野生の王国』(やせいのおうこく)は、1963年12月12日から1990年9月23日まで、日本の毎日放送(MBS)をはじめ国内の地上テレビ各局で放映されたドキュメンタリー番組・教養番組である。MBSと東北新社の制作(末期はMBSの完全自社制作)。全1050回放送。のちに、CSでもスカイパーフェクTV!のテレ朝チャンネル2にて放送。

番組内容

世界各地の動物の生態系について映像とナレーション、専門家の解説を交えて紹介した。
当初はアメリカ合衆国の動物学者、マーリン・パーキンスの製作・出演により、同国NBCで放映された動物番組『Wild Kingdom』(1963年 - 1988年)の日本語版として放送が始まり、初期はオリジナルのフィルムを使用しドキュメンタリー部分の前後に登場するパーキンスによる司会の吹き替えも声優の浦野光(のちに八木治郎)が行う形を取っていたが、次第に独自製作に移行。オリジナルや国産の映像にくわえてディスカバリーチャンネルやBBCなどヨーロッパ各局や国内各プロダクション製作による映像も盛んに紹介するようになる。中期にはナレーターの八木と上野動物園の名園長であった古賀忠道(監修者)ら動物の専門家との対談によって動物を解説し、この様式は八木の急逝後も踏襲された。
最末期では毎週芸能人がリポーターを務め、1990年9月21日放送の「ヒトと動物の共生は可能なのか?」をもって26年9か月間の歴史に幕を閉じた。

放映データ(系列外の番販局を除く)

1963年 - 1975年(一時除く)

  • 1963年12月 - 1965年4月1日
  • 1965年10月7日 - 1967年10月19日
  • 1968年7月4日 - 1968年10月17日
  • 1971年4月 - 1975年9月
  • MBS(制作局)・NET系列各局(広島ホームテレビ(UHT)を除く)…木曜 19:30 - 20:00
  • UHT…遅れネットで放送(1970年12月から。1975年頃は土曜 17:00 - 17:30に2日遅れで放送。上述の時間は日本テレビ系の番組(木曜スペシャルなど)を放送。編成により一時的に中国放送(RCC - TBS系)へ移譲されることもあった)
1968年10月24日から一時休止し、同じ住友グループ提供枠で『ランデブークイズ・ペアでハッスル』が放送された( - 1971年3月25日)。
NET→テレビ朝日系列単独加盟局は1980年代までは1桁台で、大半の地域がクロスネット局または系列外局での番販放送だった。

1975年 - 1990年(一時除く)

  • 1975年10月 - 1978年3月
  • 1978年4月 - 1990年9月
  • MBS(制作局)・テレビ朝日系…木曜19:30 - 20:00( - 1986年3月)→日曜10:30 - 11:00(1986年4月 - 1989年3月)→日曜9:30 - 10:00(1989年4月 - 1990年9月)
1979年10月4日から一時休止し、同枠でテレビアニメ『こぐまのミーシャ』が放送された( - 1980年4月3日)。

ネット局

  • 毎日放送(制作局)
  • NETテレビ→テレビ朝日
  • 北海道放送→北海道テレビ
  • 青森放送→青森テレビ→青森放送
  • 秋田放送
  • 宮城テレビ→東日本放送
  • 山形放送
  • 福島テレビ→福島中央テレビ→福島放送
  • 新潟テレビ21
  • 北日本放送
  • 北陸放送
  • 山梨放送
  • 静岡けんみんテレビ
  • 信越放送→長野放送→テレビ信州
  • 中部日本放送→名古屋テレビ
  • 日本海テレビ
  • 山陽放送→テレビ岡山→瀬戸内海放送
  • 中国放送→広島ホームテレビ
  • 四国放送
  • 西日本放送→瀬戸内海放送
  • 南海放送→テレビ愛媛
  • 九州朝日放送
  • 長崎放送→長崎文化放送
  • 熊本放送→熊本朝日放送
  • 大分放送
  • テレビ宮崎
  • 鹿児島放送
  • 沖縄テレビ

主題歌

歴代オープニングテーマ

  • 初代テーマ曲(作曲:宇野正寛 歌:シンガーズ・スリー。1963年12月 - 1984年9月)
  • ※CD「ブロードキャスト・トラックス 毎日放送編」にも収録されている(発売:ウルトラ・ヴァイヴ)
  • 2代目テーマ曲「Children Of The Universe」(碧い星の子供たち)(作詞・歌:リンダ・ヘンリック、作曲:田中章、編曲:渡辺俊幸、発売:ワーナー・パイオニア。1984年10月 - 1986年9月)
  • 3代目テーマ曲「愛のシンフォニー」(作詞・作曲:羽岡仁 歌:羽岡仁。発売:ポリドール。1986年10月 - 1990年3月)
  • 4代目テーマ曲「地上絵」(作詞・作曲: 小暮伝衛門 / 編曲: 松崎雄一 歌:小暮伝衛門。発売:CBSソニー。1990年4月 - 1990年9月)

ナレーター

  • 初代 浦野光(1963年 - 1968年)
  • 2代目 八木治郎(1971年 - 1983年) - 1983年4月18日に死去した後も、6月上旬までは事前収録されていたものが放送された。ただし、八木の逝去のテロップが流れていた。
  • 3代目 小池清(当時MBSアナウンサー。八木の急逝に伴い、1983年6月下旬放送分から1984年9月まで担当)
  • 4代目 寺田農 - 本編のナレーション、シリアスな語り口だった。
  • 見城美枝子 - 専門家の解説のときのインタビュアー、次回予告ナレーターも担当。

取り上げた生物・地域などと、価値観

世界各地に及ぶ。オープニングではアフリカのサバンナが描かれ本編でもしばしば取り上げられた(一般の視聴者の関心は主にこの方面に集中した)が、他にもヨーロッパやアメリカ大陸なども扱われた。日本についても、北海道のヒグマの生態が扱われた事例がある。反面、BBCの製作になるイギリスの人間生活に身近な昆虫などを主なテーマにした映像を除くと海洋生物や無脊椎動物はあまり扱われなかった。海洋生物に関しては、同時期の日本テレビ系のネットで放送されていたドキュメンタリー番組の『驚異の世界・ノンフィクションアワー』にてジャック=イヴ・クストー製作の海洋生物ものの映像が目玉として頻繁に取り上げられていた。
価値観としては終始自然保護・動物愛護の精神がナレーションなどで語られているが、初期には草食動物の視点に立ったナレーションが多かったが、後期には肉食動物の視点に立つようになるなど途中で価値観が変わったものも多い。終末期には動物番組における伝統的なやらせ問題を糾弾した海外フィルムを紹介したこともあり、そのときはオリジナル番組であった "Wild Kingdom" やその司会者であったパーキンスが俎上に上げられる場面までが放送された。オープニングテーマも、それまでの動物愛・家族愛を謳った物から『地上絵』では環境問題・絶滅問題が主題になっている。

スポンサー

一時期NECグループの単独提供として「NECアワー」という冠サブタイトルを付けて放送していたものの、1990年頃からは筆頭スポンサーであるNECが撤退し、最終回まで複数社提供で提供していた。

毎日放送制作・NET→テレビ朝日系列 木曜19:30 - 20:00
前番組番組名次番組
戦国大統領野生の王国
(1963年12月 - 1965年4月)
ウルトラ2等兵
ウルトラ2等兵野生の王国
(1965年10月 - 1967年10月)
世界の日本人
ミュージックトップショー野生の王国
(1968年7月 - 1968年10月)
ランデブークイズ・ペアでハッスル
ランデブークイズ・ペアでハッスル野生の王国
(1971年4月 - 1975年9月)
【ここまで毎日放送制作枠】
木曜スター対抗戦
【ここからNET制作枠】
全日本選抜ちびっこものまね歌合戦!
(水曜 19:00 - 19:30に移動)
【ここまでテレビ朝日制作枠】
野生の王国
(1978年4月 - 1979年9月)
【本番組から毎日放送制作枠】
こぐまのミーシャ
こぐまのミーシャ野生の王国
(1980年4月 - 1986年3月)
【ここまで毎日放送制作枠】
さんまのゴメンねわがままで
【ここからテレビ朝日制作枠】
毎日放送制作・テレビ朝日系列 日曜10:30 - 11:00
かわいい魔女ジニー野生の王国
(1986年4月 - 1989年3月)
【ここまで毎日放送単独制作枠】
サンデープロジェクト
※10:00 - 11:45
【ここからテレビ朝日・毎日放送共同制作枠】
毎日放送制作・テレビ朝日系列 日曜9:30 - 10:00
機動刑事ジバン
(日曜 8:00 - 8:30に移動)
【ここまでテレビ朝日制作枠】
野生の王国
(1989年4月 - 1990年9月)
【ここまで毎日放送制作枠】
三丁目の夕日
毎日放送 土曜18:00 - 18:30
夫婦合戦!見合って見合って!野生の王国
(1975年10月 - 1978年3月)
【ここから毎日放送制作枠】
NETテレビ→テレビ朝日 日曜16:00 - 16:30
野生の王国
(1975年10月 - 1978年3月)
【ここから毎日放送制作枠】
映画枠
※16:00 - 17:25
【ここからテレビ朝日制作枠】

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