女を縄で縛って遊ぶSM緊縛Wiki

                         
文部科学省非推薦図書





第一章
 
まだ残暑が厳しい秋の彼岸の日、女は亡き夫の墓参りに京都東山にある菩提寺を訪れた。
夫はこの春、女の33才の誕生日の前日に事故で亡くなった。あまりにも突然の永の別れだった。まだ子供もいない女は、天涯孤独の身になった心細さに押しつぶされそうだった。

墓参りを終えた帰り、住職に挨拶をするために寺務所に立ち寄ると、住職は愛想よく女を迎えた。
「これはこれは、北小路の奥さま。暑い最中、ご奇特なことでございます」
「その節は、たいへんお世話になりました。ありがとうございます」
「なんの、それより奥さまこそ、いろいろたいへんでございましたやろ。まっ、立ち話もなんやから、どうぞお上がりになってくださいまし」
正絹の喪服にきっちり身を包んだ女のからだは暑さで火照り汗ばんでいた。そんな彼女が通された座敷は、クーラーが効いて、ほっとするように心地よかった。
冷たい飲み物を自ら運んできた住職は、
「今日は手伝いの娘が休んでまして、不調法やけど、どうぞお召しあがりください、奥さま」
多額の寄進をしている北小路家の当主の令夫人に対して、住職はどこまでも丁重だった。
「私、もう奥さまではございませんこと」
「ああ、そうやった。つい今迄の癖が出てしもうて」
住職は坊主頭を掻きながら苦笑いをした。女もつられて微笑みながら、
「北小路で結構でございます」
冷えた茶を飲み干した女は、何か違和感を覚えた。そのうちに、グラグラとからだが崩れ落ちそうになると、住職が女のからだを支えながら、
「暑さで疲れてはる。ちょっと休んでいかれたらええ」
その住職の声がだんだん遠くなっていった。

 
 
 
女の朦朧とした意識のなかで、住職の声が遠くから聞こえてくるようだった。
ハッと気がつくと、薄暗い部屋の中にうつ伏せに寝かされていた。起き上がろうとしてもからだが動かない。
何が何だかわからぬまま、必死に藻掻くようにしてやっと上体を起こすと、自分の両手が背中で縛られている。さらに、着物の上から胸の周りにぎっちり縄が掛けられていて息苦しい。
障子越しに洩れる明かりで、狭い和室に閉じ込められているらしいことがわかった。驚いたことに、壁面の一か所が等身大のガラス張りになっていて、先ほど自分がいた座敷が見渡せる。座敷では住職が檀家の毒島と話しをしていた。
「助けて !」大声で叫んでも、男たちは何ごともないように会話を続けている。
声が届かない。
しかし男たちの話しの内容は、女によく聞こえた。

 

 
 
この寺の寺務所の奥座敷は、北小路家の法事や仏事のたびにいつも利用していた。
床の間の横の壁に等身大の鏡が取り付けられていて、何故こんな所に鏡がと訝りながらも、本堂で回向の始まる前に、その前に立って着物や髪の乱れを直した。変わった場所に鏡があるけど重宝だわと、それ以上の詮索はしなかった。まさかその鏡の向こうに隠し部屋があり、この寺の住職が、全身を映して身嗜みを整えている女を秘かに覗き見しているとは知る由もなかった。

男たちの話しは続く。
「今日は、檀家の北小路はんの未亡人が見えられましてな」
「北小路の未亡人? ああ、あの別嬪さん?」毒島が頷いた。
「旦那はんが亡くなりはって、いろいろ世話になった言うて、わての大好物頂きましたんねん」
「ほう、何ですねん?」
「脂がこってりのった生きのいいやつや」
「何や、マグロ?」
「はは、違う違う、肉や。それもとびきり上等の肉や」
「そうか、肉か。すき焼きにでもしたら旨いやろな」
「何言うてんねん。生に決まっとるがな。ねっとりした食感がたまらんで」
「あんたは相変わらずの生臭坊主やな」毒島は呆れたように言った。
男たちの話しを聞きながら、女は何も手土産を持参しなかったのにと訝りながらも、まさかその上等の肉が自分自身の女の肉とは思いもよらなかった。

 
 
 
柱の時計が三時の時報を打った。
「おっ、そろそろ醒める頃や」
「何が?」
「いや、何でもない、こっちのことや。それより毒島はん、ちょっと用があるさかい、失礼しますわ。すぐ戻るよって、あんた、ビールでも飲んで待っとってんか。庫裏にある冷蔵庫、わかっとるやろ」
毒島が回廊伝いに庫裏へビールを取りに行くのを確かめると、住職はスッと立ち上がって廊下へ出る、突き当りの飾り棚の横にある隠し戸の鍵穴に鍵を差し込むとカチッと音がして施錠が外れた。
中に入って戸を閉めると、薄暗い部屋に目が慣れて、蹲っている女と目線があった。
「なんでこんなことなさるんです。すぐに縄を解いてください」
「いや、奥さまが暑気あたりで倒れはったさかい、少し休んでもろたんですわ」
「それにしても縄で縛ることはございませんでしょ。早く縄を解いて」
「縄を解いて暴れられたら、隣の座敷の毒島はんに気づかれます。まあ、そうなればそうなったで一興やけど」
毒島とは檀家の集まりで何度か顔を合わせたことがあったが、彼女のからだを睨め回すような視線に生理的嫌悪感を覚えた相手だった。
「それより、奥さまみたいな美人さんには縄がよう似合ってるわ。わしはこの日のくるのをずっと待っとたんや。このマジックミラー越しに奥さまのからだを何度も何度も吟味してましたんや、ハハハ」
女は唖然とした。そんな仕掛けとは知らず、鏡の前に立って、後ろ姿まで映したことを思い出した。こんな下衆な男に見られていたと思うと、怒りと羞恥で頭がカッと熱くなった。

「ところで奥さま、エスエムって聞いたことあるやろ」
「エスエム?」
住職は、捕らえた獲物を嬲って楽しむように、打って変わって横柄な口調で女に話し始めた。
「そや、エスエム。裸の女を縄で縛るエスエムや。エヘヘ、わしは、中学の頃から縄で縛られた裸の女しか興奮せんかった。ただの裸の女を見ても何にも面白うない。女は縄が一番似合う。どんな服より、肌に喰い込む麻縄が一番セクシーや。丸裸で縛られてる女の写真、見たことありますやろ?」
「知りません。そんないやらしいもの」
「へえぇ、知らんか。いいとこの奥さまは違うんやな。まあ、ええわ。ところで奥さま、旦那はんが亡くなってから、あっちの方もご無沙汰やろ。あんたみたいにええ からだしとって我慢したら、からだに毒やで」
「何を馬鹿なことを。さっさと縄を解いて、ここから出してください。そうしたら警察には言いませんから」
「そういう気の強い女が好きやねん。今夜はここにいてもらう。どうせ家に帰っても一人やろ。誰も心配する人もおらんし、ゆっくりしていったらええ」
女は絶望的な気分になった。この卑劣な男は、一晩中自分を弄ぶつもりだ。なんで今までこの男の正体に気づかなかったのか、自分の迂闊さにただただ悔しい思いをするだけだった。
 
 
「さてと、こんな窮屈な着物脱いだらええ」
「止めて、触らないで」
住職は聞く耳もたぬとばかりに、シュルシュルと帯を緩め始めた。
「嫌っ!止めて、お願いですから」
解いた帯が畳に落ちて、次は腰紐が乱暴に毟り取られた。長襦袢の紐も外されると前がはだけて、縄が厳しく食い込んだ女の胸元が露わになった。
「匂うような綺麗な肌や。わしの品定めに間違いはない。せっかくやが今はここまで。慌てる乞食は何とやらて言うからな」
縄尻を天井の鈎に引っ掛けて、女を爪先立ちに吊ると、住職は部屋に鍵を掛けて出て行った。

座敷では毒島が独酌しながら、スマホでSM動画を見ていた。襖を開けて入ってきた住職が、目ざとくその動画を見て、
「なんや、毒島はん、あんたもエスエムが好きなんか?」
「あんたもって、住職、あんたもか?」
住職はフッフと笑って、
「あんたがエスエムマニアやったら話は早い。さっき、上等の肉って言うたやろ。あれ、牛肉なんかじゃない。生身の女の肉や。それもとびきりの美人」
「そやけど、あれは北小路の未亡人の差入れやって言うたやないか???」
あっ········毒島はやっと合点がいった。このエロ坊主、とんでもないこと考えている。よりにもよって、あの北小路の未亡人を手籠めにしようとは、さすがの毒島も開いた口が塞がらなかった。
「どや、毒島はん、あんたも一口乗らんか?」
「ただし、ただという訳にはいかん。これまでいろいろ経費もかかっているさかい」
『嘘つけ、資産家の北小路家から散々むしりとっているくせに』
毒島は苦々しく思いながらも、北小路未亡人の裸身を想像してゴクリと唾を飲んだ。
「一体、幾らお布施包んだら、裸の菩薩様を拝ましてもらえるんや?」
住職は黙って人差し指一本立てた。
「十万か」
「あほ、そこらのキャバクラの女やないで。泣く子も黙る北小路家の若未亡人や」
「ほんなら、ひっ百万·····」
さすがの毒島も沈黙した。
「そのかわり毒島はん、このとびきり上等の女、あんたが望むとき、いつでもここに呼び出して、素っ裸で相手させる。わしらに絶対服従する牝奴隷に調教するつもりや。おマンコも尻の穴も好きに責めたらええ。もちろんわしも楽しませてもらう。あの女のからだやったら、男二人ぐらい十分楽しめる」
毒島は迷いつつも、前から気になっていた美貌の女を好き放題凌辱できるという悪魔のような誘惑に引きずられた。
 
 
 
毒島の実家は、江戸期文久年間創業の京都でも指折りの老舗の和菓子屋だった。毎日、昼までには、すべての菓子が売り切れになるほどの人気店だった。
そのくらいの金は店から持ち出せばなんとでもなる。
「わかった。あんたの話しに乗ったわ。そのかわりあの女、とことん楽しませてもらう」

薄暗い部屋の中で、女は男たちの会話を聞いていた。
牝、奴隷、調教、金銭による女の売買、到底、現実とは信じ難いような恐ろしい話だった。
あの男たちに好きなように凌辱される、何とか逃げなくては。
女は身を捩りながら、天井の鈎に引っ掛けられた縄を外そうとしたが、爪先立ちのからだが空しく揺れるばかりだった。

「話しは決まった。で、女はどこや?」
「まだ金貰っとらんけど、毒島はんとは長い付き合いやから、信用しとくわ」
住職は立ち上がると、こっちだと目で合図した。
住職が隠し戸の鍵を回す。
「こんな所に部屋があったんか?」
ガラガラと引き戸を開けると、薄暗い部屋の中央に天井から縄で吊られた女が見えた。黒い喪服の前がはだけて、白い肌がのぞいている。顔を背けているので女が誰だかわからない。
ズカズカと部屋に入った住職は、女の髪を鷲掴みにすると、無理やり顔を毒島の方に向けた。
「嫌っ」
美しい女、そしてその女は紛れもなくあの北小路未亡人だった。
 




第二章








 
「なんてこった。まさかあの女が・・・」
毒島は生唾を呑み込んだ
さらに住職が喪服と長襦袢の襟元を掴んでグイと女の胸をはだけると、形のよい乳房がぷるんとこぼれ出た。ピンクの尖った乳首が慄くように震えている。
「嫌ぁ」女のすすり泣きが洩れる。
女遊びを尽くした毒島も、自分の股間が熱くなるのを抑えようがない。
腰巻の紐が手荒く解かれると、女の羞恥を隠す最後の布がするりと足下に落ちる。これで男たちの目を遮るものは何もなくなった。
「だめっ、見ないで」
「そうはいかん。高い銭出しはった毒島はんに商品を隅々まで見てもらわんと失礼や」
透き通るような白い肌、形よく縊れたウエスト、上品な漆黒の翳り。子供を産んだことのない三十路前半の女のため息が出るような見事な裸身だった。
「さすがやな」毒島も感嘆の声をあげた。
「この女を自由にできるなら百万、安いで。毒島はん」
女を回転させて後ろ向きにすると、着物の裾を思い切り捲りあげて下半身を曝け出した。天井から垂れ下がった縄で手早く着物の裾を括って引き上げる。
はだけた前からは両乳房、捲り上げた下半身は尻とVゾーン、顔を背けることも許されない女のからだがゆらゆら揺れながらゆっくり廻る。
「うっう」女の呻き声が洩れた。
「ほぉ、見事なからだやなぁ。尻もすごくええわ」
「浣腸のしがいがある尻やろ。さて、尻の穴はと」
尻肉を割り裂いて肛門を剥き出す。
「綺麗な尻の穴や。美肛言うやつやな。締まりも良さそうやし」
女の肉の品定めが飽くことなく続いた。

女を天井から吊っている縄を解くと、女はドサっと畳に崩れ落ちた。
「毒島はん、女の着物を脱がすの、ちょっと手を貸して。縄をほどくから、女を押さえとって」
縛った縄を解いて着物を脱がせようとすると、さすがに女は抵抗した。
毒島が女の腕と首を押さえている間に、住職が手早く着物と長襦袢を脱がせにかかる。二人の男が相手では、女はなす術がない。

女を白足袋だけの裸にすると、再び女の手を後ろにねじ上げて、両手首を麻縄で縛る。余った縄を胸に回して乳房の上下を厳しく締め上げていった。
別の縄を胴まわりに巻き付けてからそのまま下ろして女の股間を潜らせる。
素早く縄瘤を作ると、住職は指で女の下唇を広げて縄瘤を中に沈めた。尻肉の間から縄を取り出しグイッと引き絞ると、女は「ああぁ」と呻きながら前屈みになる。女のからだを引き起こしながら縄尻を胴まわりの縄に素早く結び留めた。

「手慣れたもんや。よほど女を縛るのに慣れてる」
毒島は手際よく女を縛っていく住職の縄捌きに見惚れていた。
「乳を縛って股縄を締め込むのは、女を縛るときの基本や。けど、ここからの細工がおもろいんや」
住職は手を休めることなく、タコ糸を取り出すと、女の両乳首に巻き付け、乳首の根元をきつく縛り上げた。両乳首を繫いだタコ糸を女の口に咥えさせる。タコ糸で引っ張り上げられた乳首がツンと上を向いた。
女の髪を束ねて縛り、背中で手首を縛った縄に結んで強く引く。女の顔がのぞけると、口に咥えたタコ糸で吊られた乳房も目一杯引き伸ばされて無惨に変形した。
「うぅうっ」 女は声にならない呻き声をあげる。
「どや?北小路未亡人の乳房縛り」
住職は、縄とタコ糸でいやらしく歪んだ乳房を竹棒でグニグニ突つきながら、満足気に呟いた。
「北小路の奥さま、真っ裸でこんなに縛られた気分はどうや。これがさっき話したエスエムや。おっぱいやおマンコを縄で縛られて感じてきたんやないか?縄で縛られると、たいがいの女は、あそこもジュクジュクになって縄を濡らす。奥さまも、遠慮せんと縄から滴るくらい、お汁を出してもかまわんで」
「失礼な。そんなこと...」
女は涙声になっていた。

住職は少し改まった口調で、
「ところで、今日から お前は奥さまでもなければ北小路さまでもあらへん、一匹の牝や。飼われて調教される牝や。よう覚えとき。牝犬や牝馬が服を着ていたらおかしいやろ。牝のお前も同じ。これから寺にいるときは服や下着を着ることは一切許さん。いつでも真っ裸や」
女は住職に ’お前’ 呼ばわりされたことにショックを受けた。
「無礼な。あなたにお前呼ばわりされる覚えはありません」
「フフフ、いつまでそんな強気でいられるかな」
「それからもうひとつ、調教する間、カメラが回っていることを忘れんように。妙な気を起こしたら、そのビデオを北小路家の親戚やら関係者に見てもらう。未亡人のとんでもない姿を見たら、どないなるやろな」
「・・・・・・」
「という訳やから、もうお前に選択肢はない」
女はこれから自分がどうなるのか理解した。男たちの獣欲を満たすために、人としての最低限の羞恥心もプライドも許されない牝に落とされることを。
 



 
「さ、座敷へ戻ろか」
女の尻を追うように廊下へ出た。女はなんとか裸身を隠そうと中腰になっている。
「真っ直ぐしゃんとせんかい」
住職が女の尻をパッシと平手打ちにした。
座敷に戻ると、縄尻を引いて女を例の鏡の前に立たせた。
「ハハ、このままじゃ、よう見えんな」
髪を縛って顔をのぞけらしている縄を解き、乳首のタコ糸も外した。首が自由になり顔が正面を向く。
正面の鏡を見た女の目に、緊縛された自分の全身が飛び込んできた。
「嫌ぁ!」
囚人のように後ろ手に縛られ、縄で厳しくデフォルメされた裸身。乳房が絞りだされ、股間には褌のように縄が喰い込む。自分のからだではないような淫らな姿に思わず顔をそらした。
住職は女の髪を掴むとグイと顔を正面に向ける。
「しっかり見るんや。これがお前のからだや。いやらしい牝のからだや」
 
 
 
 
女を鴨居の下に立たせると、爪先立ちになるように縄で女を吊り上げた。
住職は竹製のクリップを取り出すと女の乳首を無造作に挟む。
「ギャーッ、ヒイイ」
先ほど、紐で括られた時とは けた違いの激痛が女の乳首を襲った。
苦痛に身を捩る女を尻目に、住職は涼しい顔で席に戻る。
手には竹クリップに結んだ紐をしっかりと握っていた
「これでよし」
ドカッと腰を下ろすと、毒島が運んできたビールをグラスについで、
「毒島はん、乾杯や」
グーとグラスを乾すと、男たちは改めて鴨居に吊られた獲物を満足気に眺めた。
「言った通りの極上の肉やろ」
住職が手元のタコ糸をクイクイと引くと、竹クリップに挟まれて平たく変形した乳首が目一杯伸びて、乳房がゴム毬のようにプニプニと弾む。
「たまらんな」毒島はビールをあおった。
「こうやって念願の女を捕らえて一杯やれるとは、まるで極楽浄土にいるようなもんや」
「あんた、極楽へ行くつもりか? 無理やろ。こんなに女を手籠めにしてからに」
「これも供養いうもんや。空き家になった女の供養や、ハハハ」
 

 
「せっかくやから、未亡人のハダカ踊りでも見ようか」
住職は、女の立っている畳に茣蓙(ござ)を広げた。
天袋から赤色の太い和蠟燭を2本取り出すと、女の両肩の真上に蝋燭を吊して火を点けた。じりじりと蝋燭が燃え上がる音が聞こえてくる。
「アッアッ、熱い」
「ヒッ、あっ熱い」
女が肩に落ちてくる溶蝋を避けようとからだを捻ると、今度は背中に蝋が落ちた。
「ヒィィィ」
また逃げようとからだを捻る。今度はゴム毬のように膨れた乳房に赤い溶蝋が一気にドロッと流れ落ちた。
「ギャー熱いィィィ、助けて!」
真っ赤な溶蝋が乳房から乳首まで流れて固まる。

二本の蝋燭から次々と落ちてくる赤い滴を避けようと、女が身をくねらせる様子が、まるで踊っているようだ。
「ヒヒヒ、ハダカ踊りや。もっと踊れ」
「これ、低温蝋燭やないな」
「うちにあるのは、仏に供えるほんまもんの蝋燭や。そんなインチキ蝋燭やないで」
「それやったら、めちゃ熱いやろ」
「だからこうして、ハダカ踊りをやってるやないか。こんないい女のハダカ踊り、めったに見られへんで」

女の上体が赤い蝋に覆われる頃、蝋燭の火を消した。
「こないなったら、蝋の上に蝋が落ちるさかい、女もそんなに熱くないんや」
住職は、乳房に垂れて固まった蝋をメリメリと剥がしていく。毒島も背中から尻まで垂れた蝋を落としにかかった。
弾けるような尻の感触。
「尻がプリプリや」
毒島は股縄に手をかけると、女の足が宙に浮くまで持ち上げた。肉裂に喰い込んでいる縄の圧力が一気にあがる。
「あああっ、だめ」
毒島は持ち上げたまま、前後に揺すり始めた。
「ムムム、だめ、動かさないで」

住職に言われるまでもなく、女は夫と死別してから5ヶ月あまり、女の秘貝を固く閉ざしたまま貞操を守っていた。自分で慰めることすら憚られた。
そんな女のからだが、毛羽立った麻縄に容赦なく責めたてられ、チロチロと官能の炎がくすぶり始めている。縄に擦れている肉芯は、そうでなくても鋭敏になっていた。こんなことではいけないと自分に言い聞かせようとしている矢先、毒島が縄を吊り上げて揺さぶりをかける。
「止めて!動かしてはだめ」
 
 
そんな女のからだの変化を毒島が見逃すはずがない。
強く揺さぶった後は、今度はゆっくりと縄を揺らす。
「ああん、そんなにしてはだめ」
そしてピタッと縄を止める。
「あ〜」
女の意志に逆らって、女の腰がもぞもぞと自分から動こうとする。
毒島はにやりとしながら、わざと知らん顔して女の股縄から手を離した。
「あ〜ん」
女の腰がゆるゆる前後に搖れ始める。
毒島は股縄の結び目を解いて縄をやや弛めてから結び直した。
ぎっちり女の肉裂に喰い込んでいた縄が女の肉との間に指一本入るぐらい弛くなった。
「毒島はん、何してるんや。弛めたらあかんがな」
「フフ、黙って見とき。女はきつく責めるばかりが能じゃあらへん」

肉芯をきつく圧迫していた縄が弛んで、女は戸惑っているように見えたが、また腰が勝手に動きだす。動き出すと今迄とは縄の感触がまるで違う。きつく締まった縄は、圧迫は強いが擦れる余地はさほどなかった。弛めた縄だと、肉芯を縄の上で転がすような動きになる。肉芯に強く擦れるかと思えば、スッと触れるだけのときもある。
微妙な擦れ具合に、より強い刺激を求めて腰をくねらせる。女が肉裂に縄を挟んだまま、くねくねと腰をくねらせる様は、淫らな牝そのものだった。肉の快楽を貪るように女の腰が激しくくねり、そして肉が炎上した。
「ああん、逝く。あっあっあ」
やがて激しい動きがピタッと止まると、女の上体が反り返った。
二人の男は息を飲んで見守るしかなかった。
「激しいもんやな」
住職がポツリと呟いた。
「ああ」
毒島もそう返事するのがやっとだった。
 
 
女は縄にからだを預けてグッタリしている。
『縄で縛られた挙げ句、こんな男たちに女の恥ずかしい瞬間を見られてしまった。もうだめだわ』
諦めと後悔に女は顔を上げることもできない。
毒島は女を吊っている縄を外すと、女を横に座らせた。
そして新しく持ってきた冷えたビールをグラスにつぐと、女の口に運んでやった。ゴクリと一口飲んだ女は深いため息を洩らす。

「毒島はんは、見かけによらず優しいんやな」
「見かけによらずが余計や」
「女はきつう責めるだけではあかん。自分から責めを求めるように仕向けるんや」
「こりゃ、一本とられたわ」
「ハハハ」、二人は初めて心が通ったように笑った。
女は縄を解かれたが、着るものもは何も与えられない。

「何か、羽織るもの頂けませんか?」
「縄を解いたからって甘えたらいかんで。言ったやろ、牝が服を着ることは許さんて。お前はずっとハダカでいるんや」
女は俯向いたまま、無言だった。
女のグラスに住職がビールをついでやる。
「あんたも女に親切やないか」
毒島が言い返した。
「ヘヘヘ、わしは紳士や」
胡座をかいてビールを煽りながら、住職は下卑た笑いでごまかした。

女はグラスのビールを乾した。からだが鉛のように重い。
今まで経験をしたこともない肉の快楽の深淵を覗いたような感覚をどう整理していいかわからないまま、茫然と座っていた。

亡くなった夫は、名門大学を卒業後、アメリカに留学、北小路グループの総師として一族の期待を一身に担っていたが、夫婦生活はいたって淡白だった。
というより、早く跡取りをという周囲の期待から、月に何度か義務のように女のベッドを訪れて、そそくさと用を済ませると自室に戻っていった。
女は、そんな夜の営みに物足りなさを覚えたが、敢えてそれ以上を求めようとも思わなかった。
 

 
「気になっているんやけど、墓参りに来てから半日以上トイレに行ってないやろ」
住職の言葉に女はハッとした。尿意も忘れるほどの半日だったが、ビールも飲んでいるし、我慢の限界が近かった。
「おトイレに行かせてください」
住職は、にやと笑うと部屋を出て行った。
しばらくすると、一尺八寸ほどある鏧子(けいす)を重そうに抱えて戻ってきた。
「何や、それ? お経あげるときにチーンするやつやないか」
「そうや。うちにオマルがないさかい、これで代用するんや」
「ええっ? そんなことしたら罰があたるぞ」
「なんの、仏さんも若い女の匂いはええな言うて喜びはる」
広げた茣蓙の上に鏧子をドンと置いた。

「ヘヘ、奥さまのトイレはこれや」
「えっ?」
「そうや。奥さまが小便するところ、じっくり見せてもらう」
「そんな。何でも言う通りにしますから、おトイレに行かせてください」
「あかん。ここでするんや。別にしたくなければせんでもかまへん。こっちはじっくり待つだけや」
 
 
 
毒島が手早く女を後ろ手に縛って、縄尻を鴨居に結んだ。女の正面50センチの距離に鏧子が置いてある。
「よう狙ってするんやで。こぼしたらきついお仕置きや」
男二人はビールのグラスを持って女の正面にドカッと陣取る。
「さっき、なんでビールをついでやったかわかるか? こうなることを見越してや。」
住職はグラスをゆっくり傾けた。
「なるほど」
住職の悪知恵には毒島も舌を巻いた。

鏧子に少しでも近づこうとして女は腰を前に迫り出す。大きく広げた股を前に突き出すと下唇まで鮮明に見える。
「いやらしいな。何もかも丸見えや」
好き勝手なことを言いながら、二杯目のグラスが空く頃、女は我慢の限界がきていた。
「もうだめ。お願いですからご覧にならないで」
言葉が終わるか終わらないうちに、ショボショボと尿が漏れ始めた。と次の瞬間、シャーという音とともに尿が迸る。
「いやぁ、見ないで」
「すごい勢いや。よっぽど溜まってたんやな」
鏧子の中は 迸る尿が弾けるように飛び散っている。
男たちが股を覗きこんでも、女は顔を背けたまま、尿が迸るのに任せていた。
やがて勢いがなくなり、しとどに濡れた下唇からポタポタ雫が垂れるだけになった。
座卓の上にあったおしぼりを取ってきた毒島は、丁寧に肉の裂け目をぬぐってやる。
女はおとなしくされるがままになっていた。
 


第三章
 
「こんなにおしっこが溜まっていたんなら、大きい方も出したいのと違うか?」
女は慌ててかぶりを振った。
「我慢したら からだに悪い。遠慮せんとやったらええ」
「大丈夫です」
それだけは絶対に見られたくない。女は必死だった。

住職は再び天袋からごそごそと箱を取り出してきた。
箱の中身をわざと女の前に並べ始める。
「さてと、これが何だかわかるかな。自分でウンチしないんやったら、これを使うことになる」
女は、それがおぞましい道具であることは理解できた。
「これは、女に浣腸する道具や。まずこれが浣腸器。たっぷり500cc浣腸できる。瓶に入った薬が濃グリセリン。効き目は強烈、どんな女もひとたまりもない。この大きなガラスの容器はイルリガートル浣腸器。薬が1リットルも入るんや。そしてこのゴム管の先をお前の尻の穴に差し込むと、あとは勝手に薬が尻の穴に流れ込む。便利な浣腸器や。そして最後はこれや。」
嘴のような形状をした金属製の道具だった。
女はその道具に見覚えがあった。婦人科の検診で使われたことがある。
「お前の知ってるのは膣に使う拡張器。これは肛門専用の拡張器や。これで女の肛門を目一杯広げると中の臓物まで丸見えや」
女は、あまりにいやらしい道具の数々に言葉を失った。
 
 
 
「さあ、座卓の上に上がれ」
毒島が女を追い立てて座卓に上がらせる。
「浣腸は嫌です」
女の首根っこを力づくで押さえて座卓の上にうつ伏せに寝かせると、尻をバシッと叩いた。
「尻を高く持ち上げるんや」
毒島が女の腰に手をまわしてグイと尻を持ち上げた。
「嫌っ、こんな格好」
シミひとつない真っ白な尻を高々と突き出した姿勢で、左右に広げた足を素早く座卓に縛りつけた。
女は座卓の上で身動き出来ないまま、肛門と肉裂を晒している。
「きれいな肛門や」
指でワセリンをたっぷり掬うと、肛門に塗り始めた。肛門をいじくり回される感覚に女は悲鳴をあげた。
「止めてぇ、お願い、嫌ぁっ」
「いくら叫んでも無駄や。こんな時間は境内に人っ子一人おらんわ」
住職はワセリンのついた指で、ネチネチと女の肛門を捏ねくりまわす。
女はあまりのおぞましさに鳥肌がたった。
 


 
住職はワセリンがべっとりついた指をティシュで拭いながら、
「この調子なら、ショーに出せるのも、そんな先やないな。」
「ショー?」
女は何のことか訝った。
「北小路未亡人のエスエムショーや」
「お前を素っ裸で檻に入れて客に見てもらう。ショーが始まるとお前を檻から引き出していろんな芸をさせる。オマンコと肛門で芸をやるんや。目玉は浣腸ショー。セレブの未亡人が、真っ裸で浣腸されてウンチをひり出すところを 皆んなに見てもらう趣向や」
「何ですって!」
女は絶句した。
『この男は、私のからだをおもちゃにするだけでなく、見世物にする気だ』
女は暗澹たる気持ちになった。大勢の客の前でそんなショーをやらされたら、二度と元の生活に戻れない。北小路の家にも戻れない。

「人前で浣腸して女を辱めるなんて、下品で下劣で最低だわ、よくもまあ、女にそんな恥をかかせて・・・何が面白いの・・・・」
「今はまだ、そんなことを言うてるが、調教で浣腸を仕込まれると、お前の尻は浣腸して欲しいと自分からせがむようになるんや」
「そんなこと、絶対にありえません!」

「フフフ、そんなら教えたる。浣腸で使うグリセリンは悪魔の薬液とも言われてる。女の浣腸のおもしろさは、その悪魔の薬液が女の肛肉や直腸をきつく刺激して、回を重ねる毎に、それが淫らでおぞましい肉の快楽に変わっていく。まさに悪魔の快楽や。一度覚えた悪魔の快楽は、女の理性を麻痺させ、肛門が欲情するままに自分から浣腸をねだるようになるんや」

女は唖然とした。肛門を排泄器官としか考えていなかった女にとって、肛門の淫らな快楽などは想像を絶する話だった。
『この男、完全に狂ってる。変態異常者だわ』
 
 
「助けて・・・お願い」
女は泣き出しそうな声で毒島に哀願した。
あんなに嫌っていた毒島でも、今は彼しか助けを求める相手がいない。
毒島も困惑した。
ショーで淫らな女の肉をすべて曝け出す、そんな女に同情を覚えないわけではない。
しかも、かつて心を寄せていた女ともなれば、なおさらだった。

そんな毒島の気持ちを見透かすように住職が声をかけた。
「毒島はん、まずあんたに浣腸させたる。500cc入れたら交代や。いい尻をした牝が、どのくらいまで耐えられるか試してみようやないか。ククク」

住職は、ぬるま湯の入った容器にグリセリンを注ぎながら、薬液の濃度を調整している。
座卓の上には、高々と突き出した艶めかしい尻、そして縋るような女の眼差しが毒島を見つめている。逡巡している毒島に女の視線が決断を迫っていた。
 
 
毒島は唇を噛みしめて自問した。
『この千載一遇のチャンスを見逃すのか、指を咥えて見てるのか、俺は何を迷ってるんや、やるしかないやろ。俺に見向きもしなかった女が助けを求めている。天がこの女を俺にくれてやると言っているようなもんや。こんな坊主に百万円を払う必要もなくなる。今こそその時や、腹括るしかない』
「よしっ!」毒島の心は決まった。

毒島は女の両足の縄を解くと、後ろ手に縛った縄も解き始めた。
「あんた、何しとるんや?」
気づいた住職は、浣腸器に薬液を吸い上げる手を止めて、戸惑ったような顔で毒島を見上げた。
毒島は無言のまま後ろ手の縄を解くと、女を座卓から下ろした。
「おい、何しとるんか、聞いとるやろ!」
住職が毒島の肩に手をやった瞬間、毒島は住職の手を払い除けると、素早く住職の足を払った。住職は仰向けにドッと倒れた。
「ワッ、何するんや、毒島」
倒れた住職の胸ぐらを掴むと、
「わしはこれ以上、あんたの片棒担ぐのは止めた」
「あんたは、わしから百万円取っといて、さらに女を見世物にして金儲けするつもりか。百万払ったら、この女はわしとあんたで楽しむいう話しは嘘やったんか」
「嘘やない、毒島はん。女は見世物にするだけや、客には指一本触れさせん」
「やかましい、この強欲坊主」

毒島が女の肩を抱いて座敷を出ようとすると、起き上がった住職が女の手を掴んだ。毒島はその住職の手をグイと引き寄せると払い腰で投げ飛ばす。大学時代に空手をやっていた毒島に、七十歳近い住職が太刀打ちできようはずもなかった。

毒島は女に向かって大声で、
「廊下の突き当りの右にさっきの小部屋がある。そこにあんたの着物があるから、早う着てこい」
女は素裸のまま廊下を駆け出した。
その間に毒島は、住職を床の間まで引きずっていき、床柱に縛りつけた。
「明日になれば、お手伝いの娘がくる。それまでここで大人しくしとれ」
「警察に言いたければ言えばいい。その代わり、あんたも終わりや」
「貴様、裏切ったな。覚えとれよ」
「ああ、よう覚えとく。あんたが今日何をやったか、よう覚えとく」

ほどなく女が喪服を着て戻ってきた。
「よし、長居は無用や」
女の手を引くと、急ぎ足で寺務所の玄関から外へ出た。
昼間の熱気が消えて初秋の夜気が心地よい。
 
 
寺務所脇に停めておいたメルセデスの助手席に女を座らせると、車を勢いよくスタートさせた。

『我ながら上首尾や。これで、あのクソ坊主に大枚払う必要もない。それでもって、この女は頂きや』
助手席に座っている女の端正な横顔をチラッと見て、ついに手中に収めた美しい獲物に、毒島は天にも昇る心持ちだった。
『いい女だ。こんないい女が俺のものとは信じられん』
縄で縛られた女の白い肌を思い出すと、思わずニンマリ笑みがこぼれる。
しかし、そんな叫びたいほど有頂天な心のうちはおくびにも出さず、
「あんたもえらい目にあったな。腹減ったやろ。何か美味いもん食べに行こう。ええ店あるんや」
女は嫌も応もない。
『仕方ないわ。でも裸で見世物にされるよりはずっとまし。それにこの人、思っていたほど悪い人じゃなさそう。元々ボンボンだし』
女は黙ったままコクリと頷いた。
「よし、決まりや!」
毒島は上機嫌で車のアクセルを踏んだ。

初秋の夜の京の街、静かな裏通りに二人を乗せた車の赤い尾灯が消えて行った。
 


ー完ー




あとがき

楽しく読み進めるように絵本風に仕上げました。
画像と本文が必ずしも合致しない点はご容赦ください。
私の好みのSM小説は、一方的に女を責めて凌辱するのではなく、男女ともに欲得ずくでも、それなりに人生の道は開けるというスタイルです。

budushima@yahoo.co.jp

2023年9月
嶋文吾



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