- “茨竜”のライダー
- 自身のサーヴァント。
幼い頃から馴染みのあった童話のヒロイン。
まだはっきりと物心に目覚める前、朧気な幼心に刻まれた一番最初の「おひめさま」。
いつしか“彼女”へ抱いていた純粋な気持ちは薄れ、成長するにつれて向ける感情も変化していったが―――――
「掛け替えのない存在である」。その一点においては、今も昔も……そしてこれからも変わりはしないだろう。
幼い頃には彼女が姉のように……というよりも、母のように振る舞っていた。
悲しいときも、嬉しいときも、いつも傍に寄り添ってくれていた存在であり、共に感情を分かち合うことが出来た。
今となってはその関係は逆転し、家を飛び出す際には彼女の手を引いて、“自らの意思で”“彼女とともに生きる”と決意したのだ。
正反対かつ水と油のように思える二人だが、その実両者は心の奥底で通じ合っている……サーヴァントという枠を超えた「家族」に等しい。
そういった事もあって、彼女本人をサーヴァントとは認識しておらず、彼女と融合している英霊〔ラードーン〕こそを「二人のサーヴァント」としている。
ねぼすけでのんびり屋でマイペースな彼女の手を引き、連れ出してあげている。
シイナがその決断力と好奇心で先に出て、彼女がブレーキ役として引き止める。互いに欠けている部分を補うような―――「二人で一人」とも言える関係性。
語気が強めかつ本人の振る舞いもあり、傍から見ればシイナが主導権を握っているように見えるものの、彼女の意思を何よりも尊重する。
というより、常に同じ時を過ごしてきた彼女はまさしく「半身」であって、彼女の考えは自分の考えにも等しいと……そうシイナは認識しているようである。
なので強めに出たり、強引に手を引くことはあれど、彼女が嫌がることはしないし引き留められたら食い下がる。それほどまでに彼女の事を信頼している。
呼び名は「ばらきー」。或いは「ねぼすけ」。
彼女をクラス名で呼ぶことはほとんど無く、基本的にはラードーンの事を「ライダー」と呼んでいる。
「昨日たっぷり寝たじゃん!まだ寝たりないのー?……しょうがないなあ、もー」
「これは遊びじゃないんだからね、ばらきー!アタシたちは嘗められたら終わりなんだから!」
「黄金のリンゴ……ってなに?昔、お母さんが黄金のレトルトカレーがあるとかいってたけど……その材料、とか?」
- 霧雨キョウカ
- 名古屋の知り合い。
大須商店街を住処としている関係上、何度か顔を合わせたことのある相手。
シイナにしては珍しく気を許している相手の一人で、彼女がアパートに住む以前、路上生活時代からの付き合いである。
「キョーカじゃん!いつもの場所にいないから誰かに連れてかれちゃったのかと思ったけど、アパートなんて借りたんだ。意外〜!」