ニッタニャロマネスク

• 高垣楓
• 三船美優
• 川島瑞樹
• 片桐早苗

自称・名探偵にして高垣探偵事務所の所長。現在二十五歳。
非常に端正な顔立ちをしているが、それを台無しにせんばかりの酒好きと駄洒落好き。
飄々とした立ち居振る舞いで周囲を存分に振り回すが、
いざという時も落ち着いた判断を下してくれるため、そんな時だけは頼りになる。

実は孤児であり、錬金術師達の対魔技術開発実験（人工霊能者開発）の犠牲者。
右目に霊視の能力を無理やり植え込まれており、そのため片目だけ色が異なる。
また、研究所を逃げ出した際にそれまでの記憶をすべて失っている。
探偵稼業をしながら、右目の力を手掛かりに、自分の記憶とそれを奪った存在を探している。

一度殺人容疑に掛けられた美優を助けて以来よく彼女を引っ張り回している。
が、幽世に引っ張られがちな自分を現世に繋ぎ止めてくれる美優の存在を、
自身すら気づかぬほどの心の深いところで、とてもありがたく思っている。
ただの大家と厄介な下宿人から関係が変わるのはいつのことか…。

早苗とは美優の家に転がり込む前からの知り合い…
というよりしょっちゅう酔って道端で寝ていたところを警官として保護されていた。
その経緯もあって瑞樹とも顔見知り、からあっという間に酒を酌み交わす関係に。

本気で金が入用になった際には、謎の歌手としてバーのステージに立ち人気を博しているとか。
サックスを担当しているあいが同業者だと知った時は驚いていた。

楓の借りている下宿の大家。現在二十六歳。
人見知りであまり他人に対して心を開かないできたが、徐々に明るい顔もできるように。
香を練るのが趣味で、出来の良さを見込まれ蒼月堂に定期的に買い取ってもらっている。
その帰り道にラブライカへ立ち寄って、妹のように仲が良い美波とお喋りするのが常。

実の両親は十二の時に離婚し、父とは音信不通。母は再婚直後に身体を壊し亡くなった。
義父の元を離れ、与えられた下宿つきの屋敷で一人暮らし始めてからは
愛犬のさくらだけが心の支えだったが、そのさくらも亡くして強い孤独感が心に染みついた。

屋敷にて霊障が起き始めたときも動物霊のせいだと言われるとさくらのことが過りお祓いを頼めず、
しばらく「幽霊女」と疎まれて様々な事件の犯人に仕立て上げられていた。
そんな折、いつものようにとある事件に巻き込まれたとき楓と出会い、救われた。
以来、楓を下宿人として迎え入れ、高垣探偵事務所の大家になる。

楓からはしょっちゅう勝手に探偵助手にされてはいろんな事件に引っ張り回されている。
推理などとてもとても、と言い張るのだけれど死体を見ても怯まず、
妖相手に大見得を切ったこともあるので案外豪胆。しかし本人にその自覚は無し。

瑞樹とは以前からの茶飲み友達で、その経由で早苗とも飲み友達になった。
最近はよく四人で飲みに行き、他三人全員の面倒を引き受けたりもする。

妖に関する専門情報雑誌『怪異奇聞』を定期刊行している記者。現在二十八歳。
妖怪事件の噂を追っては東奔西走している、勇猛果敢で気風のいい女性。
丁寧で女性的な物腰なのだが、一度記者魂に火がつくと誰にも止められない。

かつては尋常小学校にて教鞭をとっていたが、五年前、クラスの全員が姿を消してまう。
『神隠し事件』と呼ばれるその事件の犯人を探すため、瑞樹は怪異事件を追い始めた。
ちなみに、現在瑞樹の真の目的を知っているのは早苗だけ。

明るい笑顔の裏に強く重い決意を秘めながら、今日も彼女は帝都を駆け回っている。

帝都の平和を守るため日夜警備活動に勤しむ警官。現在二十八歳。
明朗快活でやや無謀ともいえるほど勇気に溢れた女傑。
武道の有段者であり、考えるよりも先に拳か蹴りが出てしまうたち。
有香と同じ神誠道場の出身者で、警視である彼女の父親とも顔見知り。

最初こそ事件に首を突っ込んでくる瑞樹のことを良く思ってはいなかったが、
酒を酌み交わしているうちに意気投合し、その日の夜に瑞樹の真の目的を知り、協力を申し出た。
楓が怪異事件を追っていることを知ってからは彼女の近辺にも気を配るようになり、
最近ではしょっちゅう四人でさまざまな事件を追っている。
基本的には頭脳労働より肉体労働担当。蹴りでも拳でも投げでもなんでもござれ。

情報を追ってしばしば無茶をする瑞樹を心配しては叱りつけているが、
同じく瑞樹を守ろうと妖怪相手に素手で立ち向かっては怪我を負って、
こちらもしょっちゅう瑞樹に叱られている。