鬼ケ島と呼ばれる小島に暮らす、人類とは異なる進化を遂げた種族。赤・青などカラフルな体色と、頭の角が特徴。一族に共通して腕力が強く、通常の人間では束になっても歯が立たない。
力に物を言わせて理不尽に略奪を働く野蛮種族と思われていたが、物語終盤で哀しい過去が明らかになる。
大将 魔刹(たいしょう ませつ)
声 -
座木踏彦 、子供時代 -
緒高美絵/ 演 -
市町悪親
鬼一族のボスにして鬼の大将。数百年に渡って島の外に出ることのなかった鬼達を率いて村を襲い、住民を皆殺しにした。その強さと冷酷さは、人類は元より仲間の鬼達からも恐れられているが、仲間思いで情に熱い一面があり、側近の鬼達からは崇拝されている。人類を襲う際、女子供は決して襲わないというポリシーを持ち、母親の目の前で子供を殺そうとした部下を自ら処刑したこともある。
角の数は1本。アニメ版での体の色は緑色で、一人称は「我」。
戦闘能力は非常に高く、犬・猿・雉の同時攻撃をものともせず
金棒の一撃で戦闘不能に追いやっている。アニメ版では2段階の形態変化能力を身に着けており、
第2形態では、脚部が太く・腹部にもう一つの顔が出来るなど厳つい見た目だが、最終形態では余計な器官が取り除かれ、シンプルでスマートな姿へと変化する。
アニメ版監督の海苔巻は、某人気漫画にあやかったと語っている。
[4]
最期は過去の誤解を悟った上で尚、桃太郎に一騎打ちを挑み、桃太郎の渾身の一撃を受けるも立ち上がり、鬼達の繁栄を願いながら崖から転落して爆死するという壮絶な死を遂げた。
{実写版ではアニメ同様形態変化を行っており、
CGではなく
スーツで再現された。その
着ぐるみは非常に重く、演じる市町は演技に苦労したという。
[5]
中将 無魔(ちゅうしょう むま)
声 -
上尾流星 、 / 演 -
太川茂木
鬼の大将の側近で、鬼一族の副官的存在。冷静且つ知的な言動をとる。魔刹からの信頼は厚く、島の外へ攻め入る際の戦略も彼が練っている。他の鬼と比べスマートな体系。角の数は2本。アニメ版での体の色は紫。一人称は「某(それがし)」。
魔刹への忠義は猟奇的と呼べる程で、一人きりの時は魔刹を想い悦に浸っている。その余りの忠義故に、終盤、過去の真実を知り動揺した魔刹を見て"自分の理想とする姿ではない"と考え暴走してしまう。最期は、犬・猿・雉が命と引き換えに放った渾身の一撃を受け、魔刹を思いながら死亡した。
実写映画版では、より猟奇的な一面が強調されている。作者曰く、真の
ラスボス。
[6]
小将 酒拏無(しょうしょう しゅてむ)
声 -
埼玉繁 / 演 -
坂下不忍
鬼の大将の側近。お調子者だが、残虐な性格。魔刹には媚び諂い、部下には厳しく接する。無魔には秘かにライバル心を燃やしている。角の数は2本。アニメ版での体の色は黄色。一人称は「おれさま」。魔刹と会話するときは「わたくしめ」。
他の鬼と比べて非常に体が大きく、腕力も強い。桃太郎の桃切も片手で防ぐなど驚異的な実力を誇り、桃太郎一味を苦しめたが、暴走した無魔に後ろから角で貫かれ死亡した。
アニメ版では、猿と負けず劣らずアドリブが多い。終盤での猿・雉vs小将の戦闘シーンでは、二人(山田と埼玉)が台本にない台詞ばかりしゃべるので大変だったと雉役の飛多は語っている。
(最終的には飛多もアドリブを連発している。)
[7]
一般の鬼(雑鬼)
声 -
藤原刑事
鬼の大将、中翔、小将の部下にあたる鬼達。三人の命令に忠実で、村を襲ったり、桃太郎一味との戦いに参加した。
概ね似たような姿をしているが、体の大きさ・体格・表情等に個人差がある。設定上、鬼ケ島には100人程度の鬼が生息しているらしい。戦闘には参加していないが、まれに女性・子供・老人と思わしき姿の鬼も存在する他、
一部シーンで登場する鬼のデザインはアニメスタッフが元になっている。
[8]体の色は赤・青が一般的で、酒拏無に率いられている者たちは黄土色をしている。角の数は3〜5本。角が多いほど階級が低い。
人間と比べ、強靭な肉体を持つが、桃太郎一味には歯が立たず、いわゆる「
戦闘員」的なポジションに留まっている。
鬼の門番
鬼ケ島の東西南北四カ所にある「門」(船着き場にあたる)を警護している四人の鬼。一般の鬼の中では上位の役職。角の数は3本。作中には南の門番のみ登場。
血丹坊(ちたんぼう)
声 −
若本穴子/演 -
辺見松賢治
南の門番。酒拏無をさらに上回る巨体で、上陸した桃太郎一味の最初の敵として立ちはだかったが、桃丸の真の力を引き出した桃太郎の前に一撃で倒される。巨大なナタ状の武器を使う。
最弱の鬼
声/演 -中田卓人(
ガンバールズ)
角が200本生えている鬼ケ島で最も地位も実力も低い鬼。桃太郎一味に立ち向かうも一蹴される。
尚、アニメ版で声優初挑戦となった中田の演技を亀子監督が気に入り、実写映画でも同じく中田が演じることとなった。
[9]
鬼の長老
声 -
赤野武/演 -
小低洋夫
800歳を越える老人。桃太郎の襲撃や無魔の暴走を予知する、魔刹の力を最大限まで引き出す等、特殊な力が備わっている。先代の鬼の大将であったことが終盤で明かされ、過去の哀しい真実を桃太郎と魔刹に語る。最期は崩れゆく鬼ケ島と運命を共にし、海中深くへと消えていった。