛む。かといって暴走させたくないからお前が勝手に人間を狩れと言った命令を与えた場合、令呪で罪の無い人間を限定して狩れと言わない場合は、道理が伴わずどちらにも突き抜けない半端者として一番最初の生け贄はマスターとなってしまう。
 ドゥヴサハをサーヴァントという一戦力として扱う場合、生け贄を必要経費として用意する外道か、決して生け贄を許さず、かといって勝利も諦めない茨の道へと進むマスターだけが十全の運用が出来るだろう。


イメージカラー:黒ずんだ赤色
特技:相手が嫌がる形での指摘
好きなもの:肉
嫌いなもの:空腹
天敵:太陽神とその一族
願い:戦死

【一人称】オレ【二人称】お前【三人称】

【因縁キャラ】

ケルトハル:自らを再びアルスターの勇士として立ち上がらせた人物にして、槍を自身に継承させた恩人。常に毒舌で周囲に不快な思いを与えたとされるドゥヴサハだが、この戦士に対しては常に敬意を持ったとされる。


フェルグス・マック・ロイ
王としては論外だが、戦士としては評価している。欲の行き着く果てに男に殺されたと伝わっているのはその行動し心からして分かりきった結末だとして気にしていない。


ぺルカード
毒舌として有名らしい、近い地域の騎士。その毒舌で死を招くほどの罵倒はどれだけよ殺意を燃やせるか……気兼ねなく殺せそうだ


アラドヴァル
槍が動くことは驚きもしないが、意思を持ち、そしてサーヴァントとなるとは……
さて、どちらの槍が勝るか比べてみるか?

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