最終更新:ID:rm2OpBYrqA 2011年11月13日(日) 21:39:38履歴
1
生粋のミミカキストである僕は、小学生の頃から大の耳掃除好きだった。
暇で困るときなどは気づくと綿棒なり耳掻きなりを手に取り、耳掃除に没頭していたのを覚えている。
しかし悲しいかな、いつも掃除していたせいなのか、それとも単に新陳代謝が悪いせいなのか不明だが、
ミミカキストの醍醐味と言える収穫物……そう、耳垢はほとんど取れなかった。
さて、僕には七つほど年の離れた妹がいる。
彼女は耳掃除にまったくと言ってよいほど関心を持っていない。
しかし、幼い頃から母が月に一度くらいの割合で耳掃除をすると、驚くほど耳垢が取れたものだった。
反比例という言葉を思い出さずにはいられない。
決して自分からはせがまなかったが、それでも施術中は
まんざらでもなさそうな表情をしていたのをよく覚えている。
最近リラックス効果だの、快感を得られる耳ケア施設やグッズの登場を
新聞の一面や、とあるHPを見ていて思い出した。
「そーいやアイツ、自分で耳掃除してんのか…?」
少なくとも妹が自分で耳掃除している様子を、僕は一度として確認していない。
母が最後に妹の耳掃除をしたのがいつだったかなど、恐らく本人すら記憶していないだろう。
ただでさえ耳に関心がないのだから。
まぁまったく手入れしていないということはないだろうが、一介のミミカキストである僕は
妹の耳の中が気にかかった。
彼女も小学校から中学、高校へと上がるにつれ、いい年をして母に耳掃除など頼む気になど
ならないだろうし、それは多分母も然り、といったところか。
それならばしょうがない。
僕はかれこれ頭に浮かべていた構想を、実行に移すことにした。
202 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:24:42 ID:LURoFUGY
2
世間では夏休みのある日、妹は珍しく居間で横になってテレビを見ていた。
幸いにも家には自分と妹の二人きりだ。
この機を逃す手はないと、僕は直前まで考えていた台詞を口の中で復唱しつつ妹に歩み寄った。
「なぁ」
「んー?」
「耳掃除、してやろうと思うんだけど?」
「……?」
用件だけを簡潔に伝えた。
寝転がったままの体勢で首だけをこちらに向けたまま、妹は「は?」という表情のまま固まっている。
それはそうだろう。
昔こそ兄妹でよく遊んだりじゃれ合ったり、当然の如くケンカもしたものだが、
お互いに年月を重ねたことで、いつの間にかそういった触れ合いの時間はなくなり、
今では必要最小限の会話のみを交わす乾いた毎日が続くばかりだったのだから。
だからこそ、最初にかける言葉には迷ったものだが…。
「…お兄ちゃんがしたいんでしょ?」
「え? …あ、あぁー、うん」
「別にいーけど、やるんだったら痛くしないでね」
どうなるのか成り行きを見守っていた僕は、妹の一言に内心ガッツポーズを取った。
僕がミミカキスト……もとい耳掃除が大好きなことを、妹は覚えていたのだろう。
(しかしそれにしたってエラくあっさりと承諾してくれたものだと、今でも思う)
用意してきたマイ耳掻きとドラッグストアで買ったローション付き綿棒、それと対「大物」用に
ピンセットのセッティングを済ませた僕は、妹を自分の膝に迎えた。
まずは右耳からだ。
203 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:27:18 ID:LURoFUGY
3
男の膝枕なんてなぁ…とも思ったが、こればかりはしょうがないし、
第一座った状態ではやりにくいし、首も疲れてくるだろう。
それに、妹も別段嫌がっている様子もなく、テレビの「いいとも」に集中している。
自分の耳ならば数えるのも馬鹿馬鹿しくなるくらいほじくってきたが、
これが他人の耳となると話しは違ってくる。
本当に今更だが、誰かの耳掃除をするのはこれが初めてだった。
少々遠慮がちに妹の耳朶をつまみ、中を覗きこむと……?
「ちょ……お前コレ、いつ掃除したぁ?」
「そんなの覚えてるわけないじゃん。 溜まってるの?」
「奥のほう、ゴッソリだぞ……始めるから、あんま動くなよ」
これまで他人の耳の中を凝視する機会などなかったせいもあったが…とりあえず
控えめに「ちょっと汚かったか?」程度の言葉でお茶を濁させて下さい(ぉ)。
僕はまず、手近な部位にある薄皮が剥がれかかったような耳垢に目をつけ、
ミッション(?)を開始した。
自分でも弱すぎるんじゃないかというぐらいの力加減で、こりこりと耳垢の摘出を進めていく。
入口付近を過ぎた辺りで、耳垢は耳の内側に集中してこびりついているとわかった。
やってみて初めてわかるのだが、一度キャプチャーした耳垢をゆっくりと剥がし、
そのまま獲物を奥に落とさないよう耳壁をつたってそぉっとズルズル運び出すのは、かなり神経を使う。
一つ一つ慎重に、そして確実に耳から掻き出していった。
「あ、そこ痒い……もっと力入れてガリガリやっていいから」
「ダメだろ。 傷でもついたら後々大変だぞ」
と言いつつ、自分でやるときは結構力を入れて掻くのだが…まぁそのことは棚に上げておく(笑)。
だが、痒いところに手が届かないもどかしさと不快感を、僕はよく知っているつもりだ。
そこで、サジの部分を今しがた通りかかった耳壁にそっとあてがい、ほとんどくすぐるような感じで
こちょこちょと掻いてやる。
204 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:28:18 ID:LURoFUGY
4
「…ほら、ここか?」
「ん〜そう……それ、すごい気持ちいいかも…」
「かもって何だよ、かもって…」
他愛のない会話をしつつ、僕は耳穴のさらに奥まった所にある箇所を見ていた。
恐らく氷山の一角であろうそれは、尻尾のような端をピラピラ覗かせつつ
底部にペッタリとくっついており、一目でこの穴の「ヌシ」であることがわかった。
果たしてアレに挑戦するべきか否か?
…少しだけ迷い、妹には「ちょっと奥やるから絶対動くなよ」とだけ伝えて、
僕は耳掻きからピンセットに持ち替えた。
金属特有のヒヤッとした感触に反応してか、ピンセットが耳穴にそろりと侵入した地点で
妹の膝が一瞬ビクンと震えたのがわかる。
僕は片目を閉じて視界を最深部に集中させ、耳掻きよりもなお細いピンセットの先端部分を
ヌシに向かって伸ばして行った。
途中で千切れたり崩壊されでもしたらたまらない。
僕はどうしても完全な状態で耳垢を摘出したかったので、端をつまんで引っ張るような真似はせず、
耳垢と耳壁の隙間にピンセットを潜り込ませて掴み、そこから少しづつ剥がしていく方向で行くことにした。
その前に、一言注意を促す。
「痛かったらちゃんと言えよ」
「うん、平気だけど…もしかして大きいやつ?」
「多分な」
それだけ聞くと、妹は閉じていた目を再び瞑って黙りこんだ。
テレビ画面を賑わせていた「いいとも」も、いつの間にやら終わっていた。
205 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:29:00 ID:LURoFUGY
5
思っていたよりも、ヌシはあっさりと取れた。
しかし今でも覚えているのが、剥がし取る最中のメリメリ〜ッとした感覚である。
作業中も内心ヒヤヒヤしながら、かといって途中でやめるわけにもいかず、
結局ほじくり出してしまったわけだが…。
「うわ…なんだコレ!?」
「見して」
「ホラ、お前の耳くそ」
「わ、こんなん入ってたの…?」
直径約1cm、長さにして約2cm強の茶色味がかったカピカピの耳垢は、
育てられたであろう妹本人に観察確認された後、テーブルに広げられたティッシュの上に
他の耳垢同様捨てられた。
大方の垢を取り終えた僕は、綿棒にローションを浸して耳の中に差し込み、仕上げに取り掛かった。
耳の中を拭うような感じでグルリと撫でて、耳掻きでは取りきれない細かなカスを取り去る。
もはや妹は何も言わず、されるがままに身を任せていた。
「…はい、終わり」
「ん〜、アリガト」
「随分溜めてたな、こりゃ」
妹は僕の膝から起き上がると、まだ余韻の残っているのか指でぐりぐりと耳の中を弄りだした。
両耳の施術を終え、改めて取れた耳垢に目をやる。
十分過ぎるほどの戦果に、ミミカキスト冥利につきるとしみじみ思った。
ふと湧き上がった欲望を抑えられなくなり、僕は耳垢をこぼさないようティッシュに包み、
そのままゴミ箱へ捨てに行くフリをして、そっとズボンのポケットに隠してしまった。
無論、後でじっくり鑑賞するためである(爆)。
それじゃと言い残し、僕は自分の部屋へと引き上げた。
206 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:29:43 ID:LURoFUGY
【余談】
「お兄ちゃん、ちょっといーい?」
ゴンゴンと襖をノックする音にビクッと反応した僕は、慌てて見ていた耳垢を包んで
机の引き出しにしまいこんだ。
あれから5.6分ほど経っただろうか?
何だろうと戸を開けてみると、妹が右耳を抑えた状態で部屋に入ってきた。
「どした?」
「なんかね、さっきからこっちの耳ジンジンすんの。 ほら、めっちゃデカイの取れた方?」
「え、マジ!?」
妹が見てくれと差し出した右耳を覗いてみると、確かに奥の方が少し赤くなっているのがわかる。
原因は例の巨大耳垢に違いあるまい。
僕は何故あの時黙っていたのか訊ねると、妹は涼しい顔で、
「だってあん時は『ベリベリベリ〜』ってスゴい音しただけで、全然痛くなんかなかったよ?」
と言うではないか。
本人が言うのだから、本当に痛みなんてなかったんだろう。
念のため患部を消毒しておくかと、僕は階下にマキロンを取りに行った。
《終》
生粋のミミカキストである僕は、小学生の頃から大の耳掃除好きだった。
暇で困るときなどは気づくと綿棒なり耳掻きなりを手に取り、耳掃除に没頭していたのを覚えている。
しかし悲しいかな、いつも掃除していたせいなのか、それとも単に新陳代謝が悪いせいなのか不明だが、
ミミカキストの醍醐味と言える収穫物……そう、耳垢はほとんど取れなかった。
さて、僕には七つほど年の離れた妹がいる。
彼女は耳掃除にまったくと言ってよいほど関心を持っていない。
しかし、幼い頃から母が月に一度くらいの割合で耳掃除をすると、驚くほど耳垢が取れたものだった。
反比例という言葉を思い出さずにはいられない。
決して自分からはせがまなかったが、それでも施術中は
まんざらでもなさそうな表情をしていたのをよく覚えている。
最近リラックス効果だの、快感を得られる耳ケア施設やグッズの登場を
新聞の一面や、とあるHPを見ていて思い出した。
「そーいやアイツ、自分で耳掃除してんのか…?」
少なくとも妹が自分で耳掃除している様子を、僕は一度として確認していない。
母が最後に妹の耳掃除をしたのがいつだったかなど、恐らく本人すら記憶していないだろう。
ただでさえ耳に関心がないのだから。
まぁまったく手入れしていないということはないだろうが、一介のミミカキストである僕は
妹の耳の中が気にかかった。
彼女も小学校から中学、高校へと上がるにつれ、いい年をして母に耳掃除など頼む気になど
ならないだろうし、それは多分母も然り、といったところか。
それならばしょうがない。
僕はかれこれ頭に浮かべていた構想を、実行に移すことにした。
202 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:24:42 ID:LURoFUGY
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世間では夏休みのある日、妹は珍しく居間で横になってテレビを見ていた。
幸いにも家には自分と妹の二人きりだ。
この機を逃す手はないと、僕は直前まで考えていた台詞を口の中で復唱しつつ妹に歩み寄った。
「なぁ」
「んー?」
「耳掃除、してやろうと思うんだけど?」
「……?」
用件だけを簡潔に伝えた。
寝転がったままの体勢で首だけをこちらに向けたまま、妹は「は?」という表情のまま固まっている。
それはそうだろう。
昔こそ兄妹でよく遊んだりじゃれ合ったり、当然の如くケンカもしたものだが、
お互いに年月を重ねたことで、いつの間にかそういった触れ合いの時間はなくなり、
今では必要最小限の会話のみを交わす乾いた毎日が続くばかりだったのだから。
だからこそ、最初にかける言葉には迷ったものだが…。
「…お兄ちゃんがしたいんでしょ?」
「え? …あ、あぁー、うん」
「別にいーけど、やるんだったら痛くしないでね」
どうなるのか成り行きを見守っていた僕は、妹の一言に内心ガッツポーズを取った。
僕がミミカキスト……もとい耳掃除が大好きなことを、妹は覚えていたのだろう。
(しかしそれにしたってエラくあっさりと承諾してくれたものだと、今でも思う)
用意してきたマイ耳掻きとドラッグストアで買ったローション付き綿棒、それと対「大物」用に
ピンセットのセッティングを済ませた僕は、妹を自分の膝に迎えた。
まずは右耳からだ。
203 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:27:18 ID:LURoFUGY
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男の膝枕なんてなぁ…とも思ったが、こればかりはしょうがないし、
第一座った状態ではやりにくいし、首も疲れてくるだろう。
それに、妹も別段嫌がっている様子もなく、テレビの「いいとも」に集中している。
自分の耳ならば数えるのも馬鹿馬鹿しくなるくらいほじくってきたが、
これが他人の耳となると話しは違ってくる。
本当に今更だが、誰かの耳掃除をするのはこれが初めてだった。
少々遠慮がちに妹の耳朶をつまみ、中を覗きこむと……?
「ちょ……お前コレ、いつ掃除したぁ?」
「そんなの覚えてるわけないじゃん。 溜まってるの?」
「奥のほう、ゴッソリだぞ……始めるから、あんま動くなよ」
これまで他人の耳の中を凝視する機会などなかったせいもあったが…とりあえず
控えめに「ちょっと汚かったか?」程度の言葉でお茶を濁させて下さい(ぉ)。
僕はまず、手近な部位にある薄皮が剥がれかかったような耳垢に目をつけ、
ミッション(?)を開始した。
自分でも弱すぎるんじゃないかというぐらいの力加減で、こりこりと耳垢の摘出を進めていく。
入口付近を過ぎた辺りで、耳垢は耳の内側に集中してこびりついているとわかった。
やってみて初めてわかるのだが、一度キャプチャーした耳垢をゆっくりと剥がし、
そのまま獲物を奥に落とさないよう耳壁をつたってそぉっとズルズル運び出すのは、かなり神経を使う。
一つ一つ慎重に、そして確実に耳から掻き出していった。
「あ、そこ痒い……もっと力入れてガリガリやっていいから」
「ダメだろ。 傷でもついたら後々大変だぞ」
と言いつつ、自分でやるときは結構力を入れて掻くのだが…まぁそのことは棚に上げておく(笑)。
だが、痒いところに手が届かないもどかしさと不快感を、僕はよく知っているつもりだ。
そこで、サジの部分を今しがた通りかかった耳壁にそっとあてがい、ほとんどくすぐるような感じで
こちょこちょと掻いてやる。
204 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:28:18 ID:LURoFUGY
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「…ほら、ここか?」
「ん〜そう……それ、すごい気持ちいいかも…」
「かもって何だよ、かもって…」
他愛のない会話をしつつ、僕は耳穴のさらに奥まった所にある箇所を見ていた。
恐らく氷山の一角であろうそれは、尻尾のような端をピラピラ覗かせつつ
底部にペッタリとくっついており、一目でこの穴の「ヌシ」であることがわかった。
果たしてアレに挑戦するべきか否か?
…少しだけ迷い、妹には「ちょっと奥やるから絶対動くなよ」とだけ伝えて、
僕は耳掻きからピンセットに持ち替えた。
金属特有のヒヤッとした感触に反応してか、ピンセットが耳穴にそろりと侵入した地点で
妹の膝が一瞬ビクンと震えたのがわかる。
僕は片目を閉じて視界を最深部に集中させ、耳掻きよりもなお細いピンセットの先端部分を
ヌシに向かって伸ばして行った。
途中で千切れたり崩壊されでもしたらたまらない。
僕はどうしても完全な状態で耳垢を摘出したかったので、端をつまんで引っ張るような真似はせず、
耳垢と耳壁の隙間にピンセットを潜り込ませて掴み、そこから少しづつ剥がしていく方向で行くことにした。
その前に、一言注意を促す。
「痛かったらちゃんと言えよ」
「うん、平気だけど…もしかして大きいやつ?」
「多分な」
それだけ聞くと、妹は閉じていた目を再び瞑って黙りこんだ。
テレビ画面を賑わせていた「いいとも」も、いつの間にやら終わっていた。
205 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:29:00 ID:LURoFUGY
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思っていたよりも、ヌシはあっさりと取れた。
しかし今でも覚えているのが、剥がし取る最中のメリメリ〜ッとした感覚である。
作業中も内心ヒヤヒヤしながら、かといって途中でやめるわけにもいかず、
結局ほじくり出してしまったわけだが…。
「うわ…なんだコレ!?」
「見して」
「ホラ、お前の耳くそ」
「わ、こんなん入ってたの…?」
直径約1cm、長さにして約2cm強の茶色味がかったカピカピの耳垢は、
育てられたであろう妹本人に観察確認された後、テーブルに広げられたティッシュの上に
他の耳垢同様捨てられた。
大方の垢を取り終えた僕は、綿棒にローションを浸して耳の中に差し込み、仕上げに取り掛かった。
耳の中を拭うような感じでグルリと撫でて、耳掻きでは取りきれない細かなカスを取り去る。
もはや妹は何も言わず、されるがままに身を任せていた。
「…はい、終わり」
「ん〜、アリガト」
「随分溜めてたな、こりゃ」
妹は僕の膝から起き上がると、まだ余韻の残っているのか指でぐりぐりと耳の中を弄りだした。
両耳の施術を終え、改めて取れた耳垢に目をやる。
十分過ぎるほどの戦果に、ミミカキスト冥利につきるとしみじみ思った。
ふと湧き上がった欲望を抑えられなくなり、僕は耳垢をこぼさないようティッシュに包み、
そのままゴミ箱へ捨てに行くフリをして、そっとズボンのポケットに隠してしまった。
無論、後でじっくり鑑賞するためである(爆)。
それじゃと言い残し、僕は自分の部屋へと引き上げた。
206 :病弱名無しさん [sage] :2006/04/17(月) 13:29:43 ID:LURoFUGY
【余談】
「お兄ちゃん、ちょっといーい?」
ゴンゴンと襖をノックする音にビクッと反応した僕は、慌てて見ていた耳垢を包んで
机の引き出しにしまいこんだ。
あれから5.6分ほど経っただろうか?
何だろうと戸を開けてみると、妹が右耳を抑えた状態で部屋に入ってきた。
「どした?」
「なんかね、さっきからこっちの耳ジンジンすんの。 ほら、めっちゃデカイの取れた方?」
「え、マジ!?」
妹が見てくれと差し出した右耳を覗いてみると、確かに奥の方が少し赤くなっているのがわかる。
原因は例の巨大耳垢に違いあるまい。
僕は何故あの時黙っていたのか訊ねると、妹は涼しい顔で、
「だってあん時は『ベリベリベリ〜』ってスゴい音しただけで、全然痛くなんかなかったよ?」
と言うではないか。
本人が言うのだから、本当に痛みなんてなかったんだろう。
念のため患部を消毒しておくかと、僕は階下にマキロンを取りに行った。
《終》
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このページへのコメント
この耳掃除を機に兄妹の心の距離も縮まったでしょうね…
妹さんは、この日から定期的に耳掃除してもらってそう…
この妹は、どこに売ってますか?
この妹さんは幸せ者だと思います。
私なんて、してくれる家族はいないし(皆、自分の耳を触られたりいじくられるのが嫌いだし人の耳も掃除したがらないので幼稚園の頃は「自分でやれ」と綿棒渡された・・・。)この、お兄さんがミミカキストというのもうらやましいです。
心底、仲がよくお互いを信頼しているんでしょうね。
カスカスコシコシ、カサコソ、ホロッ
新聞紙の上で、ポロポロ落ちる。
まとめると、かさぶたのあつまり・・・
ゴミ箱に捨てるとぱらぱらと音を立てる・・ああ快感
これは保存し損ねた奴だ
ありがとう
しかし羨ましい兄妹だ…