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タグ検索でヴァジンバは8件見つかりました。
角笛
春も終わりに近づくある日の午後。私はアランを引き連れて学園の庭の隅にある、一際大きな樫の木陰にいた。涼やかな気持ちの良い風が芝生を吹き抜けていく中、そこに腰を下ろして大きく寝そべる。背中に感じるひんやりとした草の感触と、辺りに香る緑色の香り。授業も予定も何もない平日の昼下がり、私はいつもこうしてゆったりと午睡を満喫していた。 「ふぁ、ぁ…相変わらずいい場所ねここ。一年前から変わってないし、人もろくに来ないしで静かだわ」 「校内にこんな場所があったなんて、全く気が付かなかったよ、アリス」 「誰にも言ってな…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年04月23日更新
小角鹿
た。本当に申し訳ありません。これから先もヴァジンバにて、叔父様が更にご活躍されること、また日々平穏に幸福に過ごされることを心から願っています。 母国アゼルスタン、故郷ハイランドより心からの愛を込めて。 2022年8月10日 アリス・ロバート・ダン・エリクソン 手紙を書き終えた私は窓から見える星空を眺めながら、便箋を封筒に入れて蝋で印璽を捺した。国際郵便を送るのは初めてではないが、やはり不安にはなるもので、何度も何度も住所や切手を確認してしまう。 ヴァジンバ王国、ラランブー。聞き覚えのない…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年04月09日更新
ヴァジンバ王国
18f7c47f2.png)| |国名|ヴァジンバ王国(リベルタリア王国)| |国歌|神々よ、国王と我が国を守り給え| |首都|[[ラランブー]]| |指導者|[[ラダマ12世]]アドリアノ| |人口|360万人位(離島を含めると370万前後)| |経済力|中堅| |一人あたり経済力|貧困| |軍事力|弱小| |通貨|米・リベルタリア=フローリン| ヴァジンバ王国は、世界第4位の大きさを持つ島リベルタリア島と、その周辺の小島嶼群で構成される絶対君主制国家。別名リベルタリア王国(諸外国からはこの名前で呼ば…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年04月03日更新
一角
夜。欧州最大の都市であるロンドンのど真ん中でありながら、アルターズゲートの敷地は嘘の様に静まり返っている。外の世界の喧騒は広く深い学園の森に遮られ、生徒達の寝起きする学寮には届いてこないのである。 一日の予定を全て消化した私は、いつもの様に夕食を共にしてアランと別れ、セント・マーガレット寮に戻ってきた。 「ただいまー」 「あ!お帰りなさいアリス様!」 私が扉を開けるとベッドからふわふわとした赤毛のリスの様な少女ーエヴァが立ち上がって、温かく私を迎えてくれた。膨らんだ頬は微かに赤みを帯びていて、細めら…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年04月11日更新
オーヴァー・ドーヴァー
と封蝋のセット……後は取り寄せてもらったヴァジンバ語の辞書が一冊。たったこれだけだった。 「アリス、待ってたよ!」 「アラン、まさかずっと校門で待ってたの?」 「そりゃね。君と同じクラスに入れるのが嬉しくってさ」 ハイランド時代からの私の友人、アラン・カーターはにっこりとあの幼なげで人好きのする笑みを浮かべた。いつまでも無垢な彼の心に嫉妬しているのか、私は妙にこの笑みが気に障った。……といっても、その親愛が私に向いていることを心から嬉しく思う自分もいるのだが。 「荷物持つよ。学寮まで案内するから」 「女…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年04月08日更新
迷い人
ある雨季の日の深夜。ヴァジンバ王国の首都ラランブーは、降り続く雨の中珍しい晴れ間を見せていた。何日もの間大きな雲で蓋をされていた街であったが、この日は不思議なことにそれが取り去られ、久方ぶりに月と星の姿を眺めることができた。 都の北側、最も高い丘の斜面に造られた王宮の一角でリリアは一人黙々と書類に向かっていた。十六歳のこの真っ白な王女には、その幼さに似合わぬ重責が掛かっているのである。 「リリア様、よろしいですか」 「…ヤール。こんな夜更けにどうしたの」 「お夜食をお持ちしました」 彼女が昔からの従…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年04月04日更新
南海の白百合
。その地を今から二百六十年程前に統一したヴァジンバ王国は、長きに渡る鎖国体制によって天下泰平の時代を謳歌していた。 生まれながらにして、純白の美麗な容姿を持っていた「白皙王」ラダマ一世によって、有史以来初めての統一がなされて以降、その末裔たるラダマ王家が代々国王の地位を継承し、豊かな水田の実りを背景に各地の部族を統御して国の平穏を維持してきたのである。 無論火種が無いわけではない。国内社会は、アンヂアナと呼ばれる貴族階級、フヴァと呼ばれる庶民階級、そしてアンデヴと呼ばれる隷属階級に三分されており、その…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年03月21日更新
弱いあなたへ
たのよ!」 リベルタリアの地を治めるヴァジンバ王国。古くからの伝統を守り続け、世界に背を向けてきたこの国では王族の権威は絶大なものである。中でも白い肌、白い髪を持つアルビノの王子女は現人神として人々の崇敬を受けており、その体に触れることが出来ればあらゆる罪穢れが洗い流され、一ふさの髪の毛をお守りとして身につければあらゆる災禍を跳ね除け幸運が舞い込むと信じられていた。 リリアは正しくそのアルビノであり、この世において国王の次に高貴なる地位を占める人物だった。いかに側に仕えているとはいえ、自由民出身のヤ…
https://seesaawiki.jp/mosaic_fictional_country/d/%... - 2023年03月21日更新