及川雫データベース - あんさんぶる!

概要

「アイドルマスター シンデレラガールズ あんさんぶる!」はスクウェア・エニックス刊「ヤングガンガン」にて2012年22号から2016年6号まで連載された、作画:千葉サドル、脚本:樫葉ハルキによるシンデレラガールズコミカライズ作品。単行本は全3巻が発売されている。当時のデレマス公式はスクウェア・エニックス系列の雑誌やWEBコミックを用いたコミカライズ攻勢を仕掛けており、月刊ガンガンJOKERの「ニュージェネレーションズ」、月刊ビッグガンガンの「ロッキングガール」および「本日のアイドルさん」、ガンガンONLINEの「Shuffle!!」といった各作品と併せる形で連載が開始された。
特に主役アイドルは設定されておらず各話ごとにメインとなるアイドルを設定し、それらアイドルたちの日常をギャグを交えつつ描いた四コマ漫画であるが、要所では通常の漫画形式となって数話にまたがる中編と言うべき話が描かれることもあった。基本は1話につき3ページとかなり短いながら、作画担当の千葉が同時期並行連載していた「がっこうぐらし!」でも見せているキャラクターの愛らしい描写が好評だったためか、スクウェア・エニックス系列のコミカライズ作品では最長期間連載となり、今日的な視点では、ゲーム内での設定もまだ定まっていない初期からアニメ版(デレアニ)を経てアイドルの設定描写がよりきめ細かくなる終盤までの変遷を辿れる、一種の資料的側面も併せ持つ作品となっている。
雫は島村卯月たち初期の中心メンバーとは別に活動していたアイドルという位置付けで、第25話(25th Lesson)より合流、34話が単独メイン回となっている。特徴としては原作ゲームでは当時一切接点の描かれていなかった市原仁奈とのやり取りが多い一方で、片桐早苗や堀裕子、大沼くるみと言ったゲーム中でのメインユニットのメンバーとは共演していないことが挙げられ(ゲーム内でのセクギル初登場は2013年6月、くるみの追加は2013年12月なので雫の初登場時には間に合わなかったのだが、ゲーム登場後も共演はしていない)、後年のゲームやアニメで見られる年少アイドルとの共演を先取りしていたと言える。他にも城ヶ崎美嘉や神崎蘭子と言った珍しいアイドル仲間との共演や「同年代の友人が少ない」という連載当時の数少ない公式設定への言及、コミカライズならではのユニークなデフォルメ顔など見どころは数多い。

雫のキャラ紹介(雑誌連載時)

岩手県出身の16歳。趣味は乳搾りとトラクターの運転。動物が好きですー。特に牛さんは大好きですー。

登場話

25th Lesson: new members

雫初登場の回は概要に書いた通り、雫を含めた他のメンバーが卯月たちと合流するという展開。着ぐるみ好きの仁奈がもーもーふれっしゅ衣装を着ている雫に早速懐く微笑ましい姿が見られる一方、その露出高めな衣装を見て一層不安がる乃々や牛衣装の雫やウサギ服の仁奈たちを見て思わず「動物園みたい」と口走ってしまう凛の様子が楽しい一編。

27th lesson: MIX ―菜々・千佳・蘭子・雫―

魔法少女に憧れる千佳の夢を壊さないため、菜々と一緒に魔法少女へ「変身」する場面で登場。変身後の衣装はマーメイドパラダイス特訓後、普段着はコロッセオクイーン特訓前となっており、後にゲーム中でも定着することになる衣服をこの時点で普段着として着用しているのは、偶然ではあろうがなかなか面白い。ちなみに変身後の名前は「うさボイン」と、良くも悪くも身も蓋もない名前であった。
なお今話の次ページには雫のキャラクターファイルも収録されている。ここで雫が発しているセリフはコロッセオクイーン特訓後のもの。

31st lesson: MIX ―藍子・愛梨・雫・かな子―

後々様々なユニットやイベントで共演することになる藍子・愛梨・かな子との共演回。今回の私服は愛の癒し系特訓前、扉絵では特訓後と特訓前後の姿を披露、ゲーム中ではおなじみの「実家特産の牛乳をみんなに薦める」シチュエーションも初登場している。藍子の撮った写真に写っている眠りこけた雫の姿は大変貴重。

34th lesson: PASSION side ―雫―

雫の単独メイン回。私服をあまり持っていないという雫のために仁奈や城ヶ崎姉妹が服を見立てる話であり、美嘉とがっつり絡むのはゲームやアニメを含めても今のところ今回限りという、その意味では非常に貴重な回となっている。アップのシーンでは雫の特徴的な下まつ毛をきちんと表現している所もポイントが高い。仁奈たちが見立てたカウガール風の私服は当然今話オリジナルのものであり、同年代の友人が少なかった雫にとってはとても幸せな出来事だったようだ。城ヶ崎姉妹に連れられてお店を回っていると思われる雫の挿絵も、自身が控え目なため行動力のある相手について行く傾向があるという後年明らかになった設定を先取りしていたようである。

44th lesson: 「夏の女の子は全員がヒロインなんですっ!」

いわゆる水着回。通常回よりページ数も多く冒頭ページはカラーになっているのはやはり水着回だからか。雫はマーメイドパラダイス特訓前の水着姿で登場、茜との絡みがあるが今話では年下ということを意識してか「茜さん」とさん付けで呼んでいる。後のFlip Flopイベントでは「茜ちゃん」と呼んでいるので、まだ設定が曖昧だった頃の名残と言えるだろう。

47th lesson: ATHLETIC MEETING Part3

今話はアイドルごとに組んだチーム対抗の大運動会を描いた中編の3話目であり、リレーの途中で転んでしまいながらもどうにかバトンを渡した仁奈の身を案じて声をかける場面で登場している。これまでの話で仲の良さを見せていた2人ならではの描写であり、申し訳なさのあまり雫に抱き着いてしまう仁奈の様子からも、普段からの仲の良さが窺える。

60th lesson: MIX ―ありす・卯月・莉嘉―

将来の夢についての宿題を出されたありすのために、アイドル以外の夢が何かを他のみんなに聞くシーンで登場。雫は当然酪農家と回答している。

64th lesson: PASSION side ―裕子・光・麗奈―

今回はアニメ版5話で着ていた警官の衣装で登場、アニメと同様に裕子のさいきっくが暴走して胸元のボタンが弾け飛んでしまうというとばっちりを被っていた。

SPECIAL episode 3

最終エピソードであるアリーナLIVEのアンコール部分を描いた単行本描き下ろしの特別編に一コマのみだが登場し、躓いてしまった歌鈴を支えた。この時点で歌鈴とはFlip Flopイベント済みで、茜と同じくゲーム中では「歌鈴ちゃん」と呼んでいるのだが、こちらでは「歌鈴さん」とさん付けになっている。