巒東禮天国
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sinsin_615 2024年07月16日(火) 20:46:30履歴
巒東禮天国      Londonn Letienkuok Abukist State of London | |
|---|---|
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| 国の標語 | 滅私奉公(Tuzit Konhun、私滅公奉) |
| 国歌 | 禮天讃歌(Letien Tanka) |
| 公用語 | 巒東公話(London Kontoai) |
| 首都 | 天京(Tienkin) |
| 政治体制 | 禮天共和制 |
| 人口 | 2720万6346人 |
| 通貨 | 巒東禮天国輪(Londonn Letienkuok Luan) |
| 民族 | 巒人 |
| 宗教(国教) | 禮天教(Letien Zao) |
| 国内総生産 | 218億4669万5838ドル |
| 1人当たりのGDP | 803ドル |
目次
概用 
民族構成
基本情報 | |
|---|---|
| 巒(Lon)人 | 81.1% |
| 汕(Suon)人 | 9.7% |
| 清(Tan)人 | 7.9% |
| 朝張(Chiuchuon)人 | 0.6% |
| �嘆�(Yilaoto)人 | 0.4% |
| その他 | 0.3% |
国名
現在の正式な国名は巒東禮天国(巒東語：Londonn Letienkuok、ロンドン・レーティエンクオック)であり、略称は巒東(巒東語：Londonn、ロンドン)である。英語表記はAbukist State of Londonが用いられる*1。
歴史
�嘆敖觜馘�治時代
1920年に巒張督府長に任官された汗阜徳?(Anu Maimei)*2は、本国での州制度廃止に合わせて巒張島を3つに分ける道制度を廃止し、他には地方行政官に巒族や汕族、清族などの原住民の登用を認めるなど、それまで巒張で長年に亘って行われてきた原住民への弾圧・冷遇政策を取り止めた。教育政策に関して、汗阜徳は現地人に高等教育を施す指令を出し、巒張島各地に国家公務員養成学校、工業学校、農林学校、商業学校、商船学校、医科大学を次々と設置していき、短い期間で7万人以上の現地人選良階級を養成した。1933年中盤以降、巒張督府は大東洋・豐朝洋地域における戦局の悪化を受け、本国陸軍省の許可を得て巒張島の現地住民の武装化を試み、1934年3月に原住民専用の軍官学校を設置し、志願した巒人・汕人・清人青年に高度な軍事教練を施した。ここでは10万人以上の将校が養成され、同年9月にはこれらの青年将校を中心に、司令官以下の全ての将兵が原住民で構成される巒張防衛義勇軍?(Lonchuon Fonve Gaizunkuan、後の巒張民国国軍)が発足した。
1936年12月17日、連合軍が巒張上陸作戦?を敢行すると、�嘆攘海療賤梁把椋鄒鐚最圓鮗�け既に�嘆擇鮓�限っていた巒人将校の宗賀炉?(Ton Ha Lo)率いる巒張防衛義勇軍が各地で一斉に武装蜂起を起こし、�嘆攘海鮃況發靴届�合軍に合流した。これにより�嘆攘海詫眷�1月1日には巒張島から完全に放逐され、同島は連合軍と各地に駐屯する防衛義勇軍の統治下に置かれた。
1936年12月17日、連合軍が巒張上陸作戦?を敢行すると、�嘆攘海療賤梁把椋鄒鐚最圓鮗�け既に�嘆擇鮓�限っていた巒人将校の宗賀炉?(Ton Ha Lo)率いる巒張防衛義勇軍が各地で一斉に武装蜂起を起こし、�嘆攘海鮃況發靴届�合軍に合流した。これにより�嘆攘海詫眷�1月1日には巒張島から完全に放逐され、同島は連合軍と各地に駐屯する防衛義勇軍の統治下に置かれた。
独立宣言と巒張戦争
連合軍当局は防衛義勇軍が占領統治に参加することを拒否したが、義勇軍側はこれを拒絶し、宗賀炉は1937年3月に自軍の占領下にあった首府布京(Bakin)*3の議会場で巒張独立宣言?を発表、ここで島全土を領土とする巒張民国(Lonchuon Dannkuok)の建国を宣言し、干渉を仕掛ける全ての外部勢力を排除するという強硬姿勢を見せた。しかし、連合軍進駐当局はこの一方的な独立宣言を認めず、義勇軍勢力の排斥に向けて動き出そうとしたが、トイティア政府は未だ終息していない大陸戦線に兵力を集結させることを望んだため、義勇軍との大規模な武力衝突は避けられた。4月には停戦協定が締結され、義勇軍占領地域と連合軍占領地域の間に停戦線、その周辺に非武装中立地帯が設けられた。この停戦線付近では、ビラ撒布などの挑発行為や、相手軍の侵犯を巡った銃撃戦などが散発的にだが発生していた。同年6月15日に�嘆敖觜颪�ハルセーヌ宣言?を受諾し世界大戦が終結すると、防衛義勇軍を正規軍である巒張民国国軍に再編し、巒張人各勢力が巒張の戦い?の際に各地で独自に形成した軍事組織をも糾合した。
トイティア軍を中心とした連合軍は遂に部隊を集結させて巒張島の制圧に乗り出し、1945年4月に布京で巒張軍と連合軍の大規模な戦闘が生じたことで巒張戦争?(Lonchuon Dokrap Fonve Chienchan、巒張独立防衛戦争)が勃発した。質と量で劣っていた巒張軍だったが、長らく続いた�嘆擇砲茲詬洌技拉曚班堙�な搾取から解放され自国の独立を目指す巒張人の戦意は高かく、開戦当初の戦局は巒張側の優勢となっていた。それでも、総兵力45万の連合軍は装備の面でも練度においても巒張軍を凌駕しており、連合軍の猛攻により都市を放棄せざるを得ないことも多々あった。これに対し宗賀炉は徹底抗戦を全国民に訴え、全国の民兵組織は都市部での治安攪乱と農村部でのゲリラ戦を行い連合軍に抵抗した。形勢は両軍の一進一退の戦いが続いていたが、1948年8月、竪野での首相秘書官暗殺事件?で混迷を極めたトイティアのアトラー政権は巒張との休戦を模索し始め、10月からは両国間で具体的な休戦協議が開始された。1949年1月に板津県深島(Tamdaoh)で深島休戦協定?(Tamdaoh Chienhu Hiepdyn)が締結され、ここで「巒張民国が巒張本島と付属島嶼で実効支配を行うこと」と「連合軍占領地域を漸次巒張に編入すること」が認められた。
トイティア軍を中心とした連合軍は遂に部隊を集結させて巒張島の制圧に乗り出し、1945年4月に布京で巒張軍と連合軍の大規模な戦闘が生じたことで巒張戦争?(Lonchuon Dokrap Fonve Chienchan、巒張独立防衛戦争)が勃発した。質と量で劣っていた巒張軍だったが、長らく続いた�嘆擇砲茲詬洌技拉曚班堙�な搾取から解放され自国の独立を目指す巒張人の戦意は高かく、開戦当初の戦局は巒張側の優勢となっていた。それでも、総兵力45万の連合軍は装備の面でも練度においても巒張軍を凌駕しており、連合軍の猛攻により都市を放棄せざるを得ないことも多々あった。これに対し宗賀炉は徹底抗戦を全国民に訴え、全国の民兵組織は都市部での治安攪乱と農村部でのゲリラ戦を行い連合軍に抵抗した。形勢は両軍の一進一退の戦いが続いていたが、1948年8月、竪野での首相秘書官暗殺事件?で混迷を極めたトイティアのアトラー政権は巒張との休戦を模索し始め、10月からは両国間で具体的な休戦協議が開始された。1949年1月に板津県深島(Tamdaoh)で深島休戦協定?(Tamdaoh Chienhu Hiepdyn)が締結され、ここで「巒張民国が巒張本島と付属島嶼で実効支配を行うこと」と「連合軍占領地域を漸次巒張に編入すること」が認められた。
七月政治騒乱と天上改新
戦争が終結すると、国家大総統(Kuokza Dyitonton)に就任した宗賀炉は議会を招集して憲法の審議を開始し、1950年4月に巒張民国憲法が制定された。その後宗政権は議会制民主主義の導入を試み、1952年には初の議会総選挙が実施され、翌年に巒張戦争で野戦指揮官として活躍した陸軍将軍安沙与?(An Sa Duu)を首班とする内閣が成立した。これは右派の民族党、左派の民主民衆党、全土の禮天教徒を支持母体とする禮天教徒評議会?の政治的立場のそれぞれ異なる3政党による連立内閣であり、外交政策・経済政策・宗教政策において激しい意見衝突が起こった。内閣の不一致は瞭然であり、各派の利害調整を行うこともできず、議会は機能不全に陥った。事態の収拾を企図した宗賀炉は、1956年7月に大総統の権限を制約していた憲法を無期限停止する大総統布告を発し、同時に議会を解散した(七月政治騒乱?、Tatguuyet Chinchi Taoloan)。任命制議会の発足と政党活動の著しい制限による宗政権の独裁化は各方面から激しい抵抗を受け、地方では武装勢力の反乱が頻発し、国家の分裂の危機に直面した宗賀炉は全土に戒厳令を宣告した。戒厳令下で全国の大学機関は閉鎖され、反体制運動を行った学生や左派知識人などが弾圧された。
七月政治動乱で国全体が混乱の最中、現行政府の転覆による宗教国家樹立を秘密裏に企てていた禮天評議会議長天美武秀?(Tienmi Vu Tu)は、全ての穏健派指導者層を一掃した上で、敬虔な禮天教徒であり天導大士の称号も持つ安沙与に軍事クーデター計画を打診し、これを承服させた。
憲法停止以降、宗政権は強力な独裁的権限を行使して急進的な開発政策を採り、インフラの整備や工業化などによる経済発展を目指そうとした。対外政策においては、巒張戦争時の混乱に乗じて朝張社会主義人民国が占領した茂石群島を奪還する動きを見せ、1957年10月初旬から10機の軽爆撃機、3機の長距離爆撃機、海兵隊第1、第2、第3師団、陸軍第1空挺師団を布京の保港(Baokan)に集結させた。そして同月20日、安沙与の命を受けた外征軍は宗政権転覆のため布京の官庁街に向かって進軍し、大総統官邸と議会場を占拠した。国軍に強い影響力を有し軍全体のほとんどを掌握していた安沙与は、外征軍と自らの指揮下にある陸軍首都防衛第1師団、第2師団、第5師団を総動員し各地の都市部を制圧、宗賀炉と内閣閣僚を拘束して安を首班とする暫定政府の樹立を宣し、宗政権は崩壊を迎えた(天上改新?、Tientuan Tankai、天上新改)。禮天評議会は神権統治に基づく国家体制の樹立を掲げ、暫定政府は国民投票に基づいて1958年2月1日に巒東禮天国(Londonn Letienkuok)の建国を宣言した。禮天評議会の岩盤支持層である地域社会で強い影響力を持つ禮天教徒指導者(天導士)はこの軍事クーデターを支持し、全国の一般禮天教徒(天指)はこれに追従した。
七月政治動乱で国全体が混乱の最中、現行政府の転覆による宗教国家樹立を秘密裏に企てていた禮天評議会議長天美武秀?(Tienmi Vu Tu)は、全ての穏健派指導者層を一掃した上で、敬虔な禮天教徒であり天導大士の称号も持つ安沙与に軍事クーデター計画を打診し、これを承服させた。
憲法停止以降、宗政権は強力な独裁的権限を行使して急進的な開発政策を採り、インフラの整備や工業化などによる経済発展を目指そうとした。対外政策においては、巒張戦争時の混乱に乗じて朝張社会主義人民国が占領した茂石群島を奪還する動きを見せ、1957年10月初旬から10機の軽爆撃機、3機の長距離爆撃機、海兵隊第1、第2、第3師団、陸軍第1空挺師団を布京の保港(Baokan)に集結させた。そして同月20日、安沙与の命を受けた外征軍は宗政権転覆のため布京の官庁街に向かって進軍し、大総統官邸と議会場を占拠した。国軍に強い影響力を有し軍全体のほとんどを掌握していた安沙与は、外征軍と自らの指揮下にある陸軍首都防衛第1師団、第2師団、第5師団を総動員し各地の都市部を制圧、宗賀炉と内閣閣僚を拘束して安を首班とする暫定政府の樹立を宣し、宗政権は崩壊を迎えた(天上改新?、Tientuan Tankai、天上新改)。禮天評議会は神権統治に基づく国家体制の樹立を掲げ、暫定政府は国民投票に基づいて1958年2月1日に巒東禮天国(Londonn Letienkuok)の建国を宣言した。禮天評議会の岩盤支持層である地域社会で強い影響力を持つ禮天教徒指導者(天導士)はこの軍事クーデターを支持し、全国の一般禮天教徒(天指)はこれに追従した。
天令事件と天上体制
政権掌握後、最高指導者職の天理には天美武秀が、内閣総理大臣に相当する天政府天政官には安沙与が就任した。禮天国樹立から間もなく、改新勢力は壮絶な権力闘争に突入した。禮天評議会は安沙与からの影響を未だ強く受ける国軍に対抗するため、私兵団である天指義勇団の重武装化を画策し、最終的には軍事組織並の装備と規模となり天理府管轄下で天衛臣軍?(Tienve Tankuan)と改称された。強力な自前の武力組織を得た天美は安沙与派の排除に動き出し、1960年4月から臣軍を用いた大規模な粛清を開始した(四月天令事件?、Tuguuyet Tienlen Susu)。天理府は天政府と国軍に存在する安沙与派の要職からの解任・逮捕に踏み切り、安沙与も含む多くの官僚・軍人が天令の名の下に天上裁判に掛けられ、天の意思に反逆した罪で斬首刑に処された。粛清は安沙与派だけではなく、メクリス教徒などの異教徒、共産主義者や単なる無神論者、改新に反発する政治活動家にまで及び、各地で義勇軍による捜査と検挙、激しい弾圧が行われた。特に、天上改新と宗教国家の樹立に反対する知識人が集中していた大学機関では思想摘発が大々的に行われ、多くの教授と学者、学生政治運動家が連行され天上法廷に立たされた。1960年4月から1961年4月までの1年間で74万人が天上裁判に掛けられ、その内の15万人が斬首や火刑などの残忍な方法で処刑された。処刑を免れた者は義勇軍が管轄する統制所*4と呼ばれる強制収容所に投獄され、看守によって常態的に行われる拷問・虐殺に遭った。臣軍の役割はその後国家安全保障任務へと切り替わり、宗教・政治面での弾圧・監視任務と強制収容所の管理は新設された道徳警察?と天政警察?に引き継がれた。対立勢力の粛清により政権をより堅固なものとした天美政権は自らを天上体制?と称し、それ以後現在に至るまで、天理府下の内務部道徳警察による反政府的な言論・政治運動への厳しい弾圧が行われている。
周辺国との国交樹立と対外戦争
独立以来長らく国際社会から孤立していた巒東は、1960年に大�嘆斛∨�と軍事政権が発足したばかりの豐彌国とそれぞれ国交を樹立し、国際的地位の確立に着手した。他には、1961年に奉元、東麗と、1962年に竪野、総馬国とそれぞれ外交関係を結んだ。1963年に皇京で大東洋条約?が調印され大東洋共存圏が設立されると、巒東は設立国の内の1国としてこれに加盟した。同時に皇京で開かれた皇京アグロ独立防衛会議?では、大東洋共存圏加盟国のアグロ独立戦争への派兵が決議されたが、経済基盤の構築を最優先事項とした巒東は派遣決議を辞退した。共存圏のアグロへの派兵が拡大される中で、�嘆收�府は巒東に再々派遣要請を行ったが、天美政権は拒否し続け、中立的な立場を維持した。
茂石群島の実効支配を続ける朝張へは一貫して茂石全島の主権を主張し、戦争期の混乱に乗じて一方的に併合し軍事施設を建設し続ける朝張を強く非難した。1961年6月に茂石の西側海域に侵入した巒東の漁船が朝張軍に銃撃を受け船に乗っていた漁民全員が死亡する事件(崇母島事件?)が発生し、急行した巒東軍と朝張軍の間で武力衝突が起きたことで第1次茂石紛争?が勃発した。突発的に発生した出来事に両国政府は停戦協議に向けて早急に動き出し、7月には天京の保港で保港停戦協定?が締結され両軍の戦闘は一旦沈静化した。
その後も茂石周辺海域では巒東軍と朝張軍の小競り合いが散発的に行われていたが、1963年10月、巒東側の軍事侵攻で遂に本格的な軍事衝突が発生した(第2次茂石紛争?)。1963年9月から朝張軍は崇母島で大規模な軍用飛行場の建設工事に着手したが、巒東はこれを戦争挑発行為と見なし、朝張政府に工事の即刻中止を要求した。しかし、朝張側はこれを受け入れず、健全な主権保護活動の一環であると公表すると、巒東天理府は国軍に武力行使による茂石群島全域の権益回復を命じた。そして10月10日未明、巒東軍の3機の爆撃機が崇母島の朝張軍基地を空爆し、直後に海兵隊第3師団が同島に強襲上陸を仕掛け、朝張軍の迎撃も虚しく同日中に制圧を完了した。朝張海軍は本土からの増援を得て巒東に反撃し、11日には巒東海軍西海艦隊との海戦が行われた(茂石群島海戦?)。各所で行われる激しい戦闘で両軍は大損害を被り、巒東軍は戦闘機4機、爆撃機1機、駆逐艦3隻、巡洋艦1隻を喪失し、西海艦隊は壊滅状態に陥った。
高平金?(Kao Bin Kim)駐豐彌大使は少太幹?(Tiu Tai Kan)外交臣の訓令を受け、豐彌国の林成慈(Hin Tai)総理に中立的な講和斡旋を申し入れ、12月5日から豐彌の室岩で講和会議が開かれた。巒東側の全権委任代表に選ばれた高平金と朝張側全権委任代表の東学山?(Donn Shueshan)は互いに強硬姿勢で臨み、交渉は早くも暗礁に乗り上げたが、豐彌は絶対的不利な立場の巒東に働き掛けることで事態の収拾を企図した。結局、巒東は国軍の茂石群島からの完全撤退と、茂石における朝張の領土主権を是認することで合意し、1964年1月に室岩休戦協定?が締結された。戦後、茂石海戦の直接指揮を執った西海艦隊司令官馬清恵?(Mua Tan Huye)と軍務部海軍委員長石正日?(Tak Chin Nhat)はこの実質的な敗戦の責任を取らされ、天上裁判に掛けられた後に処刑された。
茂石群島の実効支配を続ける朝張へは一貫して茂石全島の主権を主張し、戦争期の混乱に乗じて一方的に併合し軍事施設を建設し続ける朝張を強く非難した。1961年6月に茂石の西側海域に侵入した巒東の漁船が朝張軍に銃撃を受け船に乗っていた漁民全員が死亡する事件(崇母島事件?)が発生し、急行した巒東軍と朝張軍の間で武力衝突が起きたことで第1次茂石紛争?が勃発した。突発的に発生した出来事に両国政府は停戦協議に向けて早急に動き出し、7月には天京の保港で保港停戦協定?が締結され両軍の戦闘は一旦沈静化した。
その後も茂石周辺海域では巒東軍と朝張軍の小競り合いが散発的に行われていたが、1963年10月、巒東側の軍事侵攻で遂に本格的な軍事衝突が発生した(第2次茂石紛争?)。1963年9月から朝張軍は崇母島で大規模な軍用飛行場の建設工事に着手したが、巒東はこれを戦争挑発行為と見なし、朝張政府に工事の即刻中止を要求した。しかし、朝張側はこれを受け入れず、健全な主権保護活動の一環であると公表すると、巒東天理府は国軍に武力行使による茂石群島全域の権益回復を命じた。そして10月10日未明、巒東軍の3機の爆撃機が崇母島の朝張軍基地を空爆し、直後に海兵隊第3師団が同島に強襲上陸を仕掛け、朝張軍の迎撃も虚しく同日中に制圧を完了した。朝張海軍は本土からの増援を得て巒東に反撃し、11日には巒東海軍西海艦隊との海戦が行われた(茂石群島海戦?)。各所で行われる激しい戦闘で両軍は大損害を被り、巒東軍は戦闘機4機、爆撃機1機、駆逐艦3隻、巡洋艦1隻を喪失し、西海艦隊は壊滅状態に陥った。
高平金?(Kao Bin Kim)駐豐彌大使は少太幹?(Tiu Tai Kan)外交臣の訓令を受け、豐彌国の林成慈(Hin Tai)総理に中立的な講和斡旋を申し入れ、12月5日から豐彌の室岩で講和会議が開かれた。巒東側の全権委任代表に選ばれた高平金と朝張側全権委任代表の東学山?(Donn Shueshan)は互いに強硬姿勢で臨み、交渉は早くも暗礁に乗り上げたが、豐彌は絶対的不利な立場の巒東に働き掛けることで事態の収拾を企図した。結局、巒東は国軍の茂石群島からの完全撤退と、茂石における朝張の領土主権を是認することで合意し、1964年1月に室岩休戦協定?が締結された。戦後、茂石海戦の直接指揮を執った西海艦隊司令官馬清恵?(Mua Tan Huye)と軍務部海軍委員長石正日?(Tak Chin Nhat)はこの実質的な敗戦の責任を取らされ、天上裁判に掛けられた後に処刑された。
経済失政と大飢饉
巒西海の茂石群島を巡って対立関係にある朝張と、巒北海で軍艇同士の小競り合いが続くトイティアに対処するため、巒東天理府は1961年10月に戦備構築と工業力形成を目標に重要産業国有化令を布告し、国内の鉱山、鉄道、大規模な商業施設などを強制的に没収した。これを皮切りに巒東では計画経済の施行や農場の全面的強制集団化、食糧配給制度実施などの社会主義的な政策が急速に進められた。産業臣 曹正男?(Tao Chin Nam)の助言を得た天理天美武秀は5年間での工業・農業生産量の大増産高指標を発し、1964年6月に天上議会で経済5箇年計画が策定され、思想扇動によって大衆を増産運動に動員する産業天令運動?が開始された。
小規模分散生産を採用し、量のみを重視して質を全く度外視した結果生まれたものは殆ど使いようにならない鉄屑であった。この状況を受け、粛清を恐れた産業部指導層は天理府に虚偽の報告を行い、その後も従来のいい加減な方法で生産を続けたため、資源を更に無駄に大量消費する結果となった。また、この製鉄行為によって国中で多くの樹木が伐採されたことで、各地では土砂崩れや洪水が多く発生するようになった。ちなみに、この事業による農民の大量動員と農具の喪失は、同時に並行して行われた稲恵天令運動?後述に悪影響を与えた。
全国の農地が壊滅的な被害を被っても、天理府が示す農作物の生産責任量は増加の一方だった。天理自身が発した「天示」に従わない者・異を唱える者は逆徒として天上裁判に掛けられるなど徹底的に排除されたため、保身に走った現場指導部は状態的に虚偽と誇張に塗れた成果を報告するようになり、その報告を受けた天美が実態を把握しないまま更に現実離れした増産命令を繰り返すという負の循環に陥ったためである。
1966年初頭からは農産物の大不作により食糧配給制度は滞るようになったが、農業管理官による食糧の徴発はこの時を境に頻繁に行われるようになり、農村部では餓死者が続出したことで農業生産は低下の一途を辿った。製鉄事業に多くの農民が投入されたことによる農業労働力の大幅減少と、技術的・知識的進歩の見られない巒東集団農業の非効率性も農業生産の大きな低迷原因の1つだった。
粛清を恐れた地方自治体と農業部指導者は、各地で広がった飢餓を隠蔽しようと奔走したが、この大飢饉はやがて天美自身も知るところとなり、1968年5月から同年12月の間に産業臣 曹正男や産業天令運動の現場主要指導者426人が処刑された。産業振興政策の完全な失敗と大飢饉の発生を受け、天美天理府は国全体で巻き起こっている前代未聞の飢餓と経済的不況は天が人類に与えた使命的苦難、即ち「耐忍の大天令?(Nainhan chi Dyitienlen)」であるとし、この逆境を抗うことなく耐え忍ぶことを国民に呼びかけた。「耐忍の大天令」は、その後も国内外の厳しい状況に対処するための指針として位置づけられ、巒東天理府は思想宣伝や啓発活動を通じてこの理念を国民に浸透させていった。政治面で「耐忍の大天令」が多用された1968年から1980年代初頭までの期間でおよそ900万人の巒東人が餓死した。未曾有の大飢饉の中、西部沿岸部では飢えから逃れるため巒西海を小舟で越え朝張に逃れようとする者が急激に増加したが、こうした脱国者を無条件に攻撃するよう命じられた沿岸警備隊によって数万人が射殺された。
- 塵黒天令運動
小規模分散生産を採用し、量のみを重視して質を全く度外視した結果生まれたものは殆ど使いようにならない鉄屑であった。この状況を受け、粛清を恐れた産業部指導層は天理府に虚偽の報告を行い、その後も従来のいい加減な方法で生産を続けたため、資源を更に無駄に大量消費する結果となった。また、この製鉄行為によって国中で多くの樹木が伐採されたことで、各地では土砂崩れや洪水が多く発生するようになった。ちなみに、この事業による農民の大量動員と農具の喪失は、同時に並行して行われた稲恵天令運動?後述に悪影響を与えた。
- 稲恵天令運動
全国の農地が壊滅的な被害を被っても、天理府が示す農作物の生産責任量は増加の一方だった。天理自身が発した「天示」に従わない者・異を唱える者は逆徒として天上裁判に掛けられるなど徹底的に排除されたため、保身に走った現場指導部は状態的に虚偽と誇張に塗れた成果を報告するようになり、その報告を受けた天美が実態を把握しないまま更に現実離れした増産命令を繰り返すという負の循環に陥ったためである。
1966年初頭からは農産物の大不作により食糧配給制度は滞るようになったが、農業管理官による食糧の徴発はこの時を境に頻繁に行われるようになり、農村部では餓死者が続出したことで農業生産は低下の一途を辿った。製鉄事業に多くの農民が投入されたことによる農業労働力の大幅減少と、技術的・知識的進歩の見られない巒東集団農業の非効率性も農業生産の大きな低迷原因の1つだった。
- 耐忍の大天令
粛清を恐れた地方自治体と農業部指導者は、各地で広がった飢餓を隠蔽しようと奔走したが、この大飢饉はやがて天美自身も知るところとなり、1968年5月から同年12月の間に産業臣 曹正男や産業天令運動の現場主要指導者426人が処刑された。産業振興政策の完全な失敗と大飢饉の発生を受け、天美天理府は国全体で巻き起こっている前代未聞の飢餓と経済的不況は天が人類に与えた使命的苦難、即ち「耐忍の大天令?(Nainhan chi Dyitienlen)」であるとし、この逆境を抗うことなく耐え忍ぶことを国民に呼びかけた。「耐忍の大天令」は、その後も国内外の厳しい状況に対処するための指針として位置づけられ、巒東天理府は思想宣伝や啓発活動を通じてこの理念を国民に浸透させていった。政治面で「耐忍の大天令」が多用された1968年から1980年代初頭までの期間でおよそ900万人の巒東人が餓死した。未曾有の大飢饉の中、西部沿岸部では飢えから逃れるため巒西海を小舟で越え朝張に逃れようとする者が急激に増加したが、こうした脱国者を無条件に攻撃するよう命じられた沿岸警備隊によって数万人が射殺された。
鎖国体制と大軍拡
未曾有の経済大不況に陥った巒東は、1969年7月に�嘆據�豐彌、竪野など外交関係を結んでいる7か国に存在する全ての大使館・領事館を閉鎖した。巒東の在外公館は財政が極度に不如意であった本国からの送金が途絶え、大使及び館員は約1年間にわたって自給自足に近い生活を余儀なくされていた。
経済の危機的状況に直面した巒東が選んだ道は「同盟中立」であった。これは「同盟には参加しつつも中立を維持する」という外交政策であったが、�嘆擇鮖呂瓩箸垢覿β厳�加盟国は大東洋憲章の根幹をなす集団防衛事項に反しているとして巒東を非難した。1970年6月中旬、�嘆擇蓮嶽歸貔�府除名に関する決議案(巒東決議案)」を共存圏会議に提出した。1970年9月に皇京で開かれた第7回大東洋共存圏会議では巒東は出席を辞退し、巒東を有力な投資先と目していた豐彌のみが追放に反対した。結果、巒東決議案は賛成6、反対1、棄権1*6で可決され、巒東の除名が決定された(巒東決議?)。追放決議の採択を受けて巒東政府は共存圏からの脱退を宣言し、東洋諸国との国際関係は断絶された。一方で、決議に反対の立場を取っていた豐彌とは外交関係や民間交流が継続され、非公式ながら実質的に国交に近い待遇を受けた。豐彌とはその後も密接な関係が続くことになった。
周辺地域と緊迫した状況が続く中で国際的な孤立に立たされた天美政権は、いかなる対外勢力からの影響・干渉を受けない強固な国家の自主建設を国家方針として掲げ、1971年1月の天上会議で外部の影響の排除による主権維持と軍事の盤石化を目指す「富強砦国化宣言?(Hukan Chaikuok Hoa Tuyengon)」を発表した。これは対外的には外交の停止と非同盟中立化の宣言、対内的には「自主的かつ積極的な軍事力増強」への協力と経済的逆境への耐忍を国民に求めるものであった。また同時に、「全軍の近代化・全民の兵士化・全土の要塞化」を旨とする三軍路線?(Tamkuan Lotuyen)を軍事最優先政策の実践方途として宣言した。これらは事実上の経済再建放棄・鎖国宣言に等しく、この時期を境に天美政権は国内での天美一族への個人崇拝の更なる強化と核兵器などの大量破壊兵器の開発へと進んで行った*7。
鎖国体制に突入した巒東は徴兵制度の実施、機械化軍団の創設、誘導弾など精密兵器の開発、小火器の大量生産を行う一方で、民間からの徴発により食糧を備蓄するなど、陸上戦力の充実化と戦力動員体制の強化を実行した。他には、有事の際に巒東上空の制空権を敵に奪われることを想定し、空襲から防護するために全地域で軍事関連施設を地下に建設して「全土の要塞化」を推進した。独自の生産が難しい海上・航空兵器に関しては外部からの提供に頼り、豐彌から世界大戦時〜戦後間もない頃に造られた型落ち兵器を食糧・鉱物資源と引き換えに大量輸入した。1975年には国家予算の32％が軍事費のために支出され巒東の陸・海・空軍は建国当初と比べて遥かに増強されたものの、生産基盤が未だ脆弱な状態での食糧輸出拡大により食糧難は更に深刻化し、1968年に67歳だった平均寿命は1975年には58歳にまで縮み、46人だった1000人当たりの乳幼児死亡率はこの間に73人へと激増した。
経済の危機的状況に直面した巒東が選んだ道は「同盟中立」であった。これは「同盟には参加しつつも中立を維持する」という外交政策であったが、�嘆擇鮖呂瓩箸垢覿β厳�加盟国は大東洋憲章の根幹をなす集団防衛事項に反しているとして巒東を非難した。1970年6月中旬、�嘆擇蓮嶽歸貔�府除名に関する決議案(巒東決議案)」を共存圏会議に提出した。1970年9月に皇京で開かれた第7回大東洋共存圏会議では巒東は出席を辞退し、巒東を有力な投資先と目していた豐彌のみが追放に反対した。結果、巒東決議案は賛成6、反対1、棄権1*6で可決され、巒東の除名が決定された(巒東決議?)。追放決議の採択を受けて巒東政府は共存圏からの脱退を宣言し、東洋諸国との国際関係は断絶された。一方で、決議に反対の立場を取っていた豐彌とは外交関係や民間交流が継続され、非公式ながら実質的に国交に近い待遇を受けた。豐彌とはその後も密接な関係が続くことになった。
周辺地域と緊迫した状況が続く中で国際的な孤立に立たされた天美政権は、いかなる対外勢力からの影響・干渉を受けない強固な国家の自主建設を国家方針として掲げ、1971年1月の天上会議で外部の影響の排除による主権維持と軍事の盤石化を目指す「富強砦国化宣言?(Hukan Chaikuok Hoa Tuyengon)」を発表した。これは対外的には外交の停止と非同盟中立化の宣言、対内的には「自主的かつ積極的な軍事力増強」への協力と経済的逆境への耐忍を国民に求めるものであった。また同時に、「全軍の近代化・全民の兵士化・全土の要塞化」を旨とする三軍路線?(Tamkuan Lotuyen)を軍事最優先政策の実践方途として宣言した。これらは事実上の経済再建放棄・鎖国宣言に等しく、この時期を境に天美政権は国内での天美一族への個人崇拝の更なる強化と核兵器などの大量破壊兵器の開発へと進んで行った*7。
鎖国体制に突入した巒東は徴兵制度の実施、機械化軍団の創設、誘導弾など精密兵器の開発、小火器の大量生産を行う一方で、民間からの徴発により食糧を備蓄するなど、陸上戦力の充実化と戦力動員体制の強化を実行した。他には、有事の際に巒東上空の制空権を敵に奪われることを想定し、空襲から防護するために全地域で軍事関連施設を地下に建設して「全土の要塞化」を推進した。独自の生産が難しい海上・航空兵器に関しては外部からの提供に頼り、豐彌から世界大戦時〜戦後間もない頃に造られた型落ち兵器を食糧・鉱物資源と引き換えに大量輸入した。1975年には国家予算の32％が軍事費のために支出され巒東の陸・海・空軍は建国当初と比べて遥かに増強されたものの、生産基盤が未だ脆弱な状態での食糧輸出拡大により食糧難は更に深刻化し、1968年に67歳だった平均寿命は1975年には58歳にまで縮み、46人だった1000人当たりの乳幼児死亡率はこの間に73人へと激増した。
天美富駿の台頭と政権掌握
1973年に天美秀が慢性膵炎と膀胱癌に罹患していることが判明し、天理後継の早期選定が差し迫った。天美秀は翌年には既に椅子から立ち上がるのにも苦労するほど症状が悪化し、病床を離れられなくなったことで、長男の天美富駿?(Tienmi Hu Tuan)が父に代わり日常業務を主宰するようになった。継承者としての地位を確立する過程で、天美駿は異母弟の天美福一?(Tienmi Huk Nhat)とその母親の天美景愛(Tienmi Kan Ai)との間で激しい権力闘争を行った。天美駿は1975年の天上議会において、景愛が今まで働いてきた数々の不正と越権行為を糾弾し、景愛を政権中枢から放逐して失脚させ、後ろ盾を失った福一を継承者競争から脱落させた。また、京恒誠?道徳保衛部警察局長などの追随者らも農村や鉱山に追放し、結果として天美駿は単独で天理府や国軍を掌握することに成功した。
1976年2月に天美駿が天位の唯一継承者として正式に推戴されると、天美駿は積極的な外遊を行い始めた。特に、巒東に多くの軍事援助を送った豐彌へは頻繁に出向き、林成慈との対話では大幅な経済改革の必要を自認し、林も巒東への積極的な経済支援を約束した。また、天美駿は鎖国体制の放棄と大東洋共存圏への復帰の意思を伝え、林政権に共存圏復帰の支持を取り付けた。しかし、1979年の林政権の崩壊とその後の豐彌国内における政治的動乱によってこの件はしばらく先延ばしとなった。
一族内で熾烈な継承争いが行われる中で天美秀の病状は悪化の一途を辿り、医師団の懸命な治療も虚しく1978年7月8日午前4時21分に天京都香上区の天宮で死去した(享年78)*8。同日中に天理継承の儀が執り行われ、この日より天美駿は最高指導者として統治を開始した。1978年8月19日に天美駿の指示で、高さ42.3m*9の天美秀の銅像や170ｍを超える巨大石塔、エンバーミング処理された死体を安置するための大規模な霊廟(太陽天殿?)の建設を行うことが発表された。7900億円もの資金が投入されて1980年2月に全ての工事が完成し、天美秀の誕生日の1日前である4月22日に除幕式が行われた。死体の維持管理は豐彌から派遣された技術者に依頼しており、年間保全費にはおよそ2億円を要した。
1976年2月に天美駿が天位の唯一継承者として正式に推戴されると、天美駿は積極的な外遊を行い始めた。特に、巒東に多くの軍事援助を送った豐彌へは頻繁に出向き、林成慈との対話では大幅な経済改革の必要を自認し、林も巒東への積極的な経済支援を約束した。また、天美駿は鎖国体制の放棄と大東洋共存圏への復帰の意思を伝え、林政権に共存圏復帰の支持を取り付けた。しかし、1979年の林政権の崩壊とその後の豐彌国内における政治的動乱によってこの件はしばらく先延ばしとなった。
一族内で熾烈な継承争いが行われる中で天美秀の病状は悪化の一途を辿り、医師団の懸命な治療も虚しく1978年7月8日午前4時21分に天京都香上区の天宮で死去した(享年78)*8。同日中に天理継承の儀が執り行われ、この日より天美駿は最高指導者として統治を開始した。1978年8月19日に天美駿の指示で、高さ42.3m*9の天美秀の銅像や170ｍを超える巨大石塔、エンバーミング処理された死体を安置するための大規模な霊廟(太陽天殿?)の建設を行うことが発表された。7900億円もの資金が投入されて1980年2月に全ての工事が完成し、天美秀の誕生日の1日前である4月22日に除幕式が行われた。死体の維持管理は豐彌から派遣された技術者に依頼しており、年間保全費にはおよそ2億円を要した。
国際社会への復帰と経済改革
天美駿政権は上仙の春?後に発足した豐彌国の細田軍事政権との間で一時的に断絶していた政府間交流を復活させた。その後巒東は豐彌の支持の下、1981年9月の第19回大東洋共存圏会議で共存圏への再加盟が認められた。共存圏復帰後、巒東は�嘆擇簑召硫談噌颪箸旅餮鬚鮑討喙�立し、1982年には国際連合にも加盟してトイティアやオーデシアなど西洋民主主義諸国との間でも国交の正常化が図られた。こうして巒東は10年間続いた鎖国体制を破棄し、国内での問題を多数残しながらも国際社会への復帰を果たした。
巒東で配給制度が崩壊した1960年代後半からは、食糧や生活必需品を手に入れるために住民による闇市場(ディンチュオン?)*10が全国で急速に広まり、統制経済を守ろうとする当局によってことごとく弾圧されてきたが、天美駿政権が発足してからは次第に認められるようになっていった。巒東は60年代から70年代前半の深刻な経済危機からは多少なりとも回復したが、天美駿継承後も厳しい経済状況は続いていた。天美駿政権は国内の経済的混乱を解消する第一歩として、経済特区の設置と海外資本の導入による対外経済開放政策を計画し、1984年3月に巒東島のちょうど四隅にあたる真泉市(Chantuyen)、海州市(Haichon)、下門市(Hamon)、南土市(Namto)の都市一帯を自由貿易地域に指定した。これには外資の導入によって国内が思想的に汚染され天上体制の動揺に繋がることを恐れた天美駿が、国の末端地域を部分的に開放し経済の活性化を図りつつ、他の地域に外部の影響が及ぶことを阻止するという狙いがあった。これらの経済特区には外国資本の単独投資、輸入関税の免除、用地の長期貸渡、所得税の軽減、財産の保護などの経済優遇策が取られた。
東洋冷戦?と呼ばれる、東洋州での大東洋共存圏・北デルニカ条約機構(NDTO)・共産圏の国際緊張が高まる中で、共存圏とNDTOは核戦争の防止と発展途上国に対する開発協力に共通の利益を見出し、1983年8月にロンティア共同宣言?が発表され、東西間の緊張緩和が達成された。その一環として1985年9月、�嘆據�豐彌・トイティア・オーデシアの東洋と西洋の主要4か国は、巒東の指定した4都市の地域開発計画を共同で発表した。しかし、�嘆擇�南寧羅侵攻と共存圏会議での南寧羅の国家承認による東西間緊張の激化、そして核開発疑惑を巡る巒東への国連経済制裁決議によりロンティア共同宣言は事実上破棄され、巒東の経済特区政策は早くも頓挫した。豐彌と�嘆擇魯肇ぅ謄�アとオーデシアの経済4特区からの撤退後に巒東との経済的連携を更に強化し、1987年8月に華豐巒の3か国で天京経済開発支援協力協定?を締結して経済開発・インフラ整備を進めていった。だが、巒東はあくまでも自国の自主権を重視し、自国中心の国際協力を優先させたことが外資誘致の障害になり、華豐巒の連携開発は軌道には乗らなかった。
巒東で配給制度が崩壊した1960年代後半からは、食糧や生活必需品を手に入れるために住民による闇市場(ディンチュオン?)*10が全国で急速に広まり、統制経済を守ろうとする当局によってことごとく弾圧されてきたが、天美駿政権が発足してからは次第に認められるようになっていった。巒東は60年代から70年代前半の深刻な経済危機からは多少なりとも回復したが、天美駿継承後も厳しい経済状況は続いていた。天美駿政権は国内の経済的混乱を解消する第一歩として、経済特区の設置と海外資本の導入による対外経済開放政策を計画し、1984年3月に巒東島のちょうど四隅にあたる真泉市(Chantuyen)、海州市(Haichon)、下門市(Hamon)、南土市(Namto)の都市一帯を自由貿易地域に指定した。これには外資の導入によって国内が思想的に汚染され天上体制の動揺に繋がることを恐れた天美駿が、国の末端地域を部分的に開放し経済の活性化を図りつつ、他の地域に外部の影響が及ぶことを阻止するという狙いがあった。これらの経済特区には外国資本の単独投資、輸入関税の免除、用地の長期貸渡、所得税の軽減、財産の保護などの経済優遇策が取られた。
東洋冷戦?と呼ばれる、東洋州での大東洋共存圏・北デルニカ条約機構(NDTO)・共産圏の国際緊張が高まる中で、共存圏とNDTOは核戦争の防止と発展途上国に対する開発協力に共通の利益を見出し、1983年8月にロンティア共同宣言?が発表され、東西間の緊張緩和が達成された。その一環として1985年9月、�嘆據�豐彌・トイティア・オーデシアの東洋と西洋の主要4か国は、巒東の指定した4都市の地域開発計画を共同で発表した。しかし、�嘆擇�南寧羅侵攻と共存圏会議での南寧羅の国家承認による東西間緊張の激化、そして核開発疑惑を巡る巒東への国連経済制裁決議によりロンティア共同宣言は事実上破棄され、巒東の経済特区政策は早くも頓挫した。豐彌と�嘆擇魯肇ぅ謄�アとオーデシアの経済4特区からの撤退後に巒東との経済的連携を更に強化し、1987年8月に華豐巒の3か国で天京経済開発支援協力協定?を締結して経済開発・インフラ整備を進めていった。だが、巒東はあくまでも自国の自主権を重視し、自国中心の国際協力を優先させたことが外資誘致の障害になり、華豐巒の連携開発は軌道には乗らなかった。
核兵器保有の野望
天美武秀は建国以来、トイティアなどの西洋諸国に軍事的に対抗するには核兵器の存在が重要であると考えており、核兵器の開発に関して深い関心を持っていた。1960年に東洋諸国と国交を結ぶと、当時の東洋国で唯一核戦力を保有していた�嘆擇乏吠軸鏗�発の協力を求めたが、�嘆畋Δ�巒東の核武装の必要性を疑問視し拒否した。�嘆擇聾胸厠呂鯤刃騨�用する分には協力する姿勢を見せ、1962年には華巒間で原子力開発に関する基本合意が行われ、巒東は数人の科学者を�嘆擇�皇京核研究所?に派遣した。また、�嘆擇�ら小規模の研究用原子炉の供与を受け、雲廊県に根辺核施設?が建設された。しかし、巒東は翌年の共存圏会議でアグロネディアへの派兵決議を辞退し、その後度々行われた�嘆擇了伽鑞彑舛盖馮櫃径海韻燭燭瓠��嘆擇�巒東の核施設に派遣されていた�嘆攷邑Φ羂�を帰国させるなど対巒政策を強硬化させ、華巒の関係は一気に冷え込むことになった。これにより巒東の核開発計画は一時行き詰まったが、この後も核開発計画自体は放棄されなかった。1970年には巒東が大東洋共存圏を脱退して�嘆擇箸隆愀犬話農箴�態となったが、天美武秀政権は核武力保有による軍事力の強化政策を水面下で進め、核武装計画である「惨統計画?(Tamton Kehoa)*11」を策動、非公式の外交関係が続いていた豐彌と豐巒原子力開発協力協定?を締結し、豐彌から巒東への原発技術の供与・研究原子炉用濃縮ウランの賃貸が取り決められた。ただし、豐彌も�嘆擇汎瑛佑乏防霑�の協力に関して消極的であり、核兵器に軍事転用可能な使用済み核燃料の巒東側での処理を認めなかった。
1980年、対立を続けていた朝張が核を保有したことによって巒朝の軍事的な均衡は崩壊し、巒東は朝張に対して一方的に不利な状況に置かれた。天美富駿政権は新たな核保有国となった朝張に対抗するため、惨統計画を再始動して各地に大型黒鉛炉やウラン濃縮施設を建設していき、武秀政権下で停滞していた核開発計画を極秘裏に再び活性化させた。1981年2月に天理府の下で原子力委員会が組織され、具体的な核実験計画が練られ始めた。
巒東の核開発再始動を早々に察知した朝張は危機感を抱き、根辺核施設への武力攻撃を画策、高京から出発した戦闘機8機により施設は完全に破壊された(根辺核施設爆撃事件?)。この攻撃により警備していた巒東軍兵士15名と巒東人科学者2名、豐彌人技術者1名が命を落とした。朝張政府は共存圏緊急会議においてこの武力行動を自衛のための先制攻撃だと主張し、巒東に原子力開発の支援を行っている豐彌も非難した。これに対して豐彌政府は平和利用のための技術供与であると反論し、緊急会議は朝張の独断専行への非難と朝張側代表の会議出席を一定期間禁じる措置を取り閉幕した。朝張による巒東の核施設への破壊活動はその後も頻発し、巒東は巒西海での朝張公船への攻撃強化などの対抗措置を取った。
巒東と朝張の核兵器開発を巡る衝突を受けた国連隷下の国際核技術監視機関?は、巒東政府に核査察を受け入れるよう圧力を加えるが、巒東は査察に応じようとはせず、1986年4月に国連安保理事会により経済制裁決議がなされた。1987年5月、原子力委員会の監督下で行われた核実験が成功し、巒東は核保有を達成した。
1980年、対立を続けていた朝張が核を保有したことによって巒朝の軍事的な均衡は崩壊し、巒東は朝張に対して一方的に不利な状況に置かれた。天美富駿政権は新たな核保有国となった朝張に対抗するため、惨統計画を再始動して各地に大型黒鉛炉やウラン濃縮施設を建設していき、武秀政権下で停滞していた核開発計画を極秘裏に再び活性化させた。1981年2月に天理府の下で原子力委員会が組織され、具体的な核実験計画が練られ始めた。
巒東の核開発再始動を早々に察知した朝張は危機感を抱き、根辺核施設への武力攻撃を画策、高京から出発した戦闘機8機により施設は完全に破壊された(根辺核施設爆撃事件?)。この攻撃により警備していた巒東軍兵士15名と巒東人科学者2名、豐彌人技術者1名が命を落とした。朝張政府は共存圏緊急会議においてこの武力行動を自衛のための先制攻撃だと主張し、巒東に原子力開発の支援を行っている豐彌も非難した。これに対して豐彌政府は平和利用のための技術供与であると反論し、緊急会議は朝張の独断専行への非難と朝張側代表の会議出席を一定期間禁じる措置を取り閉幕した。朝張による巒東の核施設への破壊活動はその後も頻発し、巒東は巒西海での朝張公船への攻撃強化などの対抗措置を取った。
巒東と朝張の核兵器開発を巡る衝突を受けた国連隷下の国際核技術監視機関?は、巒東政府に核査察を受け入れるよう圧力を加えるが、巒東は査察に応じようとはせず、1986年4月に国連安保理事会により経済制裁決議がなされた。1987年5月、原子力委員会の監督下で行われた核実験が成功し、巒東は核保有を達成した。
テロ政策と孤立化
詳細は頼崇来霊廟事件及び朝張航空機爆破事件を参照
巒東が核を保有するまでの間、巒朝間の対立は終始核保有国である朝張が優勢に立っていたが、巒東が核保有を完了させるとこの状況は一変した。両国の対立が際限なく高まっていく中で、次第に全面核戦争の危機が語られるようになったが、巒東は朝張への対決姿勢を一層強めていった。天理府は1988年9月に、朝張国内でテロ活動を行い朝張社会を混乱に陥れるための短期的な外交目標を策定し、これを達成するために、それまで断続的に続けられてきた被抑圧民族解放戦線?(Front for the Liberation of the Oppressed Nation、FLON)*12への支援を拡大して、巒東国内でも統合情報部管轄下で複数のテロ組織が創設・養成された。
巒東天理府は対朝張テロの第一策として、要人暗殺による朝張社会の混乱と反朝張武装勢力の一斉蜂起誘発を計画し、1989年10月に大灣の群廊において頼崇来霊廟事件を引き起こして朝張の江長明?国家主席と王峰?外交部長を殺害した。暗殺の実行は巒東の特殊工作員が担ったが、暗殺それ自体はFLONの仕業であると分かるような偽装工作を行った。だが、逃走した実行犯が向かっていた先が駐大灣巒東大使館員の居住地域であったり、暗殺に使われた凶器などが巒東製であることなどから巒東が事件に関与していたことが判明し、被害国の朝張は巒東のテロリズムを告発した。
朝張国内における武装蜂起の誘発という巒東の目論見からは外れ、朝張は巒東の支援を受ける少数民族系武装勢力への武力攻撃をより一層強め、FLONを始めとする武装組織は90年代中盤に差し掛かるとほとんどが解散まで追い込まれることになった。これにより巒東は朝張に干渉する余地を喪失することになる。このテロ事件は朝張だけでなく、建国の父の墓所を汚された大灣とその他の大東洋共存圏加盟国も強く非難し、巒東の謀略は国際社会からの孤立を招いただけで終わった。窮地に立たされた巒東は、�嘆擇�らの外交的圧力もあり、1992年から朝張との間で2国間諸問題解決に向けた初の対話を開始した。しかし、朝張東正平?政権が巒東への態度を再び硬化させ、朝張南部で活動する親巒東武装勢力の拠点が政府軍によって次々に陥落するようになると、巒東は天理府の指導下で対朝張テロ政策を再始動した。新たにテロリズムを策動した巒東は1994年に工作員を用いて朝張航空機爆破事件を起こし、再び国際的な非難を一斉に浴びることとなる。翌1995年の共存圏会議で天美富駿がテロ指導者として名指しで非難されると、巒東は周辺関係諸国に強硬姿勢を取るようになり、国際的な孤立を更に深めた。これが影響し、巒東開発機構?は同年6月に解散して同時に天京経済協定も凍結され、巒東は国際社会から更に孤絶した。巒東が他国からの経済援助を断ち切られ経済低迷が深刻化する一方で、朝張は市場経済を取り入れる刷新政策を採択して著しい経済発展を遂げ、国際社会における地位を堅固なものにし、巒朝両国の彼我の差は決定的なものとなった。
巒東が核を保有するまでの間、巒朝間の対立は終始核保有国である朝張が優勢に立っていたが、巒東が核保有を完了させるとこの状況は一変した。両国の対立が際限なく高まっていく中で、次第に全面核戦争の危機が語られるようになったが、巒東は朝張への対決姿勢を一層強めていった。天理府は1988年9月に、朝張国内でテロ活動を行い朝張社会を混乱に陥れるための短期的な外交目標を策定し、これを達成するために、それまで断続的に続けられてきた被抑圧民族解放戦線?(Front for the Liberation of the Oppressed Nation、FLON)*12への支援を拡大して、巒東国内でも統合情報部管轄下で複数のテロ組織が創設・養成された。
巒東天理府は対朝張テロの第一策として、要人暗殺による朝張社会の混乱と反朝張武装勢力の一斉蜂起誘発を計画し、1989年10月に大灣の群廊において頼崇来霊廟事件を引き起こして朝張の江長明?国家主席と王峰?外交部長を殺害した。暗殺の実行は巒東の特殊工作員が担ったが、暗殺それ自体はFLONの仕業であると分かるような偽装工作を行った。だが、逃走した実行犯が向かっていた先が駐大灣巒東大使館員の居住地域であったり、暗殺に使われた凶器などが巒東製であることなどから巒東が事件に関与していたことが判明し、被害国の朝張は巒東のテロリズムを告発した。
朝張国内における武装蜂起の誘発という巒東の目論見からは外れ、朝張は巒東の支援を受ける少数民族系武装勢力への武力攻撃をより一層強め、FLONを始めとする武装組織は90年代中盤に差し掛かるとほとんどが解散まで追い込まれることになった。これにより巒東は朝張に干渉する余地を喪失することになる。このテロ事件は朝張だけでなく、建国の父の墓所を汚された大灣とその他の大東洋共存圏加盟国も強く非難し、巒東の謀略は国際社会からの孤立を招いただけで終わった。窮地に立たされた巒東は、�嘆擇�らの外交的圧力もあり、1992年から朝張との間で2国間諸問題解決に向けた初の対話を開始した。しかし、朝張東正平?政権が巒東への態度を再び硬化させ、朝張南部で活動する親巒東武装勢力の拠点が政府軍によって次々に陥落するようになると、巒東は天理府の指導下で対朝張テロ政策を再始動した。新たにテロリズムを策動した巒東は1994年に工作員を用いて朝張航空機爆破事件を起こし、再び国際的な非難を一斉に浴びることとなる。翌1995年の共存圏会議で天美富駿がテロ指導者として名指しで非難されると、巒東は周辺関係諸国に強硬姿勢を取るようになり、国際的な孤立を更に深めた。これが影響し、巒東開発機構?は同年6月に解散して同時に天京経済協定も凍結され、巒東は国際社会から更に孤絶した。巒東が他国からの経済援助を断ち切られ経済低迷が深刻化する一方で、朝張は市場経済を取り入れる刷新政策を採択して著しい経済発展を遂げ、国際社会における地位を堅固なものにし、巒朝両国の彼我の差は決定的なものとなった。
超悪性通貨膨張と経済混迷深化
巒東は�嘆擇緋閑修箸侶从儕臀�体制が失われたことを契機として社会主義への転換を加速させた。計画経済回帰政策の一環として、一部外資の締め出しや経済特区の大幅な縮小などが行われる中で、富駿政権は1996年8月30日に、悪性通貨膨張(インフレ)抑制を目的に現金の交換限度を設定した貨幣交換(デノミネーション)*13を予告なしに突如行った。デノミの概要は次の通り、「旧輪と新輪を100対1で交換」、「交換額の上限は1世帯あたり旧貨10万輪」、「配慮金として1人当たり新貨500輪を支給」、「外貨使用の禁止」、「交換期限は同年9月30日まで」であった。このデノミ措置には経済的理由の他に政治的な理由もあった。政府は巒東国内の闇金融や闇の外貨流通、加えて闇市場が国民生活に広く浸透し、その存在があまりにも大きくなりすぎたことによって臣民統制が不可能になった点を問題視しており、そのため、旧貨を無効化することで市民がタンス預金の形で保有していた資金を吸収し、地下経済の温床となる闇市場の破壊を図った。1世帯当たりの新貨交換額の上限とされた10万輪の実勢レートは2000円程度であり、これは地方都市中間層の1か月分の生活費に過ぎず、交換上限以上の金が紙屑になってしまったために、庶民だけでなく都市富裕層までもが打撃を受けることとなった。交換上限の設定には、1984年の経済改革によって蓄財した富裕層の資産を国家が没収し、これら特権階級に打撃を与えた上で、政府の著しい財政不調を改善するという目的があった。また、外貨使用の禁止によって外貨を国家に献上することを求め、これによって深刻な外貨不足を補う目論見もあった。
見切り発車で実行されたデノミだったが、経済の破綻状態が続いている状況下では公設商店で販売する生活必需品の流通が上手くいくはずがなく、市場の強制閉鎖もあり国全体の物流が停滞するようになった。この結果、白米1キロあたり40輪、大根1本15輪程度だったのが、同年11月時点で白米1000輪、大根は400輪にまで急騰、更に豐彌環の闇交換レートも1環が45輪だったのが410輪に下落するなど、インフレ抑制どころか凄まじい超悪性通貨膨張(ハイパーインフレーション)を招く結果になってしまった。小規模商売や非合法の日雇い労働者*14などの、その日その日の日銭を稼いで暮らしてきた人々は、経済が委縮したために現金収入を大幅に減らし、家を売り払って路上生活者に転落したり、餓死者が出たりするなどの惨状も現出した。
これらの経済政策によって、巒東では異例の大きな反発が巻き起こることとなり、臣民の権力者に対する怨嗟とかつてない程の民心離反・国家不信を呼んだ。結局、1996年12月に天政官の百清一?(Bak Tan Nhat)が天上議会で経済失政を認め自己批判した後に天政官を解任され、一連の通貨改革を指揮した産業臣の木南地?(Mok Nam Zi)は全ての責任を負わされ翌年2月に銃殺刑に処された。無謀なデフレは結果として国民生活に大きな混乱を与え、1997年1月からは出入者年齢の引き上げなどの制限が設けられた市場が開かれるようになり、外貨使用も次第に許容されるようになった。しかし、デノミ実施前後に施行された経済統制を志向する法令は解除されず、その後しばらくの間は市場経済と統制経済の綱引き状態が続いた。
見切り発車で実行されたデノミだったが、経済の破綻状態が続いている状況下では公設商店で販売する生活必需品の流通が上手くいくはずがなく、市場の強制閉鎖もあり国全体の物流が停滞するようになった。この結果、白米1キロあたり40輪、大根1本15輪程度だったのが、同年11月時点で白米1000輪、大根は400輪にまで急騰、更に豐彌環の闇交換レートも1環が45輪だったのが410輪に下落するなど、インフレ抑制どころか凄まじい超悪性通貨膨張(ハイパーインフレーション)を招く結果になってしまった。小規模商売や非合法の日雇い労働者*14などの、その日その日の日銭を稼いで暮らしてきた人々は、経済が委縮したために現金収入を大幅に減らし、家を売り払って路上生活者に転落したり、餓死者が出たりするなどの惨状も現出した。
これらの経済政策によって、巒東では異例の大きな反発が巻き起こることとなり、臣民の権力者に対する怨嗟とかつてない程の民心離反・国家不信を呼んだ。結局、1996年12月に天政官の百清一?(Bak Tan Nhat)が天上議会で経済失政を認め自己批判した後に天政官を解任され、一連の通貨改革を指揮した産業臣の木南地?(Mok Nam Zi)は全ての責任を負わされ翌年2月に銃殺刑に処された。無謀なデフレは結果として国民生活に大きな混乱を与え、1997年1月からは出入者年齢の引き上げなどの制限が設けられた市場が開かれるようになり、外貨使用も次第に許容されるようになった。しかし、デノミ実施前後に施行された経済統制を志向する法令は解除されず、その後しばらくの間は市場経済と統制経済の綱引き状態が続いた。
大飢饉と浸透組事件
1996年から1997年の間に起きた大水害による農業生産への打撃で、慢性的な食糧不足が問題となっていた巒東の食糧問題は更に深刻化し、約230万人が餓死する大飢饉が発生した(第2次巒東大飢饉?)。天美富駿は父 武秀が第1次巒東大飢饉の際に使用した「耐忍の大天令」を持ち出し、このスローガンで危機を切り抜けようとした。飢饉の発生を招いたのは自然災害ではなく巒東当局によるものだとする批判が存在し、巒東自平友会事務長で経済学者の宗周薫?(Ton Chu Huan)は「天美武秀の死体の保管には年間1300万兎ムール(約2億円)かかっており、太陽天殿全体の維持費に至っては50億兎ムール(約750億円)も費やしている。その金を食糧調達に回せば、何百万人もの巒東人を飢餓から救えたはずだ」と論じた。また、自平友会巒東現地記者の黄智明?(Huyn Chi Min)はインタビューで「多くの臣民が飢えて倒れる中、天美駿とその一族は宮殿で豪遊を満喫していました。そして、天美駿は大金を父親の死体と墓場を飾るために浪費し、救えたはずの民衆を見殺しにしました。これが、臣民が至重至尊の最高指導者と崇める天美の正体です」と述べている。1998年6月、巒東は大東洋共存圏及び国際連合食糧支援機構に食糧援助を求め、翌月には豐彌・�嘆擇覆匹龍β厳�代表団と、トイティア・オーデシアを中心とする西側諸国代表団が巒東に入国した。外国代表団は現地の惨状を目にして驚愕し、巒東の凄惨な状況を知った国際機関はすぐに食糧の援助を開始した。巒東と関係国交断絶状態だった朝張からも牛391頭*15が送られ、一時的ではあるが両国の間に雪解けをもたらした。だが、海外からの支援食糧は輸送の過程で多くが軍隊向けに横流しされ、本来対象となるべき子どもや妊婦、老人に行き渡ることはほとんどの場合なかった。このため、各国からの支援で国内に充分な量の食糧が存在した時でさえ、民間では膨大な数の餓死者が現れていた。
市場経済から統制経済への変節、そして通貨改革の失敗による大不況と大飢饉の発生により、天美武秀時代からの古参幹部は富駿を軽んじるようになった。このような状況に危惧の念を抱いた富駿は、義弟 元豊沢?(Guyen Fon Chak)の長弟で当時天政保衛部警察局長だった元豊成?(Guyen Fon Tin)を起用して1997年10月に内務部内において秘密警察組織「浸透組(Tamtauto)」を新設し、古参幹部とその側近、そして彼らの親戚3親等まで大粛清を行った(浸透組事件?)。粛清の実行役には内務部社会安全局警察門長の文徳塞?(Van Duk Chai)を立て、まず最初に大飢饉を引き起こした責任者として農業臣 馬与男?(Mua Duu Nam)を嬲り殺しにし、元の政敵だった天政保衛部事務局長 縄聖広?(Tan Tan Kuan)も処刑した。浸透組の拠点は全土に120か所ほど設置され、捜査員6000人規模で大々的に捜査が行われた。結局、元と文の個人的な私怨から粛清された総人数は2万5370人に達し、この内1万4935人が処刑され、1万0435人が政治犯強制収容所に送られた。しかし、浸透組が板津製鉄所で起きた食糧配給を求める労働者によるデモを弾圧し虐殺したことで、富駿は人心の更なる離反を恐れて浸透組を解体する方針を固め、天政保衛部と統合情報部に内務部内の粛清を指示した。元豊成は責任を逃れたが、天政警察は実行役となった文徳塞とその部下、内務部幹部ら26人を逮捕し、処刑することで事態の幕引きを図った。結果的に浸透組は1999年3月には完全に解体され、事件は終結した。
市場経済から統制経済への変節、そして通貨改革の失敗による大不況と大飢饉の発生により、天美武秀時代からの古参幹部は富駿を軽んじるようになった。このような状況に危惧の念を抱いた富駿は、義弟 元豊沢?(Guyen Fon Chak)の長弟で当時天政保衛部警察局長だった元豊成?(Guyen Fon Tin)を起用して1997年10月に内務部内において秘密警察組織「浸透組(Tamtauto)」を新設し、古参幹部とその側近、そして彼らの親戚3親等まで大粛清を行った(浸透組事件?)。粛清の実行役には内務部社会安全局警察門長の文徳塞?(Van Duk Chai)を立て、まず最初に大飢饉を引き起こした責任者として農業臣 馬与男?(Mua Duu Nam)を嬲り殺しにし、元の政敵だった天政保衛部事務局長 縄聖広?(Tan Tan Kuan)も処刑した。浸透組の拠点は全土に120か所ほど設置され、捜査員6000人規模で大々的に捜査が行われた。結局、元と文の個人的な私怨から粛清された総人数は2万5370人に達し、この内1万4935人が処刑され、1万0435人が政治犯強制収容所に送られた。しかし、浸透組が板津製鉄所で起きた食糧配給を求める労働者によるデモを弾圧し虐殺したことで、富駿は人心の更なる離反を恐れて浸透組を解体する方針を固め、天政保衛部と統合情報部に内務部内の粛清を指示した。元豊成は責任を逃れたが、天政警察は実行役となった文徳塞とその部下、内務部幹部ら26人を逮捕し、処刑することで事態の幕引きを図った。結果的に浸透組は1999年3月には完全に解体され、事件は終結した。
諸外国との関係改善と天美富駿の死
70年代以来の経済大不況と大飢饉に見舞われた天美駿政権は、国際社会との関係改善を急務とし、これまで継続されてきた孤立主義的な外交方針を大胆に転換して、積極的な外交活動を展開することを決断した。2000年5月には、天美富駿が豐彌の上仙を訪問し、翌年3月には�嘆擇�大崇明が巒東を訪れ、双方の首脳による会談が行われ、これにより、長年にわたって冷え切っていた華豐両国との関係が改善され、相互の友好関係の促進が図られた。また同時に、巒朝両国の長年の対立も解消される方向に向かい、2001年6月には、巒東の対巒緊張緩和政策を採る朝張湖金民国家主席との首脳会談が実現し、国交断絶状態が続いていた巒朝両国の関係回復が成し遂げられた。また、核開発問題に関連して対立していたトイティアやオーデシアとの政治的な関係も、国際社会への攻撃姿勢を取り止め核不拡散条約に加盟することを条件に正常化した。国際核技術監視機関と査察体制の確立についても合意し、巒東の核を巡る軍事緊張は解決傾向に向かった。諸外国との関係がある程度改善されるようになると、巒東は豐彌と�嘆擇領樟�府に経済援助の再開を持ち掛け、2002年7月には天京で新たな経済援助協定が締結された。これにより、巒東の経済復興と安定化に向けた取り組みがより一層加速されるようになり、巒東開発機構も再度発足した。
しかし、この外交政策の成功とは裏腹に、天美富駿は体力的な限界に直面していた。富駿は2000年時点で既に70歳を越えており、積極的な外交活動のため各国を飛び回っている内に精神的・肉体的な過労が徐々に蓄積されていき、2003年1月に脳卒中で倒れた。数か月後に脳卒中から立ち直った富駿はすぐさま後継者選定に着手し、翌年2月に当時33歳だった長男の天美彪崇?(Tienmi Bu Sun)を指名した。それから約2年をかけて、巒東国内では父富駿から息子彪崇への権力継承の準備が推し進められ、後継体制が緻密に作り上げられていった。この政治工作はまず2004年3月の国軍及び天衛臣軍首脳の人事改編から始まり、続いて5月の天理府内及び天上会議の人事改編が行われた。こうして彪崇の側近を国軍と臣軍で固めた上で、2005年5月に天理府天政保衛部長として政治の表舞台に躍り出た。
富駿は国政に復帰してからも外交活動や現地視察を重ねていたが、2005年11月17日午前7時23分に心筋梗塞のため死亡した。富駿死亡から2日後の正午に巒東中央放送は最高指導者富駿の訃告を特別放送で発表した。
しかし、この外交政策の成功とは裏腹に、天美富駿は体力的な限界に直面していた。富駿は2000年時点で既に70歳を越えており、積極的な外交活動のため各国を飛び回っている内に精神的・肉体的な過労が徐々に蓄積されていき、2003年1月に脳卒中で倒れた。数か月後に脳卒中から立ち直った富駿はすぐさま後継者選定に着手し、翌年2月に当時33歳だった長男の天美彪崇?(Tienmi Bu Sun)を指名した。それから約2年をかけて、巒東国内では父富駿から息子彪崇への権力継承の準備が推し進められ、後継体制が緻密に作り上げられていった。この政治工作はまず2004年3月の国軍及び天衛臣軍首脳の人事改編から始まり、続いて5月の天理府内及び天上会議の人事改編が行われた。こうして彪崇の側近を国軍と臣軍で固めた上で、2005年5月に天理府天政保衛部長として政治の表舞台に躍り出た。
富駿は国政に復帰してからも外交活動や現地視察を重ねていたが、2005年11月17日午前7時23分に心筋梗塞のため死亡した。富駿死亡から2日後の正午に巒東中央放送は最高指導者富駿の訃告を特別放送で発表した。
天美彪崇新体制
天美富駿が死去したため、富駿と天美永姫?(Tienmi Van Ko)の間に生まれた実子かつ天美武秀の孫の天美彪崇が正式な後継者になり、巒東禮天国の3代目天理となった。彪崇は歳が若く、指導者としての行政経験や実績があまりない状態で最高指導者となったため、祖父・父の2代続いた強力な一人独裁体制は終焉を迎え、彪崇を首班とする集団指導体制が開始した。彪崇は最高指導者としての基盤を固める第一歩として、2006年6月に富駿時代からの古参幹部である里偉広?(Li Vi Kuan)とその一派を失脚させ、代わって側近の1人である原栄哲?(Guyen Vin Chien)を国軍参謀総長に抜擢し、自らは元帥に就任するなど軍に対する天理府の優位と厳格な統制を確立した。他方で、彪崇体制は依然として天理府高位官僚の補佐で成立している集団的補佐体制のままであった。祖父と父の様な堅固な一人独裁体制へ復帰するために、彪崇は最大の後見人であり天上議会議長兼内務臣で実質的なNo.2の地位を確立していた元豊沢の粛清を画策した。天理府内に絶大な影響力を保持する元豊沢の粛清は天政保衛部が周到な準備の下で主導した。元は2007年12月4日に天上議会議長の職を解任され、翌日には移動中の車を取り囲んだ天政警察によって身柄を拘束された。同月8日に開かれた天上法廷で元は「天政転覆陰謀等の罪悪」を働いたとして死刑判決を下され、即時に公開処刑された。元豊沢の処刑は、富駿の最大の遺産である諸外国との関係改善と緊密化に小さくない影響を与えた。国連人権委員会は元豊沢とその側近3名の処刑について、酷刑禁止条約違反の疑いがあるとして巒東政府に回答を求めたが、彪崇政権はこれに無視を決め込み、国際的な非難の矢面に立たされることとなった。また、元豊沢は�嘆據�豐彌・朝張などとの外交窓口の役目を担っており、特に豐彌とは両国関係に大きな影響を与えられるほどの人物であったため、処刑前に豐彌企業との協力により進められていた真泉港や下門港の開発計画が元の処刑により撤回された。こうして、元豊沢の粛清によって巒東は極めて大きな損害を被ることとなった。
外交政策においては、トイティアによる天臺への核兵器持ち込み疑惑を受けた�嘆收�府の圧力もあり、共存圏による核抑止力を支持して核不拡散条約を脱退するなど、再び攻撃姿勢をとるようになった。また、巒東空軍雲廊基地に�嘆攘海�保有する核兵器を15基誘致し、軍事的緊張が高まりを見せた。北袮条約機構が�嘆擇龍芝�行為と巒東の合意不履行を非難し、トイティアとオーデシアが巒東の銀行資産を凍結したことで巒東と西側の関係は一気に後退へ向かった。
外交政策においては、トイティアによる天臺への核兵器持ち込み疑惑を受けた�嘆收�府の圧力もあり、共存圏による核抑止力を支持して核不拡散条約を脱退するなど、再び攻撃姿勢をとるようになった。また、巒東空軍雲廊基地に�嘆攘海�保有する核兵器を15基誘致し、軍事的緊張が高まりを見せた。北袮条約機構が�嘆擇龍芝�行為と巒東の合意不履行を非難し、トイティアとオーデシアが巒東の銀行資産を凍結したことで巒東と西側の関係は一気に後退へ向かった。
改革路線への歩み
農業生産に悪影響を及ぼしていた農業集団化政策の転換を図り、集団農場の解体と生産責任制の導入を宣言した。生産責任制の施行により、政府から生産を請負った農民が上納義務分から余った農作物を市場で処分してもよいことになった。農民は収入を得るために農業活動に対して積極的になり、農業生産性は以前よりも遥かに向上した。農民が剰余の農作物を販売することにより、各地で形成された自由市場は活発化し、農民の現金収入の増加により農村経済は好転へと向かった。
宗教
巒東禮天国憲法では禮天教が唯一の宗教つまり国教として定められており、巒東国内には禮天教を絶対的に優位とする宗教的不平等と宗教的迫害が存在する。同憲法は禮天教以外の宗教の信仰者や無神論者は存在そのものを認めておらず、特にメクリス教徒と無神論者は宗教犯罪者専用の強制収容所(第一統制所?)で拷問された後に公開銃殺刑に処されるなど、宗教的少数派に対する深刻な人権侵害が行われている。近年では、天法府は宗教的迫害に対する国際社会からの非難を回避するため、宗教的異端者の矯正処遇政策として更生施設の指導所?を各地に設置しており、2015年時点で200以上の施設が建設されている。指導所では、被収容者に対して「精神指導」と銘打った禮天教への強制改宗、文化的・政治的洗脳、強制労働が課され、当局は被収容者が施設を出た後も移動の制限、居住・移転の自由の制約、恣意的な逮捕と強制失踪、家族の強制分離などを実行し、人権侵害は今も尚続いている状況である。
政治
巒東は政治体制として禮天共和制を採用しており、禮天教聖職者による神権政治が敷かれている。
 巒東の政治体制模式図 |
地方行政区分
1つの都(Doh、ドー)、5つの県(Huyen、フエン)に分かれる。
都
1.天京(Tienkin、ティエンキン)
県
1.板津(Vantan、ヴァンタン)
2.雲廊(Vanlan、ヴァンラン)
3.奉関(Hunkuan、フンクアン)
4.安満(Anman、アンマン)
5.礼寧(Lenin、レーニン)
2.雲廊(Vanlan、ヴァンラン)
3.奉関(Hunkuan、フンクアン)
4.安満(Anman、アンマン)
5.礼寧(Lenin、レーニン)
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