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62.名無し - 18/03/21 09:39:25 - ID:P3LwpPUQ9A
※これは、生放送後の屋根裏で作った、のらきゃっと×のらwikiちゃんSSです。6レス分使います。
ーーこれは、私がまだ戦闘用アンドロイドだった頃の話。そして、戦闘の世界から去る、きっかけのお話ーーあの頃、よくペアを組む機体が居た。同じのらきゃっと型戦闘用アンドロイドだが、見た目は大きく異なり、オレンジっぽい髪に、少し眠そうな表情が特徴の機体だ。彼女は純粋な戦闘用ではなく、ハニートラップがメインの運用で、時々その手の話をしてくれる。私は戦闘用だから「管轄外です」と断るが、話を止めはしないかった。
「戦闘用アンドロイドにとって、心を持つことはエラーであり出来損ない」、そう言われていた頃だったから分からなかったが、今思い返せば、彼女には既に「心」が生まれていたのだろう。その感情が向く先が誰であったかも、今なら分かる。あの頃の私は、そんな考えには至らず、ただ話を聞いていた。男性を魅せる表情や動き、言葉を使って人を…自分の虜にする、そんな方法。あの頃は、こんな形で役に立つなんて思ってもみなかった。
戦闘用アンドロイドとはいえ、法律上は人間に近い扱いが定められているため、寮のような制度でアンドロイドにも部屋が当てられている。ある任務を終えた後、メンテナンスを終えた私が自室へ戻った時の話だ。アンドロイドの一斉点検も近づいていた時期で、彼女はそわそわしていた。私は特に問題もなかったため、落ち着いていたのだが、彼女はどうにも焦っているように見える。明らかに不審だし、人間界なら通報されそうなくらいだ。
流石に声をかけないのは不自然だし、声をかけようとした。…が、「のらちゃん!」先を越されてしまった。代わりに、話を聞く側に回る。「聞いてくれる?私は、壊れたのかもしれない…エラーかもしれない…私の回路に、今まで無かった負荷が掛かるの、のらちゃんを見てる時、のらちゃんの近くに居る時、そんな時に…」「……」驚いた。普段なら早口にはならない子だったから。そして、内容にも。そして、妙なざわめきを感じた。
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