最終更新: voice_text 2018年04月10日(火) 19:15:41履歴
概要 | |||
※死ネタ注意 | |||
公開日 | カテゴリ | 字数 | |
2017/06/11 | 全年齢男性向け | 2777字 4000字未満 | |
演者役柄 | 視聴者役柄 | 関係 | 場所 |
花屋店長 | 客 | 店員と客 | 店内 |
音声作品 | |||
-YUKI-夕季様 https://youtu.be/uakJjETYr34 |
おはようございます。
良い朝ですね。
すみません、突然声かけて。
いつも店の前、通って行きますよね。
お店の中には入らないけど、うちの花を見てくれてる。
ふふ。
気付いてました。
早くお店に来てくれないかなー
今日は珍しいの入ってるんだけどなー
って。
考えながら待ってました。
今日はもう待ちきれなくて、声かけちゃいました。
お急ぎですか?
そうですか。
良かったら今度、お店の中も見ていって下さい。
可愛い子、綺麗な子、丈夫な子、か弱い子、色んな子がいます。
あ、すごい臭い子も。
ふふ。
大丈夫です。
花は逃げません。
私、いつでもここで待ってますから。
あ、また来てくれたんですね。
こんにちは。
今日の服、格好良いですね。
おでかけですか?
これからどちらへ?
ふふ、慌てないで。
今お茶をいれます。
あ、カフェみたいなお洒落なカップやテーブルとか、期待しちゃダメですよ?
私と従業員の休憩用に使っているものですから。
私のカップでいいですか?
ちゃんと洗ってるから大丈夫です。
ふふ。
さあ、どうぞ。
まだ熱いですから、ゆっくり。
焦らずに。
時間はいくらでもあります。
ふう。
私も一緒に休憩しようかな。
いいんです。
たまには。
どこへ行こうとしていたか、忘れてしまったんですね。
そう。
そんな時もあります。
ふふっ。
おかげで私は今、大好きなお花に囲まれて、大好きな貴方と美味しいお茶を飲んでる。
私へのボランティアだと思えばいいんです。
あれ?
言ってませんでしたっけ?
そうじゃなきゃ声なんてかけません。
貴方が毎日うちの花を見ながら通りすぎていくのを、私も毎日見ていました。
誰にでもこんな事、したりできません。
だからね、いつまでもここに居てくれていいんです。
私が嬉しいから。
こんばんは。
お待ちしていました。
今日も貴方好みの花、たくさんご用意しています。
朝、昼、晩、同じ花でも環境によって違う顔を見せてくれますよ。
さあ、入って。
今、お茶をいれます。
夜は冷えるから温かいのを。
今日はどんな一日でしたか?
楽しい事はありましたか?
疲れるような事があったなら、私に当たってもいいですよ。
花には当たっちゃダメです。
あの子達、打たれ弱いですから。
自分を責めてもダメ。
私なら平気です。
貴方の事なら、悲しい顔も、怒った顔も、笑った顔も、全部知りたいから。
貴方の話なら、何でも聞きたい。
少しお疲れみたいですね。
はい、お茶どうぞ。
ゆっくり深呼吸して。
花の香りを吸い込んで。
熱いですよ。
少し冷ましてから飲んで下さい。
どうですか。
思い出せそうですか?
……そうですか。
…………ずっと見ていました。貴方を。
言いましたよね。
私には通じません。
そんな嘘。
本当はもう思い出してる。
私の事。
貴方の事。
今までの事。
これからの事。
(回想開始)
いらっしゃいませー。
あっ……
いえ、何でもありません。
何かお探しですか?
贈り物ですか?
えっ?
わ、私……ですか?
(回想終了)
貴方は、一方的に私に片想いしてたと思ってる。
あれが初対面だと思ってる。
違うの。
私もずっと、貴方を見ていた。
(回想開始)
ごめん。
明日、行けなくなっちゃった……。
本当にごめんなさい。
急に大口の仕事が入ってきて……
(従業員に向かって)
あ、違うってそれは!
そっちじゃない!
あー、もう私がやるっ。
あ、ごめん。
こっちの話。
もう電話切んなきゃ。
仕事戻る。
この忙しい時に私だけ彼氏と電話してるなんて、従業員に示しがつかないよ。
(回想終了)
あの頃の私は、自分の店を立ち上げたばかりで、自分と店の事でいっぱいだった。
ろくに説明する時間も作らないで、貴方なら分かってくれると勝手に思い込んでた。
彼氏なんだから、貴方とはいつでも会えるんだからって、後回しにしてた。
甘えてたんだね……。
分かってないのは私の方だった。
(回想開始)
何もないってば。
相談に乗ってただけだよ。
変な方に考えすぎ。
はあ……(溜息)
じゃあ私にどうしろっていうの?
従業員と口きかなきゃそれで満足?
……ごめん。
言い過ぎた。
最近ちょっと疲れてて……
ごめんなさい。
(回想終了)
一時さ、バイトの子が急に辞めて、すごい忙しくなって、ろくに会えない時期あったよね。
ばつが悪くて言えなかったけど、あの後結局、相談に乗ってた子に告白されちゃって……
勿論断ったよ!
そしたら次の日から無断欠勤。
音信不通。
あはは。
私、馬鹿だよねぇ。
貴方の言う事、もっと信じるべきだった。
ここは貴方が願った未来。
私が望んだ過去。
あの時ああしていれば良かった。
こう言えば良かった。
言い方なら他にもあったのに。
どうしてもっと話を聞いてあげられなかったんだろ。
仕事が落ち着いたら、こんな風に過ごしたい。
そんな後悔を、二人で一緒にやり直している世界。
あ、一つだけ。
現実と変わらないところもあったね。
貴方にいつも、熱いお茶を出していた事。
冷たいお茶だと一気飲みされちゃうかもしれないでしょ?
だから熱いお茶しか出さなかったの。
夏でも冬でも。
ごめんね。
気が利かない子だと思われてたかなぁ。
……少しでも貴方と、同じ場所に居たかったんだ。
さあ、もう一人でも、全部思い出せるでしょ。
(回想開始)
あ、来てたんだ。
どうしたの?
何か用事?
ごめんなさい。
今は手が放せないの。
先に言ってくれれば良かったのに。
突然来られても、何もしてあげられな……
……!!
(スピードを緩めず近付いてくる車に気付く)
(可能であれば、息を呑む演技)
危ない!!
ダメッ!!
(お好みで、車の衝突音やブレーキ音等。
入れなくても構いません)
(回想終了)
近くに飲み屋が固まっててね。
酔った客も結構通るんだ。
まあさすがに、そのまま運転するのは止めてほしいけど。
もっと早く、私の方から貴方に声をかければ良かった。
思っている事、ちゃんと全部伝えれば良かった。
貴方の事、貴方の話、もっと聞きたかった。
今度会ったら話そう。
時間ができたら話そう。
お店が軌道に乗ったら埋め合わせしたい。
そうやって、一番大切なものを放っておいた……。
バチが当たったんだね。
大丈夫。
貴方はまた、誰かを好きになれる。
貴方にはまだ時間があるから。
私としたかった事。
私とできなかった事。
その子と沢山叶えてほしい。
……悔しいよ。
本当は嫌。
忘れないでほしい。
ずっと私の事だけ考えていてほしい。
でもさ……
やっぱり私は、貴方が好きなんだ。
貴方は幸せになれる。
大丈夫。
だって、私の事こんなに幸せにしてくれたんだから。
次は貴方の番。
好きだよ。
本当に……本当に好きだった。
自信を持って。
貴方はまた、誰かに愛される。
それまで、この記憶は返してあげない。
貴方に受け入れる準備ができるまで、私の事は思い出しちゃいけないの。
……そろそろ行こっか。
もう目を開けて。
自分の足で立って。
貴方は、貴方の場所へ帰らなきゃ。
……泣かないで。
きっとまた会える。
そしたら今度は、私から貴方に声をかけるから。
約束だよ。
だから、その時まで……さよなら。
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