ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜90 最大捕捉:1000人
キャスターと、キャスターから毒薬や媚薬を購入した者やキャスターが主催する黒ミサの参加者たちといった「顧客」の間に結ばれる魔力経路(パス)。
キャスターと顧客との念話による通信を可能にする他、持続的に顧客から魔力をキャスターに供給する。
この時、一人あたりの魔力供給量は大したものではないが、顧客の人数が増え続ければ、
マスターからの魔力供給なしでの現界すら可能となる程の魔力を得続けることができるようになる。
また、キャスターは魔力経路を通じて容易に顧客を支配したり呪殺したりことも可能だが、基本的にはそういった干渉は行おうとしない。
腕利きの魔術師であれば、顧客から魔力経路を通じてキャスターの所在を探ることもできるが、
黒魔術師らしく悪意敵意に敏感なキャスターがそれを察した場合、その顧客を即座に殺害して──具体的には、その体を毒で溢れた肉風船として炸裂させることで──追及の手を逃れようとすることだろう。
『魔女啜りしは毒婦の死灰(サンドル・ド・ブランヴィリエ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉:500人
この宝具の所有者が消滅ないし死亡した時、呼吸などによって所有者の霊基・霊魂の残滓を吸収した者に判定を行い、
成功した場合、所有者の霊魂の断片を憑依融合させ、吸収者の精神を変質させる。
具体的には、吸収者は、所有者のスキルの一つ(このキャスターの場合は道具作成)並びにこの宝具、
そして、殺人などの禁忌に対する忌避感の喪失と何故かギャル語、これらの全てもしくは一部を身につけることとなる。
キャスターはこの宝具の「所有者」であるが、同時に無自覚の「吸収者」でもあり、この宝具の存在を知ることはない。
毒婦が火刑に処された時、その穢れた灰を吸い込むことで人心が侵されるのではないかと、馬鹿馬鹿しい杞憂をする者があった。
しかし、その後果たして、花の都では毒殺が流行し、貴族を多く含んだ数百人もが魔女やその信奉者として逮捕された。
そして、魔女は毒婦同様に火刑に処され、その灰もまた空に流れることとなった。