自由奔放にして我道独走。欲望のままに己の意志を貫き通す、快活で気持ちの良い海賊女傑。
「共に居ることの出来る伴侶」を求めており、聖杯への願いもそれ。生前に夫は居たが、
その男・ホーフンドは呪いの克服は出来なかった。子は呪われ、先祖のように破滅した。
だからこそ、満足することが出来なかったと彼女は言うのだ。
どこまでも強欲。故に、彼女は隣に並び立つ男を求め続ける。
「破滅すると分かってて結婚してくれたのよ、あの人」
「すっごく情熱的に求めてくれた。普段は朴念仁みたいな顔してるくせに」
「あたしもきっと満たされてた。いつか終わると分かっていても、とても幸せだったわ」
「……なのにあたし、まだ足りないの。心の奥底が、ぽっかり空いてる」
「ほんっと、ヤな女よね」
「何より、そう理解していても、まだ誰かに抱きしめてほしいと思っちゃうのが嫌」
「──きっと病気ね、あたし」
一人称は「あたし」。好きなものは高所と冒険。
自らの弱い部分はあまり表に出さず、運命に立ち向かうようなヒーロー的な姿をよく見せる。
要はヒロインになりたい主人公属性。男よりも女にモテやすいがソッチの気は欠片もない。
戦闘時は卑怯も曲芸も上等の勝てば官軍スタンスで立ち回る。
墓場に赴いてまで魔剣を欲したのは、死してさえ呪いに蝕まれる父を解放したかったがため。
剣を手放さないのは、他人が呪われることを良しとしないため。
何よりも愛する息子に渡したのは、誰よりもその勇気を信じたため。
その優し過ぎる性格は、愚かで、狂おしく、悲惨な道を指し示す。
決して、小さな乙女が抱えるべき愛情(のろい)ではなかったのに。