深夜特急』(しんやとっきゅう)は、作家・沢木耕太郎による紀行小説である。
産経新聞に途中まで連載された後、1986年5月に1巻・2巻(第1便・第2便と称す)が、1992年10月に最終巻(第3便)が新潮社から刊行された。また、新潮文庫からは6冊に分冊化される形で文庫本として出版されている。

テレビドラマ

概要

1996年 - 1998年には、『劇的紀行 深夜特急』として、名古屋テレビ制作・日本テレビ系列でテレビドラマ化。
これは、名古屋テレビ開局35周年記念番組として企画されたもので、ドキュメンタリーとドラマを複合させるという試みで、1996年から1998年にかけて一年ごとにドラマ制作と放映が行われたもので全3部作で構成される。主演は大沢たかお。主題歌は井上陽水の「積み荷のない船」。
主人公として若き日の沢木耕太郎を大沢が演じているが、ドキュメンタリーの要素を併せ持ったドラマとなっており、時代設定はドラマが撮影された1996年から1998年にかけてとなっているため「劇的紀行 深夜特急'96〜熱風アジア編〜」の中では香港がまもなく中国に返還されることが触れられている(香港は当時イギリス領で1997年の中国返還前であった)。また、「劇的紀行 深夜特急'98〜飛光よ!ヨーロッパ編〜」には日本人画家・千葉郁世がそのまま「千葉」として出演するなど、各回のドラマの本編最後には原作をもとにしたフィクションではあるものの一部実在の人物・団体の名称を使用していることが表示されている。2000年に東宝よりVHSソフト化(全3巻)され、各巻の特典映像として「おまけ 深夜特急 撮影ノート」が収録されている(ただし、表示される通貨やレートなどは収録時点でのものとなっており、また、ユーロ圏においても通貨統合前のフランやペセタなどの通貨単位で表示されている)。2002年3月20日にはソニー・ミュージックディストリビューションより、3枚組のDVDが発売されており、こちらは特典映像として沢木耕太郎のインタビューが収録されている。
なお、「劇的紀行 深夜特急」はチャンネルNECOやファミリー劇場でも放送された。

作品データ

  • 劇的紀行 深夜特急'96〜熱風アジア編〜
  • 放送日:1996年12月6日
  • 主な出演:大沢たかお、松嶋菜々子(声の出演)、キャシー・チャウ(中国語版)(周海媚)、そめやゆきこ、三田村周三ほか
  • タイトル(VHS):『劇的紀行 深夜特急 完全版 第1便』
  • タイトル(DVD):『劇的紀行 深夜特急 第一便・熱風アジア編』
  • 日本民間放送連盟賞ドラマ部門 最優秀賞受賞
  • 行程
    • 新東京国際空港(成田空港) − (空路) − 香港 − 深圳 − 香港 − (空路) − バンコク(ドンムアン空港) − チュンポーン − スラタニー − ハジャイ − パダンブサール − バターワース - ペナン島 − バターワース − クアラルンプール − マラッカ − シンガポール − (急行列車) − カルカッタ
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合バスだけでいけるか友人と賭けをした主人公(僕)は、旅行代理店で香港に格安航空券が集まることを知り、まず香港へと飛び立つ。初めての海外に胸を躍らせ、香港の熱気に魅せられるが、長居しすぎたことに気づき、-急いで香港からタイ王国・バンコクへ。列車でマレー半島を南下してマレーシア、シンガポール、そして未知なるインドへ。

劇的紀行 深夜特急'97〜西へ!ユーラシア編〜

  • 放送日:1997年7月4日
  • 主な出演:大沢たかお、渡辺哲、松嶋菜々子
  • タイトル(VHS):『劇的紀行 深夜特急 完全版 第2便』
  • タイトル(DVD):『劇的紀行 深夜特急 第二便・西へ!ユーラシア編』
  • 第35回ギャラクシー賞優秀賞受賞
  • 行程
    • カルカッタ − カトマンズ − ビルガンジ − ラクソール − ハジャプール − パトナ − ベナレス − サトナ − カジュラーホー − ジャーンシー − デリー − アムリトサル − ワガー − ラホール − ラワルピンディ − ペシャワール − カイバル・エージェンシー(アフガニスタンの通過を断念) − ラホール − ムルターン − サッカル − クエッタ − クイ・タフタン − サヒダン − アルゲバム − ケルマン − シラーズ − イスファハン − テヘラン − エルズルム
  • ネパール・カトマンズを発った主人公(僕)は、神秘のインドへ戻り、ガンジス川に身をゆだねる。さらに西走し、最初の目的地デリーにたどり着く。そこで日本人の中年男性と知り合い、共に旅を続けた。アフガニスタンの厳しさを目にし、乗合バスでパキスタンから砂漠を越えてイランへ。アルゲバム遺跡を目にした中年男性は突然帰国すると言い出す。彼から一冊の本を手渡されたが、そこに挟まれた200ドルに気づく。様々な出会いを胸に刻み、アジアの果て、トルコを目指す。
劇的紀行 深夜特急'98〜飛光よ!ヨーロッパ編〜
  • 放送日:1998年1月9日
  • 主な出演:大沢たかお、松嶋菜々子、千葉郁世
  • タイトル(VHS):『劇的紀行 深夜特急 完全版 第3便』
  • タイトル(DVD):『劇的紀行 深夜特急 第三便・飛光よ!ヨーロッパ編』
  • 行程
    • エルズルム − トラブゾン − サムソン − アンカラ − イスタンブル − テッサロニキ − アテネ − トリポリ − スパルタ − ミストラ − スパルタ − トリポリ − オリンピア − パトラス − (海路) − ブリンディジ − ローマ − モナコ − ニース − カンヌ − マルセイユ − バルセロナ − バレンシア − マラガ − ジブラルタル(イギリス領) − セビリア − アヤモンテ − サントアントーニオ − サグレス − サン・ヴィセンテ岬(ヨーロッパ最西端) − ロンドン
  • トルコに入った主人公(僕)は、ボスポラス海峡をわたってアジアからヨーロッパに移る。ギリシャからアドリア海を渡り、イタリア、モナコ、フランス、スペインを地中海沿いに走る。ジブラルタルでアフリカ大陸を眺めると、旅の最終地ポルトガルのサン・ヴィセンテ岬を目指す。そしてゴールであるロンドンへ。しかし、郵便局で待ち受けていたのは…

スタッフ

  • 原作:沢木耕太郎『深夜特急』(新潮文庫)
  • 脚本:水谷龍二
  • 企画・構成:源高志
  • 音楽:ボブ佐久間
  • 主題歌:井上陽水「積荷のない船」
  • プロデューサー:松本国昭、松嶋俊輔、猪原達三、水口みゆき、小野鉄二郎(1998年)
  • 演出:小野鉄二郎(1996年、1997年)、竹村謙太郎(1998年)
  • 制作:名古屋テレビ、電通、KANOX

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

どなたでも編集できます