サンダミオンは実は単独の英雄ではなく、サンディとミオンという二人の神に匹敵する人間が、双子の月に従うか否かで仲違いを起こし、争いの末に両者消滅したというもの。人間にとって恥ずべき歴史であるため、サンダミオンという一人の英雄をでっち上げ、歴史の改ざんを行った。
そして現在になって、サンディの転生体である<教主>ルナリスが、アンディとメノアを元に<月に至る子>の人造人間として作られて復活。双月信仰の異端者たちを抱き込んで再結集を図る。彼の目的は、後からのこのことやってきて、恩を売りつつ自分たちを崇めさせようとする双子の月(これはサンディの主観による邪推の可能性が高い)を追い出し、サンディとミオンの双面を持つ唯一神として人間たちの頂点として君臨しようというもの。だが、ルナリスのあまりに個人主観的な選民思想(役に立つ人物は残し、役に立たないクズは生贄にする)に胡散臭さを感じたミオンの転生体(リプレイの主人公)以下、かつてのリプレイの主役たち(アンディやヤンの仲間たち)と、<結社>の残党(プリシラやドワーフ女王デボル閣下など)の協力により、サンディは敗北する。幹部のごく一部を残し、教団も自然崩壊となった。
注意してほしいのだが、サンディとミオンは双子の月の神ではなく、月を追い出して自分たちが人の神になろうとしたということ。つまりこの二人は双子の月ですらなく、実際に双子の月の追放を行っていたとしたら、何色の月になる予定だったのかは定かではない(異端の双月信仰者を抱き込んだり、神話時代の人間たちの性向(彷徨いの月信仰の時代は紫の波長に惹かれていた)から考慮すると紫の月だろうか?)。
以上はルナル・サーガ最後のリプレイとなる「月に至る子」よりの引用である。