全文(Science. 2003)

(大意)
fMRIを使って最後通牒ゲームを行うと、不公平な要求が前島(感情に関連した領域)、背外側前頭皮質(認知に関連した領域)の活動を引き起こした。特に前島の活発化と提案拒否との関連は、感情が意思決定に重要な役割を果たすことを示唆している。

最後通牒ゲームthe ultimatum game
(ゲームと前提知識)
・提案者が(提案者$5/応答者$5)といった具合に、$10の取り分の分け前を提案する。
・応答者はその提案を受け入れるか拒否するかを決める。
・受け入れればその額通りに分配されるが、拒否されれば両者は何も得られない。
・標準的な経済学の答えは、応答者はどんな額であれ受け入れたほうがより多くのお金が得られるため、応答者への分け前を最も小さい額にとどめた提案をするというもの。
・しかし、実験によりそのような不公平な提案(応答者の分け前が20%前後の提案)は50%程度の確率で拒否されることが確認されている。

(今回の実験と主な結果)
・fMRIを使って、応答者の脳をスキャンした。
・不公平な提案($8/$2や$9/$1)では公平な提案($5/$5)と比較して、両側の前島、背外側前頭皮質(DLPFC)、前帯状皮質(ACC)の活動が活発になった。
・より不公平な提案、つまり($8/$2)よりも($9/$1)で両前島がより活発になった。
・提案者が(CPUの場合よりも)人間の場合で両前島がより活発になった。
・受諾された場合と拒否された場合で、右前島のコントラストに差が認められた。右DLPFCにコントラストの差は認められなかった。
・不公平な提案はACCをも活発化した。(ACCは認知的葛藤cognitive conflictと関連しているとされる)

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