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  • 59名無し - 18/03/21 09:31:35 - ID:P3LwpPUQ9A

    ※これは、屋根裏で作られたのらのじゃ〜SSです。少々長くなります。

    「それでは、行って参ります。」そう一言告げて、私は部屋を出た。プロデューサー様も、顔を上げて「行ってらっしゃい」と答えた。用事は既に告げてある。私、のらきゃっとはこれから、猫松さんの所へ行くのだ。けもみみおーこくの国王でありながら、なんだか抜けていて威厳の足りていない彼の姿は、私が支えてあげねばとも感じてしまう。それに…彼に報告したい事も、たくさん持っている。何から話そうかと、ワクワクしてしまう。

    ワクワクを抱えながら、おーこくの城の前に着く。以前と違い、このワクワク感すら今は愛おしい気がする。「あの…」「のらきゃっと様ですね!」口を開く前に門番に先を越されてしまった。何度も門を通っているため、彼とも顔見知りだ。用件も既に分かって居るのだろう。「一応、国王に問い合わせてみますね。うちの国王なら恐らく、職務すら捨ててすっ飛んで来そうですけど」門番は、軽口を叩きつつ国王を呼ぶ。私も、門を通された。

    門番から案内役に話が通され、応接間へと向かわされる。とはいえ、勝手知ったる城の中だ。案内役との雑談を交えながら、応接間にたどり着く。途中も何度か声を掛けられたが、全員、会話のどこかに必ず「尊い」という単語が入っていた。最近の流行語なのだろうか?元戦闘用アンドロイド故か、やはり私は世の中には疎いみたいだ。猫松さんを待ちながら、私はのんびりと思考を重ねていく。そうこうしている内に、応接間の扉が開いた。

    開いた扉の方を向く。猫松さんが、「嬉しそうな表情を必死で隠して威厳を保とうとしています」というような顔で入ってきた。フフッ、と少し笑ってしまう。「ダメだ、笑うな、まだ堪えるんだ…」そんな心の声が聞こえそうだったのだ。人払いをして、応接間の鍵を閉めると、必死に整えた顔も一気に緩んだ。普段なら見せない、私に甘えきった国王の顔は、何度見てもとても可愛かった。彼は、私の隣の席にそっと腰を下ろす。

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