南部家は甲斐源氏の一族。
南部光行が甲斐国巨摩郡南部郷を領し南部氏を名乗った。
光行は奥州藤原氏討伐で活躍し源頼朝より陸奥国糖部郡、岩手郡、閉伊郡、鹿角郡、津軽郡の5郡を与えられた。
しかしこれは後に捏造されたものともいわれている。
光行の6人の息子達は八戸氏や九戸氏などの祖になった。
戦国時代には23代安信が石川高信などの3人の弟を動員し津軽地方を平定する。
安信の子、晴政は紫波郡で和賀氏や斯波氏と戦う。
1539年に家臣の赤沼備中が背き本拠の三戸城を焼かれる。
同年上洛し12代将軍足利義晴より「晴」の字を拝領した。
その後、戸沢政安、斯波経詮が岩手郡に侵攻。
叔父の石川高信を向かわせ政安を秋田に追放、経詮を撃退した。
1541年に晴政は家督を継ぎ24代当主となり謀反を起こした工藤氏を討伐、三戸城を再建した。
1566年に安東愛季が鹿角郡に侵攻する。
長牛城主、一戸友義が奮戦し撃退するも翌年に再度侵攻する。
晴政は援軍を送るも長牛城は陥落してしまい鹿角郡を失う。
これに晴政は養子の信直(石川高信の子)と共に出陣。
九戸政実の活躍もあり鹿角郡の奪還に成功する。
1570年に晴政に嫡男晴継が生まれると信直を疎んじるようになる。
1571年突如として大浦為信が石川城を攻め石川高信を討ち取り津軽、外ヶ浜、糖部などを占領した。
晴政は討伐軍を差し向けるも敗北した。
1582年晴政が死去し晴継がわずか13歳で25代当主となるも直後に死去。
信直や九戸政実の暗殺ともいう。
晴継の死により信直が26代当主となる。
晴政の娘婿で九戸政実の弟の実親を推す意見もあったため信直と政実の間に遺恨が残った。
その後、斯波詮直を滅ぼし紫波郡を支配した。
さらに大浦為信と戦うも苦戦した。
小田原征伐に参陣し所領を安堵されるも為信が早くに参陣したため為信の独立が認められ津軽氏を名乗った。
1591年九戸政実と実親が九戸城で反乱を起こし苦戦するも豊臣軍10万の援軍により鎮圧。
実親や家臣らは惨殺され政実は処刑された。
1599年に信直死去。
死の直前長女の千代に「海藻が食べたい」との手紙を送っていた。
子の利直が27代当主となった。
関ヶ原の戦いでは東軍につく。
伊達政宗に煽動された和賀忠親の一揆に苦戦するも鎮圧した。
戦後、不来方城を盛岡城と改称し本拠を移した。
盛岡藩主となり幕末まで続いた。
津軽為信を祖とする津軽藩との確執は残り幕末には相馬大作事件が起きている。
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