百二十三話

1

机の上のような不安定さのないお布団の上で正常位でぬるりとおちんぽが入ってくる。
前戯は羽の付け根を触れただけで十分…むしろここからクンニや手淫なんかされたらそれだけでイキ狂っちゃう…♥
「あっ♥あぁ♥…簡単に、入っちゃう…♥」
いくらしっかり濡れているといってもおまんこはキツく締まっているはずなのに容易く自分の一番大切な所に収まるおちんぽ…♥
子宮口と一緒に心もトンっ♥と軽く撫でられたようだ。
強引に突き破ったわけじゃない…知り尽くした相手だからどうすればいいか分かるのだ。
挿入されただけで自分の大切な部分を本人よりもよく知っているのではと思わされる。
「…♥もう完全に…ぅぁ♥把握しちゃった…?♥」
呼吸を整えながら見上げた先で、なんとお兄さんが首を横に振るう。
私自身がもう完璧に知り尽くされているように感じているのにお兄さんはまだまだ全然足りないと頑なに首を縦に振らない。

2

日々の体調や気分の違いもあるしお腹の成長に合わせて変化してるしまだまだだと力説される。
お兄さんはちょっと…かなり凝り性?なところがあるみたいで妥協できない人らしいというのは知ってた。
お仕事を凄い速さで終わらせるのも私に向ける愛情が止まることを知らないのもそれが絡んでいるっぽいんだけど…
「それもう誤差の範囲でしょ…♥そんなに私の事全部知りたいの…?♥」
呆れを通り越して感心…感動しながら聞くと、勿論だと即答されてしまう。
ああもう…本当にこの人は…♥
「私だって…知りたい♥お兄さんのこと、教えて♥…あっでも…」
なんだって教えてあげるよと頷いていたお兄さんが続く言葉にきょとんとして、
「今は、その…一緒に気持ちよくなりたい気持ちが大きいかなって♥」
再び力強く頷くと腰に手を添えると静かにピストンを始めてくれる。
いつもなら心揺らす肉欲だけど今はそれが心を繋ぎ止めてくれる。

3

ずちゅっ…ぬぷっ…最初はお腹の様子を見ながらの緩やかな抽挿。
それでも私の感じる快感は愛情補正があるとしても大きすぎる程で、おちんぽが一度往復するだけで軽くはない絶頂にさらされることになってしまう。
夕飯とお風呂で少しだけ時間を空けたのにこれではと思うけど、そのせいで焦らされて期待が高まってる部分もあるから何とも言えない。
もうだいぶ前からだけどエッチの最中はイってるのが普通みたいな状態だ。
慣れでお話出来てるけど最近絶頂の強さがまた上がってるような…♥
「ふっ♥ひぅ♥もっと、動いてもっ♥いいんだよ♥」
お兄さんも大きな快感を感じてくれている。
男の人と女の人とで感じ方が違うから頑張れているだけらしいけど、それだけ動く余裕があるということ。
今も加減してくれてるのが分かる…それは私のためなんだから勿論嬉しいけど、そのせいでお兄さんが本当なら得られる快感を減じているのだと思うと悲しいというのが本音だ。

4

なのに、可愛いラルバをもっとよく見ていたい…とか、言い出すから…♥
「ふぎゅぅぅ…♥♥」
ぎゅっと目を瞑って自分を抱きしめるようにして意識を繋ぎ止める。
震えるような、逆に妙に弛緩していくような、自分でも制御できない身体の変化に振り回される。
大きく胸を打つ心臓の鼓動に集中するとギリギリ冷静さを保てる。
問題はその高鳴りはお兄さんを想って、またお兄さんから貰った愛情と快感によって高まっているのだと思うと頭がくらくらしてきちゃうんだけど…♥
小さな身体でお兄さんの大きな愛を受け止めるのはやっぱり大変だ…♥
好きな気持ちに偽りはないし心はいくらでも大きく強く保てても身体はそうはいかない。
「ひぅ…♥はぅ…♥おっきぃの…♥くるとっ…♥んっ…♥きぜつしひゃいそぉ…♥」
精神的な、あとは妖精だからこそ使える自然的なエネルギーをフル活用している。
そんなことしてるから最近はまた力が強くなっきているという…

5

背中に扉が開いてた時以上の充実感すら覚えてお兄さんの愛情の深さに喜びで一人で悶えたものだ。
一人で思い出してる時でそうなんだから実際の行為中はそれ以上。
「頭、頭撫でて…♥落ち着くから…♥お願い…♥」
触覚をふりふりしておねだりすると多少体勢が辛くとも嫌な顔一つせず、むしろ甘えられて心底嬉しいという表情で言われたとおりに期待以上の優しさでもってふんわりと髪を梳くように頭を撫でてくれた。
「えへぇ…♥んふ♥んぅ〜…♥」
頭を撫でられて喜ぶなんて子供みたいだけど、仕方ないじゃない♥
この手は私に対して絶大な効果を発揮してくれる。
精神を安定させるのも高揚させるのも自由自在…♥
ピストンが早くなってきているけどこれならまだまだ自分をしっかりもったまま楽しめそうだ。
何もかも忘れるくらい乱れちゃうのもいいけど、ちゃんと寄り添いたいもんね♥

6

心が大きく波立たなくなるまで頭を撫でられる…その間もおちんぽは動き続けるので私も強さやタイミングを変えながらおまんこに力を入れてみる。
一番奥まで入ってる時に入り口をぎゅっと強く締めてキツく締まる中をずず〜っとおちんぽが出ていく感触は結構お気に入り♥
出て行っちゃう時だから寂しさもあるけどまた入ってきてくれるもんね♥
逆に最初からぎゅっと締めてる中を強引に入ってきてもらうのもたまらない♥
これはお兄さんも好きみたい…最初のころを思い出すからかな?
今はあの時よりも強く強く愛し合ってると確信してるけど、あの時の手探りな感覚も楽しかった。
きっと一年後は今の自分よりももっとお兄さんを好きな自分になっているんだろうな…♥
とと…未来を楽しみにするのもいいけど目の前のことに集中しなくちゃ…
より締まる数か所に力を入れてみる…するとその部分だけ抵抗が強くなって、そこをおちんぽの先がグリィっと押し広げて入ってくる。
それが数回連続して一番奥までずにゅっと一気にいっぱいにされる…♥

7

自分の身体ながら面白いことが出来るなと感心して思わず自分を褒めてあげたくなる。
抵抗を抜かれる度にすっごい快感が奔っておまんこがぎゅっと収縮しちゃうから次の抵抗を抜かれる時の刺激がまた強くなるのだ。
それを連続して一息に貫かれるのだから快感は何倍にもなる。
お兄さんへの刺激も大きいはずなんだけどよく我慢できるなぁと不思議だった。
単に私の顔に見蕩れたり声に集中することで気を紛らわせているらしい…♥
「すけべ…♥…好き♥」
むむむー…唸りながら触覚を動かしてハート形にして見せる。
こんな風に動かしたことはなかったから練習が思いのほか大変だったけど喋れない状況でも感情を表せるから便利かなと思って練習した。
うん…♥すっごい喜んでくれてる…♥
触覚ハートはずいぶんとお気に召したみたいでガクガク腰が震えちゃってる♥
私がダメになっちゃう前にこのまま射精させちゃえ♥

8

「くす♥おにぃさんもっ♥げん、かい…かな♥せーし…ちょぅだい♥」
頭を撫でてくれた手がハート触覚に触れてもいいのか迷うように微妙な位置でそわそわしているのを捕まえてキス。
唇が触れた瞬間おちんぽがビクッと反応した…私にも衝撃はきたけど予想はしてたので堪えられる。
舌を指先から付け根、指の間へとねっとりと這わせながら瞳は真っ直ぐ視線を絡ませる。
「ちゅぷ♥せぇし…♥ほしいよぉ♥あったかいの♥れろ♥」
指を舐る合間におねだりを続ける…おまんこもきゅっきゅと断続的に締めて刺激を与え続ける。
これでもいっぱいいっぱいなんだけどお兄さん視点だと余裕たっぷりに攻めてるように見えるらしい。
お兄さんが射精間近までくると私も自分で何してるかほとんど分かんなくなって雌の本能に任せてる部分が大きい。
だから自分で考えてあれこれする程の余裕はそんなにないんだけどな…♥

9

「でる?…私そろそろ…♥イっ…♥」
本格的に快感の波に抗えなくなってきてる。
おまんこも意志を関係なく痙攣してるみたいになってるから制御しようと必死だ。
そういえばこの感じがお兄さん的には一番いいんだっけ?
「〜〜〜っ!ぅく♥…んん〜〜〜♥♥」
ふっと意識が逸れた瞬間に極大の快感が叩きつけられてチカチカする。
お兄さんの腰の動きもラストスパートに差し掛かったのかじゅぶっ!ずちゅっ!と水音も大きい。
かなり激しく突かれてるけど愛液に満たされた解き解されたおまんこは柔軟に硬いおちんぽを受け止めることが出来ている。
私にもお兄さんの欲望と愛情をこの身に受けてきた自信と自負がある。
頭はメロメロ状態でも身体はばっちりおちんぽを包み込んであげられるんだから♥
「きもちいぃ…?わたしは、あっぐ♥おちんぽで、へんじしちゃやぁ…♥」

10

性感が高まれば高まるほどお兄さんの興奮が身体と心にダイレクトに伝わってくる。
おちんぽは硬く固く猛っているし優しい瞳には確かな獣欲が燃えている。
その瞳に薄っすらと映った私の瞳にも同じような色が見えたような気がした。
身体の震えが大きくなる…お兄さんが頭や身体を撫でてくれるけど、脚が勝手にお兄さんの腰を挟んで離そうとしない。
無意識の行動だったけど、来るべき射精を思えばより深く繋がれるようにするのは当たり前のこと。
今までの何百というエッチの中で心に深く刻まれて本能にまでなっているんだと思う。
お兄さんの射精は出来る限り深く身体の奥底で受け入れるべし…♥
精液は一滴たりとも無駄にしないように心がけるべし…♥
「くるっ♥くる…きて♥せいえききてぇ!♥」
はしたないかもしれないけど紛うことなき心からの叫び。
既に暴れるような勢いで振られていた腰がずぷぅ…!っと奥へと深く突き込まれる。
息がかひゅ…と口から漏れるけど気にせず脚に強く力を込める。

11

「んんんんん〜〜〜っっ♥♥♥!!!」
お腹に沿うように出来るだけ身体を折り曲げて密着してくれるお兄さんにしがみついた、瞬間。
「くうっ♥はぁああぁぁ♥ひうぁぁぅぅぅ♥」
どぶっ♥びゅぐっ♥どびゅるるるっ♥大きな精液の塊が子宮口を叩くのに合わせて嬌声を上げてしまう。
精液の勢いはなかなか衰えず大きな波がその後何度も一番奥を叩き続けた。
「ひぐうっ♥うあっ♥んんうぅぅ♥すごっ♥いっぱぁいっ…♥」
私の声がまた呼び水になってしまったのか、お兄さんはふぅふぅと興奮しきった獣のような呼吸を半ば乱しながらどぷどぷと精液を注いでくれた。
「あっ♥あっ♥あっ♥おなかっ♥いっぱいっ♥なのにぃ♥」
赤ちゃんのために膨らんだお腹を更に精液で膨らませようとでもいうように多量の精液がお腹を満たし、同時に私の心もいっぱいに白く幸せで塗り替えていく。

12

脚が痙攣してお兄さんの腰をがっちり挟んだまま固定されちゃってる…♥
おかげで奥のほうの熱がずっと内に籠っていつまでもぽかぽかしてる…♥
お兄さんも私の奥にいるのが心地よいみたいでなかなかおちんぽを抜こうとしないどころかもっと深く繋がりたいのかぷにぷにと子宮口をこね回すように刺激してくるから絶頂と射精がかなり尾を引いた。
ひょっとしたら10分以上そうしていたかもしれない…一時間と言われても納得できそう。
先に気持ちの整理を付けたのはお兄さんだった。
荒かった呼吸を整えて心底名残惜しそうにゆっくりと身体を起こす。
でもすぐにはおちんぽを抜いたりせずに私が同じように落ち着くまでお腹を撫でてまってくれた。
私の脚がキツク纏わりついてるから離れようにも離れられなかったというのもあるんだけどね♥
「…♥…♥…はぁ〜…♥…すご…かった…♥」
言葉が続かない…代わりに気持ちだけはいっぱい詰まっている。

13

お腹と一緒に脚もよしよしとマッサージされてようやく拘束が解けていく。
むちゅぅっと最奥にぴったり馴染むようにくっついていたおちんぽが離れる。
「あっ…あう…♥ふふっ♥」
切ない声が漏らしてしまうのと同時にお腹を撫でられてすぐに悲しい気持ちは霧散しちゃった。
ぐぷり…白くどろどろとしたおちんぽが引き抜かれてお腹に詰まっていた精液が栓が抜けたことでどくどくと溢れていく。
ぽっかり穴が開いたような感じがしたけどすぐに穴は閉まってくれたからまたしばらくお兄さんの熱を感じていられる。
本当はも一回と言いたいけど…
「…ん…今日は…もう、疲れちゃったかも…♥」
気怠さと温かさに包まれて重くなる瞼を持ち上げながらごめんねと謝る。
妊娠も後期になるとやっぱり疲れやすいのかもしれない。
気にせずゆっくりおやすみと囁くお兄さんの好意に甘えて目を閉じる…
今日も最高の一日だった…♥でも明日はきっともっと良い日になる…そんな予感が胸を更に温かくしてくれるのだった。

百二十四話

1

ホワイトデーからまたお兄さんとの絆を深めて数日…顔が緩み切っているけど…戻らないかも…♥
「〜♪もうちょっとだね♪」
お腹を撫でながら穏やかに我が子へと話しかける。
今は昼食後、主婦としてやらねばならない重要事を粗方片付けてまったりできる時間。
愛しの旦那様は現在お仕事部屋に籠って今日どころか明日の分の仕事まで終わらせる勢い。
与えられた仕事さえこなせば配分は自由にしてよいと阿求様直々に言われたそうなので少しでも休日…すなわち私と一緒に過ごせる日を増やそうと張り切ってくれているのだ。
それでも妖精が家に籠り切って大丈夫なのだろうかと軽くデートでもしないかと誘ってくれるだけの時間は作ってくれる。
お兄さんってお仕事の妖精か何かなのかな?と思うしかない手際の良さだけど、それも全て私のために発揮してくれているのだからもう…たまらない♥
一緒にいない時でさえお兄さんのことを想うだけで自然と笑顔になれる。幸せになれる。
その幸せの形の一つ、大切な我が子へと愛情を向けるのは当然のことであった。

2

普通は子作りなどそうそうしない妖精という種族なので人間とは感じ方や接し方が違うところもあるかもしれない。
それでも大切な特別であることに変わりはないのでお兄さんへ向けているものとは別種の愛しさをきちんと感じている。
寒さも和らぎ陽ざしも穏やかな昼下がり。
同じ屋根の下で自分達の為に頑張る旦那様、そして愛しい人の為に今できることをきちんとこなすことが出来ている自分、その二人の愛の結晶たる子が健やかに自分の内で育っている確かな感覚。
ご近所さんも仲良くしてくれるし阿求様も色々言ってはいるみたいだけど気遣う素振りが隠せていない。
霊夢は…ちょっと不機嫌そうだけど手を出さないと約束してくれたし外にいる妖精の友達も変わらず接してくれている。
「幸せ…♪」
今までの生の中で最も充実している時間の中、誰にともなくポツリと呟いた言葉。
そこに思いもかけず、自分もだと返事が返ってきて…いつの間にか隣にお兄さんがやってきていた。
温かな日差しのせいでうとうとして気づけなかったみたい。

3

お兄さんはゆっくりと私の隣に腰を下ろし、今日の分の…と言いつつ明後日の分まで片付けていたらしい…仕事は終わったから一緒にいたいのだが何か用事があったりするだろうかと尋ねてきた。
仮に何かあっても私がお兄さんをつっぱねるようなことなどありえないのだけどきちんと確認してくれる。
ポスっと軽くお兄さんの肩に頭を預け、
「んっ…今日は何にもないから大丈夫…私も一緒にいたいな…♡」
お仕事していたお兄さんからは微かに本と墨の香りがする。
自然物ではないので今までたいして感慨も湧かないものであったそれらは今となっては大切な人の纏う良い香りであると私の頭を認識している。
身体を預けた私をしっかりと抱き止めながら、んっ、と軽く返事をするお兄さん。
それ以上の言葉は必要ないので私達は暫くの間陽ざしの中で静かに身を寄せ合い半分微睡むような夢のような確かな現実を楽しむ。
日が傾いて空が茜色になりかけるまで私達は飽きもせずただ何度かまた幸せだと口にするのだった。

4

気温が下がってくると流石に身体を冷やすのはよくないとのそのそと家の中へ。
夕飯の仕込みも当然終わっているしお兄さんもわざわざ聞かないということは分かってくれているのだろう。
今日は先に何を食べたいか聞いていたので当然といえば当然。
だって先に出来ることやっておけば二人の時間が増えるんだもの♥
本当は一人でも大丈夫だけど当然という顔で一緒に夕飯の支度を始めるお兄さん。
産後もしも体調を崩したりしたら弱ったラルバと我が子を自分が支えなければならないのだからと最近は家事へ介入する頻度が高い。
それでも私が主婦としての面目が保てる程度に控えてくれるのも変わらない。
日向ぼっこの延長のようにいつもよりのんびりと支度を終えるとやっぱりのんびりと夕飯を頂く。
お兄さんの仕事にキリがついた日は、頑張ってくれた分自覚はなさそうだけどちょっと張りつめてるみたいだからリラックスできるようにしている。
少しでも癒されてくれているといいのだけど…うん♥大丈夫みたい♥

5

お兄さんが幸せオーラに包まれているのを確認すると私も嬉しくなる。
そんな私の笑顔を見てまた嬉しそうな顔をするお兄さん。
この幸せループは食事中の場合箸の進みがどんどん遅くなってしまうことがあるのが難点だ。
せっかく作ったお料理も美味しい内に食べないともったいないと気持ちを切り替えるのにも一苦労だ。
お兄さんと二人きりだとどうしてもお互いに意識しあっちゃうけど赤ちゃん産まれたら意識もそちらに向かうだろうしまともになる…よね?
誰に迷惑をかけてるというわけでもないけど夫婦ってこういうのでいいのかなと少し心配。
お兄さんに聞いてみても、正解なんてそれぞれの夫婦で違うのだしずっとこれで自分は幸せだし自分達の形はこういうものなんじゃないか?なんて言うし…♥
考え事しながらで味がよく分からなくなって残念だけど味見もしたし味に問題はなかったはず。
満足気に箸を置いて手を合わせるお兄さんを見る限りそれは間違いなさそうで…不意に目が合った瞬間自分の中の衝動を押えられないことを察する。

6

(あっ…♥ダメだ…またしたくなっちゃった…♥)
お兄さんのことばかり考えていたせいか無意識の内に身体が火照ってきていたみたい。
本人は何にもしてない…ううん、お兄さんもいつも私の事を考えてくれていて、それが分かっているんだから…なんだろう…ずっと優しく心を愛撫されているような、そんな不思議な感覚。
してない時でさえずっと前戯されてるようなもの?と考えるとなんだかとってもエッチだ。
自分から誘って強引に奪った手前何も言えないのだけど私達の関係は肉欲での繋がりが強すぎる気がする。
それが心から幸せに感じてしまうし、心も身体と同じかそれ以上に深く深く繋がっているから肉体の繋がりも最初より、昨日より、一回前より強くなっているのが分かる。
きっと今私は凄くエッチな顔をしているのだと思う。
だって私の顔を見るお兄さんの顔もエッチな顔になってきているから。
今日はお兄さんお仕事頑張ったからきっと疲れてる…甘えても大丈夫かな?
…こんなこと考えちゃう私はやっぱり悪い奥さんなのかなぁ。

7

「お兄さん…♥今日はその…お疲れ、だよね?」
お兄さんが拒まないのを分かっているんだから誘っちゃダメなのに我慢できない。
ここで最後の意地でぎゅっと口を噤んで耐える。
少しだけ力を借りたくて小指だけ握らせてもらって深呼吸…そばにいるだけで幸せなんだから今日は疲れるようなことさせちゃダメと自分に言い聞かせる。
握った指からお兄さんの体温を感じている内にドキドキが静まってくる。
(よし…落ち着いてきた…もう大丈夫?!)
お風呂入って今日はゆっくり休もうね…そんな風に続けようと思っていたのに急に抱きしめられて、落ち着いた鼓動がまた大きくドキドキ高鳴ってきてしまう。
あまりにも優しい慈しみを感じる抱擁に抵抗…は最初からする気ないけど、何も考えられずに身を任せてしまう。
「今日も…気持ちいこと、しよっか…♥」
自分に癒しを求めているのを察して観念したようにそう囁くのだった。

百二十五話

1

すると決まれば寝屋に行くまでにそう時間はかからず、今はもう湯上りのマッサージを終えた段階だ。
居間ですることも考えたけどやっぱりここが安心するので今回はすぐに移動した。
火照った身体を撫でまわされてほわんと夢見心地でお兄さんを見つめていると、ありがとうとと感謝されて首を傾げる。
何に対しての感謝か分からずに聞いてみると、仕事後の体調に気を使ってエッチを控えようか迷っていたことのことらしい。
「そのくらいは考えるよ♥結局することになっちゃったけど…大丈夫?…あっ私上になっていい?」
お兄さんも妖精パワーで回復力が上がっているから体力的には大丈夫だろうけど少しくらい楽をしてもいいだろう。
私が久々に上になってみたいというのもある。
お腹も最大限大きくなってきてるし、きっと興奮してくれると思うんだ♥
お兄さんが孕ませて大きくしたお腹だもの、大きいうちにちゃんと目に焼き付けておいてもらわないと。
出産予定日くらいにまた上になって違いを確認してもらうのもいいかも…
そんな計画を聞こえるように口に出しつつ、私を見てほしいとお願いする。

2

お兄さんは難色を示すことなく、それじゃあお願いしようかなと横になってくれた。
ただ、久しぶりの騎乗位でお腹もずいぶん大きくなったのでバランスを保つのが難しいようならやめておこうという形で落ち着いた。
前戯は私が早く繋がりたいなとお願いしたのでマッサージの時に一緒にしてくれている。
私が開発されて感じやすくなってきているのもあるけれどお兄さんのほうも技術が上がってきているみたいで簡単に濡れちゃうんだ♥
「いつもちゃんと準備してくれてありがとうね♥」
お兄さんのお腹に乗っかって顔を覗き込むようにしながら日ごろのお礼をする。
当然のことじゃないかと言うけれど、私に対して一切手抜きしない姿勢が嬉しい。
むしろもっとちゃんと色々してあげたいとまで言ってくれるものだから逆に困っちゃう。
そんなに大切に愛されてると思うとする前から喜びでふにゃふにゃになっちゃうじゃない。
「あっ♥もう♥ほっぺたそんなに優しく撫でちゃダメだってば…♥」

3

身体が勝手に…と腕を伸ばしてくるお兄さん。
愛しい人が目の前で微笑んでいればつい身体が動いてしまう…それは私も分かるので、分かるから、余計に嬉しい。
頬を擽る手がやがて下へと降りていき両手をお腹に添えられる。
マッサージしてもらう時みたいに優しい、けれど…雄としての満足感が瞳に見える。
お兄さんだって雄なのだ…それも私のために本能により近い存在になっている。
私を雌として番として求め、役割をしっかりと果たしていることを喜び褒めてくれているような視線。
優しさに心蕩かされ、雌としての本能も擽られ、私の心は精神も魂も満たされる。
満たされているのに尚も注がれる愛情と熱を上げる本能的な悦び。
「見て…♥見て、ください…♥お兄さんと、私の子です…♥」
静かに力強く脈打つ命をより強く感じられるようにお腹をぐっと前へ。
「お兄さんがくれた宝物♥ちゃんと成長してるからね…♥」

4

確かに感じる芽吹きを待つ新しい命。
エネルギーの塊である妖精の本気の純粋な愛から生まれた命。
とんでもない子が産まれやしないかと今からちょっとだけ心配…♡
「一緒に育てていこうね♡」
春の風に綻びる花々よりもなお美しく最愛に向けての微笑み。
抗いようのない何にも勝る魅了に意識せず抱擁のため身体を起こしそうになる愛しい人をそっと押しとどめる。
「ふふぅ♡私にメロメロになってくれるのは嬉しいけどぉ…♡」
ゆっくりと身体を後ろへと…天を突く雄に向けて進ませる。
お腹に手を置かせてもらい、腰を浮かせて久しぶりでも慣れた動きで間違うことなく入り口をピタリと合わせる。
お兄さんの脚が私がフラついた時にフォローできるようにと位置を調整してくれているのでしばし待つ。
そちらも慣れているのでたいして時間はかからずに定位置に固定される。
その間視線はずっと絡ませたままで、お互い早く繋がりたいという気持ちが膨らみ続けていた

5

視線だけで身体がぞくぞく震えてしまうくらいの快感。
瞳には急かすような色はなく、ただ期待と愛情が見えるのみで主導権はラルバが持てばいいと言ってくれている。
本当ならすぐにでも迎え入れてあげたいところなんだけど心の準備をさせてもらう。
急に挿入れては気持ちよすぎて腰砕けになってしまう可能性が否定できない。
裸を見せるのもエッチをするのも数えきれない回数を重ねてきたのになんでこんなにドキドキしちゃうんだろうね♥
両手で胸を押えるようにしながら数回深呼吸…スジにおちんぽを滑らせるようにして腰を上げる。
お尻で挟めそうなくらいおっきなおちんぽは入り口に添えただけで射精しそうなくらい興奮してくれているのが分かる。
今、おまんこでご奉仕して思う存分射精させてあげますからね…♥
にっこりと微笑みながらツプリと先っぽを迎え入れ、おまんこの襞一つに至るまで意識を集中。
早く全部入れてあげたい…!でも慌てて最初から大きく体力を消費するわけにはいかないと我慢。

6

自制心を最大限引き出してゆっくりと全てを飲み込む。
焦らすような形になってしまったかなと思ったけど私を見守るお兄さんの瞳は全て分かっているからと語り掛けてくれていたので焦らずに動くことが出来た。
「あは♥…入ったぁ♥…わっとと…あ、ありがとう♥」
全部しっかり入って安心して気が緩んでしまったけどお兄さんの脚がよろめいた先でしっかりと待ち構えている。
ありがとうねと脚を撫でて息をつく。
「んっ…よし…それじゃあ動くからね…♥」
ぐっぐっと腰を強めに動かして刺激に対して少し馴染ませてから少しずつ上下運動を開始する。
最初はお兄さんのお腹に手を置かせてもらって腰を跳ねさせるように…早めのリズムで動ければいいんだけど最初はまだ慣らすためにゆっくりペース。
ただ愛液がにゅちゅぅ…っといやらしい音を立てて雰囲気は高まったと思う。
私に任せてくれているから動かないけれどお兄さんも興奮してくれてるみたいだし♥

7

今回のエッチはお兄さんをたっぷり楽しませるのが目的だからこれはいいペースだ。
俯き気味でおっぱいも大きく見えるしお腹同士が擦りあうのも効いてるよね。
試しにお腹をぐっと押し付けると嬉しそうに目を細めてくれた♥
お腹を撫でながら、大丈夫?と聞いてくれるので全然大丈夫と返事をする。
とはいえ、うん…♥自分でペースを制御してはいるけど、
「んきゅ…♥あはっ♥はっ♥おちんぽ、すごいっ♥」
ご奉仕が上手くいっておちんぽを悦ばせると、その分びぐんびぐんと大きく跳ねて私の中をかき回してくれるからどうしても私もイってしまう…♥
こればっかりはお兄さんに制御できるものじゃないから仕方ない…私だっておまんこの収縮完璧に制御なんて出来ないからね。
感じた分溢れ出た愛液で滑りがよくなってピストンがしやすくなったと思うことにしよう。
愛液の感じから頃合いかと判断して、触合わせたお腹を離して俯き気味から身体を起こして手は脚に添えさせてもらう。

8

自然とさっきみたいなお腹を見せつけるような体勢になる。
お兄さんの脚に掴まらせてもらうけど、そのくらい気にすることはないと言ってくれるので甘えさせてもらおう。
ああ♥やっぱりこの体勢いいなぁ♥
お腹の重みで女の子としてしっかり愛してもらえたのを凄く実感する。
まあるいお月さまみたいな白いお腹がゆったりと上下に揺らめく。
お兄さんの視線を釘付けにする自分のお腹が何よりも誇らしい。
そんな大切なお腹をお兄さんのおちんぽで可愛がってもらえる悦び…♥
お腹全部がおまんこになったみたいに快感が大きく広がっているみたい。
子宮はおまんこと繋がっているんだからある意味そういうことになるのかな?
赤ちゃんは子宮に包まれてしっかり守られているし性交のエネルギーでむしろ元気になれるから心置きなく愛し合える。
揺れるお腹と弾む胸に突き刺さる視線に悦びで身を震わせる。
お兄さんの視線に混じる熱に押されるようにペースを上げる。

9

視線の他に息遣いや肌の汗の感触、なによりおちんぽの感覚で動きを早めるタイミングを計る。
お兄さんから促されるようにして動いたんじゃ遅い。
私が先に気づいてちょうどよく快感を高めていかなくちゃいけない。
でもそれもそろそろ終わり♥
ここまでくればもう少しずつラストスパートに向かっていけばいいのだから。
ただでさえ突きあがる快感に頭がふわふわしてるのに気を抜くような真似はしない。
震えそうになる腕の補助として羽もリズムに合わせてはためかせて身体を浮かせる。
「えへへ♥うまく♥できてるっ…♥みたいだね♥くぅ♥」
自分の身体から何かエッチなエネルギーが滲んでるような錯覚さえ感じるような高まりのなかで愛しい人の視線からは欠片も悪い感じを受けずに済んでいる。
お兄さんの場合私が何かミスしても笑って許してくれるけど、そういう気遣いでもなくちゃんと気持ちよくなれているみたい♥

10

正直それもいつまでもつか分からない…
理想としてはお兄さんをちゃんと射精まで導いてから私が続くのが望ましいと思う。
けど、うん、それ無理♥
今だっていっぱいいっぱいなのにこれから更に私が主導でピストンを早めていかなきゃならない。
何度も肌を重ねて慣れている部分もあるけど弱くなってる部分だってあるんだからプラスマイナスはゼロ…と言えたらまだいいけど気持ちよさのほうが強くなってるんだもん!
お兄さんのちんぽほんとにどうなってるのかしら…
とにかく他所事考えて気を紛らわせ…るのは嫌。
せっかく向き合ってエッチしてるのに他のこと考えたくないし考えてほしくないもん。
だから私はまっこうからこの快感を受け止めて、私がダメになる前にお兄さんをイかせてあげなければならないのだ。
う〜ん…本気出した霊夢さんと弾幕ごっこして勝つほうがまだ可能性ある気がしてきて困る…♥
最悪お兄さんに私の身体使ってもらうしかないかも…

11

だめだめ!諦めちゃダメよ!夏のような情熱でいかなきゃね!
「ふにゃぁ♥にゅ♥ふうぅ♥あぅん♥」
声は、声は仕方ないの…お兄さんも喜ぶしいいの。
足腰が震える分は羽のはためきをより強めにして動きを止めないように気を付ける。
お兄さんは相変わらず辛いようなら休んでもいいよと言ってくれるけど首を振って続行したい意志を示す。
「ふう〜…♥わたしがしたいって言ったんだからっ♥さいごまで…♥ちゃんとするもんっ♥」
無理はしていない…意地をはって倒れたらそれこそ心配じゃすまない。
今までもらってきた分を少しでもお返しするために強く羽をうつ。
ふわりふわりと鱗粉が舞いあがりキラキラとくらい室内で僅かな灯りを反射して煌く。
そして上がった腰を強めに押し付けて反動を得てまた跳ね上げる。
ピストンを続けていくとその分鱗粉の煌きが薄っすらと部屋を明るく照らすように広がっていく。
きっとこれは私にしか出来ないことだと自信をもってお兄さんの目を楽しませる。

12

ずっちゅっ♥にゅっぷ♥腰が跳ねてお尻や太ももがお兄さんのお腹や腰に当たってパチンパチンと音をたてる。
音が大きいだけで痛みはないし肌のぶつかる音は心地よい。
(〜っ♥カリの返しが引っかかってっ♥こんなにすごい形じゃなかったのにっ♥)
お兄さんはおまんこの中の締まる部分が凶悪だと褒めながら困った顔をしているのだけど、カリがその部分を思いっきり引っ掻いていって全体に刺激を広げてくれるものだから私にとっても弱点なのだ。
それもこれも成長したおちんぽが悪い…初めての時に今の太さ硬さ形のおちんぽだったらどうなっていたことか…
お兄さんのほうがよぽど色々凶悪に成長してるけど色だけは黒ずんだりしなくて綺麗なまんまだ。
妖精相手だとこうなるらしいけどお兄さんも他の人のことを知ってる訳じゃないからよく分からない。
私も処女の時から変わらず綺麗なまんまだからそれは嬉しい。
中身は成長している自信はある…けどお兄さんが私以上に成長したら…

13

「はっ…♥んっしょ♥ひぎゅっ♥〜っっ♥またっ…形変わってきてるっ♥?」
私を気持ちよくするために最適化しているようなおちんぽ…♥
悩みの種でもあり何よりも嬉しいものでもある。
Gスポットを強めに擦ってしまって腰のリズムが少し乱れる。
乱れたらそれはまた新たな刺激をともなって別の場所に響いて立て直しが難しい。
何とか動きだけは止めずにいるけど…上手いこと緩急になってくれたみたい。
こうやって意識してない形でなんとかできてるけど、できれば意識的にこうして強弱を上手く付けられればいいのだけど…まだまだ覚えなきゃいけないことは多いみたい。
ともかくペースは掴めた。
後はこのまま高め続けていけばいい…と考えるのは楽だけど実行するのは大変…でも頑張る!
羽を何度もはためかせてバランスを取りながら身体を浮かせる。

14

羽があって本当によかったと思う…無かった場合どうやって動いていたか想像できない。
「あぁあ"ぅぅっ♥んぅ♥うぅうぅぅぅっっ♥」
ばちゅっ♥ぺちゅんっ♥ぬぢゅんっ♥激しい動きで絡み合う体液の混ざる音が耳に大きく響く。
深く腰を落とすとおちんぽがはっきりと子宮口に突き立って子宮を揺らしている。
赤ちゃんがビックリしちゃってるかもしれないけど、あとちょっとだから待っていてね。
「くぅっ♥ふぅぅっ♥ん〜〜っ…♥」
ぎゅっと唇を引き結ぶようにして絶頂の中で意識を絶たないように耐える。
お兄さんもぎゅっと目を瞑っていて、もう限界は近い。
射精が近づくとおちんぽも更におっきくなってくるから私もギリギリだ。
辛いということはないけど気持ちよすぎて気絶しそうな体験の連続ってなんだか危ない気がしちゃう。
「もぅ…ちょっと…っ♥きてるっ♥く…るっ♥」
ここまでくると私ももう夢見心地で身体がどう動いているか分からないような状態になってくる。

15

空を仰ぐように天井に顔を向けて嬌声を上げ続ける。
顔を見たいし見てほしいけど突きあがる快感に押し上げられた。
正確にはお兄さんの脚に身体を預けなきゃ動けないような有様で背を預けるのと同時に頭の重さで後ろに引かれたような形だ。
その分お腹やおっぱいは強調されたみたいだからいい、のかな?
そう思ったらやっぱり目立つのか突き出されたお腹にお兄さんの手が触れる。
私は上を向いている形だったから気づけずにびっくりして…それが決め手になっちゃった。
すぐにお兄さんの手だと分かったけど、分かったからこそ温かいものが込み上げてきておまんこも一層強く締まってしまったみたい。
最後の決め手に向けて強く意識をしたところにお兄さんの手がいきなりきたら…♥
「あっ♥だめっ…♥今さわっちゃっ…♥っ♥んっくぅうぅぅ〜〜…っっ♥♥♥」
慌てて止めようと身体を捩ったのもいけない…それでお兄さんも限界。

16

どびゅっ♥びゅっ♥びゅぐるるっ♥びゅぶうぅ♥
「はぁあぁあああぁぁぁぁん♥♥♥うあっ♥んうぅぅっ♥♥♥」
量が多い…ほとんど全部私が主導でしたことで我慢に集中できたからかもしれない。
上げかけた頭をまたがくんと後ろに下げて叫ぶようにして喘いだ。
足腰は震えて力が入らないし羽もふにゃふにゃと蕩けたように弛緩している。
つまり、屹立したおちんぽに体重任せに思いっきり伸し掛かってしまうわけで…
「ふうぅ♥くあっ♥あかちゃんにっ♥かかっちゃうぅ♥」
先っぽをがっちり子宮口に咥えこんでしまったみたいで不思議な感覚がお腹に広がっていく。
赤ちゃんは膜で守られているから大丈夫なんだけど気分的に申し訳ない。
ごめんなさい悪いお母さんです…♥でも、腰が動かないんだもん…♥
あとでちゃんと洗うからちょっとだけ待っていて…♥

17

流石にお兄さんも何とかしようと動き出すけど私と同じく腰が抜けちゃっているみたい。
震える手をふらふらさせて懸命に私を抱え上げようとしていたけどしばらくは無理そう。
それでも起き上がるところまでは出来たのが凄い。
結局は体力が回復するまで抱き合うような形で余韻を楽しむことに。
私とのエッチも大切に思ってくれているのがヒシヒシ伝わってきて、こんな状況だけどどうしても笑顔になっちゃう。
まあ赤ちゃんがどうこうなることはあり得ないから気分的な問題なんだけどね…流石に直にエッチの余波をぶつけるのは親として恥ずかしい。
その後動けるようになるとすぐにお兄さんに支えられるようにしてお風呂場へ向かった。
沸かさなくてもお湯を使える温泉最高と何度でも言いたい。
「最後のとこ上手く出来なかったなぁ…」
疲れただろうとお兄さんに促されて風呂椅子に座り身体を洗われながらしょぼくれる。
おまんこを洗われるのはまだ恥ずかしい…というかたぶんきっと完全に慣れることはないような気もする。

18

真っ先にざっと精液を流してから、あんまりやり過ぎてもよくないかと今は外の場所をもこもこと泡立てられている。
頭だったり腕だったり…おっぱい触りすぎ…♥
くすっと私が笑ったところで、綺麗だった…そうお兄さんが呟く。
背中側から前へと手を伸ばして洗っていたお兄さんへと視線を向ける。
白くて丸いお腹が部屋の明かりに照らされてお月さまみたいだったんだって…その周りに舞う鱗粉は星のようだったって…♥
「ん〜…自分じゃよく分かんないけど…♥」
思いもよらないことを言われて照れて縮こまっちゃう。
でもこれだけは言っておかないと。
「私がお月さまみたいに輝いて見えたなら、それは…お兄さんが太陽になって照らしてくれてるからだよ♥」
予想外の返しだったのか固まるお兄さんの手を握って頬擦り。
「二人で赤ちゃんの未来も照らせたらいいね…♥」
ちょっとエッチ過ぎるお父さんとお母さんだけど子供のことは本気で考えてる。
まだまだお話していたかったけど、お風呂から上がったら眠くなっちゃって…私はいつの間にかお兄さんに抱かれて眠りについていたのだった。

百二十六話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「母子共に何も問題ありませんね。全くもって順調です」
毎回言うことに変化がない…異常もなく健康そのもので大切にされているのがよく分かる。
今日は定期健診ということで例の夫婦がまたやってきていた。
少し派手に交わってしまったからと心配していたようだけど前から言っているとおり多少派手に致したところで問題はないと再び言っておく。
言われても心配するなと言うほうが無茶かもしれないけれど。
それでも求め合ってしまうくらい好きあっているとあってはどうしようもない。
安心させるため、そして妖精と半妖精化した人間のデータを頂くために詳しくお話を伺うことに。
データに関しては役立ててくれればと夫婦のほうから調べても大丈夫であると言ってもらえて助かった。
デリケートな話もするためこちらから無理を言いにくかったというのもあるが…夫婦の生活を一部とは言え聞くのは少々恥ずかしいという気持ちがある。

2

うどんげが引き続きプライベートで奥さんとキャーキャー騒いでいるようなのでそちらからの情報に期待したい。
が、あまり変な話をしないように釘をさしておく。
あの子も兎とあってその手の話にはブレーキを忘れがちになるみたいだから少々心配だ。
他には大きな変化はない…いや、旦那さんが人間を止めてるのは大きな変化か。
よくもまあ博麗を丸め込めたと思ったら八雲が動いたと聞いて考えないことにした。
私としては患者とその家族が健やかに過ごせればそれで何も問題はない。
変わらず永遠亭の評判を上げるような言動をしてくれているそうで、稗田のところの従者とあって信用も高いらしい。
置き薬を設置しやすくなったとうどんげも喜んでいる。
奥さんは問題無いにしても旦那さんのほうも検査を勧めたらせっかくだからと受けてくれることに。
後天的な変質情報を頻繁に得る機会などなかなかないのでこちらもありがたかった。
奥さんからも旦那様をよろしくと頭を下げられては気を抜けない。

3

数十年で分かれるはずだった二人が永劫に近い時を共に過ごせるようになったのだ。
私はほとんど竹林に隠れ住んでいたが、それでも別離の悲しさは知っているつもりだ。
だからこそ彼女がどれほど喜び、今と未来を大切に想っているかある程度は察することができる。
その喜びが確かなものであってほしいと強く願っていることも。
私が見たところでは…やはり夫婦共に永い付き合いになりそうだ、と告げた。
その言葉でボロボロ涙を零す奥さんを宥めるのが大変だったけれど、喜びの涙なので存分に泣かせてあげた。
旦那さんにずっとしがみついて見る者も幸せにするような満開の笑顔で帰っていくのを見送ったのが先月のことだったか。
笑顔は本日も欠片も色あせることなく輝いているようだ。
母子共に健康そのもので夫婦仲も良好…穏やかで大きな問題を起こさない…相手をしやすくて非常に助かる。
そんなことを思いながらも手続きを進めて本日の定期健診は無事終了。
案内人の妹紅に夫婦を預け背中を見送ったところでひとごこちつく。

4

一緒に見送りをしていたうどんげど部屋へと戻り片づけを始める。
今日は彼等で予約者は終わりなので緊急で運び込まれる者でもいなければ診察の予定がないのだ。
二人して見送りをしていたのも外の様子見も兼ねてのこと。
とりあえず大丈夫そうなので倉庫の整理なり新薬の研究なりしたいことをしようかと考えていると、そういえばとうどんげが手を打つ。
「よかったんですかね?ああ、出産についてですけど…」
出産といえば現在当てはまるのは妖精な奥さんのことだ。
うどんげが気にかけているのは彼女が自宅での出産を望んでいることについてだろう。
単に思い入れのある家で産みたい、一番安心出来るから、他の場所だと落ち着かない…理由は色々あるだろう。
旦那さんは本職に頼ったほうがいいのではと説得していたが決意が固いのを見ると応援する構えになった。
今は全力で助産方法を調べて出産までに覚えきるつもりのようだが…
「一応あなたも付けるし大丈夫でしょう…自信が無い?」

5

何かあってからでは遅いからと助勢を頼まれたのでうどんげを貸し出す予定だ。
距離もあるし間に合うかは正直微妙だけど産まれた後の手伝いくらいはできるだろう。
体格からして難産になりそうなものだが妖精という種は本当にどういう理屈なのやら…恐らく難しい出産にはなるまい。
この辺りの秘密もいつか紐解ければ他の妊婦さんの助けにもなるのだけど…応用出来るのかしら?
簡単とは言わないがうどんげくらい経験値があればどうとでもなる案件だと言っておく。
「いやぁ…正直私いるのかなとは思えるくらいに本人達が勉強してますし不安はそんなには」
奥さんともじっくり相談をしているようで、うどんげも緊張はあまりしていないようだ。
ただ命を預かる仕事なので不安がゼロになることはないということか。
「なら問題はないでしょう?何か気になることがあるならレクチャーはしてあげるから」
私が行ければいいのだけど薬売りに出ているうどんげのほうが何かと都合がよいのだ。
出産までまだ時間もあるので愛弟子にみっちり助産のいろはを叩き込んでおくとしましょう。

6

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
藤原さんに先導されて里へ向かう最中のこと。
ラルバは藤原さんと話込んでいるので自分は時折竹の陰からこちらを覗く半分お仲間のいたずら妖精達の数を数えながら人里まで何事もなく辿り着く。
話に混ざりたかったが八意先生の恋話などされたら聞かないようにするので精一杯だ…そういう話は勘弁してほしいと…
藤原さんのほうに話を振るわけにもいかないしこういう時は空気に徹するに限る。
里に完全に入ったところで、またねと手を振りあうラルバと藤原さん。
白い髪が軽やかに揺れながら離れていくのを見送ってから、手を繋ぎなおし家路へ。
だいぶ温かくなってきたので里も活気が出てきて歩くだけで楽しい。
もう花見の季節だし改めて出かけるのもいいかもしれないと相談。
「遠出はちょっと心配かも…でもお兄さんいるから平気かな…♥」
信頼してくれるのは嬉しいけれどあんまり無理もさせられないので体調はよくみなければ。

7

お弁当だけ作って縁側で食べてみるのも面白いかも?なんて話していたらお腹が鳴る。
「あー…朝ちょっと少なかったかな?早速お昼はおべんと作ってみよっか?」
話しているだけでお腹が鳴るのは少々恥ずかしかったが期せずしてラルバのお弁当を食べられることになって素直に喜ぶ。
「ふふっ♥そんなに期待されたら頑張らないとね♥」
やる気を漲らせるラルバの指示で食材を買いながら半分デートの様相でゆっくりと歩を進める。
お昼は少し遅くなりそうだが構わないだろう。
「お昼の後は…今日はまったりする?それとも…♥」
言葉は後半に向かうにつれて艶を帯び、夜の事を想ってほんのりと頬を染める。
奥さんモードだったのに急に女の顔をするのはドキドキしてしまうから勘弁してほしい。
食事中にあれこれ考えたら味が分からなくなりそうだ…その辺はお昼の片付けが終わってから考えようと言うと素直に頷いてくれて助かる。
ともあれどちらにしろ、今日も仲良く過ごすことには違いはないのだった。

百二十七話

1

お弁当は予想以上に豪華なお重五段済みになってしまった。
「あ〜…やっちゃったねお兄さん…」
今回はラルバではなく自分のやらかしだ。
興が乗って久しぶりに色々作りたくなって気づいたらこんな有様だ…ただ途中からラルバも結構はしゃいでいたけれど。
それを分かっているのでラルバも少し難しい顔をしている。
縁側で一緒に箸を付けるころにはもう素直に楽しんでいたのだけども。
こういうのはこれくらい思いっきり作ったほうがいいだろうと、また今度一緒に失敗しようと言うとそれもいいのかなとくすくす笑ってくれた。
やはり食事は…特に愛する人との食事は笑顔で頂きたいものだ。
食事が始まるといつも通り楽しく箸を進めることが出来た。
お互いの作ったものを勧め合い食べさせ合い…たまに行き過ぎて口移しなんかしつつ和やかにお重の中身を減らしていった。
子供が産まれた時にまだ桜が咲いていたら一緒に花見も…流石に外出させるのは早いだろうか。

2

一時間程食事を楽しんだ後、片づけも終えると再び縁側に並んで腰かける。
自然と身体を預けてくれるラルバを支えながら春の香りのする風に心を和ませる。
小さな妖精のラルバ…自分の最も大切な人。
その身体に見合わない大きなお腹は何度見ても幸せと元気を与えてくれる。
ただその大きさから二人で望んだ結果だとしても無理をさせて申し訳ない気持ちになることもある。
しかし気遣いはするが謝るようなことはしない…確実に彼女に叱り飛ばされてしまう。
小さいがしっかりした頼れる妻だ…誰より最も信頼している。
見つめていると視線に気づいたのか顔を上げてふわりと微笑む。
この笑顔の為なら何でも出来そうなきがする…実際人間を止めた。
後悔は一切していない…のだが気づかぬ内に気を張り詰めすぎることがあるようだ。
しかしそんな時はラルバが気づいて癒してくれるから問題ない。
などと思っていると今がその時だったのか、単にそういう気分だったのか甘えていいよと腕を広げて受け止める構え。
少女に甘える大人という構図だが夫婦なのでこういう時もある。

3

身長差のためかなり屈まないと胸に頭を預けられないが彼女の抱擁は大好きだ。
今回はこちらは庭に膝をつく形で縁側に座るラルバに正面から抱きしめられる形をとる。
どうしたものかと逡巡している間にラルバに引っ張られて大きなお腹と胸の中央の辺りに顔が埋まる。
直に女の子の香りを感じるとともに、どこか熟れた女性的な香りも混ざっている。
この複雑な香気はラルバの妖精としての特徴からくるものか妊娠して変わったのか…
恐らく元からあったが妊娠によって女性的な香りが強まったのだと思う。
時に興奮するが今はなんだか凄く落ち着く…
ラルバは頭を抱いたまま撫でてくれている。
このままだと眠くなってしまいそうだなと思ったが一つだけ聞いておかねば。
「え?何でこんなことするのかって?」
疲れた顔でもしていただろうかと続けて聞く。
直近では八意先生は特に何も言っていないし自分でも特に気づいたことはないのだけれど…

4

「男の人だって甘えたい時はあるでしょ?」
何を言っているのだと不思議そうな目を向けられても困る。
確かにそういう時はある…しかし今がそうかというと微妙なところだ。
もうそういう体勢になっているので気持ちも傾いているけれど、さっきまでは通常だった…はず。
「いいの♥何でもない時にでも甘えてほしいから♥…それとも何でもない時に私に甘えられたら迷惑?」
そんなことはないと首を横に振る。
胸に挟まれる形になっているので心地よい弾力が…
一応ラルバとしては、そろそろ出産も近いし無意識に緊張してるかもしれないからたまにはリラックスしてはどうだろう、ということだったらしい。
「エッチすると…ほら、あの…盛り上がっちゃうし…♥」
リラックスどころじゃないでしょ?と言われたら頷くしかない。
事後は物凄くまったりモードになるけれど疲れと眠気で長話はしにくい。
今のような何でもない時間ならそれが出来るし、せっかくならこうして癒してあげたいと。

5

その気持ちだけで既にもうかなり癒されているのだが…もっと甘えてよと強く抱きしめられる。
「お兄さんは本当によくしてくれてるし頑張ってる…だから頑張り過ぎて倒れちゃわないか心配」
胸に埋もれるようにしながら顔だけ上向きにされて間近で目を合わせる。
琥珀色に輝く瞳の中には信頼、愛情、心配…色々な感情が混ざっているように見える。
自分も倒れてしまっては意味がないと余力は残しているつもり…いや確かに根を詰めることもあるけども…
ここは自分を一番見てくれている妻の言葉を信じよう。
もう少し力を抜いてみるよと約束すると安心してくれたようだ。
しかし甘え方などは経験がなくてよく分からない。
どうすればいいのだろうかと聞いてみると、
「じゃあ、これから覚えていけばいいんじゃない?」
私が全部受け止めるからと、力強く笑うラルバの瞳は先ほどよりも輝きを増している。
その瞳を見ているだけで、自分は彼女の隣にいる限り…つまりこの先ずっと幸せでいられるのだなと改めて思い知らされる。

6

ラルバに促されてではなく自分から彼女の胸へと頭を預ける。
確かに無意識に何かを抱えていたのか、すっと心が軽くなったような気がする。
そこで一番に思ったのが、これでラルバの為にもっと頑張れそうだ…だったのだが、言ったら怒られるだろうか?
…呆れられたが笑ってくれたのでセーフだと思うことにする。
「これからは定期的にこんな日があってもいいよね♥お兄さんからもっと甘えてくれればいいんだけど…難しいかな?何かしてほしいことあったら言ってね♥」
心が洗われる様な笑顔…天使のようだと思っていたがいつのまにか女神になっていたらしい。
無論そんな雰囲気を感じるだけなのだけど…身内補正を除いても輝いて見えるのは鱗粉のせいだけではないはずだ。
以前聞いた話だが八雲さんが言っていたあれこれに関係あるのかもしれない。
その辺のことは今更彼女が何であろうが絶対に離れるつもりはないので特に気にしていない。
何があろうと妖精のラルバと半分妖精の自分の夫婦だ。

7

うんうんと頷いていると満足しているようだと思われたのか…実際そうだが…ラルバはますます魅力的な笑顔になってくれる。
ドキドキと大きく心臓が高鳴るような激しさはないが、毛先爪先まで温まるような幸せな心地よさが身を包む。
ラルバとしてはもっとこのままいたいみたいだったが十分過ぎる程癒されたので胸の中から解放してもらう。
胸から離れはしたがすぐに身を引くことはせずに見つめ合う。
自然と顔が近づき…キス、をしようと思ったが互いに数回頬擦りをするに止めた。
今キスするとスイッチが入ってしまいそうだった。
この流れで性的な形で盛り上がるのはなんとなく違うような気がしただけなのだがラルバも嬉しそうなので正解だったのだろう。
また触覚でハート型を作っているあたり機嫌はかなり良いみたいだ。
その流れからそのまま和やかに過ごし夜も性的な触合いはせずに静かに眠りにつくことになった。
普通に肌を触合わせて語り合うだけで何故こんなにも幸せになれるのか今度真面目に話し合ってみるのも面白いかもしれない。
ただ…高まった愛しさが翌日に暴発してしまうのは予想外だった。

百二十八話

1

「むにゃ…んん〜…朝…あっ今日は早く起きなきゃ…」
お兄さんを甘えさせてあげた翌日…今日はお兄さんが稗田の家に仕事で出かけなきゃいけない日。
昨晩エッチな雰囲気にならずに普通に寝られたのはちょうどよかったかも。
熱が入ると翌日に予定が入っていてもなかなかやめられなかったりする。
その辺りも私が上手く抑えてあげられればいいんだけど…私自身が我慢出来ない可能性が高すぎる。
お兄さんに激しく求められて自制出来るか想像してみる。
「…無理、かな〜…♥無理だよね〜…♥」
たぶん少しは粘れるとは思う。
でもその分眠るのが遅くなるだけで逆効果になるような気がするのだ。
求められたら素直に応じるべきなのかな?…ん〜…難しい。
朝からピンク色な妄想に浸りそうになって慌てて頭を振って気持ちの切り替え。
今日は決まった時間に外に出なきゃいけないのだから遅れるのはまずい。
見上げた先の時計がまだ時間的に問題はないと教えてくれたのでほっとする。

2

しようと思えば二度寝も出来そうな時間だけど…する気はもちろん無い。
寝るくらいなら先に用事終わらせて出かけるまでの時間を確保したほうがいい。
お兄さんはまだ眠っている…あっちょうど起きたみたい。
目を開いたけどまだ少しぼーっとしている。
「おはよう…といってもまだ少し早いけど二度寝する?私は起きるから寝るなら起こしにくるよ」
ぼんやりしていた瞳が私の声につられるように私を捉える。
小さくおはようと挨拶をしてくれたけどそのままぼんやりしたままじっとしている。
眠いのかなと思ったけどもしかしたら体調が優れないのかと顔をよせてよく見る。
パッと見は普段と変わらないように見える…額に手を置くけど特に異常がある感じはしない。
大丈夫そうだと判断してお布団から先に抜け出そうとしたら手を掴まれてしまう。
力強くとまではいかないけどなんらかの意志を強く感じる。
そこまでされたら流石に私を求めているのが分かる。

3

普通ならすぐに思い至るけど今日はお仕事の日だから抜け落ちていた。
「えっ…あの…えっと…♥」
拒否はしない、出来ない、したくない。
でもお仕事をさぼるのはよくない…よね?よくないけど〜…
掴まれた手とじっと私を見つめる瞳へと交互に視線を彷徨わす。
そしてお布団の中をちょっと持ち上げて下半身の方へとチラリと視線を向ける。
…絶対一回は射精しないといけない感じ。
最後にもう一度、まだ時間的な猶予は充分あると告げてくれる時計に視線を向けてから、
「…お、お口でするのじゃダメかな?」
今の私がやっとのことで捻り出した妥協点。
拒絶はあらゆる意味で論外…でも本番までしちゃうと時間的には不安。
お仕事より家庭を大事にとは思うけど家庭のためのお仕事でもあると理解はしている。
なら本番以外でしっかりご奉仕すればいい。
一度射精すれば落ち着いてくれると思うし…だ、大丈夫だよね?

4

お兄さんも私の考えは分かるのか素直に、それでお願い…と呟く。
とりあえずまだ理性的に判断できるみたいでよかった。
実は強引に押し倒されてもいいなぁ…なんて思っちゃうんだけど♥
ともかく今回はお口でのご奉仕だ。
もぞもぞとお布団の中を潜っていきお兄さんが脚を開いてくれたところに納まる。
すぐ目の前に張りつめたおちんぽが服越しに存在を主張している。
一度深呼吸…だめだお兄さんの香りを胸いっぱいに吸い込んで逆効果になってしまう。
今日は早めにしなきゃいけないから冷静になろうとしたのに…♥
両手で緩む頬をぐっと引き締めてからゆっくりとお兄さんの服をずらしておちんぽを外に出す。
「…♥すごい…♥」
今私はお布団の中で視界はかなり悪いにも関わらず目の前の雄ははっきりと感じ取れる。
はぁ…♥感嘆のため息をついて無意識に唇を寄せる自分に気づく。
一瞬時間の制限を忘れて本気ご奉仕モードだった…危ない。

5

心はめいっぱい込めるけど、じっくりと時間をかけてのご奉仕じゃなくて早めに射精出来るようにペースを調整するのだ。
「よおし…じゃあ、いくね♥」
開始の合図に裏スジにキス…密閉されているのに近い空間で至近、というか直におちんぽの香りをかいで発情してくるけど今は、今だけは我慢しないと…
まずは全体に唾液をまぶしていく。
先走りも混じってくるので意外と時間はかからないけど、滑りがいまいちだと気持ちよくないしもしかしたら変につっかかって痛い思いをさせてしまうのではと、ここでは少し時間をとってきちんと濡らす。
私の唾液でぬるぬるになったのを確認してから…
「いただきます♥」
パクリと先っぽを咥えて上下に丁寧に、でも少し速めに扱いていく。
視界は悪いけど至近距離だし暗い中でも迷うことなく動けるくらいには慣れている。
もう何回お口でご奉仕してきたか思い出せないな…お口以外もだけど♥

6

寝ぼけ気味なのか気持ちよさそうな声を抑えられないのか小さな喘ぎが微かに聞こえる。
いつもは少し恥ずかしそうにしているからちょっと新鮮。
できればもっとしっかり聞きたかったけど今は無理なので諦めよう。
思えばお布団を被って暗い中でご奉仕するのも正解だった。
見えないから変なことを考えにくい。
目以外の感覚はちょっと鋭くなるけどお兄さんが感じやすい部分も分かりやすい気がするから一長一短?
弱い所を重点的に、いつもいつも私を好き放題なかせてくれるカリの所は特に♥
ここでおまんこの中をゴリゴリ強引に引っ掻き回される感覚を思い出すだけで身体が疼いちゃう。
下着はもう変えなきゃいけない状況だ…着替える前でよかった。
ここでやっぱり本番も…と言いださないのが良い奥さんだと思う…そう、だよね?
じゅぷじゅぷと大きな水音を籠らせながら上下運動を速めていく。
私の我慢の限界がくるまでに終わらせないと大変そうだからね。

7

口の中にお兄さんの味がいっぱいに広がって喉へ、そのもっと先へと流れ込んでくる。
この味は危険だ…幾らでも飲めてしまう。
もっと欲しいもっと味わいたい…おちんぽを咥えている間はずっとその想いが強まっていく。
いつもはご奉仕重視でセーブするけど今回みたいな射精メインのフェラの場合少しくらい強く吸い付いても大丈夫。
お兄さんからしてもラルバに熱烈に求められて嫌なわけがないだろうと、いつもそのくらいでも構わないとまで言ってくれている。
じゅぷっくぷっじゅぞぞっ♥
「はぁ♥レル…♥あぁ〜…♥あはっ♥」
無意識に喉の奥から悦びの声が溢れ出てくる。
ごくりと先走りと唾液の混ざった混合エキスを飲み込むと頭の奥が痺れるような快感がある。
もうお口も喉もすっかり性感帯として完成しちゃったな♥
大きく震え始める射精の近いおちんぽをより強く啜り上げながら一番搾りを渇望する。

8

まだ寒いのもあって掛け布団が少し重いし熱が籠り気味で汗ばんでくる。
膝をついてお腹を持ち上げているからその分持ち上がった処から外気が入ってくるけど焼け石に水。
だから頭に手を置かれたりしたら嬉しさで体温が上がって困っちゃう。
強めに求めてきたからぐいぐい喉奥まで攻められちゃうかもと期待したら労うような優しい手つきで撫でてきてもっと興奮しちゃう。
きっと、気持ちを押えきれずに頼んじゃったけど悪かったかなぁ…と思ってるんだと思う。
「んふふ♥はぁ♥ちゅぅ♥んん〜…♥ぐぷっ♥んっ♥」
ぐぐぐ…っと喉奥まで飲み込んで口から喉まで全部使っておまんこのように全体を締めあげる。
歯を立てないように注意。
精液が溢れてお布団を汚さないようにという考え…は建前で全部私が飲みたいんだもん♥
喉を、舌を、唇を…今までの経験を全て使ってご奉仕。
食べちゃうような勢いでおちんぽをぐいぐい飲み込むように強めに奥へと招き入れる。

9

呼吸も忘れてしゃぶりつき喉の締め付けを強めていくととぷりと大きく先走りが溢れ、それが喉の奥へと流れるのに引かれるようにもっと熱く粘着く白濁が胃に注がれる。
「ん"っ♥んぎゅっ…ごくっ…♥んくっ…♥」
びゅうぅっ!朝一番の精液は勢いよく放たれてとぷとぷと胃を満たしていく。
びゅぐっ!びゅるぅ!何度も大きな震えが喉を揺らすけど頭を固定して一滴も零さない。
少しだけ指先に力の入った手が、それでも優しく髪を梳いてくれるので幾らでも頑張れそう…だったけどそろそろ離したほうがいいんじゃないかと布団を捲って心配そうな顔を見せられてしまった。
確かに呼吸も少し辛いからそろそろいいかもしれないけどもう少しだけと視線で訴える。
お兄さんは困ったような顔をしたけど自分からお願いした手前強く止めにくいはず。
と思ったけどつんつんほっぺを突いて急かしてきた。
我儘だろうけど君のほうが大切と言われては仕方がない♥

10

帰ってきたら甘えさせてもらおうと心に決めて少しだけ…とりあえず喉奥からはおちんぽを出すためにゆっくりと頭を引いていく。
その時にカリが喉を引っ掻く感じに快感を覚えてしまう。
最初の頃は辛かったと思うけどずっと昔のことのように感じてしまう。
「んふふぅ♥ちゅぷっ♥」
おちんぽはおっきくても咥えるだけなら流石に少しは余裕がある。
精液はほとんど喉奥に直接流れ込んでいったけど唾液に塗れているからちゃんと舌でお掃除してから少しずつ根本から先っぽへ。
汚れた状態でお布団の中に出すのはお兄さんもよくないと思ってくれたのか、お掃除してる間は大人しく身体を預けてくれた。
もごもごと丁寧にお掃除を続け、名残惜しいけどちゅぽんっと口から離す。
「ふぅ〜…♥お疲れ様ぁ♥んちゅ♥」
最後にキスをして頬擦り、ここまでしないとどうにも落ち着かないんだもの♥
「…はっいけないいけない…」

11

あまりの心地よさに思わずおちんぽに頬擦りしながら二度寝しかけてしまった…危ない。
のそのそとお兄さんの身体を沿うようにして上部から顔を出す。
下から出てそのまま部屋を出たほうが早いんだけど…そこまで慌ただしくしたくない。
顔を出した私の頭はまたお兄さんに撫でてもらっている。
とても気持ちよかったよと褒められるとやっぱり嬉しいものだ。
「旦那様の性欲管理も奥さんのつとめって言うけど…私がしてあげたいんだ…♥迷惑じゃなかったらまたしたいんだけど…」
私の言葉は添えられた指で止められる。
そして身体を起こして身を寄せてきたお兄さんは、迷惑なんて欠片も思ってないからまた是非にとキスをしてくれるのだ。。
「んぅ…♥うん♥また、ね♥」
二人頷き合い、一緒に朝食の支度をしようと立ち上がるお兄さんに続いて私も立ち上がる。
疲れたならラルバは休んでいても大丈夫だよと言われてもここだけは譲れない。

12

時間と見ればまだ余裕はあるけどお仕事に行くお兄さんに任せて私が寝ているわけにはいかない。
妊婦なんだからいいのでは?と食い下がるお兄さんの言いたいことも分かるけど本当に辛かったらちゃんと休むから大丈夫。
「卵焼きまた少し上手になったんだよ♪食べてほしいなぁ…♥」
腕に抱き着きながら上目遣いで言うのがポイント…位置取りも気を付ける。
これで結構いける…今回はセーフ判定だったみたいで一拍空けてから、それは楽しみだと笑ってくれた。
「うん♥頑張っちゃうよ!」
他に何を作ろうか相談しながら寝屋を後にする。
お兄さんが出かけてから片付けに来よう。
帰ってくるまでに家の用事全部終わらせておかないとね♥
この朝の感じからするとすぐに相手をしてほしいってお願いされちゃうかもしれないもんね。
私はこの時、朝食が終わればとりあえず大丈夫…そう思ってたんだけど今日のお兄さんは一味違うのだった。

百二十九話

1

居間、朝食が終わったすぐ後。
「やぁ♥…あっ…♥だ、だめだよ…♥お兄さん…♥ひゃ♥」
ずぬぬぅ…ゆっくりと引き抜いたおちんぽを、にゅぷん♥と突き出す。
それを何度も繰り返しながら時々ぬちっ…ぬちゅ…っとスピードを落として腰を回すように全体を刺激したり、短いストロークで細かく引っ掻くような動きになったり…色んな動きで私の中を楽しんでいる。
…それはお兄さんがお仕事を持って稗田邸に行かなければならない日。
てっきり私はすぐにでも出かけて帰ってきてから時間を作ってくれると思っていた。
だから朝食の後、片付けに立ち上がろうとしてお兄さんが覆い被さってきた時に咄嗟に反応できなかった。
バランスを崩した風でも用事があって引き留めた感じでもなく…スカートの中に手が滑りこんできてようやくお兄さんが私を求めていることに気づいたくらいだ。
「えっ?だってお仕事…」

2

朝もしっかりお口でご奉仕させてもらっていたのもあってこのタイミングは読めず、お尻を情熱的に揉みしだく手の動きに頭より先に身体を反応させられて思わず机に手をつく。
お兄さんは引く気はないみたいでおもむろに手を伸ばしてぎゅっとおっぱいを搾るようにいつもよりほんの少し強めに揉んできた。
毎日開発されちゃってる私は痛みを感じることもなく、もっと強く搾ってほしいとすら思った。
「あっ…くぅ…ん…おっぱい…♥」
もっと…そうお願いしようとして、今は二人ともその気になっちゃダメだと思って言葉を飲み込む。
それでもお兄さんはしっかり出てくるはずの言葉を読んでいて私が望む強さへとどんどん近づけてくれる。
服の上からの搾乳するみたいにぎゅっぎゅっとおっぱいを揉まれて乳首が硬くなってきちゃう。
やがて服の上からではじれったいと、授乳用に開くところから手を入れて直に触られてジンジンと胸が熱くなる。
「ふぁぁ…♥そろそろ、出ちゃうかも…?」
まるで今すぐ自分に飲ませてくれと言うような搾乳に、私もそうしたくてたまらなくなってくる。

3

でも残念だけどまだ母乳は出てくれないみたいで感覚だけが高まって切なくなってしまう。
その時お尻を揉んでいた手が不意に離れていき、少しごそごそ動いていたかと思うとペチンと熱いものが太ももを擦った。
それが服の中から勢いよく飛び出したおちんぽなのは流石に分かる。
ちょっと興奮してるだけでおっぱい揉んでいれば満足してくれるかも?なんて頭の片隅で思っていたけど…
熱いものがお尻に押し当てられてぐいぐいと下着越しにおまんこに竿を擦り付けてきている。
「しちゃう…の?時間…」
掛け時計を見上げると確かにまだ少しは時間に余裕があるようにも見える。
でもいつものお兄さんなら無理してしようとは思わないだろう微妙な時間だ。
私は時間を気にするようなことを言いながらも、このままおちんぽを仕舞われちゃったらどうしようかとドキドキしていた。
良い妻としては止めなきゃいけないのか受け入れなきゃいけないのか…お兄さんがいつも真面目過ぎてこういう状況で積極的になることが滅多になくて経験値が足りていなかった。

4

まだまだ新米奥さんなんだなぁ…などと考えている間に、どうしても我慢出来そうにない、そんな興奮が伝わるような熱っぽい声で囁かれてこっちもじわりと愛液が滲んできちゃう…
「い…一回…だけだよ…?」
たぶんここまできても私が嫌がれば引いてくれると予想はつくけど…時間は、あるし…一回くらい…
そこからはすぐにお楽しみタイム。
こんな時濡れやすくて準備が早いのが凄くありがたく感じる…お兄さんもそう思ってるんじゃないかな?
ここにきてようやくお兄さんが熱っぽい声で無理矢理な形になってすまないと謝ってきた。
私としてはビックリしただけで少なくとも家の中ならいつでもOKな感じだからいいんだけどね。
「今日はどうしたの?言いたくないならいいけど…ちょっと心配だよ」
お預け状態で身体はそわそわしちゃうけど今はきちんと話すべき時。
お兄さんは少しだけ間を空けてから、昨日甘えた延長だろうか…そう、自分でも自信なさそうな声音で言った。

5

「…やっぱり火、点いちゃってる?」
話ながらも情熱的に私の身体をまさぐるお兄さんには聞くまでもなかった。
こんなに発情してるのは少し珍しくて私もたじたじ…でも、正直こんなになってくれて嬉しい♥
我慢して溜め込まれるほうが困っちゃうし受け止めると言ったのだからそのとおりにしよう。
「お仕事休んじゃう?」
真面目に働き続けているので望むならある程度の休みは考えると言ってもらえている。
突発的に休んでも後から報告を入れればよいそうだ…寛大だ。
ラルバが出産する時に使いたいから今日は行くと言われて確かにと頷く。
予定日は一応決まってるけど絶対じゃないからね…となると、
「じゃあ早めにイかせてあげるね♥帰ったらまた続きしてあげるから…ね♥」
急かすように羽を揺らすとお兄さんも手に力が入る…込められた力は絶妙に私の弱いところをついてくるけど偶然じゃないよね♥
いつになく熱い吐息を後ろから浴びながらおちんぽを飲み込んでいく。

6

仕事にいかなくては、早く突き込んでイきたい、ラルバを大切にしなければ…そんな色んな感情が乗っているのが分かる。
でもその感情の根幹には二人でちゃんと楽しみたいという想いがあるから私は嬉しくなっちゃう♥
お兄さんが本格的に動き出す前に机から身体を下ろす。
掴まってたら振動で食器が落ちちゃいそうだし…綺麗に食べ終わってるから零れるものはないけど気分的にね。
身体の支えはどうしようかと考えていると後ろから抱きすくめられる。
お兄さんは衝動的なことで食器にまで頭が回っていなかったらしい。
私の支えがなくなってしまったのを謝ってくれるけど、そこまでムラムラする切欠を作っちゃったのは私の責任でもあるし気にし過ぎないでほしいな。
「抱きしめていてくれるんでしょ?ならいいじゃない♥さぁ時間もあんまりないし、楽しんでいってね♥」
お腹を抱えるわけにもいかずに胸の辺りを抱えてくれている腕を撫でる。
もう片方の腕は二人の脚の長さの関係で腰の辺りを持ち上げてくれている。

7

そうじゃないと私の体重が全部おちんぽにかかっちゃうからね♥
私も出来るだけ浮かぶようにと羽根を動かすけど後ろから抱かれているからちょっと無理がある。
「あんまりもちそうにないし…思いっきりやっちゃって♥」
膝の浮いている足に力を込めて身体を無理矢理持ち上げてぐちゅんっ♥と落とす。
お腹が重くて大変だけど身体を貫くような衝撃にブルリと全身が震える。
今の一回の動きで簡単に絶頂してしまった…♥
「くぁ♥はっ…♥はやくぅ…♥」
身悶えながら急かされてようやくお兄さんも動き出す。
お兄さんは基本優しいからこういう暴走状態での動き方がまだまだ甘いのだ。
下手に優しさを出しちゃうと逆に凄く感じちゃうから困るのよね…
辛いってことはないから大丈夫なんだけど♥
お兄さんはいつになくぎこちない動きで、どうやら腰を突き上げるような強めのピストンと、その衝撃が強くなりすぎないように支える腕のバランスが難しいみたい。

8

おっぱいを潰すようにぎゅっと力が入らないように、腰をあまり強く掴まないように、腰を引けさせて快感を上手く生み出せなくならないように…
急がなきゃいけない場面で難しい体位になっちゃったかな?
今からでも体勢変えたほうがいいかもしれない…ガツンガツンと頭の中を快感にシェイクされながらも何とかそこまで考える。
すると僅かにお兄さんの身体が後ろに傾き、私の身体も抱えられているため一緒に傾く。
一瞬ふわりと身体が浮くような感覚…すぐ後にずにゅうぅっ♥っとおちんぽが深ぁくおまんこを貫く。
何が起きたかすぐに分からなかったけれど、いつのまにか私は両足を抱えられて大きく股を開いて持ち上げられていた。
膝が床にきちんとつかないならいっそ抱き上げて浮かせてしまえということだろうか。
この体重が一気におちんぽにかかる感覚はやっぱり強烈だ。
今は大きくなった赤ちゃんまでいるし尚更だろう。
「ふっぎゅうぅ♥♥♥これ、すきぃ…♥♥♥」

9

居間だというのにプシッと潮を噴いてしまう。
とろとろと溢れる愛液もお兄さんの脚を伝って床に染みていく…エッチな匂い取れなくなったらどうしよう♥
蕩ける頭でぼんやりとそんなことを考えていると勢いよく身体を上下に揺さぶられてぐっちゅぐちゅりと大きな水音が響く。
時間も無いし私にも負担をかけ続けたくないからと短期決戦をしかけたのだ。
脚に腕を回して掌でお腹を支えるようにして身体を固定、更に身体の重心を後ろに傾けたままにして前に倒れ込まないように注意しているのが分かる。
この体勢では私に出来ることは少ないので大人しく身体を跳ねさせている。
妊娠していてもお兄さんにとっては全然軽いらしく、赤ちゃんも私も一緒に抱えられているみたいでなんだかほっこりしちゃう♥
こんな状況じゃなければ甘えちゃうところだけど、今は快感に震えた甘い声を出すので精一杯♥
「ずんっ♥ずんっ♥ってぇ♥おちんぽっ♥おくっ♥すごい、よぉ♥」

10

早く終わらせなきゃいけないという考えはもう消えてしまっていた。
逆にもっとこの淫靡な時間が続いてくれればとさえ思い始めていた。
ここで自分の意志できちんとおまんこを締める事が出来ていたのは奇跡的だったと言ってもいいくらいだ。
理性的な部分がギリギリのところで身体を動かしていてくれたのだと思う。
身体の芯、心の奥底までお嫁さんになりつつあるのかもしれないけど、そのことに気づいたのは事後。
ギリっと歯ぎしりの音がすぐ後ろから聞こえて、お兄さんの余裕がないのを知らせてくれる。
いくら軽くても妊婦を身体を気遣いながら抱え続けるのは辛い…ということはない。
勿論精神的には思うところはあるかもだけど、伊達に人間を逸脱したわけじゃないので体力的にはこのくらいの時間でへばっちゃうようなことはないのだ。
つまりその有り余る体力を一身に受けることになった私の性生活は充実の一途を辿っているんだけど…今の場合だと単純に射精が間近ということだ。

11

「だしてぇ♥我慢っ♥しなくていいのっ♥全部っ♥ぜんぶ、わたしにぃっ♥」
自分の身体を抱くようにぎゅっと身を縮こめる…おまんこも同じようにぎゅうっと締まる。
身体が下に揺れる時は緩めて一息におちんぽを受け入れ、抜く時は締めてギリギリと刺激を与える。
逆に入れる時に締めて無理矢理体重を乗せるようにして先っぽへ大きく快感を与えたり工夫してみる。
力の入れ方を変えながら一番いいリズムへを探り、この体勢のベストへとすぐに辿り着く。
もちろん今のコンディションに合わせたものだから今回限りかもしれないけど…今はそれで十分♥
このリズムに任せて快感を今までの何倍にも引き上げる。
言葉は交わさなくても触合う肌で、伝わる鼓動でパートナーの考えは自然と分かる。
お腹を支えてくれているお兄さんの手に籠る僅かな力…射精する時のこの力加減が好き。
「いいよ…♥いっしょにっ♥イこっ♥」

12

身体の力を抜いて全てをお兄さんに委ねる。
一切の抵抗なく突き込まれたおちんぽを柔らかく蕩けたおまんこで包み込んであげると…
びゅぷっ♥びゅるぅ…♥
「あっ…あぁっ♥ん…♥ふうぅ…♥」
身体よりも心に温かく染み入るような想いのこもった射精。
勢いはそんなでもなかったけど、その刺激でまた少し潮を噴いてしまった。
量は思ったよりも少なめ…朝のフェラで思いのほか出ていたのかもしれない。
朝からの二戦目で体力を結構消費してしまってくったりとお兄さんの身体にもたれかかる。
お兄さんのほうは大丈夫だろうか…そんな心配をよそに、射精が終わるやいなや私の身体は静かにその場から少し離れた所に寝かされる。
色んな体液で汚れた所を避けてくれたのだと思う…ふぅ、と息をつく私を見下ろすお兄さんの顔は予想通り申し訳なさそうに八の字眉毛。
「大丈夫…少し休んだら…片付けておくから♥ふふっ…♥求めてくれて嬉しいんだよ?♥」

13

おおかた無理をさせてしまったとか、ゆっくり楽しめないのに求めてしまったとか考えてるでしょう?
図星だったらしい…分かりやすい人…そういうとこも好き♥
にへっと笑う私にお兄さんも少しだけ笑ってくれた。
「甘えてくれたんでしょ…?ちょっとはしゃぎすぎちゃったかな…?でも、大丈夫♥すぐに感覚掴めるよ…あっでも…今みたいに激しいのも嫌いじゃないかな〜って♥」
だからもっと私に微笑んでほしいな♥
私の心はきちんと伝わったみたい。
流石永遠を誓った夫婦だもんね。
お兄さんは私の頭を一撫ですると二人の身だしなみを整えて部屋を…出る前に一度振り返って、すぐ帰る愛してるよと微笑んでくれる。
「ん♥待ってる…♥けど、無理しちゃだめだよ…♥」
あなたが元気で帰ってくれれば他には何もいらないんだから。
お兄さんは頷き、後ろ髪を引かれるようにして仕事に出かけて行った。
戸締りの音が聞こえて十分程…体力もだいぶ戻ったので起き上がって片付けを開始。

14

ほんの少し怠いけど動くのに困るような感じは無い。
汚れは早めに片付けたいから今の内に動き出す。
まずは生々しい行為の後の清掃…ここは居間なのでお客様…具体的には阿求様とかが来る可能性があるから丁寧に。
「う〜ん…よし!完璧…かな?」
普段のお掃除で鍛えられていたのかほとんど分からないくらいに綺麗になった。
注意して見たら分かるかもしれないけど時間が解決してくれる範囲の跡だと思う。
また少しだけ小休止してから食器の片付け、洗濯に寝屋の片付けもして…
その後も普段からしっかりしていたお陰で割とすぐに完了。
「ふ〜…こんなものかな…あうっ♥…いけないいけない」
脚に垂れてきた精液の感触に頬がカッと熱くなる。
「お兄さんが帰ってくるまでに私も綺麗になっておかなきゃね♥」
お風呂が終わったら昼食の支度しておこうかな。
すっかり元気になった身体に気力を漲らせてる。
帰ったらまた求めてもらえるのかな?そんな期待を胸にお風呂場へ向かうのだった。

百三十話

1

「ふぃ〜…いいお湯だった〜…」
汗やら何やらでベタベタの身体を清めた後は髪をよく乾かしながら縁側でまったり。
優先してしなければいけないことは…うん、全部終わっている。
毎日の積み重ねのおかげで用事が溜まることはほとんどない。
「ん〜…まだ家にある分で大丈夫だけどお買い物にでも…あっ」
お兄さんはまだ帰ってくる時間じゃないけどこっちから稗田の家の近くまで迎えに行ってみるのはどうだろう。
道は分かってるから行き違いにもならないはずだし、すぐに出てこないようなら普通にお買い物だけして帰ればいい。
ただ奥さんが旦那さんの職場に行くのはあんまりよくないかも?
「遠目に見るだけならいい、よね?」
嫌がるようなら今後はしないと約束して謝ろう。
入れ違い対策に念のため買い物に出ると書置きしてから出発。
良くしてくれているご近所さんとお話したりしながらゆっくりと里の中を進んでいく。
すっかり常連になった八百屋さんは毎回オマケをしてくれるから余計に買ってあげたくなっちゃうんだよね。

2

荷物を抱えながら稗田の邸が遠くに見える所まで到着。
咲き始めている桜の木に背中を預けて暫く里の活気をぼんやり眺めた。
私をチラ見していく人もいたけど噂は聞いているのか稗田の邸に視線を向けて納得したように素通りしていく。
たまにご近所さんが声をかけてくれるのでお話したりしてると時間は案外早く過ぎ去っていく。
四半刻程経ったくらいで桜の木から背中を離す。
今日はもうだいぶ温かいけど、まだ冷たい風も吹くし身体を冷やすといけない。
一緒に帰れないのは残念だけど約束していたわけでもないし仕方ない。
最後にチラリと邸に目を向けてから家に向かおうと足を踏み出したところで門が開く音がした。
振り向いた先には今一番会いたかった人の驚いたような顔。
距離はあったけど流石に碧い髪と羽は目立つしすぐに分かったみたい。
凄い速さで…えっ凄い速い…駆けて来たお兄さんが私の側で立ち止まって少しだけ息を整える。
大きく息をつくと何も言わずに私の手から荷物を預かってくれる。

3

お仕事もたくさん抱えているから悪いよと遠慮するけど持たせてくれと言って聞かない。
このくらいなら余裕だと微笑まれてお任せしちゃった。
やっぱり私もお兄さんの笑顔にはどうにも折れてしまいがちで困っちゃうなぁ♥
でも私からのお願いもかなり聞いてくれるからお互い様かな。
大荷物をしっかり持てているか確認を終えたお兄さんが行こうと声をかけて二人で家へと向かう。
手を繋いだりできたりしたらいいなと思ってたけど流石に無理そう…そう思うやいなや表情に出ていたのか無理矢理荷物を片手で抱え込んで手を差し出してきた。
「もうっ流石にそれはダメだよ」
ユラユラと不安定になった荷物を私が飛んで幾らか受け持つ。
そうすれば二人ともなんとか片手が空くから一応手を繋ぐことができるようになった。
「ちょっとは頼ってよね」
改めて私から差し出した手を取りながら面目ないと謝るお兄さん。
「ん♥行こ♥」

4

荷物があるから歩みはゆっくり。
荷物は重いし普通に歩いてるだけなのになんでこんなに幸せになれるんだろうね。
「あっ…そういえばお仕事少しだけ少なくしてもらえたんだね」
大きな包みを背負っているし腕に抱えていた荷物もあるけどそんな印象。
おかげで辛うじてだけどこうして手を繋げているから助かるんだけど。
お兄さんは頷きながら、ラルバの出産近いから配慮してもらえたんだと荷物を軽く持ち上げて見せる。
出産は来月だけど何があるか分からないし、しておかなければいけないこともあるだろう…ということだった。
これはお兄さんだけじゃなくて他の同僚さんの時も同じで早上がりさせてもらったりしてたんだって。
「阿求様優しいね」
お兄さんと一緒になる前はちょっと怖いとかめんどくさそうと思っててごめんなさい…凄く助かってます。
人里のために心を砕いているお方だからねとどこか誇らしげなお兄さん。
尊敬してるんだろうな…私も人里の中で暮らしてるから保護対象ってことなのかな?

5

阿求様の話の後は準備している昼食のことや、さっきの買い物、あとご近所さんのお話で気になったことなんかを話していたらお家に到着。
鍵を開けて…今日は珍しくお兄さんから中に入ると、お帰りと出迎えられる。
だいたい言う立場が逆だからいい機会だし言いたかったと恥ずかし気なお兄さん。
「えへへ〜♥ただいま♥」
別に初めてのことじゃないけど、なんだか凄く嬉しく感じる。
一先ず私も上がろうと一歩進むとお兄さんが手早く自分の持つ荷物を置いて私の抱える荷物を受け取るとそれも脇に置いて両手を広げてくれる。
私はお兄さんが手を広げた瞬間にその中に飛び込んでいった。
「ん〜…♥次デートした時もしてもらっていい?」
いつのまにやら横抱きの体勢になって頭を撫でられながら胸に擦りついて甘えちゃう。
数時間離れてただけなのにべたべたし過ぎかな?
そうは思うけど、お兄さんがいいよって言ってくれたからもっと甘えちゃう♥

6

玄関先でしばらくイチャついてしまい二人とも冷静になってコホンと咳払い。
戸は閉めたけど鍵はしてないし場所は選ばないとね…うん。
お兄さんが仕事に使うものを仕事部屋の書斎に運ぶ間に私は買い足した日用品や食材を片付ける。
居間でお茶を淹れて待っていると少ししてお兄さんがやってくる。
ありがとうとちゃんとお礼を言ってからお茶を一口…その後、今朝はごめんなと改めて謝ってくれる。
甘えるのはやっぱり慣れないし変に暴走してしまったと、本当に恥ずかしそうに頭を掻く。
「私は今朝も言ったとおり嬉しいからいいんだけど…それに、まだ溜まってるならぁ…♥」
にじり寄ってお兄さんの腕を掴んで見上げる。
ちゃんと視線がこちらに向いたのを確認してから…
「今から…またしちゃおうか?♥」
授乳用に開くようになっている服の留め具に手をかけてすぐにでもおっぱいをさらけ出せるようにしながら尋ねる。
出すのは答えを聞いてからでも遅くはない。

7

ふにふにとおっぱいを腕に押し当てながら少しずつ顔を近づける。
お兄さんはまるで初夜の時みたいに顔が真っ赤になってる。
顔を逸らされちゃうかなと思ったけど、そのまま見つめ合う形で、夜にまたお願いします…絞り出すような声でやっとそれだけ言うと両手で顔を覆っちゃった。
「よしよし♥恥ずかしくなっちゃったかな?♥じゃあ、また…夜にね♥」
ふぅ…と耳に息を吹きかけるとビクンと震えてますます赤くなってる。
「お兄さん可愛い♥」
こういうお兄さんも新鮮だけど、甘え上手になったらもう見れなくなっちゃうのかな?
ん〜…でもお兄さんなんだかんだ初心なとこあるみたいだしいつまでも見れそうな気もするなぁ。
「出産までもうちょっとだけど、大きなお腹でもいっぱい楽しんじゃおうね♥」
背中からぎゅっと抱きしめるようにして顔を覗き込んでいると、お兄さんは耳まで真っ赤になりながらも指の間から視線をこっちに向けてコクリと頷いてくれるのだった。

百三十一話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
仕事があるのに朝から盛ってしまった日…ラルバに甘えてしまった日と言ったほうが正確かもしれないが、その日からラルバに抱擁されたり頭を撫でられる機会が増えたような気がする。
彼女なりに想ってくれているのは分かるし、正直ありがたい。
恥ずかしさも無いではないが、たとえ人前であったとしてもこのくらいなら平気だ。
今のところ家で二人きりの時にだけしてくれることだがデートに行く機会があれば外でもしてもらえるかもしれない。
いつでも甘えてもいいよと、頼ってくれていいよと言葉と行動で示してくれている。
自分も大きなお腹を抱えて大変だろうにこんなにも愛してくれて、自分には勿体ない女の子だ。
お言葉に甘えてこちらから身を預けることもあるが…リラックス効果が非常に高い。
こちらが抱きしめてあげることも多いけれど、彼女も同じようにとてもリラックスしてくれているようで嬉しい。
一応普段はしっかりしているのだが、あの日を機に距離がまた近くなったのを感じている。

2

そしてもう、ラルバが妊娠してから十か月目…今月ついに我が子が産まれる。
長かったような短かったようなと思い出を振り返るのは無事に産まれてからにしよう。
八意先生からは相変わらず何も問題はないと太鼓判を頂いているが心配なものは心配だ。
なにせ自分にとってもラルバにとっても初めての子。
出来る限りのことはしてきたし、今からもまだ油断せず詰めていくことになっている。
出産も家でする予定…自分としては信頼出来る永遠亭のお世話になりたかったのだがラルバが安心できるから家のほうがいいと、我儘を言わせてと頭を下げたのだ…どうにかしてあげるのが自分の役目だと覚った。
どのみち産む本人の希望とあってはこちらが折れるしかない。
一応イナバさんが駆けつけてくれることになっているのでその点は安心だ。
薬売りに来る頻度をあげて様子を見に来てくれるという…感謝してもしきれない。
あとは兎のお団子屋さんが連絡出来ると言うが…どういう仕組みなのだろう。
ただ、基本は自分達二人での処置になるものと思ったほうがいいだろう。

3

ラルバと共に真剣に先生の言うことを聞いて来るべき時に備えて予習を続けている。
とはいえ張りつめているばかりでは日常生活にも支障が出る。
だからこそお互いに甘え甘えられしてきちんと距離を適正に保っているとも言えるかもしれない。
正直ほとんどのことをやりつくしてあとは天命を待つ状態に近い。
ならば出産本番で緊張し過ぎないようにある程度は緩めておこう。
緩めておこう…とは言うが、
「おに〜いさん♥うふふ♥」
腕の中で完全にまったりと身体を預けてくれるラルバを見ていると気負いも自然に解れて消える。
彼女はこれでも先ほどまで出産、産後に関しての本を真面目に読みふけっていた。
なんとかなるだろうという油断はせずに彼女も本気で全力を出すつもりだ。
目の前のことに集中しやすいのか甘える時は甘えるのに全力というわけだ。
「桜ももう見頃だねぇ…赤ちゃん産まれる頃はもう散っちゃってるかな?ちょっと残念」
満月の光の下で縁側から見える桜を見上げる。
風に流され花弁が僅かに散って星空を更に彩る。

4

これでは花蝶風月だな…などと思いながらも自分の中では代役の蝶が最も美しいのがなんとも…
「ねえお月さまよく見た?ちょうど満月なんだからよく見比べてみてね♥」
ポンポンとお腹を軽く叩きながらニっとはにかむラルバの視線から逃れるように月を見上げる。
以前丸いお腹が月のようだと褒めたのが思いのほか嬉しかったらしい。
人外の者からしたら満月には思い入れがあるのかもしれない。
この後、また彼女と肌を重ねる約束をしている。
入浴後のマッサージまではもう終わらせていて始めようと思えば始められたのだが今日が満月だったこともあり、せっかくだから見比べてみようよと縁側まで連れ出された次第だ。
前回と同じ条件にするため今回もラルバが上に乗ってご奉仕してくれるというので楽しみだ。
ただ、出産手前ということもあり前回から一か月も経っていないのに、お腹はまた大きさと魅力と迫力を増している。
こうして普通に抱いているだけでもその存在感の大きさに今でもまだ驚かされることがある。
これが命を、子を成すということなのだなと。

5

月から視線を下ろしてラルバのお腹へ向ける。
近頃では見ただけで動いているのがはっきり分かる時もあり、きちんと成長してくれているのを実感。
今は眠っているようでエネルギーは感じ取れるが大人しくしている。
流石に我が子が活発に動いている時のセックスは控えているので助かる。
「…そろそろ、行こっか?」
しばしお腹を撫でていたがラルバの声に頷き立ち上がる。
先に立ち上がっていたラルバと自然に手を繋ぎ沸き立つ心を抑えながら寝屋へ。
出産予定日付近は流石にエッチを控えたほうがいいのかなとラルバが悩んでいたので今回が出産前最後のセックスになる可能性もある…というか安全を考えればそうしたほうがいいだろう。
だからという訳でもないが、今回もしっかりと楽しもう。
弾むような足取りで少しだけ前を行く彼女の頭を追う。
揺れる触覚とそわそわと小さくはためく羽からはこれからの行為に向けてのやる気と喜びが溢れている。
こちらも既に血液が集まり始めているので布団に腰を下ろしたらすぐにでも始められるだろう。

6

布団の上でキラキラと輝く瞳を向けられて、そんなに楽しみなのかと問う。
「うん♥だって…これが私達の集大成…って言っていいのかな?なんだかちょっと感動してるというか…」
しきりにお腹を撫でさすり興奮しているラルバ。
確かに一つの区切りと言えるだろうし言いたいことは非常によく分かる。
なにせ予定日までもう一週間も無いのだ。
問題無いからといって子供を無視してイチャつくほど気が緩んではいない。
そう改めて考えると、自分もなんだか気が引き締まるが今日も彼女にお任せなので楽しむ側で全力ということで。
最初もラルバにリードしてもらう形だったし大切な日はお任せすることになるんだろうか。
頑張るラルバを見るのも好きなので自分はそれもありではあるが任せきりは流石にどうか。
「う〜ん…やっぱりその時の流れ次第じゃないかな?最初はともかく今日私が頑張るのは偶然だしね」
出産後の最初のエッチはお兄さんに頑張ってもらおうかな♥なんて言われたらその気になってしまう。

7

一応出産したらすぐにまた妊娠させるというようなことを言ってしまっているので期待しているのかもしれない。
勢いもかなりあった発言ではあるがラルバを妊娠させたいという気持ちは本当なので…これはまた当日の状況を見て考えないといけないことか。
無理ならスパッと諦めて引くが可能ならば相手をしてもらおう。
その時はお互いまた励もうと約束を重ねると嬉しそうに抱き着いてくる。
「やった♥お兄さんのことだからもっと慎重な感じかと思ったけど…♥」
私の魅力にメロメロ?とクスクス笑うラルバにそうだよと即答。
その為にも今日以降はちょっとお休みして体力気力を整えようなと続けると居住まいを正してしっかりと頷いた。
「うん♥また授かれるように、その前にこの子をきちんと産めるようにね♥」
先の話が纏まったことで、今に集中すべく互いに寝間着を脱いで布団の側に纏めて裸身で向き合う。
こちらから彼女の頭を撫で、その手に彼女が口付けてから静かに身体を寄せ合い肌を重ねるのだった。

百三十二話

1

騎乗位という約束だったのでラルバがこちらに身を寄せて肩に手をかける。
そのままそっと力を籠めるが…自分は身体を倒さずにその手を取って一度引き寄せる。
きょとんとして見上げるラルバへ、自分も動いていいだろうかと始める前に聞いておく。
ラルバが尽くしてくれるのは心から嬉しく思うが、やはり全てお任せしておくのは…なんというか、勿体ないと言えばいいのだろうか?
一人より二人で一緒に気持ちよくなろうとしたほうが絶対に気持ちがいいというのは経験から考えても確実だ。
今回はお腹の様子の比較のための騎乗位であるのだし言ってしまえば見て確認が済めばそれ以降は自由だ。
なんとなく前回と同じようにしなければいけないような気がしていたが…どうだろう?
その問いかけにラルバもそういえばそうかと指を顎にあてて少し考える。
「言われてみればそうかも…うん、そうよね。分かったよ♥えっと…ただ最初にやっておかないと体力もつか分かんないから、ね?」
挿入から序盤の動きまでは任せてほしいと言われて問題はないと頷く。

2

しかしそれではお願いしますと身体を倒すかと言われたら違う。
抱き寄せた彼女を脚の上に乗せてまた身体をピタリと寄せて抱きしめる。
ラルバも自分が何かしてあげたくて悩んでいるのだと分かっているので何も言わずに身体を預けてくれた。
小さなラルバの身体には不釣り合いな大きなお腹はやはり何度見ても心に訴えてくるものがある。
この少女を大切にしたいと心の底から思える。
そう思うのと同時に彼女と早く肌を重ねて熱く交わりたいとも思ってしまうが、これもまた本能か。
手を添えてツイと顎を上に向けて艶めく唇に自分の唇を重ねる。
柔らかでふにふにと形を変える可憐な唇はいつまででもこのまま口付けを交わしていたいと思わせる。
「ん…♥ふ…っ…♥」
ラルバも顎を持ち上げた指をぎゅっと握りながら自ら唇を押し当ててくる。
目を瞑って一心不乱に口付けに集中するラルバの顔を瞼を薄く開けてよく見せてもらった。
至近で焦点はブレるが、それを差し引いても飛び切り可愛い。

3

思わず笑みを浮かべると唇の形からこちらの様子を察してラルバも薄く目を開く。
互いに薄く開いた瞼から覗く瞳を覗き込むようにしてクスリと笑い顔を離す。
彼女は握っていたこちらの指を引き寄せて頬擦りしながら微睡むような熱っぽいような瞳を向けてくる。
「ポカポカあったかくなってきた♡なんだか一気に春めいたような、満たされるような…♡」
自分の内にも広がる温かさを共有出来ていることを喜びながら頷く。
やんわりと握られた手を解して自由にすると母乳の溜まった大きな乳房に添える。
マッサージの効果か本当に随分と大きくなったもので、体格からしたら少々アンバランスだが均整を崩すようなものでもなく見事に少女らしさと女性らしさが共存している。
もう数日もすればここから母乳が出るのだと思えば感慨深い。
ふにふにと全体をを覆うように掌で揉んでからツンと勃った乳首を極弱い力で摘まむ。
「ふふっ♡後でまた吸ってみる?」

4

自分でも胸をツンツンつついて震わせながらにんまり笑うラルバ。
それもいいなと思いながらも手を胸からお腹へを移動させる。
確かな鼓動を感じる大きなお腹を数度撫でる。
何か僅かに反応があったような気もするが子供を父に撫でられていると分かるのだろうか?
一先ず今回はあまり刺激して起こしてしまわないようにと早めに次へと向かう。
また明日の昼間に存分に撫でさせてもらおう…
次は当然彼女の秘裂…そこはいつも通りしっかりと準備が整っておりすぐにでもペニスを受け入れられるだろう。
小さな穴…結局目に見えて拡がるようなこともなく変わらずピタリとスジが閉まっているが、もうそういうものだと思うしかあるまい。
妻がいつまでも綺麗な身体だと思えば喜ぶことこそあれど嘆くことなどない。
それに小さくキツく締まってはいるもののペニスは柔軟に受け入れるのだ。
不安であった骨盤等の体格の問題は先生が事前に確認して問題無いように取り計らってくれたそうだ。
里の医者ではここまでは出来なかっただろうから竹林を分け入ってまで頼って正解だったと言えるだろう。

5

膣口に指を添えるとしっとりと濡れており中に侵入するのもたやすかった。
中指を第一関節まで挿入…軽くクイと曲げるだけでラルバは全身を震わせてしな垂れかかってくる。
微笑みを絶やすことなく信頼して身を任せてくれる彼女の背をしっかりと支えると強く刺激し過ぎないように気を付けながら膣壁を緩やかに擦っていく。
くちゅり、ぴちゃりと小さな水音が耳にやけに大きく聞こえる。
「んぅ…♥ん〜…♥」
弱めにぐりぐりと頭を押し付けて快感に堪えるように甘い声で呻くラルバ。
背をぽんぽんと軽く撫でて落ち着かせながら前戯を続け、中指に次いで人差し指も差し入れる。
「くぅ…っ♥どうかな?もう挿入れられると思うけど…♥」
ラルバは頭をより強く押し付けながらぺしぺし触覚で肌を叩いてくる。
快感を少しでも外に発散しないとまともに話も出来なくなるのでこそばゆいが我慢しよう。
前戯に関してはこちらからさせてくれと頼むのは相変わらずだ。

6

自分としても早く挿入したい気持ちもないではないが準備をしないと心配してしまうのだ。
それに指や舌で感じてくれるのを見るのも嬉しいので出来るだけしっかり前戯させてもらいたい。
指二本を第二関節まで挿入して緩やかに前後に抽挿する。
絡みつく膣壁を指先で柔らかく押し上げると全体がキュッと指を拘束してくる。
同時にトロリと溢れる愛液で彼女が軽く絶頂してくれたのが分かる。
耳まで朱色に染めて恥ずかしげに触覚を揺らす様が溜まらなく愛おしい。
どこまでいっても絶頂の瞬間というのは少し恥ずかしいものだ。
見られたくない…ということはなく、むしろ見てほしいけど恥ずかしい…心の在り方は難しい。
中に入れた二本の指はそのままに親指をクリトリスへと向ける。
直に触れず近くに添えただけにも関わらず反応は大きい。
「ま、待って…お願いそろそろ…♥」
これ以上体力を先に消費するのはまずいと思ったのか制止の声がかかる。

7

一瞬指を止め、静かに引く。
ラルバに気持ちよくなってほしいけれど彼女の意志を無視してただ絶頂させたいわけではない。
最初は彼女にお任せする流れには変わりないので動けるだけの体力は残してあげなければ。
膣から指を抜いて再びラルバを少し強めに抱きしめる。
任せていいかな?背と脚を軽く撫でながら問うと、
「大丈夫…♡じゃあ、ちょっとだけ待ってね」
頷き、大きく深呼吸をするように呼吸を整えると彼女はゆっくりと体勢を変え始める。
大きなお腹をわざとこちらの腹に擦り付けるようにしながら緩慢な動作で位置取りを整える。
肩や腰に手をやり彼女が倒れないように補助しながらこちらも腰の位置を微調整。
向き合うような体勢になると流石に身体を倒すようにしなければならないが騎乗位なのでこのまま枕に頭を預ければいいだろう。
ラルバの肩に、腰に添えた手を徐々に下ろしていき脚へ。
そのままゆっくりと身を倒そうとすると待ったがかかる。

8

「…最初は対面座位だったよね♥」
花咲くような笑顔で首を軽く傾けて誘うラルバ。
迷うことなくその笑顔に誘われて可能な限り身体を起こして記憶を頼りに姿勢を正す。
思い出深く、しかし初体験に湯だった頭だったので細部まで完璧とはいかないかもしれない。
それでも昔を想い、今も仲良くなっているよと…これからも仲良くしていこうねと目の前にいるラルバへと笑いかける。
なんだか感慨深く、少しばかり涙腺が緩みそうになるが今は行為の真っ最中なので我慢だ。
こちらが何とかあの時の体勢に近づけたのを見てラルバも改めて動き出す。
座ったままの姿勢の自分、その股ぐらで勃起しているペニスを受け入れるように、ゆっくりと抱きつくようにして腰を下ろす。
そして挿入する直前に…少々体勢は辛いがなんとかこちらが背を曲げて口付けを交わす。
ごめんね、と小さく囁かれたが自分も当時が懐かしいので大丈夫だよと微笑む。
そしてそのまま勢いよくといきたいところだが流石に自重して静かに腰を下ろし丁寧にペニスを飲み込んでいった。

9

「♡♡♡♡♡っ♡ぁ♡んんっ♡♡♡」
デジャヴィというのだったか…あの日の情景を思い出す。
初々しい可愛らしい少女と心を通じ合わせた何よりも愛しい少女が重なる。
肉体的な悦びも勿論あるのだろうが今日の彼女は精神的に満たされて嬌声を零している。
懐かしい…そう思うもののこの体勢では無理があると思ったのかラルバのほうからそっと唇を離し、そっと肩を押してくれた。
ほんの少し寂しそうな顔をしていたが、それ以上の悦びに、愛に溢れた微笑みが寂しさを吹き飛ばしてくれる。
枕に頭を預けて上に乗るラルバをしっかりと見つめる。
大きく羽を広げてお腹を見せつけるように突き出し…これ以上はないと言わんばかりの幸せいっぱいの笑顔を向けてくれる最愛の人。
瞳からはあの日と同じようにハートマークが浮かんでいるようにすら見える。
それ程の、形になって見えそうな気持ち同士を向け合い混ざり合う心地良さに震えが奔る。
鏡はなくとも自分も彼女同様に最高の笑顔であることだろう。

10

幸福感に包まれて動けなくなりそうだったがラルバの身体を支えるべく脚の位置だけは調整。
ラルバが手をついてバランスがしっかりとれたのを確認して改めて身体を弛緩させる。
腰から蕩けてしまいそうな感覚に自然と快感の声が零れる。
あまりの心地よさに性欲は高まり続けているがこのまま眠ってしまいたくなる。
閉じようとする瞼をこじ開けてラルバの艶めく身体へと視線を向ける。
最大限大きくなったお腹は前回つい口をついたように真ん丸で見ようによってはお月さまのようだ。
何より心を震わせるところが似通っているだろうか。
拡げられた羽から細かく宙に舞い暗闇に煌く鱗粉も星々を思わせるのだろう。
意識していた分、前回よりもきちんとその様を観察できたが、やはり美しい。
今回は意識的に鱗粉を広く部屋を満たすようにしているらしく灯りに煌く様はより幻想的だ。
ひょっとして上手くできるように練習してくれたのだろうか?
そんなことを思っているとクスリとラルバが笑う…どうやらそのようだ。

11

がっつりお互いを貪るように激しく絡み合うのには向かないけれど、こういった遊びも趣深い。
こちらも何かできればいいのだが…流石に難しそうだ。
「どう、かな?…上手くできてると思うんだけど…♡」
自信はあるけど少し心配、そんな顔をする彼女へ以前よりも更に綺麗だと心からの賛辞を贈る。
お腹もとても魅力的だと手を伸ばして円を描くようにスッと撫ぜる。
褒められ、次いで撫でられてすっかり安心して不安の影をパッと消して微笑む彼女の可愛らしさにまたもクラクラしてしまいそうだ。
ふんわりと柔らかに微笑み目を細め、安心と幸福感からんー…♥と小さく声を漏らす。
お腹を撫で続けるだけずっとそんな顔を見せてくれそうで、自分も見ていたいがそろそろ切り替えなくては…
無事にお腹の様子の確認は済んだのだが…亀頭が熱く焼け付くような快感が高まり、膣内も愛液が溢れ熱く脈打っている。
お腹から手を離し、身体を起こしてラルバの肩に手を置く。
今日は自分が動く…ラルバは小さく頷くと静かに身体を倒し、上下位置を交代すると抽挿を開始するのだった。

百三十三話

1

ついラルバへの気持ちが高まって攻守交替してもらったが大丈夫だったのだろうか。
押し倒しておいて今更だがやはり騎乗位のほうがよかったかなと確認するが、
「私はどっちも楽しいから大丈夫♥お兄さんがしたいって言ってくれるなら、お任せしたいな♥」
上になってほしいって言うなら交代するけど?と逆に気を使わせてしまった。
少し考えが空回ってしまったか…とりあえず問題はないと判断。
このまま続けさせてもらうねとお腹を一撫で。
それだけでまた身体をすんなり任せてくれるので、期待と信頼に応えるべく抽挿を再開する。
あんまりラルバのことだけ考えるとそれはそれで心配されるから自分の快感にも素直に。
どんな時でも柔軟に身も心も受け止めてくれた彼女をこちらも信頼してペニスに力を入れる。
上壁のザラザラを亀頭で均すように押し上げ、魅惑の肉粒をカリでこそぐように引っ掻く。
強めには動かないが要所を抑えるように壊れ物を扱うようにではなく一緒に高め合えるようにより気持ちを通じ合わせるために、まず身体の調子を合わせていく。

2

一応最初は出来るだけ緩やかに動くように心がけるが流石というべきかリラックスした状態で身体を預けてくれているだけであってもラルバの中は自然とペニスに絡みつくようで不意にやってくる快感にリズムが狂いそうになる。
腰を打ち付けると大きくゆさりと揺れるお腹と胸、ハリのある瑞々しい肌に既に薄く汗を流している。
ラルバは深く身を貫かれながら隠しようもなく幸せでたまらないという表情でクツクツ笑う顔を両手で包むようにして熱い息を吐き出す。
「あぁ…♥とっても優しい…♥お兄さんの気持ちが身体の奥の奥に染みわたるみたい♥」
これまでの経験を全て思い起こして刺激は少なめでも気持ちよくなれそうな動きを心掛けているが…成果が出ているのか心掛けているという点だけでも嬉しいのか。
揺れるお腹を、抱えている太ももを時折撫でながら一層繋がりと深めるべく腰の捻りを調整していく。
普通に前後するだけでも気持ちよくなってくれるのは分かっているが最初の頃のように手探りで今、一番気持ちいい所を探すのは続けている。

3

ペニスの先に集中して右に左に角度を調整して膣壁を擦り、感触を覚えてはまた別の所へ。
小さい膣内とはいえ性感の高まりでまた感じ方が変わってくるのでなんだか少し楽しい。
「ひゃっ♥ふふっ♥出産前でもいつもと同じなんだから♥」
未だに気持ちよくなれるポイント探しに余念がないのを呆れられる。
もう十分でしょと言われても以前と同じように何度でも全然足りないと同じ言葉を返す。
「ん♥…嬉しい♥そういうとこも好きだから…続けて♥」
大丈夫と言ってくれて入るけれどラルバの額からツツっと汗の筋が一つ流れる。
体力は満タンであったはずだが消耗が少し多めだろうか?
あんまり長丁場になるのはよくないだろう。
回復が早いからギリギリまで減らして回復を待って…と繰り替えすのはどう考えても身体に悪かろう。
今日は一回だけにしておこうと言うとラルバも少しだけ間を空けはしたがコクリと頷いてくれた。
「出産後に幾らでもできるもんね♥今は体調を安定させないとね♥」

4

この一回に全部を詰め込んでしまえばいいのだと視線で二人の意志を固める。
長丁場には出来ずかといって慣れてはきたがこの時期に激しくスパートをかけるのは躊躇われる。
となれば今もそうしていたようにお互いの一番弱い部分を曝け出して愛し合うのが一番早く、深く繋がれるだろう。
今までの経験を活かす時…グリっと軽めにGスポットを押し上げ、そのまま滑らせるようにポルチオを小突く。
「きゅふっ♥んんぅ♥弱いとこっ♥あはぁ♥一気に突いちゃう?♥こんなのすぐイっちゃうよぉ…♥」
たまらず甘い声を上げるラルバの身体をしっかりと掴んで固定させてもらう。
その手を肌の上を滑らせるようにして肩を腹を脚を撫でていく。
この小さな身体から溢れ出すほどの大きな快感を与えてやりたい。
その一心から今まで以上に神経を集中して彼女の弱いところを的確に突く。
弾力のある子宮と押し合うように一番奥を丹念に何度も突きあげる。
「くっ♥あぅ♥ひあぁっ♥そんなっ♥にゃあぁ♥」

5

翻弄されているようでいて…いや余裕はないのだろうがそれでも彼女も懸命にペニスを包み柔らかく解れた膣肉で扱いてくれる。
引き抜く時はカリとはいわず全体を締めあげるように、えもいえぬ抱擁に思わず精液が漏れ出しかねない勢いだ。
だくだくと溢れるカウパーと愛液が混じりあい結合部を泡立て白く濁らせている。
汗と更なる愛液によって洗い流される淫液はシーツに大きな染みを作っていく。
キュッと膣が急に窄まったかと思えば弛緩したかのようにふんわりと蕩けるような夢見心地な感触へと変化する。
ビクビクと身体を震わせる彼女とはまた別の意志をもっているかのように変化する膣内の様子に絶頂の激しさがうかがえる。
そんな中でも腰の動きを緩めぬようにこちらも必死に彼女を貫く。
ラルバは目を瞑り口をきゅっと噤んでいる…一見辛そうに見えなくもないが、そこには苦痛はなく大きな快感を抱えきれず何とか抑えようと頑張っているのが雰囲気から察せられる。
「んくっ♥あっ…くぅ♥…きゅうぅ〜…♥ひぐっ♥おにいさっ♥…」

6

口を開けて何かを伝えようと…もうそろそろ限界だろうか?
少しばかり早いような気もするが、今の状態ではこのくらいでちょうどいいのかもしれない。
強く肌の打ち付け合う音こそないが淫靡な水音がぐちゅぐちゅと大きくなり、吐き出す息の熱さと声の艶で今の状態がかなり高まってきているのが見て取れる。
白く美しい肌は血色よく色づき汗に濡れて艶を増し興奮を掻き立てる。
その魅惑的な身体を前に暴走せずにいられるのもひとえに彼女への想いと、寄せられる信頼の視線のお陰だ。
夢見るような乙女の眼差しで思慕の念をこめて名を囁かれては男心はどうあっても擽られるというもの。
こちらからもラルバと名を呼びかけるが…その声も彼女の声と同じく想いの丈の籠った熱いものとなる。
「♥…えへっ♥…だいすきっ♥…だよ♥おにぃさん♥」
肩を掴んでいた手を震える手で取るとぎゅっと握ってくる。
たぶん全力なのだろうが絶頂で弛緩してあまり力が入らないようだ。

7

か弱いと言ってもいい力だが籠められた想いはいつになく強く感じる…最近こういった想いは強まる一方だ。
彼女もこの時を特別に大切に想っているのだ。
握られた手で逆に彼女の手を握り返し、大好きだよとこちらからも伝える。
万感の想いを籠めたが…緩む頬の感じからして問題なく通じ合えたのだろう。
この愛しい少女に自分の想いがきちんと伝わっている、そして伝えてもらえることを何よりも嬉しく思う。
心底惚れこんでいるのをはっきりと自覚する。
ラルバからも心からの愛情を向けてもらえているのがはっきりと分かる。
こんなにも真っ直ぐに愛し合えるのかと自分のことながら驚くが、実際にそうしていられるのだ。
つい気持ちが高まり涙が零れそうになるがここは堪えなくては。
笑われやしないだろうし恥ずかしいこともないが…今はまだ。
男の意地で気合を入れるもペニスに絡みつく膣壁の熱い滑りに舌で舐めまわされているような錯覚に陥り腰が砕けそうだ。
上も下もどちらも彼女の技量が極まってきたのでたまにそういう時もあるのだ。

8

意識的にしているのかは分からないが自在に膣壁を操る魔性に彼女の底知れなさを感じる。
彼女からしたら的確に弱い所を突いてくるペニスのほうが余程女殺しの危険物だと半ば陶酔したように言われてしまうのだが…
互いに相手の為に高め相手のためにのみ使ってきた専用の性器だ。
出会ってからこの出産間際までほとんど毎日切磋琢磨…と言っていいのか分からないが、鍛えてきたのだ。
やはり感じ方も違うのだろう…他を試す気はやはり一切ないので比較対象はいないが。
「おっきぃ…♥あつ、い…♥とけるぅ…♥」
手に籠める力もまた少し弱まり、こちらの手を掴んだままくてっと胸の上に乗せているような形だ。
抽挿に合わせてたぷんと弾む胸の感触が、腕に触れるお腹の熱が、包んでくれる掌の優しさが身体を熱くしてくれる。
この子をもっと愛してあげたいという想いを原動力にいつまででも動けそうな気さえする。
しかし今回はそろそろキリを付けなければならない。

9

ならば彼女が最も満足してくれる形を取るべく、彼女の手から抜け出して肩を掴む。
「ふぇ…?」
とろんとした瞳を向けるラルバは頭がポーっとしていて反応が一拍遅れてしまっている。。
次々に身体の中で生まれる快感の波がぶつかり合い逆にバランスが取れているかのような、いっそ安定したといえる身体をそっと持ち上げる。
弛緩した身体は子がいることも含め少し重かったが、その重みが何よりも愛おしく思える。
抱き上げたラルバを胸に抱くように可能な限り身を寄せる。
「あ…♥えぅ…♥へへぇ…♥」
少々変則的な形になってりまうが対面座位の体位になる。
なんというか…これが一番しっくりくるような気がするのだ。
最初を飾った思い出深い体位であり、最も最初との違いを実感できる体位でもある。
お腹で少し距離が開くのも、子供が出来たんだからべったりしてばかりじゃダメだと気を引き締めてくれるようだ。

10

無理をおして口付けはするのだけれど…
自分達の場合出会ってすぐに子作りに至ったからこの妊娠期間くらいしか二人の時間というのがないのだ。
子供はもちろん全力で愛するが、彼女との二人の時間を諦めるつもりは毛頭ない。
その決意を新たにするための口付けといってもいいだろう。
ずっと仲良く暮らそう、その言葉に含む意味をずっと連れ添った夫婦のように敏感に感じ取ってくれるラルバ。
「はい♡私はずっとお兄さんの御側に…♡」
体勢の都合で深く強く唇を合わせるのは難しかったが、それでも触合う温かさに感じ入る。
心に満ちる充足感に身体も引かれて反応を示す。
体勢に多少無理はあるものの身を寄せ合い距離は縮まっていることもありペニスは一層膣の深くまで埋まっている。
そして互いに抱きしめ合っているのだから当然だが腰の動きはほとんど止まっている。
あるのは胸を打つ鼓動の響きとほんのわずかな身じろぎのみ…
その小さな響きがまたなによりも深く身体に深く染み渡るのだ。

11

ラルバに腰を跳ね上げてもらうことも、こちらから腰を打ち上げる必要もない。
唇が、指先が僅かに互いの肌の上を動き刺激するだけで猛烈にピストンするのと同等以上の快感が生まれているのを確かに感じていた。
「…ん…♡…っ♡」
彼女の指先に少しだけ力が籠る。
大きな波がすぐそこにまで迫り緊張しているのだろう。
なにせこんなに微少な刺激から最大級の快感の大波が生じようというのだから驚きもしよう。
自分だって内から湧き上がる強烈な射精感に腰が浮きそうなくらいだ。
二人ともこのままたいして動くこともせず絶頂に至るだろう。
最初に挿入だけでろくに動きもせず射精してしまったことを思い出す。
果たして自分達は成長できているのかいないのか…初志をはっきりと浮き上がらせてくれたのでこれでいいのかもしれない。
最も大切な単純な部分はきっとこのままずっと変わらずにいれるのだろう。
二人して更に身を寄せ合い、動くどころか逆に静止するように頭を相手の肩に預け合う。

12

こちらは肩に乗せるように、ラルバは頭を肩に押し付けるように…
表面上穏やかに、しかし結合部は一層熱く身を焼かんばかりに猛り、生まれる快感が表に噴き出てこないのが不思議なくらいだ。
歪な形だが、これ以上ない抱擁を交わすこの一時には何にも代え難い尊いものがある。
それを自分の手で終わらせなければならないことは残念でならないが…今回主導権を握ったからにはこちらから行動を起こすべきだろう。
非常に悩ましくはあるが、この先にも彼女との大切な時間が待っていると思えばこそ行動に移ることが出来た。
この想いこそがある意味一番重要かもしれない。
せめて恰好のつく形で締めくくりたいところだが…そういったことを考えるのは苦手だし上手くいく気がしない。
…母子共に元気な子を産んでくれ。
正解など分からぬのならと、今一番伝えたいことを言うのみだ。
一際力強く囁かれたその言葉にラルバも笑顔で応えてくれる。
「…はい♡」

13

簡単な短い言葉のやり取り。
それだけで今まで胸に抱えていた不安も薄れ、もう出産までの覚悟が固まったのが分かる。
つかえの取れた胸中に下半身から焼け付くような快感がマグマのように猛烈に湧き上がる。
抱擁は今出来うる最大の力が籠められ、二人の距離がこの夜最も近づき…ついに快感が大きく爆ぜた。
「んっ♡…んぅっ♡んっくぅあぁぁぁぁぁああぁあっっ♡♡♡♡♡」
声は思いのほか小さく、しかし中に秘める感情はどれほど強いことだろう。
どびゅっ!びっ!ぶゅるるるるっっ!!どぷっ!ぷっっ!!どぐんっ!!
こちらも胸の内を全て籠めるだけ籠めた特大の射精が勢いよく飛び出す。
白濁は彼女を絶対に離さないと決めた心情を表すように粘着質にラルバの中をべっとりと侵していく。
そこにより形をはっきりと際立たせるように鋭敏化した膣壁が柔らかくもざらりと、同じく決して離すまいと強烈な収縮で応えてくれる。

14

もちろん敏感になった粘膜同士をそのように擦り合わせては…
「あ♡あっ♡ひぐっ♡…んぅっ♡…〜〜〜っっ♡」
「ひあっ♡ひっ♡んんんっ♡あぁあぁぁっ♡」
ラルバの嬌声が止まない…大きな声で叫ぶようなことこそないが小さいながらも艶めく声がすぐ近くからずっと聞こえてきては…それを成したのが自分であるということも含め刺激が強すぎる。
この節目に空っぽにしようと身体が変に気を利かせているのか精液は勢いは多少減じたものの尽きることを忘れたかのようにどぷどぷと溢れ出す。
この一度の射精で普段の三倍は出したのではないかとすら思うし現に多量に溢れて二人の肌を白く穢していく。
声もろくに出せない有様ではあったが掌からは饒舌に気持ちが溢れ伝わってくれているらしい。
僅かに手を動かすだけで声の艶も大きさも段違いの反応を見せた。
どれ程そうしていたのか、体力気力には自信がついてきたのにもう精液と共に空っぽだ。

15

ラルバと支え合うようにしていなければ倒れ込んでいたかもしれない。
気力を振り絞り、不安定な体勢を脱しようと抱きしめた彼女の身体をそのまま支えて慎重に横向きに寝かせていく。
ペニスを抜くことすら億劫になる気怠さだが、元気があっても今はまだ抜かなかっただろうか。
くてんと力なく横に振れそうになる頭も支えて枕の上にそっと乗せる。
繋がったままの自分もラルバに合わせて向き合うように横になり、とりあえず倒れ込んで大惨事になるような事態は回避できた。
ラルバは目を瞑ったまま静かに規則的に呼吸している。
平常の様子に安心しつつ早速回復を始めた体力に任せて汗でしっとりと濡れた碧い髪に手櫛を通す。
眠ってはいないようで擽ったそうに頬を緩めるが疲れからか反応は大きくない。
そのまま手櫛で髪を梳きながら、満足できたかなと問う。
ラルバは本当に小さくだが、確かに頷き、
「またしようね…♡」
静かに瞼を開き琥珀色の瞳を覗かせてふんわりと微笑むのだった。

百三十四話

1

「んっ…つっ…んぅ…♥ふぅー…抜けちゃった…♥」
しばし見つめ合った後、絡み合う脚を解いていきペニスもゆるりと抜く。
挿入したまま眠ることもあったが流石にこの時期にそこまでするほど豪胆ではない。
乱れた息を整えながらゆったりと横になるラルバ。
いつもどおり…いつも以上に優しく彼女の頭を撫でながら身体を労る。
目を細め僅かに頭を掌に押し付けてくる様は外見相応の懐っこい少女にしか見えない。
一糸纏わぬ姿でお腹が膨れていることに目を瞑ればだが。
その後簡単に体調は大丈夫か等の確認を済ませると事後処理となる。
連戦するなら小休止だけだが今回はここまでという約束なので落ち着いたのを見計らって行動を開始する。
最近ではこのままラルバは眠り、自分が事後の処理をする流れになる。
これは彼女が不精なのではなく少しでも体力を温存するようにとこちらから頼んだからだ。
心配しすぎだよと言われるがこれだけは何とか呑んでもらったのだが…
ラルバは目を閉じることなくまだ何か言いたげだ。

2

事後のお話も絆を育む大切な時間なので蔑ろにする気はないが出産間際で体調にも色々変化があるようで時間をあまりとれない事もある。
「暫く起きててもいい…?」
今日も見た限りそこそこ体力を消費したようだが…すぐに眠りたくはない気持ちは分かる。
すぐに寝るからと続ける彼女に否と言う気は微塵もなく。
何かあれば遠慮せずに言ってくれればいいよと返してから事後の処理に取り掛かる。
ただ一度の交わりではあったが久し振りに少々派手にやらかしてしまったのでラルバの身体に負担をかけないように注意しているのも含め時間がかかりそうだ。
ちょっと待っていてくれと言い含め、手桶に手早くぬるま湯を持って戻る。
以前なら余裕があれば湯あみもしたものだが事後に体温をあまり高めるとラルバは眠気が襲ってくるようなのだ。
手拭を濡らして汗を拭いていくと気持ちがいいのかこそばゆいのか彼女の唇がにんまりと弧を描く。
一番穢れてしまっている秘所に関しても流石に恥ずかしそうだが大人しく拭かれてくれる。

3

全身を拭き清められながらもラルバは静かにされるがまま大人しくしていた。
途中から眠っているかのように目を瞑っていたが起きているのは何となく分かる。
ひとまずこのまま寝かせても大丈夫だろうという段になってようやくまた瞼を開き、
「今度は私がやる」
起き上がるついでに別の手拭を手に取るとそっと頬を拭ってくれた。
真剣な眼差しを前に、自分でやるから君はもう休みなさい…とは言えずこちらも大人しく姿勢を正した。
一応止められる可能性も考えていたのか少し緊張していたが、こちらが身体から力を抜くのを見てラルバも安堵の表情を浮かべる。
予想以上に嬉しそうな顔をするのでついついこちらも釣られて微笑んでしまう。
ラルバは上機嫌でこちらの全身をくまなく手拭で清めていく。
自分も相当気を付けていたつもりだがその所作はより女性的で丁寧な気がする。
「私はお兄さんに身体拭いてもらうの大好きだよ?」
やはりこの程度の心の機微はすぐに読み取られてしまうようだ…隠す気もないのでいいけれど。

4

こちらも彼女の手からはゆっくり触合いたい気持ちと、汗で濡れているから早く綺麗にしなければという迷いを感じる。
好きなようにすればいいと言うと一瞬止めた手を手早く動かしてきぱきと身体を拭き清めてくれた。
湯を処理に部屋を出ている間に寝床もまた綺麗に整えられている。
休んでいてくれていいのにと思ったが逆の立場だったら自分も何かしらしたいので素直に感謝だけしておく。
二人で改めて腰を落ち着けると、そわそわしていたラルバにぎゅっと密着される。
もう一回しよう、というわけではなく単に肌を触合わせていたいのだ。
まだ裸身を晒す彼女が身体を冷やさないように抱き寄せて布団に潜り込む。
大きなお腹の存在感が目立つが、これも後数日でまた小さくなると思うと少し名残惜しい。
「…んぅ…」
ラルバは何か話そうかともじもじしているが眠気が強くなってきたのか瞼が重そうだ。
あまり無理をしないでとポンと肩を軽く叩くとふっと力を抜いた。
「…おやすみなさい♡」

5

ふわりと微笑むラルバへおやすみと返事をして向き合うように体勢を横にする。
手を繋ぐようにして、微睡みの中で意識が眠りの中に沈むまで二人共何も言わなかったけれど瞳と指先で万の言葉にを紡ぐに等しい会話を成せたような心地だ。
不安はあるが、こうしてリラックスできるようならまだ安心もできよう。
準備はすでに万端なのだ。
ならば残り数日の妊娠期間を楽しむべきだと笑みを作る。
次第に重さを増すラルバの瞼が完全に閉じるのを確認してから更に暫く待って灯りを落とす。
薄く見える輪郭が呼吸で静かに揺れるのをまたしばし見守ってから目を閉じる。
あまり遅くまで起きていては二人の時間が減ってしまう。
指先からは変わらず彼女の想いが伝わってくる。
夢の中で会えないだろうかと夢の管理者に無茶ぶりしてみようかと考えてしまう。
こんなことを言えばラルバに起きればいつでも隣にいるんだからとクスクス笑われてしまうかな。
次の太陽を待ち遠しく思いながら夢の中へと旅立つのだった…

6

翌朝…まだ夢の中にいるラルバの顔をぼんやりと見つめる。
常より少し遅い時間だろうか?本当なら仕事のある日だが休みをもらっているので問題はない。
…夢の中で本当ラルバに出会うことが出来た。
夢の管理者に会う機会があればお礼を言っておかなければなるまい。
しかしだ…見覚えのない碧い髪の少女も一緒にいたが…娘だろうか?
未来のネタばれは止めていただきたい。
ラルバによく似た可愛い我が子?の顔は徐々に薄れていき記憶から抜けてしまった。
急いで描き留めてもよかったが恐らくこれは忘れたほうがいいだろう。
ぐっと目を瞑って完全に顔を思い出せなくなったところで目を開く。
近い未来にまた会えるのだから今は気にしないでおこう。
朝食の支度に向かおうかと思ったが出来るだけラルバの側にいてあげたい…いや、自分が彼女の側にいたかったので起きるのを待つことにした。
数日中来る大きな変化の波を無事に超えられることを祈りつつ可愛いラルバの寝顔を見守るのだった。

百三十五話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ねえ溜まってない?大丈夫?」
すりすりとお兄さんの腕に頭を擦り付けながらじっとおちんぽのある位置を見つめる。
お兄さんはちょっとだけ考えた後、正直したい気持ちはあるけど君達のほうが大事だから我慢できるよと笑ってくれる。
まだ妊娠中はこれで一応最後にしようと決めて、また深く楽しんだ日の翌日。
流石に一日でどうこうなるとは思ってないけどついつい聞いてしまう。
自分のためにお兄さんに無理してほしくはないから手や口でご奉仕ならいいよねと押し通そうと思ったのに全然無理してない感じでちょっとだけいじけちゃいそう。
でもそれも私に気を使わせないためにお兄さんも頑張ってくれているってことだから嬉しくもある。
うーん心がグラグラ揺れちゃう…幸せ方向に偏ってるから別にいいんだけどね。
逆にお兄さんのほうから何かあれば遠慮せず言ってほしいと優しくも真剣な眼差しを向けられてまたドキドキしてきちゃう。
本気で想ってくれてるからちょっとした我儘は逆に言いにくくて困っちゃうかも…♥

2

その日からお兄さんが私に対して過保護と言っていいくらい何でもしてくれるようになった。
今までだって大切にしてくれているのが十分過ぎる程に伝わってきていたのに、まだまだこんなものじゃないと言わんばかりだ。
家事一切を全て引き受けてくれるのは既に前提。
しかも出来るだけ視界にいるように気を付けてくれて立ち上がろうとすると即座に補助して隣で転ばないようにずっと付いていてくれるくらいだ。
食事時もいつもはちょっと照れてるのに自分から食べさせ合いしようかと、何とか補助しようとソワソワしてるしお風呂は当然一緒に入ってくれる。
流石にトイレは自重してくれたけど何となく気配が近くにあるような…
一番困るのはそれだけされて気疲れさせられなかったこと。
一日目の夜、いつものマッサージの後にいつも通りにしようよと頼み込んでなんとか私にも家事をさせてくれることになった。
旦那様に尽くされ過ぎて困るのは想像してたけど実際になるとね…まあ嬉しいけど♡

3

そんなわけで二日目は私もバリバリ家事を頑張った…と言えるわけもなく。
色々させてはもらえたからそれは有難かった。
やっぱり私もお兄さんのために何かしてあげたいからね。
今一番すべきなのはお腹を大切にすることなんだろうけど安定してる内は動いていたい。
その辺りの匙加減に迷っていたのをうまく誘導されてほとんど、とまではいかないけど私が何かする前にかなり家事を片付けられてしまった。
そりゃあほぼ何もしなかった昨日よりはお兄さんのために何かできた感じはする。
この絶妙な感覚を見極めてくるのが凄い。
本気のお兄さんにこういう駆け引きされるとまだまだ勝てる気がしない。
「もうちょっとこう…ね?」
昨夜に引き続き優しすぎる旦那様にお仕事させてとお願いする。
過保護なくらいでちょうどいいんだと言ってるお兄さんからしたら譲歩してくれたとは思う。
私の不満も分かっているはずだし、たぶん明日はもう少し何かさせてくれるだろう。
それでも今日よりちょっと多めに割り振られるくらいに収まるんだろうけど…

4

…という想像を裏切って普段よりは少なめだけどかなり日常に近い感じで過ごさせてもらった。
隣でサポートはしてくれるけど私が何か言わなければほとんど一人で色々させてもらえた。
手伝いがいりそうな時は声をかけてくれるし大丈夫と言ったら素直に引いてくれる。
「動き回っててもいいの?」
自分でお願いしておいてこう言ってはなんだけど妊婦さんは寝てたほうがいいとは思ってる。
お兄さんは肩を竦めて、きっとこれが君にとって一番だろうから支えることにした、だって。
気まずくなったら逆効果だし大丈夫そうなら信じて任せてくれると言う。
自然体でいられる距離感を計ってたのかな?
ただ、何かあったらすぐに頼ってほしいとちょっと泣きそうな顔で真剣にお願いはされた。
ほんのちょっとでも息苦しく感じたのが申し訳なくて私もちょっと泣きそう。
二人とも大きな転機の前で緊張しているのだ。
結局私からお願いして隣でサポートしてもらいつつ安全に気を付けつつ出来るだけいつも通り過ごす形で落ち着く。
うん、普通が一番だね。

5

若干気まずくなったけど元に戻る時は一離れたら十近づける。
私達はそうして出来るだけいつもどおりに三日、四日と平和な日々を穏やかに過ごす。
お兄さんは絶対お休みし過ぎて復帰の時どうしようとか考えてるから簡単なお仕事はしていいよと先に言っておいた。
私達を養うために真剣に考えてのことだし感謝はするけど怒ったりしないのに気にしちゃうんだもん。
それでも居間で数時間だけにおさえて他の時間はずっと一緒にいてくれる。
いつでも話し相手になってくれるし必要な物はすぐに買ってきてくれるし安定してる時は外にもちゃんと連れて行ってくれる。
単純に気晴らしになるし親身になってくれるご近所の奥さんに出産間際の心構えを改めてレクチャーしてもらえたり得るものも多い。
お兄さんも一緒にご近所のお父さん達に何か教えてもらってたみたい。
皆優しいし何よりお兄さんもいるから私はあんまり不安にならずにすんだ。
一回阿求様とばったり会ったけど心配してくれてたのかな?偶然って言ってたけど手土産くれたし。

6

不安定な心と身体を精神的にも物理的にも支えられて、私はなんとか予定日を迎えることができた。
絶対に今日産まれるとは限らないけど…なんとなく予感がある。
先生の見立てを信頼しているのもあるので念のため永遠亭に連絡を取るべきかと思ったら鈴仙ちゃんが先に尋ねてきてくれた。
「最後の最後で放っておくのはなんだかむずむずするだけよ」
玄関口で薬売りの衣装からバッと早着替えして準備万端だ。
ちゃんと先生にも許可を取ってきたと言う。
頼もしいし心配してくれたことが何より嬉しい。
お兄さんも感動してしきりに頭を下げているからどんどん鈴仙ちゃんが照れてきちゃってる。
あんまりやりすぎると困らせちゃうから私が割って入って取り成して一旦家に上がってもらう。
連絡をお願いしようと思ったお団子屋さんには先に顔を出してきたらしいので安心。
お土産に幾らか包んできてくれたものだからのんびりお茶をすることに。
はらはらピリピリしちゃうかもしれないと思っていたのでこの来訪は本当にありがたかった。

7

暫くは陣痛が始まった時からの対応やその他諸注意を改めてプロから指導してもらうことに。
「余裕をもって用意してあるし問題はなさそうかな」
お兄さんの案内で産後の準備も見てもらったけど大丈夫みたい。
ちなみに私は何かあってはいけないからとずっと寝屋で横になっていた。
五分以上お兄さんの姿が見えない時間がないくらい頻繁に様子見しにきてくれるから不安はないけど。
開けてある戸からチラリとお兄さんが視線を向けてくれる度にひらひらと手を振るのが楽しい。
そして、お昼を回った頃…容態が安定している私を挟んでひとまずは静観しようかと二人が相談している時。
「んっ…!あぐっ!」
思わずお兄さんの手を掴んでぎゅっと握りしめる。
短めに整えていた爪が肌に食い込んで、あれじゃあ痕がついちゃうかも、そんな場違いな考えもすぐに掻き消える。
これが陣痛かと自覚したのは鈴仙ちゃんが慌てて準備のため部屋を飛び出してすぐに戻ってきた時だ。
お兄さんは私に掴まれて動きたくても動けなかった。

8

正直、何とでもなると思っていた。
妖精はなんだかんだ頑丈だし、それは身をもって体験してきたことでよく分かっている。
お兄さんも冷静で、今はもう強く握られた手もするりと抜けて緊張しながらも冷静に鈴仙ちゃんの補佐をしている。
二人が何か言っているのが分かる…分かるけど、何故かお兄さんの声のほうがよく聞こえるみたい。
私の反応から二人もそれが分かったのかお兄さんを通して状態を確認してくれた。
ぼんやりとした視界の中で真剣なお兄さんの顔だけをじっと見つめてなんとか受け答えをする。
幸いきちんと準備もして最終確認もしていたから滞ることなく体勢は万全。
私達のお家で、私達で準備して、そこに信頼できる友人も一緒にいてくれてる…だから何も心配しなくていい。
「だい…じょうぶ…私も、おかあさんだから…がんばる」
半分は自分に言い聞かせるように、半分は二人を安心させるように無理して笑ってみせる。
一瞬二人も釣られて微笑んでくれて空気が弛緩した…そういう時に限って何か起きる。
痛みで感覚もよく分からないけどきっとこれが破水というものだ。

9

私の気持ちも都合も関係なく予告もせずに勝手に身体が事態を進展させていく。
温かな物が自分から流れていくのを辛うじて感じる。
その喪失感はお兄さんが握りなおしてくれた手と二人の声が埋めてくれた。
大丈夫…赤ちゃんが出てくる準備が進められているだけ、何も問題は無い。
長引くよりはずっといいけど展開が早い。
長い場合はここから赤ちゃんが出てくるまでに一日くらい時間がかかることもあるという。
けど私は運良く早めに産まれてきてくれるパターンだった。
それでも三時間程かかったらしい。
らしい、と言うのは…かなりの痛みだと聞いてはいたけどあの状況で意識をしっかり保つのは無理。
ひたすら無事に産まれてきてくれることだけ強く強く祈っていたような気はする。
私の意識がはっきりしたのは産声が聞こえた瞬間だ。
産まれた―――そう思った瞬間ボロボロ涙が溢れて来た。
痛みに流した涙を全て洗い流して喜びだけが涙と一緒に溢れてくる。

10

弱り切った身体に活を入れて差し出された赤ちゃんを抱きしめる。
「お母さんですよ…ふふっ…これから、よろしくね」
赤ちゃんは産声を上げてからは随分と大人しく静かに私に抱かれている。
そこにお兄さんもやってきて私ごと赤ちゃんを包み込んでくれた。
頑張ったねと、よくやってくれたねといっぱいいっぱい褒めてもらえた。
お兄さんも泣いちゃってるから私がしっかりしないとダメかな、なんて思えるくらいには回復してきた。
「お兄さんありがとう…一緒にいてくれてとっても心強かった♡赤ちゃんを…」
まだふらつく身体で抱いているのは危ないと思ってお兄さんに赤ちゃんを預けようとした。
その時、胸になんだか違和感があって見た目にも分かるから二人もすぐに気づいたみたい。
「おお…本当に出るんだ…」
じんわりと汗じゃない水に服が濡れるのが分かる。
鈴仙ちゃんに促されて赤ちゃんに最初のご飯…おっぱいをあげることに。
お兄さんは感動しちゃってまた泣いてた。

11

大人しくしていた割に強く吸い付いてごくごくおっぱいを飲んでくれた。
満足したのかしばらくしたら自分から口を離してまた大人しくなっちゃう。
うーん…妊娠中にエッチし過ぎて気を使って大人しくしてる子になっちゃったとかないよね?大丈夫かな。
授乳が無事に終わるころにはお兄さんも復帰していて赤ちゃんを預かって予定していたとおりに動き出す。
お兄さんが赤ちゃんのお世話をしている間に鈴仙ちゃんが身体のチェックと胎盤の処理を担当。
たぶんお兄さん一人でもなんとかできたとは思うけど鈴仙ちゃんが来てくれて本当に助かった。
「別にこれも仕事だから気にしなくていいわよ。楽なほうだったし」
お礼を言ったけど素っ気なく返されちゃった。
でも一年近く付き合ってきたから照れ隠しなのは分かっちゃうんだ。
膣や子宮にも変に傷がついていることもなく胎盤も無事に出せて一安心。
お兄さんが戻ってきて用意していた揺り籠に赤ちゃんを乗せる頃には一通り仕事を片付けて鈴仙ちゃんは早速帰り支度を始める。

12

是非お礼をしたいと夫婦で引き留めたら暫く赤ちゃんの様子を見ていくと腰を下ろしてくれた。
とはいっても赤ちゃん本人はすやすや眠っているばかりで問題は何もないらしい。
赤ちゃんは女の子だったから娘だ。
私より少し濃いめの碧い髪に瞳は黒、小さいけど羽と触覚もあるみたい。
目元がお兄さんに似ているかしら?ふふ♡
一度寝間着と布団を変えてリフレッシュした私は布団のすぐそばに置かれた揺り籠の中の娘を飽きることなく穴のあくほどじっと見つめていた。
胸の奥から湧き上がる感情はお兄さんに向けてのものとはちょっと違うけど尊くて大切な物。
この気持ちがあればきっとなんだって出来るとさえ思えた。
とはいえ今は身体を休めるようにと赤ちゃんの隣で寝かされているからお手伝いにきてくれた鈴仙ちゃんはお兄さんが感謝をこめて誠心誠意おもてなししている。
私は時々起きておっぱいをねだる赤ちゃんの相手をしなきゃいけないから大したことが出来なくて申し訳ない。
赤ちゃんの相手が一番大切でしょと言って逆にフォローされちゃった。

13

お礼も立場上あんまり貰い過ぎるわけにはいかないと程々でストップがかかってしまった。
迷惑をかけたくないので残念だけどここまでかな。
感謝の気持ちは伝わったみたいだからよかったけどまだまだ百分の一も伝えきれていない。
何かあれば助けてあげたいけど…私に出来ることあるのかしら?お兄さんは何か出来そうだけど。
その後、暫く赤ちゃんの様子を観察しながら今後の注意点の確認をして鈴仙ちゃんは帰っていった。
赤ちゃんはすっごく安定しているから普通にお世話しているだけで問題はないそうだ。
元気に産まれてきてくれてよかった♡
大人しくしているのは単にそういう子だからじゃないかとのこと…少なくとも病気や異常じゃないから安心。
詳しくは後日落ち着いてから永遠亭で先生に診てもらってからだけど不安になるようなことはないと励まされた。
鈴仙ちゃんとは普通に妖精生活してたら友達になる機会なんてなかっただろうからなんだか嬉しい。
お兄さんに支えられながら起き上がり、赤ちゃんを抱いて家族皆でお見送りしたら流石に恥ずかしいと笠を目深に被って走って行っちゃった。

14

耳がぴょこぴょこ動いてたから喜んでくれていたとは思う。
鈴仙ちゃんが帰ったことで家の中には家族だけ。
近場だけでも出産の挨拶にも行きたいところだけど先にご近所さんから落ち着いてからでいいからと事前に先制されているのでお言葉に甘えよう。
出産という非日常で目まぐるしい感じがしたけどお昼時からまだ数時間しか経っていない。
安産ですぐに産まれたから夕飯の時間まで少し余裕があるくらいだ。
その数時間の間に新しい家族が増えているのがとても不思議な感覚。
優しく揺り籠へ赤ちゃんを戻して二人でじっと見つめてしまう。
「…可愛いね♡」
自然と口から出た言葉にお兄さんが大仰に頷く。
絶対これ世界一可愛いとか思ってるよ…同意見だけど。
夕飯は出産が長引くことも考えて仕込み済みで用意もすぐ済むようにしていたから二人とも存分に赤ちゃんを可愛がった。
ほぼ寝てるかおっぱい飲んでるかの大人しい子だからあんまり騒がしくもならずにとっても静かで穏やかな空気が流れる。

15

お兄さんは赤ちゃんだけじゃなくて私にも何度も優しく声をかけてくれた。
二人とも無事でいてくれて嬉しい、自分はあんまり力になれなくて申し訳ない、頑張ってくれた何かラルバにお返しがしたい。
私を大切に想ってくれている…その気持ちが出産を切欠にもっと大きく強くなっている。
純粋な気持ちを真っ直ぐに向けられて少しこそばゆいような感じ…ある意味鈴仙ちゃんも同じ感じだったのかな?
「その気持ちだけで十分だから…お兄さんが思ってる以上に私はもうたくさんもらってるよ…♡」
お兄さんは少し迷った後、何かあったらすぐに頼ってほしいとだけ言うと寝ている私の手をとりキスしてくれた。
私は頷き…一つ気になることがあったのでついでに聞いてみることにした。
「出産中って妊婦さんが何か無意識に叫んだりすることあるんでしょ?私何か言ってた?」
他人の出産現場に立ち会ったことがないから本で読んだりしたことがあるだけだけど、そういうこともあると知識にはある。
聞かないほうがいい気もしたけどこれは好奇心が勝ってしまった。

16

その問いかけに何故か赤くなって硬直するお兄さん。
「えっ何その反応は」
気まずそうな、でもなんだか嬉しそうな…なんとなく分かったけど遮らずに言葉を待つ。
言うべきか言わざるべきかと考えるような間の後、だいたい予想どおりの内容を聞かされる。
…お兄さんへの恋情愛情を叫び続けたらしい。
またかと思いながらも何となく納得する…しかもいつかの細かいところまでしっかり一つ一つ言い募るあれだって…
止めると負担になるからと鈴仙ちゃんに言われて止められなかったそうだけど、応えてあげたほうがいいんじゃないかと背中を押されてお兄さんも言い返していたらしい。
鈴仙ちゃん絶対内心笑ってたでしょ。
もっとちゃんと意識のある時にしたかった。
ああでもこれは無意識下で言ったのが重要なのかも?
改めて裏表なくお兄さんのことが大好きだって言えたってことだもんね♡
聞きたいことも聞けて、無事出産が済んだ気の緩みもあり次第に瞼が重くなっていく。
後は任せてと言うお兄さんの言葉に甘えて、私は一度意識を手放すのだった。

百三十六話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
すやすやと眠るラルバの頭を撫でてから隣の子供に意識を向けるがこちらも今はすやすや眠っている。
少々ドタバタしたがイナバさんが一緒にいてくれたお陰で処置も問題なく完了している。
落ち着いて眠ってくれているので安心ではあるが何かしら異常があって大人しいのではと心配もしてしまう。
あまりそわそわしていると心配が伝播してよくないだろうと律するので大変だ。
ここはプロの言葉を信じて今出来ることは全て完璧に熟せていると安心しておこう。
とはいえ…正直自分がしてやれることがあんまりない。
授乳もそうだがラルバが頑張って自分が彼女を支える形になりそうだ。
ご近所さんの旦那さんも男はあんまりやれることなかったと遠い目をしていた。
仕事を頑張るのと妻を助けてあげることを中心にいつも通りやればいいと背中を叩かれたものだ。
何かしてあげたいが今は自分も休んでおくべきかと二人を見守りつつ身を休めることにした。

2

妊娠後期はお腹の重みのためずっと身体を横向きにして寝ていたので仰向けに寝る彼女を見るのは久々だな、などと思っていたところに声がかかる。
「…お兄さん?いる?」
疲れているだろうにまだ一時間ほどしか経過していないのにラルバは目を覚ましたらしい。
流石の回復力に感心しながら近くにいるよと返事をしつつにじり寄る。
ついでに赤ちゃんも元気で異常は無いよと伝えておく。
「ん♡よかった…♡」
視界に入ったことと気になっていたことを先に伝えられたことでふわりと笑みを浮かべる。
見ると子供も目を覚ましたようだ。
泣き出すことはないが小さくあうあうと形にならない声を出して自分達を呼んでいるようだ。
その声に反応して自分が動くより先にラルバががばっと布団を除けて起き上がり揺り籠へと向かう。
「よしよし♡お母さんだよ〜♡ご飯かな?おっぱいいるよね?」
いそいそと胸元を開き手際よく授乳を始める妻の後姿は小さいながらも立派な母親のものであった。
さっきまで甘えた声を出していたというのになんとも頼もしいものだ。

3

授乳が終わると赤ちゃんはまた眠ってしまった…子供も疲れているのかもしれない。
寝る子は育つというし立派に成長してもらいたい。
「お兄さんやっぱりこの子…」
子供をしっかりと寝床に戻してからラルバが気になっていたことを確認出来たと報告してくれた。
この子は羽も触覚もあるしラルバ寄り…ようするに妖精のようだ。
今は半妖精の自分も当時は人間だったのでハーフの可能性も考えていたが…まあどちらかに振り切れていたほうが生きやすいとは思うのでこれでよかったのだろう。
何であれ自分達の可愛い子供には変わりないのだから。
次に、妖精ということはもちろん自然からエネルギーを貰える存在なので最悪このまま放置していても勝手に、それも凄い早さで育つそうだ。
普通の人間よりは手がかからないかもしれないとのことだが、どうであれしっかり世話をするつもりだ。
とりあえず育児に関してプラスになることはあれどマイナスになることはあんまりないだろう。
人間の弱さは身をもって知っているので丈夫に産まれてくれてよかったという感想にしかならない。

4

あえて言うなら人間用の育成手順から外れるから修正が必要というくらいか。
きちんと言葉にして、人間でも妖精でもハーフでも自分達の大切な子供だから一緒に育てていこうと真っ直ぐ目を見てラルバに伝えておく。
こういう大切なことは通じ合っていても形にしておかなければ。
「うん分かってる…ふふっ♡お父さんがしっかりしてて助かっちゃうね♡」
自分がされるように優しく子の頭を撫でるラルバはとても眩しく輝いて見えた。
今視界に映る女性と我が子を一生かけて幸せにしていくのだと心と頭に深く刻み込む。
自分の中で誓いも新たにしたことで勇気が湧いてくるようだ。
しかし今は拳を握りしめる時ではない。
つい力の入る手を解きほぐして最愛の人を抱きしめる。
何度感謝しても、何度愛を伝えてもきっと伝えきれないこの気持ちも、きっと彼女なら分かってくれるだろう。
こちらも言葉に表しつくせない彼女の気持ちを感じて…二人してほんの少しの時間静かに温かな涙を流した。

5

「…よし!湿っぽいのはもう十分!赤ちゃんが目を覚ますまでに私達もご飯食べよう!」
心地よいが気恥ずかしい空気を壊さない程度にやんわりと押し流してこちらの手を取ると元気に立ち上がるラルバ。
一度しっかり身体を洗いたいと言うので子供の様子を見る担当を受け持つ。
足取りも軽くすっかり元通りに見えたが一応身体の調子を尋ねておく。
すると問題ないと元気に飛び回って見せるので、分かったからあまり体力を使わないようにと宥めておく。
妊娠中は子供に気を使って随分大人しくしていたので元気が有り余っているのかもしれない。
風呂場へ向かうのを見送ってから揺り籠を居間の目が届く安全な位置に配置。
様子も見えるし夕飯の支度をしようかと思ったがいくら距離が近くとも放置するのは躊躇われたので大人しくラルバを待つことに。
眠っているのを起こさないように気を使うが逆にそこにだけ気を付ければいいので助かる。
産まれたばかりの我が子を一人で守るという状況はなかなかのプレッシャーだが押しつぶされる程度の覚悟ではない。

6

眠っているだけで特に何かをしているわけでもないが、我が子ともなれば見ているたけで得るものはある。
起こさぬように小さな声で、生まれてきてくれてありがとうとラルバと同様の言葉をかける。
その後も眠る我が子に静かに語り掛けていたらラルバがやってくる。
何か忘れ物でもしたのかと思ったが普通に入浴が済む程度の時間が経過していた。
どうにも自分は我が子との時間が楽しくて仕方ないらしい。
「お兄さんばっかり赤ちゃんとお話してずるい」
ぷくっと片頬を膨らますラルバに苦笑しつつ場所を代わり、入れ違いに自分は夕飯の支度へ向かう。
手早く済ませて戻るとまた授乳していた。
一日に十回ほどすると聞いたが妖精の場合どうなのだろう。
ラルバは手こずることなくげっぷをさせて宝物を扱うように…事実何にも代えられぬ宝を揺り籠に戻して振り向く。
「私達もご飯にしよっか」
向けられたその笑顔は出産前と同じはずなのにどこか神秘的というか深みを増して見える。

7

子供に何があるか分からないと少し急いでの食事となったが結局少しだけ食べさせ合いをしてしまった。
やっぱり今後はちゃんとしたほうがいいのだろうかと相談したがこれが自分達の日常だからと押し切られた。
そうしてようやく人心地ついた時になってようやくラルバの違和感に気づく。
彼女は出産を終えたにも関わらずお腹周りに余裕のある妊婦服を着ていた。
気づくのが遅すぎると思ったがその服が今の普通だったので多少ダブついていても気にならなかった。
ラルバも今気づいたとクスクス笑っていた。
着替え中も子供が気になって他はどうでもよかったのだろう。
服を引っ張りこんなに大きかったんだねと笑い合う内、
「…お腹見る?」
裾をたくし上げながらそう問われる。
普通は大きく膨らんでいた肉と皮がたるんで少し不格好なのだという。
人によってはあまり見たくないのかもしれないが大切な人が頑張ってくれた証だ。
出産に立ち会っていたので一応視界には入っていたが慌ただしくて注視はしていなかったし興味はある。

8

「どう?がっかりした?」
悪戯っぽく微笑むラルバの顔とお腹を交互に見る。
産後数時間とは思えないすらっとした綺麗なお腹がそこにあった。
出産直後は多少お肉が余っていたような気がしたのだが…いや、少し女性的な感じにはなっているような気はする。
「私としては綺麗な姿を見てほしいから嬉しいんだけどね♡」
母として頑張った姿なので多少肉が余っていようが好きだと断言するしラルバ自身もあの姿に誇りのようなものを感じているようだが妖精の身体は元に戻りやすいのだろうか。
万全の状態になるのは良いことではあるのだが、あの姿も目に焼き付けておきたかった。
ほんのちょっと残念かもしれないと言うと、私もそう思うとラルバもお腹を撫でる。
「でもこういうことはしやすいかな?」
何をと聞く前にこちらの頭は立ち上がったラルバにガバッとワンピース状の服の内部に収まっていた。
「んふふ〜♡お腹が軽くて少し寂しいからちょっとだけ代わりになってね♡」

9

お腹を撫でるように服越しに頭を撫でられる。
小さくなったお腹に顔を押し付けるような形になりなんだかどぎまぎしてしまう。
このお腹の中に本当に子供がいたのかとびっくりする。
生命の神秘を感じながら大人しく撫でられていたが満足したよと言われて外に出ようとして…先ほどからたまに頭に当たっていた柔らかな双丘に視線を向ける。
大きな胸が服を押し上げている様を間近に見て、こっちも成長したなと感慨深くなる…と同時に、興奮してしまう。
いつかの約束を思い出す。
出産が終わったらその日の内にまた子供を作ろうかなどと勢いで言ってしまった…半分以上本気だったが。
ラルバはその時それを望んでくれたと思ったが…流石に実行するのはどうなんだと自問していた。
実際に出産に立ち会い、それどころではないと思っていたが今は随分と落ち着いている。
幸い子供は眠ると暫くは起きないし近くで様子を見ていれば不可能ではないかもしれない。
そんな考えを振り払う…流石に自重すべきだと言う冷静な部分に今日ばかりは獣欲も大人しく従ってくれた。

10

それを許さない存在があるとしたら…
「あれ?興奮して襲ってくれるかと思ったんだけどな♡」
悪戯妖精の声が頭上から聞こえたと思ったら顔を胸の間に挟まれてぎゅうっと抱きしめられていた。
見ると触れるでは得る感覚が段違いだし服の中なので逃げられない。
柔らかさと大きさも重要だが…今は母乳のどこか甘い香りが脳を激しく揺さぶってくる。
脳内では崩れ落ちそうになる理性を獣欲が応援する訳の分からないイメージが流れてくる程度には押し流されそうだ。
「忘れちゃった?…忘れてないよねぇ♡」
具体的なことは言わないが出産後の子作りの事を言っているのは分かる。
「今日も私が主導でしちゃうの?逞しいところ見せてくれると思ってたのに…なんてね♡お兄さん優しいからあんなこと言っても実際にそうなると私に気を使っちゃうのは知ってたんだ♡」
だから私から誘うと、そのための自宅出産でもあったのだと囁かれる。
自宅出産が難しそうなら永遠亭を頼るしその場合は諦めたとも言われる。
子供も今は大人しく寝ているし異常にはすぐ気づける…

11

状況は彼女の望んだとおりに形作られている。
後はパートナーのやる気次第だが…奮い立たせる方法なら知っている。
一番やる気が出るのは…
「私ってもう女としての魅力…ない?それとも一人子供が出来たから満足?」
それは心からの問いかけであり、その声は強がって揶揄うようであったが少し震えていた。
大きな出来事の後で不安定なのもあるだろうが、一度子供を作ると満足する男性も世にはいるらしいし、それもまた必ずしも間違いでもないのだろう。
ラルバはそういう事態も考えて悩んでいたのかもしれない…自分の女としての役目はこれで終わりなのでは?と。
その不安を吹き飛ばしてあげるには行動で示すのが一番だ。
優しく背を叩き解放してもらう。
不安そうなラルバを抱きしめ、君には自分がどれだけ魅力的な女性か自覚してもらわないと困ってしまうよと笑う。
寝屋へ行こう、その一言だけで彼女の中の不安が消し飛ぶのを感じる。
側に子供もいるので多少気恥ずかしいが…約束はきちんと果たそう。
文字通り飛ぶように寝屋へ準備へ向かう彼女の後ろを揺り籠を抱えてゆっくりと追いかけるのだった。

百三十七話

1

最初に揺り籠からベビーベッドへと子供を移す。
相変わらず大人しくて心配してしまうが安らかに眠っているだけだ。
気になって呼吸や鼓動や体温などを入念にチェックするが異常はない。
これからお父さんとお母さんは妹か弟を作る営みに突入するので、その前の確認は慎重すぎるくらいがちょうどいいのだ。
子供も設備も万全なのをしっかりとしつこく確認してからラルバの下へ。
二人でベッドの方を向いてきちんと子供が視界に入ること、何かあればすぐに分かることを再確認。
その後、どんな状態であれ…それこそ射精秒読み段階だろうが子供に異常があれば即座に中断することを互いの愛にかけて誓い合う。
最後にラルバも子供の下へ向かい二重確認をして万全をより確実なものとする。
羽が神経質にピクピク動いている…あれは心底真剣な時の動きだっただろうか。
いつになく真面目な表情でぐるぐるベッド回りを確認して…ようやくニコリと微笑み頷いて見せる。
子供は先ほど授乳したし暫くは大人しくしているだろう…準備は整った。

2

しかし約束ではその日の内にもう一度妊娠させると言っていた。
昼時に出産してくれたので時間的な余裕はあるが都合よくいくだろうか。
今日がダメでも一か月以内に何とかしたいところだが…そう考えていたが、
「心配?大丈夫だよ♡お兄さんが私を妊娠させたいって強く想ってくれて、私がお兄さんの子を妊娠したいと強く想えば絶対妊娠するから♡お兄さんももう妖精だから感覚的に分かるでしょ?」
お腹へ手を誘導されてぴたりと触れさせられる。
そして、その中がもう妊娠へ向けて準備されているのを確かに感じた。
「出産後すぐでお腹の中も綺麗だし、命のエネルギーが満ちてるんだから♡心配御無用」
理屈は分からないが彼女の言葉には謎の説得力があった。
何よりも妊娠したい、孕みたいという気持ちがどんどん掌を通して伝わってくる。
服を捲り直に手を触れるとそれはもう確信になる。
今日、また彼女は自分の子を孕むことになるのだと。

3

互いに何も言わずとも自然と距離が近づき、唇を求め合う。
唇が触れた瞬間、抑え込んだ熱情が噴き出し互いに痛いくらいに強く強く抱きしめ合う。
先に舌を滑り込ませたのはラルバだった。
迎え入れ、こちらからも彼女の口腔へと舌を伸ばす。
こんなに激しい口付けはいつ以来だろうか。
お腹を気にして正面から強く身を寄せ合う機会も減っていた…しかし今はそのお腹も元通りなのだ。
胸は大きくなっているが柔軟に形を変えてくれるので大した問題にはならない。
この距離感が今は父と母ではなく雄と雌なのだとはっきりと表してくれたように思う。
甘い蜜のようにすら感じるラルバの唾液を啜るように、逆に啜られるように互いを求め貪る。
柔らかな舌が歯の上を舐り舌を絡め合うこの感触は性交に近い快感を与えてくれる。
この時間が永遠に続けばいいのに…そう思えるほどの至福。
子作りの快感を知らなければこれで満足してしまいかねない程であったが、今日の目的のために先へと進む。

4

舌の僅かな動きで次へ進む意思を読み取ってくれたラルバがいつにも増して名残惜しそうに身体を離す。
むしゃぶりついていたことで白く細い唾液の端が幾筋かかかりやがて途切れる。
ふぅふぅと熱い息を整えつつ興奮しきった潤んだ瞳を輝かせるラルバ。
時間が許すならばもう一度その小さな柔らかな唇を味わいたいところだが…そう思っていたらチュッと一瞬だけキスしてもらえた。
ニッと笑うラルバに苦笑しながら頭を撫でてあげる。
頭を撫でると同時にもう片方の手は胸へと向かう。
子供の大切な食事なのであまり消費するわけにはいかないが正直興味が尽きない。
この仄かに甘い香りだけでもう色々と反応しそうになって困っているくらいだ。
このまま胸を愛撫してもいいがそれで母乳が無駄になるのは勿体なくて躊躇しているとラルバの方からこちらの掌へ胸を押し付けてきてくれる。
柔らかな感触はもちろん温かな液体の感触にもう我慢が限界だ…
「全部はダメだけど…飲んでほしいな♡」
そんなところへ誘惑をかけられては我慢など出来ようはずもなかった。

5

授乳用の隙間を空けようとして、どうせ脱ぐのだからとパサリとマタニティドレスを脱ぎ去る。
母乳の滲んだブラも取り去ると小さな身体にアンバランスな魅力溢れる豊かな母性を感じさせる胸と、その先にある未だ綺麗な桜色を保っている乳首から白い母乳が出てきている。
知識として知っていたが頂点からだけでなく何か所からか滲んでいるのが見て取れる。
美しいコントラストと妖しい魅力を放つおっぱいにふらふらと引き寄せられるようにして、ラルバもこちらの頭を抱えるように自ら導いてくれた。
美味い。
舌に母乳が触れた瞬間そう思った。
サラリと飲みやすく仄かに漂う香りから想像したよりもなお甘く感じる。
これなら幾らでも飲めそうだと本気で思うが子供のため父として自制しなければ。
「ふふ〜♡美味しい?実はこっち側のおっぱいはまだ赤ちゃんにあげてないから飲むのはお兄さんが初めてなの♡」
専用にしちゃってもいいよ♡とぎゅうと押し付けるように抱え込まれてついごくごくと飲み過ぎてしまった。

6

「んぅ♥あんまり飲みすぎちゃダメだよ?出るとこは別でも繋がってるんだからね♡」
メッ!と軽く窘められてようやく口を離すが頬擦りは続ける。
今日は時間が押してるから我慢するけど絶対今度授乳手コキしてもらおうと決めた。
少しはしゃぎ過ぎたと謝ってから次の段階へ…
胸は母乳を飲むだけでなく愛撫もしっかり平行して行っていたので挿入の準備も進んでいる。
だからといって産後初めての挿入…イナバさんも産後の処置をきちんとしてくれたしラルバの回復力なら万一小さな傷が残っていたとしても既に回復済みだろうことは分かっている。
しかし再度自分で確認したくなる気持ちは理解してもらいたい。
ラルバを寝かせて脚を開いてもらう。
ぐっしょりと濡れたパンツを脱がせてあげるとそこは…本当に経産婦なのかと疑いたくなる綺麗な秘部であった。
妖精って凄いな…そう思わされるある種の美しさすら感じた。
陰唇を開き、小さな穴を確認させてもらうと流石に恥ずかしそうにラルバが声をあげるが制止はされない。

7

これから自分を孕ませてくれる雄が最後の確認しているのだと自分に言い聞かせて我慢しているのだ。
「む〜…もう大丈夫だから早くしようよぉ♥」
自らも指を添えて陰唇を開き誘惑する。
見た所問題も無いようだしこちらももうはちきれそうな程大きく勃起している。
寝かせたラルバの上に移動して身体を起こす。
すぐにでも挿入してピストンを開始したかったのだがぐっとこらえて一度腰を下ろしてラルバを抱きかかえる。
それだけで何をしようとしているのか察してくれる。
「…♥お兄さんも相当好きだよね♥この体位♥」
童貞を貰ってもらった時の対面座位。
特別な日はどうにもこの体位でないと落ち着かない身体にされてしまった。
「ふふっ♡リードしてくれるのかと思ったけど甘えん坊さんめ♡」
そう言いながらも対面座位はラルバにとっても重要な体位なので乗り気だ。
挿入のため腰を上げてまたチュッと頬にキスをしてくれる。
「じゃあ…子作りしよっか♡お兄さん♡」
言い終わると同時ににゅぷりと久しぶりの膣口の感触が亀頭を飲み込んでいくのだった。

百三十八話

1

ペニスに限らず全身を温かく包み込まれるような、柔らかいけれど力強くもある感触。
数日行為を行っていない間、自分だけ処理する気にもなれず溜める形になったのもあり早速射精してしまいそうだ。
出産当日で何故こんなにも締まりがいいのか…
凄まじい射精感に彼女の身体を抱きしめ、身を丸めるように抱擁することで耐える。
お腹が萎み触れる肌の面積が増えているのでそちらに意識をバラシて気を紛らわせようとしたが、大きな双丘がむにゅんと押し付けられて逆効果にしかならなかった。
なにせ押しつぶされた胸からは甘い温かな母乳が滲んで肌を濡らすのだ。
汗と混じり擦り合わせる肌の滑りもよく、ぬちゅぬちゅと淫靡な音を早速奏で始める。
一旦身を離すことも考えたがラルバもこの距離感が懐かしく、そしてとても喜んでくれているのが分かるし、自分だって本音を言えば離れたいはずも無く結局自分からもより肌を寄せ合う形になる。
ラルバに抱きしめられながら、ぬちゅんっと奥までペニスを迎え入れられる。
根元まで咥えこまれ、陰唇がぷにっと押し当てられる感触に思わず呻く。

2

子宮をガッチガチに硬くしたペニスで押し上げ、その亀頭を子宮口が小さな唇で咥えこんできているのを感じる。
産後すぐで口が柔らかくなっているのかいつもより少しだけ奥まで入ってしまっている気がする。
それだけではなく、数か所の窄まった部位は出産まえよりも締まるようで、存在感を増した肉襞と肉の粒がゾリリとペニスを刺激して止まない。
孕みたがりな膣は挿入しているだけで以前よりも強化された搾精器官としても姿を惜しみなく曝け出す。
早く熱くて粘着く白濁を飲ませてほしいと徹底的に媚を売る雌に圧倒される。
随分と気合が入っているね?思わずそう聞いてみたくなる程の熱烈な歓迎であった。
ラルバがちょっとでも腰を跳ね上げてまたずっぷりと一気に飲み込んで来ようものなら次は耐えきる自信はない。
子作りが目的なので射精しても構わないとは思うが。
「んっ♥だって久しぶりなんだもん♥」
すりすりと頭を胸を、いや可能な限り全身をぴったりとくっつけて自分の存在を刻み込もうとしているかのように力強い抱擁。
確かに数日空けてはいるし自分も気合は入っているがラルバの勢いはそれ以上だ。

3

「ん〜…♥ちょっと誤解してるかも?エッチが久々っていうんじゃないよ?お兄さんに孕ませてもらうのが…私の卵子を精子で貫いてもらうのが、久々ってこと♥」
私の分身をまたお兄さんだけのものにしてよ、熱く潤んだ瞳でそう懇願するラルバ。
膣内は妊娠を期待して愛液が止めどなく溢れペニスをふやかせるような勢いすらある。
こちらも既にだくだくと多量の先走りが溢れており、驚くほど締まりのよい膣も混合液の潤滑により強引に貫き通せるだろう。
「お兄さんも楽しみにしてくれてたんじゃないの?」
一切の疑いのないただの確認。
疑いようもなく愛欲に塗れた表情をしているのが彼女の瞳を通して自分でも分かった。
理性的な部分が幾ら自重すべきだろうと意見したところで、それでもラルバをまたすぐにでも孕ませたいと思っていたのもまた真実だった。
だから淀み無く、自分もラルバをまた孕ませたくてたまらなかったと言い切る。
互いの意志を明かしたことで、もうお喋りしている余裕も蕩けていく。

4

こちらがまた彼女の唇にむしゃぶりつくのと同時に、彼女もまた腰を跳ね上げ、一息に打ち下ろした。
ばぢゅんっ♥と大きな、身体の奥にまで響き骨を震わせるような淫靡な衝撃。
二人ともぐっと手に力を入れて意識が飛びそうな快感に耐え、本格的な種付け抽挿を開始する。
「んっ♥んっ♥ちゅっ♥はっ♥んんぅう♥ぢゅぅ♥」
唇と秘部が両方深くまで繋がるこの感じ。
対面座位で繋がるからにはこれをしなければ満足できそうにない。
元気に上下に跳ねる可愛いお尻を鷲掴みにしてラルバの動きに合わせてこちらも腕で補助をする。
タイミングがばっちり合っているので邪魔になることもなくより深く、強く敏感な部分をぶつけ合う。
お腹の中に子供がいないので一切の加減なくラルバの膣内を掻き回す。
コツンコツンと子宮口、ポルチオを叩き上げ、引き際と入り際に思い切りGスポットも抉りこむ。
今まで我慢してきた本気の攻め…種付けも重要だがラルバをイかせまくることも楽しみたい。

5

「あぁあっ♥れるっ♥うぁうぅっ♥すごっ♥しゅごぃ♥ほんきセックスすごいよぉっ♥」
ラルバは近くに子供がいなかったらきっと大声量で叫んでいただろう。
それをストレスにすることなく、背徳感に身を震わせむしろプラスに転じている。
これは良い母なのか悪い母なのか判断に悩むがそんな状態にしている自分は恐らく悪いお父さんであろう。
今まで出来なかったことを全力で楽しむ。
これまで不自由していたわけではない。
出来うる範囲で全力で楽しんでいたしボテ腹セックスもまた素晴らしいものであった。
ただちょっとだけ方向性が違うというだけなのだ。
珠のような汗がツーっとラルバの額を伝い顎から胸元へと落ちていく。
まだ始まったばかりにも拘らず二人とも全力疾走したかのように汗びっしょり。
この全力な感じがまた懐かしく、そしてなんとも心地いい。
この勢いのまま、射精感を高めに高め、精液を受け止める準備をさせるべく膣内を穿っていく。

6

ギリギリの所から更に快感を高めていく感触に、最初よりずっと進歩しているのを感じることができた。
セックスの上手さが上がるのはそれだけ仲良く出来ていたからだ。
身も心も深い所でしっかりガッチリ繋がっている。
そしてまた、その繋がりを形として彼女の中に刻み込む。
自分の中の熱量がぶわっと大きくなるのを感じる。
子を成すという事に対してエネルギーが際限なく高まる。
ラルバは悦びに身を震わせながら、唇を離してこれ以上ない華やかな笑顔を浮かべる。
「おねがいっ♥おにぃさんのっ♥赤ちゃん、もう一回っ♥」
もう一度と言わず何度でも何十回でも孕ませたい。
彼女の切なる願いに、呼応するように亀頭がジリジリと熱くなる。
極限まで凝縮した精気が今まさに飛び出そうとしているのを必死に制御する。
一番奥へと突き込んだ瞬間に全てを注ぎ込むべく機を窺い…それはきた。
「っ♡…っあっ♡あぁ♡」
ずぷんっ!と突き込まれピタリとはまりこむようなこの感触。

7

そこから更に奥へ奥へとこれまでに無いほど興奮し大きくなっている亀頭を捻じ込む。
膣口もとろとろになっていてこのままでは子宮の中に入ってしまいそうな程、限界いっぱいまで互いを求め合い…
「…!っ♡!あっっ♡!!♡!」
か細い小さな…しかし力と心の籠った声が耳を震わせる。
自分もぐっと噛みしめた歯から熱い声を抑えようもなく吐き出す。
ラルバの指が痛いほどに背に食い込み、自分の腕も押しつぶしてしまいそうな力でラルバを抱く。
「あっああぁあぁっっ♡♡♡んっ…んぐうぅうぅうぅぅぅぅっっ…♡♡♡」
頭の中でパッと何かが弾けるような燃え上がるような表現出来ぬ感情がドッと荒れ狂う。
どびゅっっるるるっっっ!!どぷっ!びゅうぅうぅううううっっ!!!
特大の嬌声をあげ、すぐに子供を起こさないようにぐっと口を閉ざすが止めどなく身体と心の奥から噴き上がる快感に自制が効かないらしい。

8

こちらも彼女に配慮してあげられる余裕もなく、そもそも自身も性器から叩きつけるように頭にガンガンと響く極上の快感に叫びたくなるほどなのだ。
「んっんんんっっ♡♡んぐぅうっ♡♡♡」
ラルバは声を抑えるために首筋に強く吸い付き、腕に入れる力も更に増していく。
絶対に痕が残るだろうが、気にはしないし今は気にしていられるほどの余裕はない。
勢いの衰えない射精がどぷっどぷぅ、と子宮の中を満たしていく。
最大限まで大きく膨らみ、今はまた外見は元通りになったお腹をまた大きくしてやりたい気持ちがどんどん大きくなる。
一滴も零してなるものかと彼女のお尻を掴み強く抑え込むと、ラルバもまた同じように身を寄せてくれる。
限界いっぱいまで挿入していたペニスを更にぐりり…と亀頭を捻じ込む。
たぷんと子宮の中に精液が溜まっているのがなんとなく分かる。
今回の射精で注げる分を全て注いだという確かな手ごたえと、射精が終息しつつあるのを感じる。

9

最後に軽くトントンと子宮口を叩き、徐々に身体を弛緩させていく。
ラルバも最後にビクンと大きく羽が震わせて、同時にふにゃりとラルバの身体から力が抜ける。
吸い付いていた口も離し、深呼吸しているようだった。
自分も相当体力を消費してしまったが、しがみついていたラルバも同じく疲労している。
しかし、確かにかなりの疲労感はあるものの二人共それ以上の充足感で満たされている。
俯いて息を整えているので彼女の顔はよく見えないが、触覚ははっきりとハートの形になっているし、
「えへっ♡…うふふ♡…ん〜…♡」
声量は小さめだが可愛らしい悦びの声が絶え間なく聞こえてくる。
そう時間もかからずに身体の調子を整えてラルバが顔を上げる。
その顔は妻としてか女としてか…精神の深いところから満足出来たとありありと語っている。
産後最初の交わりは満点を飾ることができたようだが…彼女の瞳にはまだ活力が漲っている。
そしてそれは自分の瞳も同様であろう。

10

「ここがもっと愛してほしいって疼くの…♡いいよね?」
ラルバは自身のお腹を指で扇情的に撫でまわす。
まだ足りないと、お腹の中が寂しいと訴えてくる彼女に自分がしてあげられることはただ一つ。
互いの回復力に任せて更なる快楽を貪るべく、再び深い繋がりに溺れようとして…チラリと我らの愛の結晶へと視線を向ける。
ラルバも釣られてじっと愛し子の様子を窺う。
果たして自分達はどのくらいの時間愛し合っていたのだろうか。
そろそろまた娘が目を覚ましてもおかしくはないかもしれない。
考えることは同じらしく、ラルバの瞳の中の雌は奥のほうへと引っ込み母親の表情になってくる。
「…ちょっとだけ休憩しよっか?焦ることはないもんね」
夜はまだ長い…娘にたっぷり時間を割いても二人の時間も確保できるだろう。
冷静に判断を下す理性に従い…身体を離す前にチュッとラルバの額にキスを落とす。
額を抑えながらふにゃりと頬を緩めるラルバに微笑みながら一旦行為を中断するのだった。

百三十九話

1

休憩しよう…そう決めたがラルバはペニスを抜くのを少しだけ惜しむように腰を揺する。
様子を見てすぐに再開できるとはいえ今まで…というかお腹が目立たないくらいの時期ならこのまま抜かずに続行も普通にありえたので調子が狂うのだろう。
そんなちょっとした困惑もすぐに振り切ってラルバは自ら腰を浮かしてペニスを抜く。
「んっ…しょっ…ととっ、ふぅ…ありがとう」
お腹が大きかった時期が長かったせいか重心の取り方が少しだけ危なっかしい。
抱き合う体勢なので難なく支えられるので、そういう意味でも対面座位はよかったかもしれない。
一度脚から降ろし、もしも娘が目を覚ましたら授乳することになるだろうと、とりあえずラルバの身体を先に拭いておく。
「うーん…もうそんなに甲斐甲斐しくお世話してもらう必要もないんだけど…」
昨日…というかまだ今日か…大きなお腹を抱えていた妊婦だったこともあり率先して必要以上にてきぱきと事後処理を進めてしまう。
自分でも途中で任せてもいいかなとは思ったが大仕事をした妻に優しくしても罰は当たるまい。

2

この後もまた引き続き愛し合うことだし休憩なら休憩でしっかり回復にあてなくては。
一通り身体を拭いたラルバが一足先に子供の下へ向かうとちょうど目を覚ましたようだ。
母の気配を感じたのかたまたまか…とにかく様子を見なければ。
とりあえず予想通り授乳と、細々としたお世話だけで済んだ。
その中でオムツを替えることになってじゃんけんになったが無事に勝利して初オムツ替えの権利を獲得した。
体感でだが父親はしてあげられることが母親より少ない気がするのでこういったことは任されたい。
次は絶対私がやると言って聞かないので次回は譲るが。
お世話する間、娘は特に騒ぐこともなくやはり大人しい。
正直夜寝られないことも覚悟していたし夜の行為なんてしている暇もないのでは?と思うこともあった。
そう考えると非常に助かるのだが…もうちょっと困らせてくれてもいいんだよと言いたくなるのは親の我儘だろうか…我儘だろうな。
まあ話しかけるときちんと反応はしてくれるので寂しくはないのだが…

3

このまま行為を切り上げて疲れるまでお世話するのもありだなと考え始めたところで娘はまた眠ってしまったようだ。
ラルバの声に反応して小さく動いていた手も止まっているし規則正しくすやすやと寝息を立てている。
「寝ちゃった…数時間毎に起きたり寝たりするんだよね?とりあえず…もう一回起きるまで、続きしよっか♡」
数時間通しで愛し合おうというお誘いに、君は本当に今日出産を終えたばかりの経産婦なのかと問いたい。
求められるのは嬉しいし、こちらから求めたいくらいなので有難くお誘いには乗るけれども。
大人しく眠っている娘を起こさないように慎重に寝床に戻し、そっと様子を窺う。
問題はなさそうに見える…暫くそのまま何かないかと二人でよく見ていたが大丈夫そうだ。
ということで…子供を安全かつしっかりとこちらから見える位置で寝かせておき、二人でまた事後の痕も生々しい布団の上へと戻ってきた。
「ふふっ♡産まれてからも気を使われちゃってるのかな?」
あの子は妊娠中も行為の最中暴れるようなこともなくかなり助かっていたのでラルバもそんなことを言う。

4

内心同意しながら、どうなんだろうな…と呟き、とりあえず娘の厚意?は受け取っておこうとラルバを押し倒す。
「やん♪お兄さんに襲われちゃう♡」
少々がっつき気味に迫ったせいで揶揄われてしまったがこういう遊びもたまには悪くない。
クスクス笑いながら身を捩って逃げるような素振りを見せるラルバを捕まえて僅かな力で布団に押し付けるようにして捕まえる。
そこで久しぶりに完璧にうつ伏せになっているのを見たなと新鮮な感じがした。
妊娠後期になればうつ伏せなんてもってのほかでお腹の重みで仰向けも難しいので基本横向きなのだ。
こんなところで不意にきちんと出産してくれたのだなと思ってしまう。
こちらが何やら考えているのを察したのか軽くパタパタ動かしていた羽を止めて視線を向けられる。
別に誤魔化すこともないのでお腹もすっかり元通りだなと言うと彼女も今更気づいたようで、
「あー…うん、なんだかこの感じすっごく久しぶりかも…」
身体を少しコロコロ左右に揺すって感慨深く呟く。

5

そんな彼女に、また不自由な身体にしてしまうことになるな…と申し訳なくなる。
何か言うべきかと口を開いては閉じを数回繰り返していたのだが…
「んー…でも、私はやっぱりお兄さんの赤ちゃんほしいなぁ…♡」
心から切望するような夢見るような心地で囁かれたその言葉に救われる。
妊娠出産は確実に男の自分が想像しているよりも大変なことだろうに、ラルバはそれでも子供が欲しいと、実際に体験してなお再び授かりたいと言ってくれている。
気力と精力がぐんぐん大きく膨らんで力が漲る。
以前出産後またすぐに孕ませてやると言った時の気持ちをはっきりと思い出す。
その想いは、実際に事に及んであの時よりも強くなってきているようだ。
気持ちに突き動かされるようにうつ伏せで寝そべるラルバのお腹を抱えてお尻を上げさせる。
この柔らかなお腹の中に再び自分の子を身籠らせたい…自分の中の雄がそう叫ぶのだ。
ラルバは楽し気に自らお尻を寄せて器用に自分で亀頭を入り口に添えてくれる。

6

「冷静なふりしてかなり盛っちゃってるでしょ?休憩もしたし今なら思いっきりしちゃっても大丈夫だよ♡お兄さん何だかんだお腹に赤ちゃんいるからってセーブしちゃうから本当に気兼ねなく本気出せるの今しかないよ?だから…」
彼女は手を伸ばして、細い指で竿を擽るように撫でるとともに角度を調整…こちらから突き込む前に先っぽを咥えこまれてしまった。子供の世話のため外側は一通り綺麗にしたが内側は最低限にとどめていた。
当然愛液も射精した精液もほとんど残っており潤滑はそのままで苦も無く奥まで咥えこまれた。
「だから…本気子作りしようよ♡…思いっきり愛して♡お兄さんの子供を孕ませてよぉ…♡」
ちゅうちゅうと子宮口が吸い付いてくるような、その周囲の肉壁が精液欲しさに亀頭を舐るように蠢くようだ。
出産して緩むどころか逆に精液を搾るのが上手くなるとはどういうことだと疑問ではあるが…
それだけラルバが自分との子作りを大切に想ってくれているのだろうと納得しておく。

7

彼女にここまでお膳立てしてもらっては自分も滾りを抑えきれず、お腹に回していた手を腰へと移動。
お腹が軽くなっている分本気を出すべく少々強めにしっかり固定をする。
とっくに覚悟は出来ているとは思うが一応、動くよと前置きしてから腰を前後に揺らめかせる。
腰を引くとくぷりと精液が結合部から溢れてラルバの脚を伝うのがチラリと見えた。
何気ない何度も見たものであったが今の彼女は妊娠が可能な状態であり、精液が溢れるということは幾らかの子種を無駄にしてしまったということだ。
なんだか勿体ない…というのとは少し違うがやる気が少しばかり増す。
言われた通り確かに今は子供に気を使って突き込みをセーブする必要もないのだ。
無論ラルバ自身の身体を思いやることは忘れてはいけないし集中し過ぎて産まれたばかりの娘を疎かにしてはならないが。
それでも腰の振りが早くなってしまうのは如何ともしがたく…
「ふっ♡んっ♡くぅ♡いいよっ♡もっともっと好きに動いてぇ♡」

8

ラルバの小さなお尻を鷲掴みにすると吸い付くようなすべすべした手触りが心地よい。
それを揉みしだくようにしながらガツガツと腰を打ち付けていく。
深くまでどちゅん!と突き込むとお尻がお腹にぶつかり形を変える。
以前は良く見たがこれも最近ではあまり見ていないような気がする。
肌のぶつかる音が二人の繋がりの深さを教えてくれるようで更に大きな音を聞きたくなる。
ラルバに覆い被さるようにして正しく獣のように思い切り腰を振りまくる。
ばちゅ!どちゅ!ぶちゅんっ!理性的な抑制から解放されつつある身体同士の熱い交わりに興奮が高まっていく。
深く強く貫かれることは彼女からしても喜ばしいことであるようで、
「いっ♡んはああぁあ♡いいよっ♡もっと、もっとぉっ♡」
子供のため必死で口元を抑えて声量をセーブしてはいるものの時折高い声で啼いてしまうのは仕方のないことであろう。
そうなるように自分が調教したようなものなのだからたいていのことは手に取るように分かるのだ。

9

しかし母として僅かにでも自制する構えにいたく感心する。
これは…ご褒美をあげるべきだろうと欲望が囁く。
ぎちゅぅ…と一際強い締め付けにラルバがまた絶頂したのを察する。
先ほどから久しぶりの強すぎる快感にイきっぱなしだが腰の動きを緩めてあげる気はない。
かなり緩んできていたとはいえ一応二人共なんだかんだ言いつつ自重していた部分もあるのだ。
だが今はお腹の中にいた大切な宝物はすぐ側で安らかに寝息をたてている。
これからさき…というか今日、今、すぐにでもまた妊娠してもらうのだ。
一対一で愛し合えるこの機会を見過ごすことはありえない。
なればこそ今自分がすべきことは最大級の快感を彼女に与えてあげることだ。
妊娠を経てもなお細い腰を掴みなおして獣のように子宮を突きまくる。
「ふぐぅ♡♥んぐっ♥む、むうぅ〜っ♥♥♡」
どぢゅっ!ぶぢゅんっ!と大きな音を立ててラルバを攻め立てる。

10

膝がガクガク震え今にも腰を落としてしまいそうなラルバを支えて強引に快楽を真っ向から受け止めさせる。
叫び出しそうになる口はこちらが塞がせてもらう。
それでもかなりの嬌声が漏れてしまい子供が起きないかとハラハラするが今はお母さんを労わせてほしい。
再び膣内がぎりりぃ…っと凄まじいキツさで締めあげてきて強く絶頂したのを感じ取る。
噴き出した潮がシーツにぱたぱたと落ちる音もする…それでも、だからこそ更に腰を大きく激しく動かす。
「ひぃっ♡やっ♡ああぁあぁっ♡♡♡」
何度絶頂したかきっと彼女自身もとっくに数えきれていない。
膝に限らず全身をガクガク震わせて、腕の支えもとうに失い枕に頭を預けている。
口元を支える形になっているので呼吸の心配もないため攻めを緩めない。
とろとろに蕩けた膣内はこちらにとっても心地よく、ペニス全体を優しく包まれるようでいつまでも挿入していたい。

11

このままずっと彼女の中を味わっていたい…その気持ちに偽りはないが、何より大切なのは…
「おぉっ♡ひっ…ぐぅ♡おにぃ、ひゃぁあんっ♡せーしっ♡せーしぃ♡」
口を塞ぎ声を抑える指を舐めながら精一杯甘えた声で子種を望むラルバ。
まともに喋るのも難しいのか僅かに見えた瞳は快感が色濃い。
そんな状態でも子を望む時は確かに愛情の色が見えるのが嬉しい。
愛しい妻に催促されてこちらの限界近い中で耐えていた射精感も強烈に揺さぶられてしまう。
もっともっとラルバを気持ちよくしてあげたいのだが…まあ、まだ打ち止めにはならないか。
亀頭が大きく膨れているのが感覚的に分かる。
もう長くもたないのも分かるが無理矢理耐えつつラルバの耳元へ口を寄せる。
本当に今日中に妊娠してしまうかもしれないな、そう囁きかける。
ラルバはコクコク頷き、妊娠させてほしい…そう瞳で訴えてきてくれた。

12

その瞳に心を射抜かれる。
何度魅了してくれるのかと愛しい妻に惚れ直しながら腰を最奥に叩きつけると共にラルバを抱きしめる。
ペニスが子宮口にがっちりと噛み合った瞬間、同時に絶頂を迎えた。
「うっあぁっぁああぁぁぁぁぁ――――――っっっ♡♡♡♡♡」
頭で分かっていても声を抑えられず、口を覆う手もろくに役割を果たせず漏れ出す嬌声が耳を悦ばせる。
どびゅるるるるっっ!どびゅぅうぅぅ!!同時に鈴口を押し広げるように一気に精液が飛び出した。
一発目と遜色ないどころか燃え上がる心に呼応するように更に粘着く熱い精液が子宮を満たさんとどぷどぷと吐き出される。
「はぁあぁっ♡ひうっ♡あったかい…♡とけちゃうぅ…♡」
陶酔しきった表情で快楽に身を任せ弛緩しているラルバ。
その表情は獣欲を掻き立てるには十分過ぎる魅力を放っていたが久しぶりに気兼ねの無い交わりが出来ているのだ。
再度ピストンしたい気持ちを押え込み存分に快感を楽しんでもらおう。

13

こちらも今動けば加減が出来そうにないので子供の事を考えれば自重以外の選択肢はない。
現状でも腰が蕩けて混ざってしまうんじゃないかと思えるほどだ。
触合う肌の感触と香るラルバの少女の香りに酔いしれる。
彼女は子を産んだとは思えない程に瑞々しく未だ処女の時とさほど変わらない身体を維持している。
にも拘らず雌としての変化も見て取れるし色気も増しているように見える。
もしかしたら自分が惚れ込んで補正がかかっているだけなのかもしれないが自分の感じるものが正解だ。
今身体の下で快楽に身を捩りながら甘い声で啼く可愛い少女に種付けしている事実こそが大切だ。
声もだいぶ蕩けてきたので口を塞ぐのを止めてお腹の亀頭が突き刺さっている子宮の辺りを撫でまわしてあげる。
「きゅぅ♡ふふふぅ♡そろそろにんしんできそぉ…♡♡」
激しく全身から悦びのオーラを噴き出しそうな勢いで歓喜するラルバ…鱗粉が舞って周囲でキラキラ輝いている。

14

子宮がきゅんきゅんと切なく震えているのが何となく分かる。
もう一息で本当に排卵しそうな感じだが…精神的な要素が大きいからこそできる芸当だろう。
気持ちを盛り上げてあげるため、何より彼女の可愛い反応見たさに、自分の子をもう一度産んでくれと、熱く激しく魂に訴えかけるように語り掛ける。
ただまあ、どうにも行為中の彼女が可愛くて仕方がないので、そういった類の言葉も多分に混ぜ込んでしまったが…今日は出産中にもめいっぱいラブコールしたことだし勢いがある。
ラルバが可愛いのだからどうしようもないのだ。
「うんっ♡うんっ♡ぜったいっ♡ぜったいにんしんするぅ♡」
こちらが完全に心を開き内なる気持ちを大放出したことでラルバもより陶酔し、完全にメロメロになっているハートの乱舞する瞳を潤ませて絶頂の淵からなかなか戻れないでいる。
やはりもう一息でいける…そう確信し、次の一手で孕ませるべく腹と腰に力を入れると、優しくラルバの身体を抱えて体位を変え始めるのだった。

百四十話

1

「ふぇ?…あはっ♡」
少し力を入れるだけでラルバはころんと簡単に転がり後背位から正常位の形になる。
挿入したままであったが度重なる経験により特に難儀することもなかった。
突然の体位変更に一瞬困惑していたが、すぐに三回戦を始めるのだと理解して雌として笑顔を浮かべる。
向かい合う形になったことで今までしたくても出来なかったキスをこれでもかと降らせる。
唇に、頬に、額に…場所を選ばず滾る情熱任せにラルバを求め愛する。
「えへっ♡うふふ〜♡ちゅっ♡ん〜…♡」
ニコニコと嬉しそうにキスを受け止めていたラルバだったがちょうど唇同士が触合った瞬間に首に腕を回されて抱き着いてくる。
「んふっ♡んちゅっ…♡ふふっ♡」
普通に唇を合わせているだけで特別なことはしていないが…いや最愛の者同士で口付けをすれば特別なことか。
掴まったことで少しだけ冷静さを取り戻し、彼女の興奮が落ち着くまでキスを楽しんだ。

2

結局ラルバが満足してくれるまでにキスマークが恐らく二つ三つ頬につけられてしまった。
その程度で済んでよかったと思うところだろうか…明日には一応軽く挨拶回りするつもりだったのだが。
逆になにより健康であると示せるかもしれないが、まあその辺りは明日消えてなかった時に考えよう。
多少の疲れはあると思っていたラルバであったがキスが余程嬉しかったのかかなり持ち直している。
それだけ喜んでもらえるならもう二、三十回程してもいいのだがきりが無いので自制する。
行為を進めて身体も程よく火照り、白い肌が健康的に色づいている。
白い肌も美しいが二人の交わりに興奮してくれているのが視覚的に明らかなこの桜色の肌もまた美しい。
汗に煌くように見えるその姿は雄を魅了する魔性の色香を放っている。
こちらが見蕩れていることに気をよくしたのか、指を自身のお腹へとあててもっと精液が欲しいとでも言うように子宮のある位置を丸く沿うように意識させてくる。
事実として、もう一押し射精が欲しいのだろう。

3

自分もいい加減なんとなくではあるが予感のようなものが芽生えている。
この三回目の射精がその一押しになるであろうと。
もしかしたら出産後早々に排卵してばっちり準備をしていたのかもしれない。
チラリと子供の様子を窺うが何事もなく眠っているようだ…きっとまだ起きてはこない。
こちらの視線を追って頭をベッドのほうへ向けていたラルバも同じ意見らしい。
問題は無さそうだと二人頷き合い憂いを絶つ。
これから君を孕ませる。
そう視線で伝えると、これ以上の喜びは無いと言わんばかりの花咲くような笑顔で返される。
言葉にして同じことをしっかりと伝える。
「はい♡あなたのラルバはあなたの子を妊娠します♡させてください♡」
これ以上ないと思われた笑顔の魅力が急激に上昇していく。
思わず抱きしめて甘えるように好きだと囁く…叫びそうになったがなんとか堪えた。
少々体重がかかってしまったかもしれないが、ラルバも喜色満面で私も好き♡と甘えてくれた。

4

どんな時も心を開いて優しく受け止めてくれる最愛の人。
この子を大切にしようと固めていた決意がなお固く心の中で存在感を増す。
暫く身を寄せ合い確かな愛情を捧げ合い気持ちを混ぜ合わせていたが、同じタイミングでムラっときてしまうのは夫婦だからか。
最早言葉を交わ余裕すら蕩けてしまい、彼女の脚を抱えて種付け体勢へと移る。
いつだったか機会があれば屈曲位で妊娠させたいと考えていたのを思い出したのだ。
「あはっ♡すっごい本気の種付けきちゃう♡この体位は少し恥ずかしいけど…お兄さんのものにされてる感じもおっきいから好き♡」
まんぐり返しで大切な部分をさらけ出し、頬の朱色を少しだけ濃くするも嫌がる素振りはない。
むしろここに早く精液を注いでほしいと見せつけるような気概さえある。
期待にヒクつく膣口へと亀頭と添えて一気に突き立てる。
「っあ♡!んんぅ♡♡♡!!!」
ずぷんっ!と一気に最奥までペニスを突き込み、そのままぐりぐりと子宮口をいじめてあげる。

5

最初の夜は彼女のほうから一気に咥えこまれたのでお返しだ。
節目の夜だからか、なんだかあの日の夜に戻ったかのような感覚がして色々思い出してしまう。
ラルバもそれを分かってかどこか懐かしそうな色が見える。
「ぁんっ…♡やっ♡ぐりぐりはダメぇ♡♡」
ただ全てが同じというわけもなく自分なりに変化は付けていこう。
ペニスを捩じるように腰を揺らし、ぐりゅっとポルチオを刺激する。
「ひうぅ♡熱いっ♡子宮焼けちゃうぅ♡ふぎゅぅ♡やあぁあぁっ♡」
感覚が鋭くなっている中で執拗に攻められて悲鳴のような嬌声が上がる。
亀頭がぐりっと少し角度を変えるだけで膣内が大げさに蠢き絶頂の大きさを伝えてくる。
そこへ更に脚を掴む手を片方離し、二人の身体の間へと滑り込ませてクリトリスへ。
イきすぎて半ば混乱状態のラルバは指がもうあと少しでクリトリスへと到達する段階でやっとこちらの動きに気づき、これ以上の刺激が襲ってくるのかと百面相状態だ。
その中にあって感じ過ぎて困る以上の否定的な感情が一切無いのが彼女らしい。

6

もともと身体を寄せ合うことで肥大したクリトリスに肌が擦れ合うのだが自在に動く指で攻められるのはまた違うのだ。
ラルバは覚悟を決めたのか激しく感じながらも離された脚を自分で抱え込み体勢を維持。
姿勢の安定感を増したことで遠慮なく指を秘所に向けることができた。
肥大化した肉芽をそっと指で摘まむようにして触れる。
「〜〜〜〜〜っっっ♡♡!!」
それだけで声ならぬ声を上げて唯一自由な手で己が口を押えて声を必死に堪えている。
指の腹で押したり、摘まんだまま指を擦り合わせるなど少しづつ与える刺激を強くしていく。
勿論挿入したままのペニスの動きも徐々に大きく激しくしていく。
出産で緩んだはずの膣内は雄に求められる悦びで大いに湧き立ち出産前よりも具合が良いくらいだ。
事前に産後の自身の魅力について悩んでいた不安も無事に消し飛ばせたらしい。
そもそも自分の子を一度産んで確かな実績のある若い少女がまた身体を差し出してくれるのだ。

7

それを突っぱねる程枯れてはいないし余裕がないわけでもない。
むしろますます欲望は高まりもう一度孕ませたいと獣欲が叫ぶので、やっぱり子供は一人でいいかな等と言われなくて内心ほっとしたものだ。
なんだかんだ自制は効いただろうが…今目の前で悦び善がる彼女を見る限り不要な心配だったらしい。
また一際強めにペニスを子宮口に突き込むと同時にクリトリスも同様に強く摘まみ上げる。
「きゅうぅぅううぅんんっ♡♡!!ふぎゅぅ♡んっっっうあぁぁっ♡♡!」
口を押させる指の隙間から何とか抑えようとして叶わなかった声が溢れ出す。
快感に浮かされた潤んだ瞳が宝玉にも勝る輝きでこちらを見てくれている。
そのあまりの美しさにごくりと息を飲む。
もっとラルバのことを知りたいと、もっとラルバに愛してほしいと思わされる。
結婚して子供も一人儲けたというのにまだ足りない。
ラルバの魅力に引き寄せられてどこまでも深いところへと進んでいく感覚に恍惚とする。

8

深く深く膣を穿ちながら彼女の脚を抑えていた手を放す。
脚を両方ラルバ自身に抱えさせて秘所を曝け出させて空いた手で今度は胸を揉みしだく。
仰向けであっても掌にたっぷりとその大きさを主張してくれるまでになった白い乳房を揉み、その先にある未だ美しく色づく乳首を摘まむ。
ただでさえ膣とクリトリスへの攻めで満ち溢れる快感は開発され続けた胸への刺激を受けて単純に加算されるのではなく乗算されたように爆発的な快感を生みだす。
そのように彼女の身体を開発したし、彼女もそうなることを喜び望んでくれた。
「あ"あぁあっ♡!ふぅっ…んにゅうぅうぅっ♡!くうぅうぅうぅぅっっ♡♡!!」
脚を抱えるため口を覆うことが出来ず、迸りそうになる声を必死に抑え口を噤もうと努力している。
久々に加減せずに愛せるとあってかなり本気で攻めているが、それにしたって反応が大きい。
彼女もまた、こういった攻めを心待ちにしてくれていたのだろう。

9

最初の夜から身体も心もずっと距離が近くなっているのを感じて、幸せに身震いする。
この交わりによって確かに二人手を取り合って進めてきたことを実感出来た。
「おにぃさっ…んっ♡わた、わたしっ♡しあわせ、ですっ♡♡♡ひあぁっ♡」
全身全てを捧げるようにして欲望を受け止めてくれるラルバ。
彼女ももっと愛してほしいと、可愛がってほしいと甘えてくる。
ラルバの膣内は三点攻めによりすっかりと出来上がっており、子を成す準備が整っていると告げてくれる。
クリトリスはツンと尖って指で摘ままずとも寄せ合った肌に自然と触れて刺激を受けている。
胸は抽挿のリズムに合わせてたわわに揺れて目を楽しませてくれるのは出産前と変わらないが、今はその先から母乳を染み出させて甘やかな香りで欲望を煽ってくる。
ジリジリと頭の中と腰の深い所で高まり続けた射精感が限界が近い。
限界いっぱいまで高まり凝縮された欲望が今まさに解き放たれようとしている。

10

荒れ狂うように激しく収縮しペニスを削るようにこそぐように蠢く膣肉に、要所を的確に締めあげ精液を搾りとらんとする膣壁に、亀頭に吸い付き絶対に離すまいと濃厚な口付けをする子宮口に、そして何よりも彼女の潤んだ媚びた雌の視線が心を打つ。
クリトリスと胸は触合う肌に任せ押しつぶさんばかりの勢いで覆い被さり思い切り腰を振りぬく。
どぢゅ!どぢゅ!どぢゅんっ!勢いよく何度も何度も深い所を貫く。
今からまたここを自分の子を育むために使わせてもらうと雌の本能の一番深い所へと訴えかける。
猛る雄の本能をぶつけられた子宮はそれを変わらぬ喜びをもって迎え入れ二人の子を作りましょうと抱き留めてくれる。
目論見通り手を放した二点へも刺激は継続しているようでラルバの中の快感は高まり続ける。
同時に高まる彼女の体温が心地よく限界まで近づけた身体をもっと近くへとすり寄せる。
自由になった手でラルバの小さな身体を抱きしめる。
快楽に溶けて本当に混じり合いそうな感覚はやはり得難い性感を与えてくれる。

11

腰の振りは速くなる一方で、しかし単純な動きにはならず覚え込んだ要所を的確に突く。
変化する膣の動きに合わせて、最適な動きを経験から導き無意識の内に最もよい動きをすることが出来た。
ここまでくると自分も声を抑えることが難しくなってくる。
囁くような声量であったが、これが自分の声かと驚くような力強い声で、孕めっ!自分の子を孕んでくれっ!とラルバに何度も叫んだ。
欲望に加えて、好きだ!愛している!という愛情も混じり合い、声は彼女の深い所へと染み入っていく。
どうしてもラルバを、この愛しい少女をまた孕ませたいと自分の最も深い部分が暴れるのだ。
彼女はそれを笑顔で包み込み、いいよと、私もそうありたいと言ってくれる。
ペニスは熱を持ちぶるぶると射精を目前に震え、子宮も今か今かと射精を待ちわびている。
予感が性感と共に大きくなっていく。
この射精でまた新たな命を授かるだろうと。
「〜〜っ♡♡!きてっ♡もうっ…♡わたしっ…♡」

12

ラルバが声を抑えることも出来ず叫ぶ。
極限まで極まった快感にこちらも意識を維持するのが精いっぱいで返事が出来なかった。
ただ、膣口ギリギリまで引き抜いたペニスを思い切り打ち込み、
「―――――っ♡♡ぁっ♡♡んっ♡んんんんっっ〜〜〜〜♡♡♡♡♡」
どびゅるるるるるっっ!!どぷっ!どぶどぶりゅるぅ!!!!!
ペニスが内側からはじけ飛びそうな熱い白濁の塊が何度も深い所から湧き出し、彼女の一番大切な所を埋め尽くさんと噴き出した。
射精と同時に口付けしたのは彼女に甘えたかったのか冷静な部分が子を起こさぬように口を塞いだのか…どちらか分からないが、それが更なる快感を生んだのは確かだった。
この時気づいてはいなかったが彼女を抱きしめていた手が羽の付け根を強く刺激していたのも快感に拍車をかけた。
「ふあぅ♡んんん〜〜っ♡♡」
唇から漏れだす嬌声は制止の声だったのかもしれないが、もしそうなら逆効果にしかならなかった。

13

ただただ愛しいラルバをもっと近くにと抱き寄せようとした行為であったが故に快感は倍増した。
これが少しでも他意を含めばまた感じ方は変わったのかもしれないが真っ直ぐな気持ちは何よりも強かった。
ラルバは巨大過ぎる愛情と欲望に呑まれて絶頂に意識を途切れさせ、また絶頂により揺り起こされるループにはまりどこまでも堕ちていく。
その中で、自身の胎の中に新たな命の気配を確かに感じて…その喜びによって意識を確かにした。
射精はかなり長く続き、お互い限界まで体力気力を使い疲労困憊であった。
その全力疾走した感覚が久し振りで、二人でクスリと笑い合う。
やがて唇を放し、ゆっくりと身を起こしてラルバを見下ろすと彼女は胸の前で祈るように手を組んだ。
「今ならきっとお兄さんでも分かるよね…♡」
なんの確証も無い、ただの予感であったが両者は二人目を無事授かったと確信した。
妖精だからか、または別の理由か…それはまた分からなかったが、よくやってくれたと妻を案じ労いの意味をこめて優しく頭を撫でるのであった。

百四十一話

1

出産と言う大仕事を成し遂げたラルバが本当にその日の内に二人目を身籠ってくれるとは…驚きはあったものの、それは思いのほか小さく、彼女が成すと言うのならそうなるのだろうと思えるだけの力が言葉にあった。
自分の欲望に応え、自らも強く望み新たな子を宿してくれた彼女への想いは止まる事を知らない。
彼女を抱えるとぐるりと上下を入れ替えてより力強くその身体を抱きしめた。
覆い被さっていては押しつぶしてしまいそうであったし、お腹が目立たない内に彼女に上から抱きしめてもらいたいという気持ちもあった。
ラルバも久しく自分が上から覆い被さる立場になり楽しそうに、思う存分腕を絡め抱擁してくれた。
身体に大事無いかと、疲れてはいまいかと心配の言葉を向けるがニコニコ笑顔で大丈夫と返される。
見ればその言葉どおりに気力が漲るようで羽がそれを表すように大きく広げられていく。
今日という日にまた二人で授かれたことが嬉しいと、そのために頑張ってくれたことに感謝する。
感謝は素直に受け取りながらも、頑張ったのはお兄さんも同じでしょう?と微笑む。

2

いくら妖精が丈夫であり安産だったとはいえ産後となれば疲れもあったろうと労うも、頼りになる人達に囲まれていたから全然平気だと迷いなく言い放つ。
実際こうして自分も大丈夫だろうと行為に至ったのでそれは真実なのだろうが…一番頑張ったラルバにこうも謙虚に振る舞われては感謝を向ける先に困ってしまう。
この気持ちは二人の家族をしっかり養い育てることで形にするしかなさそうだ。
今は全身を使って身体を摺り寄せ甘えてくれるラルバは全力で甘やかしてあげることで少しでもお返ししよう。
頭というわず全身を撫でまわしながら、自分から見てラルバがどれほど可愛く、また美しく良き妻であるかを滔々と語り聞かせ、自分がいかに幸せ者であるかを力説すると顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
その仕草の一つ一つを逐一褒め、髪を梳き頬を撫でて甘い言葉を囁くと堪らずラルバも顔を綻ばせ、
「全部お兄さんから貰ったものだから…♡」
照れながらも自身の魅力が確かに夫を射止めていることに、夫から見て恥ずかしくない妻であれることを喜んだ。

3

愛しい妻を抱きしめたままゴロゴロと喜びに転げまわりたい気持ちを押えるのに難儀する。
想いの昂りに身を焦がすようだと思ったが、実際にまだ挿入したままのペニスが打ち震えてまたどくんと脈を打った。
繋がっているのがあまりに自然過ぎてラルバもその脈動でハッとしたような表情になり、すぐに腰をくねらせて猛るペニスへと奉仕を始める。
喜びに満ち溢れた心からの愛撫に、こちらもラルバへの気持ちの昂りのままにあっけなく射精してしまった。
「あっ♡ああぁ♡…また、愛してもらっちゃった…♡」
長くは続かなかったがどくんどくんと先ほどと同じくらいの濃い精液が膣内を満たす。
専門家からの太鼓判こそないが二人共子を成した事は確信しているので、ここからは互いへの想いを捧げ合う性交だ。
二人共、子を授かったことを歓喜し相手への親愛が最高潮…当然まだ収まることはなく射精が勢いを弱め、途切れそうになると今度はこちらから彼女の身体を下から突き上げる。

4

こちらの動きを予想していたのか驚きもなく、すぐに調子を合わせるラルバ。
懸命に奉仕を続ける彼女に、まだ精液が足りないかな?と問う。
ラルバは慈愛の籠った瞳で見つめ、ゆっくりと首を振り、
「大好きな人に愛されたいと思うのはっ♡いけないこと、かな?んっ♡んんぅ♡♡」
分かり切った応えを待つ彼女へ、望む言葉を返す。
自分も同じように想っている、だから君が想ってくれるのがとても嬉しい、と。
言葉から、行動から彼女の溢れんばかりの愛を全身に浴びるようだった。
「うれしい…♡ねぇ、もっと私を感じてっ♡私の中に射精してっ♡」
射精したばかりの敏感なペニスを、自身も絶頂により敏感になっている膣内、そしてポルチオを惜しみなく晒し熱烈に愛撫してくれる。
堪らず精巣の箍が緩み、ラルバの望むままに次なる射精を放ってしまった。
「んんんっ♡あぁ♡こんなにっ…♡しあわせ…♡」

5

びゅぐっ!びゅぅ!既にいっぱいになりそうな子宮にたっぷりと追加の精液が注がれる。
ここまで来たらと、射精が終わらない内に腰を跳ね上げて強く子宮口を叩く。
「うっあぁ♡♡あはっ♡あ"うぅ♡」
まともな形にならない声で悦びだけを発するラルバを、その声をもっと聞かせてくれと言うようになおも突き上げる。
半ば獣染みた、本能からの雌の悦びの声は自分の中の雄をたいそう喜ばせた。
彼女はきちんと感じてくれているだろうかという不安を一欠片も抱く心配もなく、目の前の、自分に抱かれている可愛い可愛い雌は確かに自分に愛されて悦び喘いでいるのだと確信出来た。
理性的な部分も野生的な部分も共にそれを喜び、ラルバがもっと気持ちよくなってくれるようにと持てる業の全てを尽くす。
手指は彼女の喜ぶ部位を的確に愛撫、慰撫して完全に開ききっているラルバの心を更に大きく拡げていく。
自分の愛をより強く大きく受け入れてほしいと心も身体も精神も解きほぐす。

6

ラルバは親愛からいとも簡単に心を開き、もっと私をあなたの色で染め上げてほしいと恭順するようだった。
その潔いまでの思慕の念にこれまでの交わりで研ぎ澄ませた業もなお冴える。
唯一ラルバがこれだけは譲れないとするものがあるとしたら、夫を想う心だけは私のあるがままの心であると、快楽に身を委ねて染められたものでないと誇示するくらいであろう。
いじらしいまでの正しく献身的といえる愛情に、歓天喜地とはこのことかと感悦せざるをえない。
精根は尽きることを忘れまたしても色濃い、たちまちどんな女性であっても一度の交わりで妊孕を覚悟するような濃厚過ぎる精で子宮を大きく膨らませた。
びゅううぅぅっ!びゅるるっ!どぶゅ!どびゅるっ!
「あぁん♡あぁっ♡しあわせぇ♡だいすきぃっ♡♡♡」
精の塊が膣奥を打つたびに陶酔の声で恋情を囁くラルバのお尻をぎゅぅっと掴み、より奥へと白濁を注がんと己が分身を突き立てる。

7

彼女は以前から体格に見合わぬ色香を放っていたが出産によって母乳という強力な魅力を得ている。
穢れなき白が、甘い香りが、その味が…あらゆる感覚に対して絶大な効果を発揮している。
今も互いの肌を触れ合わせる内に柔らかく押しつぶされた双丘の先からまたじんわりと肌の上に色を添えている。
見るだけで香るだけで興奮を更に掻き立て、飲めば回復力を増大させていつまでも交わっていられるような気がする。
子宮に精を注ぎながら覚束ない動きで軽く可憐な乳首を摘まむと、ぴゅっと飛び出して手を濡らす。
指についたそれをラルバの見ている前で舐めとってみせると上気した顔が喜悦に綻ぶ。
連続射精による気怠さもすぐに掻き消えて新たな活力が湧いてくる。
身体の疼きに任せてラルバを抱えたまま身を起こして対面座位の体勢へと戻ってくる。
顎に指を添えて顔を上に向けてもらうと同時に唇を合わせ、彼女が抱き着いて体勢を維持してくれるのに任せてお尻を掴み上下に揺さぶらせてもらう。

8

身体を密着させるようにすると意識してポルチオを重点的に小突いた。
「へうぁぅ♡んぢゅっ♡んうぅ〜♡ふぅぅっ♡」
刺激に思わず強く引き結んでいる唇を舌でこじ開けて迎え入れてもらう。
突き上げてくる強烈な熱にくらくらしながらも小さな舌で懸命に愛撫を返してくれる。
どちゅん!と大きな音が一息ごとに響き、身体の芯を震わせる。
粘着く精液によって既に真っ白な膣内は、それでも一突きされる度にもっと奥へ奥へと精液を子宮に飲み込んでいく。
既に授かった確信はあってもやはり射精された精液を簡単に外に吐き出したくはないのだろう。
突き込みは膣壁の巧みな誘いによって勢いを増し、きゅっと窄まった搾精器官を何度も往復する内に亀頭が焼け付くような感覚が大きくなり、こちらが攻めているはずなのに腰が砕けそうな程だ。
その感覚は間違いではなかったようで、ラルバから強く深く腰をジュプリッ!と奥まで飲み込まれ、そのままぐりぐりと腰を押し付けられて果ててしまった。

9

ぶびゅっ!どぐんっ!子宮口に食らいつかれるようにして射精した精液はそのままごくごくと胎内に飲み込まれていった。
「ふあぁ…♡んっ♡〜〜〜〜〜…♡…んぅ…♡ふふふっ♡」
首尾良く射精へ導きまた追加の精液で一層お腹を膨らませていくラルバ。
まるで縮んだお腹を精液でいっぱいにしてまた大きくしようとでもいうかのようだ。
大きなお腹も数か月の付き合いともなれば不便は多くても愛着も湧き、多少の喪失感から少しはそのような考えが頭の片隅にあるのかもしれない。
そう思えばもっと彼女の中を満たしてあげたくなるというもの。
気づけば唇がふやけるかと思えるほど情熱的に長い間キスをしていたようだ。
唇を離して彼女の顔を見ればとろんとした瞳は浮かべた感涙によって暗がりにも煌々と輝きき、痺れるほどに高揚した小さな口は口付けの熱さに当てられて閉ざすことも忘れて絡めた舌を僅かにのぞかせていた。
ツ…と汗が火照った肌の上を伝う様がいっそ神秘的にすら見えた。

10

出会った当初ならば可愛らしい少女という認識に止まるであろう容姿も妊娠出産により身体つきを変化させて、彼女の人となりを知らずとも妖しい女性らしさを覚えるだろう。
妖しい魅力を放つ彼女に見惚れながら、ラルバからは自分はどのように見えているのだろうかと気になった。
特に自信のある容姿ではないのだが…焦がれるような視線を気のせいと断ずるほどに短い付き合いでもない。
幸いラルバは自分を魅力的な男性として見てくれているらしい。
特別な事をどれだけしてあげられるかは分からないけれど自分の出来る精一杯で彼女を愛してあげられたらいいななどと考えていると、
「ふふっ…♡また何か考えてる♡」
行為に直接関係のないことを考えていたのを見抜かれてしまう。
ラルバへ謝りながらやはり分かるのか?と効くとすぐに、当然でしょ?と笑われてしまう。
「たぶんだけどぉ…今のままのお兄さんが大好き♡このままもっと可愛がってほしいな♡ってちゃんと伝えてあげれば少しは安心できることじゃないかな?」

11

心配毎の大半を一気に解決されてぐうの音もでない。
自分に出来たことはラルバを抱きしめ、触覚に口付けしながら押し倒すくらいだ。
「ひゃぁ♡だからそこはって…あぁ…♡まだ固くしちゃうんだぁ…♡」
敏感な触覚への愛撫に一瞬怯んだが、すぐさま自身の中で存在感を増すペニスに意識を向ける。
倒れる際に僅かに竦めた身も弛緩させて隠すところなど無いと惜しみなく身体を晒した。
先ほどこの体勢で授かったばかりということもあり、こちらが何を言うまでもなく自ら進んで脚を抱えて見せる。
ラルバが体勢を整えるのを見るやいなや少し離していた身体を密着させて、またも種付けの体勢となる。
うんと注いだ精を僅かも零すまいと蓄え込み、胎のなかをたぷりと膨らませながら、また深いところを愛してくれとねだるその様はなんと艶美なことだろう。
乞われずとも今この段になって引くことなどありえない。
彼女を想いどこまでも硬く大きくなるような気さえするペニスをぬぷぅ…と膣口限界まで引き抜いていく。

12

ラルバはペニスが膣から出ていくにつき、この後の突き込みがどれ程になるのかと期待に胸膨らませている。
カリ首が入り口付近で抜けてしまいそうなギリギリのところで焦らす。
既に何度も精を吐き出され、とうにスイッチの入っている完成したはずの膣内は、その単純な焦らしで面白いほどに性感を高めていく。
「うぅ…ふっ…はうぅ…♡」
何もしないことが大きな意味を持ち、そこで初めて微かに腰を揺すり、筋をピクリと動かすことで容易くラルバは果てた。
「んんんぅうぅ〜〜〜♡…これっ♡だめぇ…♡ずっと小さいのがつづいてるぅ…♡」
心臓が拍を打つ微細な振動で絶頂へ誘われる様な抗いようのない悦び。
それも二人の心臓の重なりに二重に、それが血の巡りに乗って全身に回るようにさえ感じるのだ。
彼女の小さな身体の中で小波のように広がった快感は反響するように次第に大きくなり、耐え難い大波となるまでに然程時間はかからなかった。

13

それでも研ぎ澄まされた感覚の中で僅かな時間とはいえ耐え、貪欲に快感を高めようとできただけでも大したものだ。
ラルバの中で今耐えうるギリギリを少し超えた快感が爆発しかけるのを敏感に察知して焦らすのを止める。
はちきれそうなほど血の凝縮したペニスが一息で小さな膣を串刺しにする。
「ぁ…♡うぁ♡…」
弾け、無茶苦茶に乱れそうな快感の流れにその一突きで方向性を与える。
叫ぶことも出来ずほんの小さな声を漏らすに留まったが、ラルバはどれ程の衝撃を受けたことか。
そしてそれはこちらも同じことで…
「―――…♡はぁ〜…♡」
ドプリ、とただ一突きであっけなく吐き出された精液に、最初の夜を思い出す。
いつまでも忘れられぬあの交わりをこちらからなんとか再現出来まいかと試してみたが、満足してもらえたようだ。
「…ん…♡…凄かった、ねえ…♡」
射精が終わるまでのあいだ、ずっと夢見るような眼差しを向けていたラルバがそう囁く。

14

その後少し呼吸を整えてから己の唇を指して見せ、
「来年はキスもしてほしいな…♡」
揶揄うように言われてようやくあの夜は口付けも共にしていたかと思い出す。
ラルバを気持ちよくするのに集中して抜け落ちていたようだ。
失敗したなと気落ちしそうになったが、実は私もも今気づいたのだと明かされて苦笑する。
来年は羽も一緒に攻めてあげるよと言うと困ったような嬉しそうな微妙な表情でお手柔らかにとはにかんだ。
二人共来年もすることに関してはもう確定事項として認識していた。
産まれた子も今宿っている子も大切に育て上げ、また今日のように愛し合おう。
それまでにまたどれだけの思い出を作り、愛を育めるだろうかと期待が膨らむ。
先行きの明るいことを祈りながら、かなり集中力を使い疲弊した身体を引き起こし、逡巡の後に未だ硬いペニスを未だやる気の衰えぬ膣から引き抜く。
当然、まだ続けて愛し合うだけの気力も体力も残っている。
残っているが、それは我が子を守ることに使うべきだろうと判断した。

15

今はまだ先と変わらず静かに眠っている娘だがいつ起き出すかは分からない。
きりのよい所で一旦切り上げて余裕をもって対応してあげたいと思ったのだ。
相談こそしなかったがラルバも同じように思ってくれているので阿吽の呼吸で事後処理を進めた。
粗方片付いたところで、もうちょっと続きしたかった?と聞いてみた。
「うん?うん♡でもいいの♡エッチはまたいつでも出来るけど、私達お母さんとお父さんだもんね♪」
向ける愛情の中身は違えど大きさは同じくらいに感じると切り替えも楽ということだろうか。
いつ起きるか寝起きに泣いちゃうだろうかとそわそわしながら娘を見守るラルバを後ろから抱きしめる。
君と一緒になれてよかったと何度思ったか分からない、これからもよろしくお願いします。
不意打ち気味の言葉に一瞬腕の中でラルバが震える。
「…っもう♡それって私のセリフなんだけど分かってるのかな?♡」
赤ちゃんが起きるまでは甘えていていいよねと、背中を預けてくれたラルバをずっと抱きしめ続けた。

16

どれ程経っただろうか…交わす言葉も少なく微睡むようであったが眠る気にもなれず仄かな灯りの中で眠る子を見守っていた。
ラルバへは何かあれば起こすから休むといいと言ってもずっと起きていると言って聞かない。
気持ちは分からなくもないが…と思っていたら疲れからか安堵からか船を漕ぐので安心した。
夜の相手をしてもらっておいてなんだがいかに妖精といえども疲れているはずなのだ。
…が、娘がまだ声もあげぬ内に起きたのに気づき目を開くのは母としての本能だろうか。
ふらふらとベッドへ向かう彼女を支えて様子を見に行くも授乳を済ませるとまたすぐに眠ってしまった。
なんとも手のかからない子だ…と思ったが、人間ではなく妖精なので本当はある程度意識があるのかもしれない。
本当に子供に気を使ってもらっている可能性を考えると隣でイチャついて少々申し訳ない。
でもやっぱりお父さんお母さんのこと大好きだからあんまり自重できそうにないんだ、と言うと僅かに反応したような、しなかったような…
普通とはちょっと違う妖精の子育ての難しさに悩みながらも、産後初めての夜は静かに更けていくのだった。

百四十二話

1

―――ラルバの出産から早くも一週間が経過した。
緊張や心配から記憶が所々朧気だが特に問題無く過ごせたと思う。
八意先生は出産の翌日に往診に訪れてくれている。
少々特殊な産まれのため結構な時間をかけてしっかりと身体を診てくれたが、やはり問題は無いと判断してくれたようだ。
健やかに成長するでしょうと先生が微笑んでくれるとそれだけで色んな不安が吹き飛ぶ。
また暫くしたら様子を見にきてくれると言う先生を見送ったが、暫くするまでに色々と進展があった。
娘は予想通りというか、普通の人間と同様の成長はせずにかなりの速度で大きくなっていった。
元々いつの間にかパッと自然から、彼女等からしては大人の姿で産まれる存在なのだから、むしろ赤ん坊の時期があるのがおかしいのかもしれない。
お七夜をする段に至り、お父さんお母さんと呼んでもらえたのは驚きもしたが純粋に嬉しかった。
ラルバは初めて母と呼ばれた日はいつにも増して娘にべったりであった。

2

授乳する姿が様になっていて見ていて幸せになれたのだが乳飲み子期間がさっと終わって少し残念だ。
それだけ大きくなったということで喜びのほうが大きい。
離乳食を食べさせながらそんなことを言ったら、
「おっぱい独占出来るようになってよかったね♡」
にっこり笑いながら授乳用の隙間からチラリと胸を覗かせて誘惑されてしまった。
ねだられた時用に授乳服を着ているものだと思っていたが子供ではなかったらしい。
こっそり飲ませてもらっていたので何とも言えず素直に頷くしかなかった。
子供が乳離れしたのに父親が乳離れ出来ないのは問題があるような無いような。
「仲良くするのはいいことじゃない♡」
ぐいぐい迫ってくるラルバに強引に納得させてもらったので、その日から存分に独占させてもらうことになった。
味が良いのもあるが、授乳時の愛情に包まれている感覚を知ってしまったので自分が乳離れすることは恐らくないだろう。
その分、別の場面で彼女を包んであげたいものだ。

3

更に数日もすると羽も立派になり一人でも問題無く飛べるようになってきた。
これなら外に行っても大丈夫だろうと言うラルバに手を引かれ家族三人で里の外、ラルバが以前住んでいた拠点を中心に自然を満喫させた。
妖精らしい教育というのは自分にはよく分からなかったのでお任せになってしまったが母娘で元気に飛び回るのを遠目に見ていた。
その分、人間らしい分別を教えるのは自分の担当となったので博麗や稗田を筆頭に手を出してはいけない勢力や個人についてや人里での振る舞い方について教育した。
里で暮らすにしろ外で暮らすにしろ困らないようにかなり急いで教え込んだ。
身体の成長を見るに少なくとも身体については一か月もせずに成人するのが目に見えていたからだ。
娘は文句一つ言わず真綿が水を吸うように知識を吸収し、妖精らしからぬ賢さを見せた。
ラルバはきっと両親の良いところを上手く引き継いでくれたのだと言っていた。
少なくとも外見は母親に似て可愛らしく育ってくれて嬉しい…自分に似なくてよかった。

4

そんな形で順風満帆だったのだが…赤ちゃんの時期を見逃したと阿求様がぼやいているのが少し怖い。
次の子がいるのでその時にでもと言ったら機嫌をなおしてくれたが、同時に手が早すぎると呆れられた。
近所の人も成長速度に驚いていたが最終的には、まあ妖精だから…と納得していた。
近い時期に産まれた子を見せてはお姉ちゃんとして守ってやってほしいなどと笑ってくれた。
娘も既に妹か弟が出来るのが決定しているのもあってかその気になったようで何かあれば自主的に助けに向かうだろう。
妖精だから大丈夫だろうが、あまり無茶はしてほしくないがラルバがその辺りの意識の在り方をやんわりと教えてくれているので助かる。
一回休みになったことがないので自分からは教えてあげにくい。
こうして娘本人も、自分達両親も、周囲を取り巻く人達も皆何とかうまく纏まって前に進めている。
この幸せに感謝したい…せっかくなので博麗神社の方を向いて拝んでおいた。
霊夢さんは一度顔を見せてすぐに帰ったことがある…娘が赤ん坊の時期で、優しく頬が緩んでいたのは気のせいではないと思う。

5

恵まれた環境できちんと娘を養い教育することが出来て何も言うことはない。
…のだが、当然ながらラルバと愛し合う機会は減っている。
一番の理由は自分も彼女も今は娘が一番大切な時期なので暇な時間が少しでもあれば娘と一緒にいた。
大丈夫だとは思うが親心からして流石に産まれて一か月も経っていない娘を一人で外に出すつもりはないので遊びに出ている内に、というのも無理だ。
幸い娘は眠るのが早いのでこっそりと寝屋から抜け出して隠れて行為に及んでいる。
そこまでしてしなくても…そう二人とも考えはした。
しかしそれでも気持ちは高ぶってしまい娘もよく寝入っているからと、産後すぐも大丈夫だったし今回も出来るだろうと致したのが悪かった。
今のラルバの身体は今までになく雌として完全に熟しており、肌を重ねる悦びがより深まっていた。
加えて自分も父親になり雄として成長できたのかラルバが感じる悦びも増しているのだとか。
それを一度味わってしまっては…情けないことに両親共に我慢も出来ず…ということだ。

6

現に今も娘が熟睡しているのを確認して二人揃って抜き足差し足で寝屋を出ていこうとしている。
娘はすっかり大きくなっておりベビーベッドは役目を終えて、三人で川の字で寝ている。
横になっているだけで幸せを噛みしめることのできる家族の並び故に夫婦としての営みにはそぐわないのだ。
後ろめたい気持ちはあるが、昼中よく遊びよく学ぶ娘は寝入ったら簡単に起きないのは承知している。
夜中のほんの少しの時間だけ、夫婦…というか恋人としての時間を楽しませてもらう。
すー…っと静かに寝屋の戸を締めながら様子を窺うも娘はすやすやと穏やかに眠っている。
最後、僅かな隙間を暫く空けたまま眠る娘の様子にこれからの行為も忘れて夫婦で心を温めてしまった。
不意に和んでしまった空気は戸が完全に閉まる微かな音で切り替わる。
ゆっくりと戸から離れてラルバと向かい合う。
チラリと娘のいる寝屋へとまた視線が向かってしまうが、そこへ早く戻るためにも事を済ませようと移動を始める。

7

今回情事に至る場所は娘の気配を辛うじて感じられることも考えて居間にした。
足音を殺して二人で歩くのは気まずさや秘密を共有する感覚が混じって複雑だが悪い感じでもない。
移動は出来るだけ急ぎ、居間の戸を閉めて慎重に腰を下ろすとすぐにラルバへと覆い被さる。
服も最低限にしか脱がずに、前戯も手早く済ませて一気に挿入する。
本音を言えばしっかりじっくり愛撫してあげてとろとろに解れた所へ挿入したいのだが状況がそれを許さない。
しかし雑の一言で表せる展開の早さであるにも関わらず、娘に隠れて情事をするという背徳感からラルバの身体はこちらが何をするまでもなく受け入れ準備を整えてくれているのだ。
ラルバもその事実を恥ずかしく思いながらも、愛され肌を重ねる快感が勝り、
「うぅ…お母さんなのに…♥こんなにエッチじゃあの子に嫌われちゃうかなぁ…?んぁっ♥」
困り顔でもペニスをしっかり咥えこみ瞳をとろんとさせてしまうのだ。

8

挿入は時間もかかるし別の手段で高まった性欲を発散させようと思ったこともある。
ラルバからは手コキやフェラ、こちらからも手や口を使って気持ちよくしてあげたのだが…一応効果はあった。
問題は、一時的に満たされるものの挿入の快楽を知っているゆえにて変にムラムラして逆効果になってしまったのだ。
結局二人示し合わせて今回の状況へと至っている。
僅かな時間を見つけてなんとか我慢してきたが一度しっかり発散させたほうが精神的によいだろう。
子供が待っていることと、互いに我慢して焦らされたことで余裕がないことでじっくり楽しむことが出来ないのが残念ではあるが身を焼くような快感に性器がどうにかなりそうなので若干加点のほうが多いだろうか。
掠れそうな声で早めに終わらせるよと言うとラルバも状況は十分分かっているので声を出さないように口を押えながらコクコクと頷いてくれる。
それを見て静かに腰を動かそうとするが、久々…という程でもないが…の快感にこちらもさっそく余裕がない。

9

どうせ早く戻らなければならないのだと、ラルバを抱えて猛然と腰を振り立てて膣をガツガツと穿つ。
僅かに硬さのあった膣肉はすぐにぐしょぐしょに解れきり柔らかにペニスを受け止めてみせた。
弾力のある子宮をぐにぐにと亀頭で押し上げてあげるとぶるりと大きく身体を震わせて彼女が達したのが分かる。
そのまま続けてトンッ♥トンッ♥トンッ♥とポルチオを突き上げると嫌々するようにラルバが首を振る。
「〜〜〜っ♥♥んぅ〜〜っっ♡♡♡」
突然強烈な刺激に見舞われて半ば混乱しつつあったラルバを宥めるため腰を止めぬまま小声で話しかける。
手早く終わらせると言ってもラルバを気持ちよくしてあげなければ意味がない。
そしてどの程度気持ちよくしてあげれば我慢が続くか分からないから今回は少々強めでいかせてもらう言うと理解してくれたのか大人しく快感に身を委ねてくれた。
「ふぅっ♥♥やあぁっ♥っ…ん♥」

10

ぎゅうぅっと口を強く抑えているにも関わらず漏れ出てしまう嬌声。
そして強めに腰を打ち付けることで肌がパンッパンッと乾いた音を立てるが早さ重視で一気に攻め切る。
小さく身を縮めて快感に耐えるラルバはまだ慣れていない時を思い出させて興奮を掻き立ててくる。
無性に可愛く感じて、ついポソリと可愛い…と呟いてしまったら後は堰を切ったように気持ちを溢れさせる。
小さなやっと聞こえる程度の声量でも妙に熱の籠ったねちっこい声でラルバの耳を、心を刺激してしまった。
耐え切れなくなりそうで困りながらもどうしても喜びが勝ってしまい涙目で私も好きだと訴えかけてくるのがまた可愛らしく…
「んっくっ♥…んにゅぅぅぅ〜〜〜っっ…♥♥♥」
どぴゅっ!と暴発してしまうのは仕方がないことであった。
先んじて弾けた性感は一気に爆発し、どびゅっ!びゅるるぅっ!とラルバの小さな子宮をいっぱいに満たしていった。
彼女が満足してくれたのを感じ取り安心しながらも、まだまだ自分も抑えが効かないな…と反省するのだった。

百四十三話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
幸せって何だろう?そんなとりとめもない事をふと考えてしまった。
私は今まで妖精として気楽に楽しく生きてきて、今自分は幸せなのかな?なんていちいち考えたことはなかったけど、それなりに楽しく充実した生活を送っていたと思うし、きっと幸せだったのだと思う。
じゃあ今はどうなのかというと…
「ん〜?おねむかな?ちょっとだけお昼寝しよっか♪」
一緒に遊んではしゃいでいた娘がうとうとし始めたので抱き上げて寝屋へと向かっている。
胸中は一人だった時とは全く違う種類の幸せに満ちていた。
すぐ近くの部屋ではお兄さんが再開した仕事を頑張っている。
ちょっとだけ顔を見せに行ったら俄然やる気が出たみたいで、あれならすぐにでも片付きそうだ。
何かあればすぐに駆け付けてくれる頼れる存在と、何を置いても守りたいと思える娘。
自分を包む幸せを再確認してから騒がしくならない程度に急いで寝屋へと向かう。

2

「ふふっ♪」
寝屋につく前にすやすや眠り出した娘を静かにお布団に入れながら堪えようもなく笑みを零してしまう。。
妖精同士というのは基本的によっぽど相性が悪いでもなければノリと勢いで一緒に騒いだりする生き物だ。
あんまり一緒に行動することもなく一人でふらふらしていることが多く、光の妖精のようにずっと一緒というのは珍しい。
だというのに自分には血を分けた娘が出来てしまった。
ずっと大きなお腹を抱えていたけれど実際に出産して、一対一で話して触れて行動して…
「家族…家族かぁ…いいなぁ♡」
今までになかった感情がまた胸を満たしていく。
お兄さんはお兄さんで大切な家族だ。
特別中の特別、私の中で私自身さえ抑えて断トツで一位な大切な人。
そんな特別と並ぶくらい大切な可愛い可愛い私の子。
きっとお兄さんに話しかけられなかったらずっとその寝顔を見つめ続けていたと思える程に夢中になっていた。
寝顔を見に来たのかキリを付けて追いかけて来たらしい。

3

後ろから控えめに声をかけてきたお兄さんに振り向き、どうかした?と目で問いかける。
娘を起こしたくないから極力声を出したくなかったのだ。
お兄さんもそれは承知してくれていて小声でラルバも少し休んだほうがいいんじゃないのかと心配してくれた。
思えば娘が起きている時はずっと一緒にいるし、眠っていても起きている間ずっと一緒にいるために家事を片付けているのでほとんど休んでいないかもしれない。
今は粗方片付けていて暇なのだけど…時間があるなら娘の寝顔を見ていたい。
小声でそう伝えるとお兄さんは少しだけ困った顔をして、無理はしないでねと言って静かに部屋を出て行った。
お兄さんはお兄さんで私と同じく今の内に自分のやるべきことを済ませようというのだろう。
娘がもう大きくなってきたから仕事も再開していて少し忙しいのだ。
まあ阿求様が気を利かせてくれたみたいでまだあんまり多くの仕事はふられていないらしいけど。
こうして今を頑張ったお陰で夕方以降は家族三人でずっと一緒に過ごすことが出来たのだ。

4

そして…夕飯もお風呂も済ませた後、お昼寝していたから寝付くまでに時間がかかるかもしれないと考えていた娘は起きてからは仕事を済ませたお父さんと一緒にくたくたになるまで遊んだおかげでまたぐっすりだ。
お兄さんもパワフルな娘に付き合って多少お疲れだったけど流石に大人の体力、お夕飯もしっかり食べてまだまだ元気だ。
二人で娘が完全に眠ったのを確認して、また夫婦の…というより恋人の時間を束の間楽しむ。
また妊娠しているから控えめにだけど少しだけ晩酌。
「お酒もなんだか久しぶり♪お兄さんと飲むとそれだけでぐっと美味しくなるから飲み過ぎちゃうかも?」
勿論へべれけになるつもりはないので小さなグラスで一杯だけいただいた。
お兄さんも合わせて同じだけ…気を使ってくれたのもあるけど、やっぱり…これからするんだよね♡
隣り合ってほんの少しのお酒をチビチビ楽しみながら、そっとお兄さんの脚に手を乗せる。
それだけで愛しい人の雰囲気がすっと切り替わるのが分かる。
お兄さんはやっぱりというか今は求めても大丈夫なのかと私や娘に気を使って自分から踏み込めないことが多いのだ。

5

妊娠中もそうだったけど今一番に考えるべきなのは勿論可愛い娘のこと。
でもだからってお兄さんへの気持ちが減ったりするようなことは無いのだし、むしろ娘との触合いと通して今までとは違う面も見ることが出来て惹かれているくらいだ。
私も自覚は無いけどお兄さんからしたら今までと違う魅力があるように見える、なんて言ってくれる。
二人きりの時間は確かに減っているはずなのに、もっともっと相手のことを好きになれる。
これも娘のお陰なのかしらね?
そうして育んだ気持ちを、こうして僅かに見つけた時間の中で確認しあう。
短時間での触合いになってしまうけど、だからこそ燃えるというか…ちょっと楽しい。
見つからないように悪戯してる感覚に近いのかも。
そんなことを考えながらも大切な時間を有意義に使うために口を開く。
「ねぇ…ちょっとだけ、ダメかなぁ…?」
シー…と静かに事を済ませようと口の前で人差し指を立てて見せながら授乳用の隙間から胸もチラリと見せてみる。

6

「お兄さんにもまたおっぱい飲んで元気出してほしいし♡」
先っぽが見えるか見えないかギリギリのチラ見せにお兄さんが興奮してくるのが分かる。
ちょっとはしたないけど手で何かを擦り上げるような動作をしてあげるとお兄さんは早々に誘いに乗ってくれた。
おっぱいはあれから何度も飲んでもらっているけど、そういえば授乳手コキってまだしてなかったなと思い出したのだ。
おっぱいを飲むだけならそれほど時間もかけなくて済むし手早くお互い心がなんだかぽかぽかと幸せになれるからこれからもどんどんやっていきたいのだけど、おちんぽまで一緒にお相手するとなると少し難しい。
おちんぽするなら私としてもおまんこに挿入してほしい気持ちもあるし、こういう挿入以外のプレイはなんとなくお互い避けていたような気がする。
まあ僅かに取れた時間を最大限有効に使うとなったら挿入が一番分かりやすく二人共気持ちよく、かつ心身共に深くまで繋がりあえるのだからある意味当然なのだけど…

7

本当のところ、おちんぽで可愛がってほしいとは思う。
でもそんなおちんぽを労わってあげるのも大切だと思ったのと、娘が早速乳離れしそうな感じでたっぷりと胸を膨らませる母乳がなかなか辛いのだ。
お兄さんに相談した結果捨てるのはあまりにも勿体ないと言うのでちょくちょく飲んでもらっているのだけど、娘への愛情の大きさ故にか毎日飲んでもらってもまだ余裕がある。
そういうわけで久しぶりに授乳手コキもしたいし思う存分飲み放題してほしいということなのだけど…
「できればいっぱい搾ってくれたら嬉しいかなって」
痛かったりはしないけどたまに張っちゃって困ると相談すると、お兄さんも真面目な顔でそういうことならとよりやる気を出してくれた。
ついでに、身体に関しても他のことでも困ったことがあったら相談してほしいと言われて頬が緩む。
「えへへ♡…うん♡ありがとう♡じゃあ…今回は手でおちんぽすることになるけど大丈夫?時間があったらおまんこもしたいけど…たぶん起きちゃうよね?」

8

搾るにしても無駄にするのは私よりお兄さんが嫌がるから自動的に授乳体勢になり、そうなるとおちんぽに対してアプローチするとなると手コキが体勢的には楽だ。
おまんこを突かれながらごくごく飲んでほしいけど、これだとお兄さんの負担がかなり大きめになってしまう。
本人はそれでも一向に構わないと言うけれど心配なのだ。
…まあ今度機会があったらまたしてみたいとは思うんだけどね。
お互い今回の内容についてきちんと把握したところで…一旦娘の様子を覗いに行く。
二人でこっそり寝屋の戸を薄く開いて目を凝らすも大きな問題はなさそうだ。
掛け布団がずれているのが気になったのでゆっくり飛んで近づいて整える。
空に浮かびながら顔を近づけて天使のように可愛らしい娘の寝顔を暫く見つめていたけどお兄さんが羨ましそうに見ているのでそっと部屋の外へと戻る。
大丈夫だったよと目で伝え、足音を立てないようにそっと居間のほうへと戻り腰を下ろすと早速胸を曝け出し、お兄さんをその内へと抱きしめるのだった。

百四十四話

1

つい気持ちが先走ってお兄さんを抱きしめてしまったけど問題無いよね?
お兄さんは今回のプレイは母乳を減らすのが本命だと思いながらももうちょっと何かキスとかするものと考えてたみたいでビックリしてたけどおっぱいは元々好きだからすぐに感触を楽しみだした。
向き合って座って胸を出してすぐ引っ張り込まれたらそれは驚くのも分かるから謝っておく。
でもこうして肌を合わせるが楽しくてドキドキして身体が動いちゃうんだもん。
幸いお兄さんもちょっと驚いたけど大丈夫と、引き続きおっぱいに顔を埋めて幸せそうだ。
身体は小さいけど不相応に大きくなった胸だけど、お兄さんとしてはかなりよい形とバランスをしていると言って褒めちぎってくるから、飛ぶのに少し邪魔かなと思うけど悪い気はしない。
娘もおっきなおっぱいは好きみたいで乳離れしつつあっても未だに飛び込んでくるし。
おっぱい好きはお兄さんからの遺伝なのかしら?…あの子は普通に甘えてるだけか。
時間はあんまり取れないけど、暫くおっぱいで包んでお兄さんを癒してあげたのだった。

2

数分…十分は経ってないくらいでお兄さんの頭を離す。
お兄さんは飽きもせず私のおっぱいに挟まれてずっと幸せそうな顔をしていた。
元々普通の大人の女性が好きだったんだろうし大きなおっぱいに惹かれるものがあるのかも?
体型なんかより私個人を優先して小さなおっぱいも大切に愛してくれたし、その辺は特に悪く思うこともない。
今はもう成長させてもらったしね。
ぱふぱふ…っていうんだっけ?それだけでかなり満ち足りた顔をしていたお兄さんを揺さぶって意識を戻す。
「そんなにおっぱい好きなの?」
揶揄うように聞いてみたけどラルバのだからねと力強く言われるので、
「知ってた♡」
もう一度だけぎゅ〜…っとおっぱいで顔を包んであげた。
いつまでたっても終われそうにないから流石にその一回で一旦やめにしておいたけどね。
たっぷりおっぱい搾ってもらわなきゃいけないからね。
搾る前からもうちょっと滲んできちゃってるけど…

3

少し時間はくってしまったけど最近は娘の前で抱き合うわけにもいかず…普通の性的な空気を出さないようなものならともかく…エッチな雰囲気になるような抱擁はあんまり出来ないからかなり満足感があった。
「ん♡じゃあそろそろ…おいで♡」
温かな季節のお陰で服も薄手でさらりと脱ぎやすく、パンツのみ残してほとんど全裸になってお兄さんを誘う。
どうせ本番はしないから下は脱ぐ必要もないし、でもせっかくだから出来るだけ直に肌を合わせたいというせめぎ合いからこんな格好に。
本当なら娘が起き出してきたりすることを考えれば胸だけ出していればいいのだけど…我慢できなかった。
お兄さんもおちんぽだけ出せばいいのにもう全部服脱いでるし♡
最後にもう一度寝屋の方へと意識を向けて、特に問題なさそうだと判断して私のもとへにじり寄ってくる。
裸を見られるのはいい加減慣れたけど男性としての視線を向けられるとドキドキしちゃうのは私が子供だからか女だからか…

4

裸同士でまたぎゅっと正面から抱きしめ合ってお互いの身体の感触を楽しんでから、体勢を整えていく。
いつもは私をお兄さんが横抱きにしてくれるけど今回はポジションが逆。
私がお兄さんを抱えるようにして、娘相手に…産まれる前からお兄さん相手にやってるのも含めてかなり慣れた動作で授乳体勢になる。
完璧にお兄さんが私に甘える体位だからか少し恥ずかしそうだけど、今更何か言うこともなく大人しくしてる。
ちなみにおっぱいは片方は完全にお兄さん専用だけどもう片方もお兄さんは飲んでいる。
子供専用にしようかと思ったんだけど飲む量とか勢いとかがお兄さんのほうが強くなるしバランス的になんだか悪いような気がしたのだ。
そういうわけで今日は両胸から存分に飲んでもらおう。
時間もおしているのもあり、頷いて見せるとお兄さんが乳首に吸い付いてくる。
チュッと唇が触れる感触にピクンと身体が震えちゃう。
娘相手だと気持ちが切り替わるのかこんなことにはならないんだけどお兄さん相手だとどうしても、ね。

5

ちゅうちゅうとおっぱいを吸うお兄さんは身体は私より大きいけどやっぱりこの時だけは赤ちゃんのように見えてしまう。
そんな状態で快感に震えるのは私もどうかと思うけど身体が反応しちゃうんだから仕方ない。
母乳の出も良く、だからこそこうして飲んでもらっているわけだけど、吸ってもらっている内にまた中に蓄えられる量が増えているような…
そんな不安とも期待ともとれない気持ちは、お兄さんにおっぱいを飲んでもらえているという状況の前には霞んでしまう。
どうせ多少量が増えてもお兄さんに飲んでもらえるんだから心配することもないし。
とりあえず右胸から先に、今は手コキせずに飲んでもらう。
まずはある程度量を減らしてからお楽しみを始めようというわけだ。
途中で切り上げなきゃならなくなっても最低限目的は果たせるだろうというお兄さんの案だった。
お兄さんの頭を支えながら空いているほうの手がおちんぽへ伸びそうになるのを我慢して、お兄さんのお腹を撫でる。
今の相手はお兄さんだけど子供をあやすようにして授乳していると幸せが込み上げてきて、私もお母さんになったんだなあと実感する。

6

「お兄さん…何回も言ってるけど私をお母さんにしてくれてありがとうね…♡」
よしよしと頭とお腹を撫でながら言うことじゃないかもとは思ったけど今お礼を言っておきたかった。
授乳されながらおちんぽをビンビンにした状態で真面目な話をされて一瞬固まっちゃったけど、お兄さんもおっぱいから一度口を離してから、自分もラルバに父親にしてもらえて感謝していると頭を撫でられた。
おっぱいを飲ませている相手に頭を撫でられるのはなんだか不思議な感じ。
でも包容力とかはお兄さんのほうがあるみたいだしすんなり受け入れられちゃう。
でもなんだか照れくさいから少し強引にお兄さんの口におっぱいを押し付けて授乳を再開させてもらった。
頭を撫でる手はしばらくそのままだったけど、そんなに経たずにまた大人しくおっぱいを飲んでくれた。
そのまま普通の授乳よりも長めに飲んでもらってだいぶすっきり出来た。
このまま反対側も飲んでもらうわけだけど…私もいい加減ムラムラしてきたし手コキも加えよう。
体勢を改めて整えると私はおちんぽに手を伸ばしていくのだった。

百四十五話

1

今にもはち切れそうな期待に猛るおちんぽは血が集まってどっくんどっくん脈打っていて、熱くて火傷しちゃうんじゃないかと思うくらいに興奮してくれていた。
改めてよくこんなおっきいのが私の中に収まるなと不思議に思う。
だいたいおまんこに挿入されるからこうしてよくおちんぽを見るのは意外と久し振りなのだ。
ぬるりと先走りに濡れるおちんぽを握ると私に触られたのが嬉しいというようにびくんと竿が大きく震える。
おまんこに包まれたいと訴えているような気もするけど…
「ごめんね♡今日は手で頑張るからね♡」
亀の頭のような先っぽをよしよしと撫でてあげると、それはそれで嬉しいのかとぷりと先走りがまた溢れる。
お兄さんは照れて何も言わずにさっきまで咥えていたのと反対側の乳首にチュッと吸い付いた。
その刺激で手に力が入っちゃったけど私の力じゃ全力で握っても少し刺激的くらいにしかならないから大丈夫。
むしろ本気で握ってぎちゅぎちゅ扱いたほうがいいのかも?

2

考えても分からないしお兄さんに聞いてみたけど今回は優しめのほうが嬉しいかもってことだからソフトにいこう。
でも気になることがあったらラルバの好きなように試してほしいとも言われたからちょっとアクセントは加えようかな。
方針も決まったしお兄さんは返事をした後にはまたおっぱいを吸い始めているから私も手に集中。
潤滑は先走りが十分に出てくれているから滞ることはなさそうだけど変に擦れたら痛そうだし念入りに全体に広げていく。
ビクビク震えながらぬらぬらと竿を自分で濡らしてくれるおちんぽの様子に私の身体に欲情してくれているのを強く感じておまんこがきゅんとしちゃう♡
今からでも思いっきりGスポットや子宮口コリコリを引っ掻いてほしい…♡
でも今は普段の生活で母乳が溢れて困らないためにお兄さんに強力してもらっているから我慢しなきゃね…
今度する時は思いっきり甘えて可愛がってもらおう。
その為にも今は手コキでいっぱい満足してもらわなきゃね♡
潤滑もばっちりでやる気は今も上昇中なおちんぽを、最初はゆっくりと擦り上げていく。

3

ぬちゅりといやらしい音がして気持ちも高まっていく。
いつも優しいお兄さんからもこんな風にエッチな音がするというのがなんだか嬉しい。
「気持ちい?リクエストあったら言ってね♡」
とりあえずは普通に上下に手を動かす…勿論単調にならないように力、速さ、角度やそれぞれの指の位置、形から掌だけじゃなくて手首の振りにも気を付ける。
淫靡な音もそれに合わせて色んな形に響いて耳を、そして心を擽ってくる。
太い…というかぶっといと言ったほうがしっくりくるように大きくなっている竿を、私の小さな手で擦るのは大変だけど楽しい。
お兄さんからしたら小さなぷにっとした手がさわさわとおちんぽの上をぎゅっと掴みながら撫でるような感触はもう病みつきなんだとか♡
ちょっと変態ちっくだけどそれだけ私の手コキが好きになってくれたってことだよね♡
きゅっとカリを下から指で作った輪で持ち上げるようにしながらクリクリと擦るとぶぴゅっ♡っと精液がちょっと溢れてきちゃった♡

4

同時に乳首に吸い付く力がきゅっと強くなる。
感じちゃって思わずって感じで、私も気持ちよくなっちゃうけどそれ以上にお兄さん可愛い♡
「よしよし♡びっくりしちゃったかな?ごめんね♡もうちょっとだけ続けるね♡」
流石にカリへの刺激は強すぎたかなと反省しつつも手は止めずに柔々とカリのすぐ下の辺りを握るととぷとぷと精液が溢れてくる。
気持ちよく思いっきり出してもらいたかったのに小出しにさせちゃったからには、この状況から一番気持ちよくなれることを考えてあげないと。
透明な先走りに白い精子が混じって私の手とおちんぽの間でくちゅくちゅと掻き回される。
射精の快感が引いて行かないように、長引かせるように…ずっと射精し続けているような感じを目指す。
強い刺激で一気に弾けさせるんじゃなくてじりじりと焦らすような形になってる。
精液でおちんぽと手がどろどろになくるくらいいっぱい出してもらっちゃった。
私がいつもしてもらってるイきっぱなし状態に近かったんじゃないかと自分では満足。

5

私のほうがイきやすいからこうして気持ちよくしてあげるのは新鮮。
まだまだ知らないこともあるんだとこんな状況でも新発見だ。
お兄さんは射精の快感をいつもより長めにコントロールされていたからかくったりしている。
射精している最中もぎゅっと目を瞑って私のおっぱいに吸い付いてはなれなかったもんね♡
私がいつもあんな感じなんだろうなと思うと照れちゃうけど、可愛がってもらえているから別にいいもん♡
お兄さんの回復を待ちながら身体をゆったりと揺らして揺り籠のように包んであげる。
「ん〜…一応ソフトには出来たかな?思いっきり扱き上げたわけじゃないもんね?」
会心の出来ではあったし強めの攻めではなかったけどお兄さん的にはこれ結構疲れちゃうらしい。
それでもまた今度絶対しようと言うあたりスケベなんだから♡
おっぱいに関してもイってる間ずっと吸ってもらえていたから結構減ったと思う。
でもまだ出るし…もう一回、しちゃおうか♡

6

もしかしたら数分間は射精していたかもしれないおちんぽはまだ固いまま手の中で熱く漲っている。
それだけ上手く快感を引き出してあげられたのだとにんまりすると、お兄さんも私の気持ちに同意するように頷く。
「ふふっ♡上手にできたかな?それで〜…お兄さんがムラムラしないようにもう一回抜いちゃおうかなぁ〜って思うんだけど、どうする?」
母乳を搾るのがメインだったはずなのにもうお兄さんの精液を搾るのがメインになっている気がする。
それもタイミングが上手くあわないこともある最近を考えれば射精出来る時にしておくのも悪いことじゃない。
幸い時間もまだ大丈夫だろうし…手の中の存在感がどくんと増したのを感じて、
「んっ♡じゃあ、今度はちょっと激しくしちゃう?…うん♡頑張る♡」
永く快感が引き延ばされるようにぞわぞわと攻められるのも嫌いじゃないみたいだけど、やっぱりお兄さんもガッと一気に燃え上がるような快感が一番みたい。

7

「お兄さんもおっぱいちゃんと楽しんでね♡もっと強く吸ってもいいんだから…♡じゃあいくよ♡」
頭を抱えなおして胸に強めに引き寄せてからぎゅっとおちんぽを強めに握る。
おまんこでいつもぎゅうぎゅう締め付けているからこのくらいじゃへこたれないもんね♡
自分の中はよく分かんないけど、なんとなくおまんこを再現出来るように試行錯誤していきたい。
ぢゅっ…と精液に滑る竿に手を滑らせ、ぢゅぶっっと返す動きでまた摺り上げる。
さっきまではねっとりと絡みつくようにと考えていたけど久しぶりの手コキだからか変に私が気張ってしまったからか思ったより早く射精を迎えてしまった。
早漏気味でお兄さんは気にするかもしれないけど、やっぱり私としては嬉しいんだけどなぁ♡
で、今回はそんな動きとはまた違う、ずちゅずちゅと一気に擦り上げるように手首のスナップも効かせていく。
人差し指を先っぽに引っ掛けるようにしながら掌を捻るようにしながら根本のほうも気にしながら亀頭を中心に攻め立てる。

8

お兄さんが快感を堪えるため唸るようにしながらぢゅっ♡っと乳首を吸う。
「ひぐっ♡エッチなあかちゃんなんだからぁ♡んうぅっ♡」
さっきいっぱいお兄さんが射精してくれたけど、私もそれ以上にくらくらしちゃってるのだ。
脱ぐ必要もないかと履いたままだったパンツはもうぐっちょりと濡れていて後で脱がなきゃいけないし、乳首もツンと勃って痛いくらいに感じちゃってる。
舌が、歯が、唇が乳首に触れ、乳房をむにゅんと押してくるだけでぞくぞくと快感が駆け巡る。
体勢のお陰で私が主導権を握っているだけで、その気になればお兄さんがこのまま私を好き放題出来ちゃうだろう。
けど今は私に甘えてくれている♡
信頼して身体も心も委ねてくれている…♡
そう思うだけで、身体とは関係ない深い所がきゅんとしてイくのに近い感覚が頭に広がるのだ。
その感覚に突き動かされて手の動きをより強く大きくおちんぽへの刺激を大きくしていく。

9

根本から裏スジを通るようにずぅ〜っと掌を滑らせてからカリから鈴口までをぎゅっと搾るように握りこむ。
手コキはおまんこ程は回数を重ねていないけど、気持ちよくしてあげたいという想いが技術をどんどん高めてくれる。
激しくぐちゅぐちゅぐちゅっ!と指を蠢かして亀頭を一気に擦りあげると堪らずお兄さんががくんと大きく身体を震わせる。
乳首から口を離さなかったのは意地だったのか分からないけど、噛みつくような痛みも少しあったのにむすろそれが気持ちよく感じちゃって私もイっちゃった。
お兄さんも私に続くようにイってくれて、今度はどぴゅんっ♡と私の顔にかかるくらい勢いよく射精してくれた。
びゅっ♡ぶぴゅっ♡っと何度か飛び出した精液の塊は狙ったかのように私の頬に、額に、唇に当たってどろりと肌の上を粘着きながら流れていく。
ほとんど私にかかったおかげでお兄さんの方へは飛沫がちょっとかかったくらいで済んだみたい。
授乳手コキってもっとほんわかしたプレイだったはずなんだけど流石お兄さんというか私というか…

10

「んっ…すごい濃厚な香り♡あっおっぱい痕付いてる♡」
精液の香りを楽しみながら目を胸に向けると思った通り痕が付いていた。
痛かったかなと心配そうなお兄さんに痛気持ちよかったよと言うと微妙な顔をされちゃった。
その後は慌ただしく、でも音は立てないようにこっそりと事後処理。
私は流石に精液がべったりだったからお風呂へ向かうけどお兄さんには先に娘の下へと行ってもらう。
夜真っ暗な中で目を覚まして独りぼっち状態だけは絶対に阻止しようと決めている。
エッチなことを蔑ろにする気はないけど余韻を楽しむ暇があるなら娘の為に使おうと自然と決まったことだ。
私がお風呂から上がって静かに寝屋の戸を開けてみると娘はお兄さんに抱かれるように眠っていた。
起きたわけじゃなくてもぞもぞ移動してきたらしい。
髪は若干乾ききっていないけど私はいてもたってもいられず反対側から挟み込むようにして娘とお兄さんを抱きしめる。
エッチもいいけど普通の触合いもやっぱり素敵だなと思いながら穏やかに眠りにつくのだった。

百四十六話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
娘に隠れてこっそりと情事を重ねながらも子育てを続ける充実した日々。
すくすくと育つ娘の姿にラルバと二人喜びあうが独り立ちが予想以上に早そうで、親として自分はあとどれだけのことをしてあげられるだろうかと色々と考え込んでしまうこともある。
そもそも育成されることがそうそう無い種族なので現状でも一般的な妖精はもとより十分に経験を積んだ妖精よりも余程知識は詰め込んである。
外での生き方もラルバがしっかりレクチャー済みなので独り立ちさせてもいいのだが…
居残っているのは恐らく親が心配しているからだろう。
敏い子だと嬉しく思うと同時に親として情けなく申し訳ない。
ただ、純粋に甘えたい盛りでもあるようなので存分に甘やかして愛情を注いであげている。
身を寄せ合うようにして姉妹のように眠る母娘を見ていると自分も癒される。
ラルバもこちらが膝に娘を乗せて娘に勉強を教えている様を見て癒されているそうだ。
一般的な家庭の事情と重ねるのは難しいが…明るい家庭を築けていると自負している。

2

娘はまだ生まれて一か月程だというのにラルバより少し小さいくらいで身長は落ち着いた。
ラルバはこの一年で子作りのため多少体型が変化しているので出会った当初のラルバくらいだろうか。
要するに妖精としては普通の体型ということだ。
若干胸が大きいような気がするがラルバからの遺伝なのだろうか?
妊娠のために大きくなったのだから違う気もするが今のラルバは立派な物を持っているので元々下地はあったのかもしれない。
ラルバに似て可愛らしいのもあり変な虫がつかないか心配である。
安心する要素と言っていいのか悩むがよく聞く定型として、
「大きくなったらお父さんと結婚する」
発言を聞くことが出来たので少々こそばゆいが嬉しかったのは記憶に新しい。
すぐに大きくなってしまったのでまた言い出したらどうしようと少し不安だったが流石に冗談というか子供心によるものだったのか再び同じようなことを言われることもなく若干残念ではあるが安堵した。

3

最近では外に慣れるためか家にいる時間も減ってきており寂しいがラルバが寄り添ってこういうものだからと慰めてくれている。
自分も一応妖精側にもなったのだから妖精としての生き方にも慣れていかなくてはならない。
少しでも一緒にいてくれることに感謝しつつ残り僅かな同居期間、精一杯愛情を注いであげようと努めた。
そして春が過ぎ去り長雨の季節を超えて夏の気配が近づく頃、娘は巣立って行った。
いつでも帰っておいでと笑顔で見送ったが、娘が里の外…遠くの空に見えなくなったところで泣いてしまった。
ラルバも会おうと思えばいつでも会えるよと平気そうな顔をしていたが少し涙目だったのは見逃さなかった。
一緒に暮らした期間は長いとは言えない時間ではあったが間違いなく家族として暮らせていたと思う。
娘がいつ顔を出しても大丈夫なように気持ちをしっかり持たなくては。
最悪寂しくなったらこちらから会いに行こう。
定期的にラルバとしているデートの行先に明確な目的地が出来たと思えばいいか。

4

娘が巣立って行った日は流石に二人共少々情緒不安定だったが、まずはラルバが持ち前の明るさで元気を取り戻し、自分も彼女に引かれるようにして復帰できた。
まあ娘が翌日早速ちらっと顔を出しに来てくれたのも大きいのだが…
お母さんのお腹の中の妹のためにも元気出してと言われては気持ちを奮い立たせなければなるまい。
何気に妹と言っていたが姉妹ならそういうのも分かるのだろうか。
娘はそんな風にちょくちょく顔を出して励ましてくれて、これでは立場が逆なのではと心配になるほどだった。
「いい子に育ってくれてよかったじゃない♪」
数回娘が遊びにきてくれたあたりで何時でも会えるということが実感として受け止められたラルバが笑顔のまま娘を見送っている。
遊びに来る間隔はきっと広がっていくのだろうが、きっとこれが普通になっていくのだろう。
「今度はこっちから会いに行こうね♡」
次に出かける予定を纏めながら二人で里の外へ娘がパタパタと飛んでいくのを最後まで見守っていた。

5

こうして娘の独り立ちで精神的に落ち着かない日々も、娘の気遣いのお陰で安定を取り戻した。
次の子からはもう少しどっしり構えていられたらいいなと思うが恐らく無理なんだろうな…
そんな不安を抱えながらも…二人きりの生活に戻ったことで二人共そわそわし始める。
お腹の中には二人目がいるにはいるが性交のためにこそこそしなくていいというのはとても大きい。
娘がある程度しっかりしてからは隠れてするのもスリルを楽しむ余裕すら出てきたが視線を感じなくていいというのは精神的に助かる。
勿論娘より性欲を優先するほど盛っているわけではないので娘が遊びに来たときは二人して出来る限り引き留めたりもしているのだが…娘は娘で今は外での大切な時期なので匙加減が難しい。
ともあれ残念ながら今日は外の家へと帰ってしまったわけで…
勝手にその気になって大きくなり始めている愚息に思わずため息が出る。
出来ることなら当然したいがもう少し雰囲気というか…せめてラルバとも相談してからやる気を出してほしい。

6

自分の堪え性の無さを残念に思うものの娘の視線を気にしなくていいというのも確かなので思い切って今夜は大丈夫だろうかと切り出す。
娘を見送ったすぐ後、加えてまだ日が高いというわけでもないが夜にはまだまだ時間もあるのでビックリさせてしまったようだがこちらが赤くなりながらも真剣なのを感じ取ってかすぐに雰囲気を和らげる。
「もちろん大丈夫だけど…♡また溜まっちゃってた?」
最近はいつ娘が来てもしっかり対応出来るように性交出来る時には徹底的にお相手してくれているのだが…
ラルバは身内の贔屓目を除いても確実に魅力的になってきている。
パッと見の外見だけでも身体つきも女性らしく、雰囲気も華やぎ、自分だけが知っている点で言えば具合もこなれて本当に専用の身体に成長し続けてくれている。
子を産んでからは妻として母としての自覚が強まり生活面でも精神面でもより甲斐甲斐しく尽くしてくれる。
そんな女性が一つ屋根の下、いつでも喜んでお相手してくれる状況となれば男として漲っても仕方はあるまい。

7

だから溜まる溜まらないという話ではなく、限度が無いようにすら感じられるのだ。
何度も言っているが本心から幾らでも射精出来そうだと言うと彼女は困ったように、
「も〜…♡お兄さん本気でそういうこというからドキドキが止まらないじゃない♡」
幸せそうに胸を抑えて羽をピクンピクンと微かに震わせる。
彼女から立ち上る女の香気に一層気持ちが高まるが、抱き寄せようと肩に触れかけた手をやんわりと止められてしまう。
「あの子が戻ってくるかもしれないし…夜に、ね?」
遠く空を見つめながら、微笑まれて手を引く。
ラルバの見つめる先へ自分も視線を向けて、では先に仕事を片付けようと仕事部屋へ向かうことに。
「頑張ってね♡私も家のこと出来るだけ片付けておくから…夜いっぱいしちゃおうね♡」
お夕飯も張り切って作るからとグッと拳を握ってみせる彼女に期待してるよと微笑み返す。
少しづつ変わりゆく日常の中で変わらず互いを想いながら夜に想いを馳せるのだった。

百四十七話

1

夜…多少浮ついた気持ちにはなっているが、すぐにでも行為に移ろうという気にもならず二人で布団の上に座り穏やかに話をしていた。
実際には話しながらも互いに静かに興奮が高まっているのは分かっているのだが、どうしても娘のことも気になり今どうしているかな?等と口にするのは自然なことだろう。
娘はラルバの仲介もあり拠点にしている周辺の妖精等とも仲良くやっている。
人間にも妖怪にも余計なちょっかいをかけずに自然の中で遊んでいるようなので不安は少ない。
それでも長々と娘の話題は続いてしまうものだ。
最終的にはまた今度こちらから様子を見に行こうねという形で収まるのだ。
そうして今最も気にすべき話題にきりがついたところで、
「はいこれ、お兄さんに♡」
パッといきなり手渡された物は一冊の手帳と恐らく手作りであろう栞であった。
涼やかな葉っぱの押し葉栞を手に取りくるりくるりと表裏をよく見せてもらう
何故いきなりプレゼントを…などとは考えずこちらも隠していた物を手渡す。

2

「え?…ふふっ♡お兄さんも知ってたか〜♡」
部屋の中に巧みに隠していた紙で作った花束を手渡すと、ラルバもパッと花咲くように笑顔となって気合と想いを籠めて作った会心の造花も輝きが霞んでしまうようだ。
手渡された本人が喜んでいるのだから問題は無いと判断し、一周年…紙婚式のプレゼントを喜び合う。
手帳は仕事用であろうし、栞は仕事の合間に眺めて清涼剤として頼りにさせてもらおう。
渡した造花はホワイトデーに引き続きまた稗田の家でこっそり作らせていただいた。
意外と世話焼きな上司の知識を頼りにさせてもらったがラルバの笑顔と比べてはどうしようもない…笑顔を引き出せたというところは満点の出来だったが。
一応仕掛けもないではないが…と、思っているとラルバが花束を丁寧に横に置き…少し考えてから布団からかなり離れた位置に移動させて、
「一年間ありがとうございました♡えっと、これからもよろしくお願いします♡」
静かに頭を下げるラルバへ、自分も一年感謝しかなかったと、これからも一緒に頑張ろうと頭を下げる。

3

思えばもう一年なのかと感慨深い。
出会った日と結婚した日が近いため記念日が連続するがなんとなく出会った日に纏めて祝っていた。
どうせ出会った日に結婚する気満々だったしいいんじゃない?とラルバも言っていたが正式な結婚記念日も別でお祝いはしようと決めてはいる。
ラルバが頭を上げにくいかと僅かに先に頭を上げ始めると彼女も続いて頭を上げて照れの入った笑顔を見せてくれた。
この一年でどんどん魅力度を上げに上げてくれた彼女の煌くような笑顔が一番のプレゼントであった。
これからもまだまだ自分を魅了して止まないだろうその顔がぐっと距離を詰めてくる。
そのまま軽く唇を触れさせて、勢いを減じることなくポスンと胸の中に飛び込まれた。
「えへへぇ♡ん〜…♡」
ぐりぐりと頭を押し付けて甘えてくる小さな可愛らしい少女…自分が守るべき最愛の人。
守るべき大切な者は増えたが今だけは彼女にのみ愛を向けさせてもらおう。
…娘が早めに帰ったのはもしかしてこのためか。

4

こちらからも抱きしめようとして手帳と栞を持ったままであったことに気づく。
放り投げるわけにもいかず不格好な抱擁になってしまったがラルバは気にしていないようなのでよかった。
カラッとした真夏の太陽を思わせる健康的なラルバの身体。
その印象を残したままに蠱惑的な女性の魅力も香り立つアンバランスな彼女。
服越しに強く押し付けられる身体は小さいながらも柔らかで、この一年で色々と成長しているのもあり触合うだけでも心地よい。
ラルバも受ける内容こそ異なれど同じように自分の中から魅力を見つけて感じ入ってくれていた。
「♡…ふぅ♡…あ〜…♡ふふふっ♡抱っこされてるだけでもう幸せでどうにかなっちゃいそう…♡」
このままだと興奮しすぎてしまいそうだとそっと身体を離される。
離れはしたが二人の間の隙間はあまりにも狭く、体温すら感じ取れそうな程であったがプレゼントを退避させておきたいと言うと渋々距離をおいてくれた。
後ろ髪を引かれつつもこのままでは絶対に痛めてしまうからと手帳を花束の隣に置きに離れ…

5

「よい、しょっと…」
きちんと安全な場所に置いて振り向いた時にはラルバがワンピースを脱いで軽く畳んでいた。
久し振りに見たベビードールについつい視線を奪われてしまう。
妊娠後期は自由にお洒落が出来ずに難儀させてしまったが、今は再び妊娠しているといってもまだまだ全然お腹も目立っていない一か月目ということもありある程度は自由にしている。
本当ならもっと気を付けるべきなのかもしれないがラルバの場合はお洒落より子供を大切にすると決めたうえで、一人目を妊娠出産したことでどこまで大丈夫かときっちり線引き出来ているので安心して任せていられる。
そんな彼女がこうして自分に見せつけるようにして可愛らしい…というより美しいを際立たせるようなベビードール姿をさらしてくれている。
大切な日用であろう、恐らくは勝負下着に類する物を纏ってだ。
節目の日という事で特別に用意してくれたのだろうと分かった。
本当に無駄遣いはしない割にこういうことには全力を出してくれるので嬉しい限りだ。

6

「お腹おっきくなってきたらまた着れなくなっちゃうけどね」
少しだけ困った風に言うが口元は子供の健やかな成長を願って笑みを浮かべている。
今着ているような服が楽しめるのはお腹が目立たない…精々四か月目くらいまでだろうか。
そこから先はまた別の衣装を贈ってあげようと思いながらラルバの身体を隅々までよく見せてもらう。
見つめられてほんのり頬を染めながらも見られることが嬉しいのかじっと身体を晒している。
出会った当初、一年前を思い出して姿を重ねて見るが記憶の中のラルバよりもやはり女性的になっているように思う。
白い肌は行為を思って薄っすらを色づき、可愛い瞳は僅かに熱をもって潤んでいる。
手を取って握ってみると少し高めの体温が緊張と興奮によってなお高くなっているのが分かる。
妖精の回復力のたまものか普段家事をしているにも関わらず柔らかな少女の手。
手を握られて嬉しそうに口元を緩める頼れる伴侶の姿に気持ちが昂ってくる。
暴走しそうになるのを抑えて行為の前にベビードールがよく似合っていて可愛らしいときちんと伝えられた自分を褒めたい。

7

ラルバも空気に飲まれていたのか張り切って用意していたはずの衣装のことも忘れていたようだ。
それでもお洒落をちゃんと見てもらえたのが嬉しいのか元から良好だった機嫌が目に見えて良くなる。
「ん♡喜んでもらえたならよかった…♡でも、もう脱いじゃうんだけど、ね♡」
脱ぐという言葉に、先へ進もうという意志を示されて握っていた手をそっと放すとラルバはまずパンツに指をかけてするりと脱ぎ去ると布団のわきへと置く。
ワンピースのように裾が長く直接は秘部が見えることはなかったが薄っすらと透けて見えるシルエットが余計に興奮を掻き立ててくる。
気分が盛り上がっているのを察してくすくす笑いながら続けて見せつけるようにゆっくりとベビードールの肩ひもに手をかける。
羽があるため少々特殊な構造をしているようだが苦も無くするりとベビードールを脱ぎ去る。
ラルバ自身が焦らすような余裕がなかったのだろうが思い切りよくまっさらな身体を晒してくれた。

8

ふわりと香るのはラルバの纏うフェロモンか。
元々の彼女の香りに合わせて甘いミルクの香りまで混ざり合い、何より本人が目の前の雄を誘惑しようという強い意志のため普段よりも色濃く漂う色香にくらくらする。
ラルバはまだろくに触合ってもいないのに薄っすらと汗が肌に煌き、秘部も水気を帯びて妖しくヒクついている。
ドキドキという心臓の鼓動さえ聞こえてきそうな空気にあてられてこちらも服を脱ぎ去る。
焦って変に突っかからなかったのを内心で安堵しつつお互い裸になって向かい合う。
こちらが肌を晒した、ただそれだけでラルバの興奮も高まりを見せる。
最早言葉はいらぬとお互いに距離を詰め、開始の合図というように唇を合わせる。
この一年でもう何度合わせたか知れぬ唇は飽きることを感じさせず、ラルバも何度も軽く触れるような口付けを繰り返し感触を楽しんでいる。
やがて彼女のほうから小さな舌を差し出してきて、こちらも一切の抵抗をせず受け入れ、自分からも彼女の口内へと舌を差し出していく。

9

「んっ♡」
首に縋りつくようにして二度三度と舌先で舐りあいながら触れ合わせた胸から直接鼓動を響かせ合う。
ちゅくちゅくと舌が絡む音を直に頭に感じさせながらラルバの背を抱き寄せ、ラルバはお返しとばかりに完全に臨戦態勢のペニスを両手で包むように撫でている。
身体は抱き留められているから自分で支える必要はないと信じて両手を使ってくれているので、小さな手から齎される大きな快感にぞくりと背を震わせるものの何とか身体を支え続ける。
このままでは手だけで達してしまいかねないと、こちらもラルバの身体を支えながらも徐々に片手を下げて柔らかなハリのあるお尻を掴んで揉みしだく。
小柄な身体だが度重なる性交のためか肉感的に育っているお尻もやはり手に心地よい感触を返してくれる。
「んぅ♡んん〜♡」
小さく喘ぐラルバの声を楽しみながら、このまま秘部へと手を進めようとしたところで唇を離されてしまった。
同時にペニスからも手が離されてぐっと距離を空けられるが悲観することはない。

10

勿論ラルバは触れられることを嫌がったわけではなく…
「ふはぁ〜…♡もう、我慢できないよぉ…♡」
大きく快感の吐息を吐き出すとキラキラと潤む瞳を向けて甘えてくる。
あのまま手淫を始めていれば何度も何度もイってしまって…それはそれで魅力的ではあるのだろうが…今日のような記念日はやはりしっかりと本番で楽しみたいということだろう。
こちらとしても彼女が楽しめるのであれば挿入がなくとも我慢出来なくはないがやはりそれでは寂しい。
彼女からこうして求めてもらえるのであれば迷うことなく相手をしよう。
またろくに前戯をできなかったが…チラリと秘部へ目をやればそんなものは不要だと言わんばかりに水気が増しているのが分かる。
ラルバも視線を受けて自らの中指を入れて、くちゅりと音をさせてから引き抜き、ねっぷりと愛液に塗れた指を見せつけて内部までしっかり濡れているのを確認させてくれた。
ここまでしてもらっては焦らすわけにもいかず、そっとラルバを押し倒すのだった。

百四十八話

1

ラルバは肩に手を置いただけで抵抗なく自ら布団へと身を沈めてじっと見上げてくる。
部屋に灯した灯りに浮かび上がる肢体に微かに輝く鱗粉がより色を添えている。
さらりと流れた髪を梳いてやると気持ちよさそうに手に頭を寄せてくるのがまた可愛らしい。
股座で大きく勃ちあがるペニスにも気負うことなくゆったりと寝転ぶ様は信頼を感じさせる。
やがて手を彼女の側へと置き、身体を支えようとすると彼女も自然と脚をこちらを開き受け入れるべく動き出す。
娘が巣立って以降はこそこそしていた反動もありかなりの頻度で交わっている。
それもあって一周年をいう気負いもなく、ただ愛情だけはより深めてにこりと微笑んでくれる。
「今日もいっぱい可愛がってね♡」
右手を伸ばしてこちらの頬を撫でながら左手はペニスに添えて入り口へと誘う。
ちゅぷ…膣口に亀頭が触れるとそっと陰唇を指で広げてより挿入しやすくするラルバへ感謝しながらゆっくりと腰を前へ進めペニスを挿入していく。
千を超えるだろう交わりを経て子を産んでなお狭い入り口にはいつもながら内心驚かされる。

2

それも硬質な狭さではなく行為を重ねた先で程よく柔らかく解れての締り。
ラルバに言わせればこちらのペニスもいまだ存在感を増しているらしいのでこの調子でずっと楽しめそうだ。
きゅうっと締まる小さな膣穴をぐぷぷ…と押し広げていく快感にもう射精しそうだ。
ペニスの先から少しずつ根本へ向けて、膣に包まれる部分が多くなる程に性感はぐっと高められる。
ぬらぬらと妖しく愛液煌く女陰はまるで愛液が全て媚薬なのではないかと疑いたくなるほどに心地よい。
その媚薬がザラリと刺激的な膣壁に擦り付けられてペニスの芯にまで浸透するような感覚。
敏感なカリ首などは一層をの感覚が強く、気をしっかり持たなければどうにかなりそうだ。
基本的な形は勿論変わらないが日々変化…進化する膣は今も新たな一面を見せ続けてくれている。
ず…ぷんっ…深くへと収めたペニスを受け止めたままの体勢で熱く脈打つ膣壁だけで絶頂へと導かんとするラルバも自分と同じように快感を得て、ゆるゆると頭を振って快感を堪えようとして、耐え切れずピクンと軽く振るえて絶頂する。

3

ただでさえ敏感なラルバの身体は記念すべき日を迎えた悦びで満たされており、瞳に浮かぶ感涙が一つ筋を残してシーツに沁み込んでいく。
「はぁぁ…♡ぴったり…♡おにぃさん?私ちゃんと専用になれてるよね…?♡」
この一年愛し合ったことですっかり馴染んだ互いの性器はこの状態が自然だと言わんばかりにしっくりと噛み合っている。
それは基本的な形自体もそうだが、互いの弱い部分がぴたりと合わさるような形でだ。
試すまでもなくラルバの性器が自分にとっての最良最愛のパートナーだと断言できる。
自分もラルバ専用としてもっと馴染めるように、そのためにもっともっと愛し合いたいと言うと、
「うん♡私ももっとお兄さんに愛してほしぃ…♡私ももっとご奉仕したい…♡」
これ以上ないほどぴたりと噛み合いながらもまだまだ先へ進もうとする気持ちを合わせて…動く。
想いも新たにいつも通りに腰を引いていく。
ず、ずずぅ〜…とペニスが引き抜かれていく最中、カリが壁を引っ掻くたびに小さな絶頂がラルバを襲う。

4

「ひぅ♡んっ、きゅぅ♡」
動きがゆっくりで丁寧であることで大きな声を出すことはない。
しかしそれは逆に膣壁全体を丁寧に擦り上げていることに他ならない。
ラルバが小さく嬌声を上げるたびに、彼女への想いへの燃料となって次々と愛の炎へとくべられて燃え盛る。
膣口まで引き抜いたペニスを一気に突き込みたい衝動にかられながらも一旦それを抑え込み、またゆっくりと膣壁の感触を楽しむように突き入れていく。
すると絶頂したために愛液が溢れて先ほどとはまた少し違う形で包み込んでもらえるのだ。
時に予想したおりに悦ばせてくれるし、今までには感じたことのない形であったりと楽しみは尽きない。
最奥にまで到達した時にのみぐっぐっと子宮口とポルチオへと自身の存在を、自分がどれほどラルバを想っているかを伝えるようにと少しだけ強めに亀頭を押し付ける。
「♡っ…♡…ぁぅ♡」
最愛の雄に愛情をこれでもかと示されて堪らずラルバもぷしっと潮を噴き出してしまう。

5

肌を濡らす確かに彼女が感じてくれている証に嬉しくなる。
バテないようにあまり強く感じすぎないように加減が絶妙だが経験で充分に判断出来る。
「いっ♡…んぅっ♡すごぉぃ…♡あぅ♡かんじひゃぅぅ…♡」
早速声の蕩けだしたラルバの頭を撫でてあげながらゆったりとしたペースを崩さずに抽挿を続ける。
ただし一定のペースで抽挿は続けられているが、こちらとしてもとろとろの膣に包まれてペニスもびゅくびゅくと先走りを零している。
だからこそ、ラルバもパートナーが絶頂へ向けて邁進しているのだと分かっているからこうして身を任せて与えられるままに快感を享受しているのだ。
体格的にはどうしてもラルバがリードするのが難しいのもあるが…それでも時折腰を揺らめかせて快感を高めようとしてくれるのでされるがままというわけでもない。
「ん、しょ…♡ふぁ♡腰がぬけちゃいそう♡」
今は少しばかり感じすぎてしまっているので動きにくいようだが膣壁は関係ないとばかりに熱く締め付けてくれている。

6

「んっ♡んっ♡んっ〜♡どぅかな♡きもちぃ?♡」
問いかけに頷く前にきゅきゅっと締まる柔肉にまた先走りが迸る。
そろそろ精液も搾り取られそうだと感じて、身をぐっと近づける。
ふよんと魅惑の双丘を抑える形になり、その先から滲む母乳がラルバの身体を濡らしていくのを見てペニスがまた硬度を増す。
甘いミルクの香りに陶然をしていると不意にラルバの手が伸びてきて唇に触れる。
予め母乳を指先で掬ってきており舌先に彼女の味を感じて指もぺろりと舐めさせてもらう。
「おいしいでしょ♡おにいさんが出るようにしてくれたせんよぉミルクだもんね♡」
娘が独り立ちし、二人目もまだとうぶん出てこない故に今だけは自分だけが味わえるラルバの味。
滋養強壮の効果もあると聞くが実際に体感するとそれもよく分かる。
元々尽きる気のしない精液がまた追加でどんどん精製されていくような睾丸が熱くなるような感覚。
ラルバがミルクで肌を白く染めてくれるならこちらは精液で膣内を白く染めてあげよう。

7

腰の振りは見かけは変わらないペースであったが籠める情動の大きさはラルバが一番分かってくれている。
射精が間近であり熱い精液が濃縮しているのも感じ取り…こちらに咥えさせていた指を自分でしゃぶって見せ、これ以上ない程に美しい淫靡な笑みを浮かべて見せた。
不意に見せる彼女のどうしようもないほどに雄の本能を掻き立てる雌の顔。
その深みへと誘うような琥珀色の瞳に吸い寄せられるように彼女の身体を抱きしめて、誘われるままに深く深くペニスを埋めてがっちりと腰を、身体全体を固定する。
ラルバがどのように暴れようとも逃れられないような体勢であるが、逆にラルバのほうからもがっちりと脚を腕を絡めてどうあろうとも振り払えない程に強く抱きしめられる。
無論天地がひっくりかえろうともお互いにそのようなことをするわけもなく相手の拘束とも言えるような抱擁に合わせて更に熱と気持ちと力を籠めて一つになろうとするように抱きしめ合う。

8

身体はもう完全に動かせず、呼吸と拍動の他に動きようもない状態。
それでも互いの性器は激しく打ち付け合っているかのように刺激を与えあい、ひしと抱き合う肌を通して相手への想いと蕩かし合う。
最後の仕上げとして、快感に震え弛緩していたラルバの羽がゆっくりと二人の身体を包むように閉じられていき…
「…っ♡」
ぴっちりと羽が閉じるのと同時に微かに感じた吐息に精液が迸る。
どくんっ!大きな精の塊が尿道をギチリと痛みを感ずる程に拡げて小さな鈴口から飛び出る。
堰を切ったように…股座でただでさえ色濃い精をこの交じり合いの最中で更に濃厚にした白濁がびゅるるるるっ!びゅるるっ!と子宮口に突き立った亀頭の先からどくどくと次々に第二子の揺り籠の内へと注がれていく。
第一子の経験から既に子供がどうこうなる心配をせずともよいと確信を得ているので遠慮せずにたっぷりと溢れる程に熱い気持ちを叩きつける。
子宮も双子にでも三つ子にでもなれと貪欲に与えられるままに精を飲み込んでいった。

9

「あっ♡あはぁ♡ああぁんっ♡あっ♡あぁ♡あっ♡はあぁあぁぁぁんっ♡」
ぎゅうぅぅっ…♡っと小さな身体からは想像できない程の力でラルバが抱き着いてくる。
艶やかな嬌声は間断なく、小さな可愛らしい口から紡ぎ出されて耳朶を打つ。
嬌声は言葉にならずとも気持ちいい、大好き、愛してる、もっともっとと明確な声となって響く。
精液は子宮をぱんぱんに膨らませんばかりに注ぎ込まれており、膣と子宮を染め上げる熱い愛にラルバの心も燃え盛っている。
ぐっと身を縮こめるように丸くなるラルバの顔をそっとこちらへ向けさせてもらう。
ぷるぷると震えて快感に浸っているにも関わらずこちらの手にはすんなりと従い蕩け切り潤んだ瞳いっぱいにハートマークを浮かべた顔を晒し…それを見てまた精が迸る。
続けざまに子宮を打つ暴力的といっても過言ではない熱量に声をあげそうになる唇をすかさず奪う。
身を寄せ合っていることもあり顔をあげてもらったお陰でなんとか唇を合わせることが出来た。

10

ラルバは外に発散されるはずの声が塞がれ…愛しい人の唇によって塞がれ…情熱的に舌を絡められて一瞬確かに気絶していた。
ある意味いつも通りのイきっぱなし状態であり、気を失っても快感によって引き戻されてまた意識が揺らぎそうになる無限ループ。
「ちゅぅ♡んあぁ♡んふうぅ♡んうぅ♡ん〜〜〜っ♡」
絶頂のたびに彼女から膨大なエネルギーが溢れるような感覚にこちらも射精が止まらない。
精も根も尽き果てるような射精が収まるまでに二人がどれだけの回数絶頂したかカウントすらできない。
やがて先に限界が来たのは体格的な問題からやはりラルバであった。
強く抱きしめられていた手からふっと力が抜けてとさりと布団の上に落ちる。
唇を離すとひゅ〜…♡ひゅ〜…♡と細く息をしており限界いっぱいまでエネルギーを使い切ったのが分かる。
こちらも精液がほとんど尽きてしまったようで、ぶぴゅ…と飛沫のようなに飛び出したのを最後にようやく射精が一旦の区切りを迎えた。

11

ラルバはかなり体力を消費しているが…いつものことでもあるし既に頭を擦り付けて親愛を示してきているくらいなので強く抱きしめた体勢のまましばらく余韻を楽しんだ。
最近は余韻を楽しむ余裕があまりなかったのもありラルバも何も言わないが嬉しそうに微笑み、このまま離さないでと瞳で語っている。
射精を終えてもまだ固いペニスも深く突き込まれたままであり、膣もそれが当然だとキツイ中でもどこかやんわりと労うように全体を包んでくれた。
どれ程経ったか…ポンとラルバの手が背中を軽く叩く。
それに応えるように一度だけぎゅっと抱きしめさせてもらってから僅かに身体を離す。
視線を合わせると何も言わずに頷き合い、強く抱きしめ合っていたことで少し強張っていた身体を解しながら惜しみながらゆっくりと時間をかけて身を離す。
その際、ごぽっごぷり…とペニスを抜いた傍から溢れる精液を軽く抑えながら、
「おちんぽ、キレイにしてあげるね…♡」
彼女は躊躇うことなく精液に塗れたペニスへと口を近づけるのだった。

百四十九話

1

ラルバは僅かに身体をふらつかせながらも股座の真ん中に寝転んでチュッと亀頭に口付ける。
そして精液に塗れているが構わず頬擦りしてからぱくりと咥えこんで舌を使って丁寧に掃除していく。
「ちゅぶっ♡んっ、れろ…♡ちゅっ♡」
刺激し過ぎないようにと配慮された優しい舌使い鈴口からカリ首へ、そして裏スジへと順番に舌先が擽ってくれる。
射精を促す目的ではないが事務的な淡々とした作業にはなっておらず、自分を気持ちよくしてくれたペニスへの溢れんばかりの感謝と愛情の籠った真摯な気持ちが伝わってくる。
こちらもそんな甲斐甲斐しい奉仕に感謝しているが…
「んんっ♡あはっ♡もっとおっきくなっちゃった♡」
ギチリと血の滾りに太さを増すペニスにラルバも思わず口を離してクスリと笑う。
太さと硬さだけではなく、角度もより上向き天を突くように勃起してしまう。
精魂尽き果ててもおかしくなさそうな大量射精のすぐ後とは思えぬ状態に感嘆の声が上がる。
「すっごぉい…♡やっぱり素敵ね…♡」

2

キラキラと愛慕の籠った瞳で見つめられて少々恥ずかしい。
自分としてはただラルバの魅力と愛情に身体が反応してしまっただけなのだが…それはそれで自身の魅力でこうなったとあれば喜んでくれるのだけど。
ほぅ…と感嘆のため息をつきながらラルバが再びペニスに頬擦りする。
「お兄さんどうする?やめる気は…うん♡無いよね♡で、お口でする?それとも…」
言葉を続けながら身体を寄せて母乳の滲む双丘でむっちりとペニスを包まれる。
「おっぱい使おっか♡最近出来てなかったよね?それとも母乳に塗れるのは、」
嫌かと問われかけている途中で大歓迎ですと言葉を遮る。
毎日美味しく飲ませてもらっているのもあるが共に子を成した証である母乳を嫌うものかと言い募る。
興奮して母乳の素晴らしさを説いてしまいそうになるが、むぎゅっと亀頭を挟み込まれて言葉を飲み込む。
「んへへぇ♡分かったから大丈夫♡お兄さんおっぱい大好きだもんね♡」
ムニュムニュと刺激を与えられ続けコクコクと頷くしかない。

3

「じゃあおっぱいで気持ちよくしてあげるね♡お兄さんが揉み揉みちゅうちゅうするからまだおっきくなってるみたいなんだ♡」
言われるまでもなく現在進行形で亀頭部分を中心にずりずりと擦られて柔らかな快感が染み入ってくるようだ。
最初は柔らかではあったものの薄く小さな胸であったことを思うと懐かしい気持ちになる。
しかしやんわりと、しかし着実に快感を与えてくれる乳圧に昔に浸る余裕もなく綺麗にしてもらったペニスを早速先走りが汚していく。
ラルバは嬉しそうに舌先で先走りを掬いこくんと嚥下してにんまりと笑みを作る。
「この味にも虜にされちゃったなぁ…♡昔なら絶対好きになるような味じゃなかったのに♡」
色んな意味で身体が変化してしまって以前とはだいぶ違う。
そのことを喜び、もっと変わっていきたいと思ってくれるラルバ。
自分も気づかぬ内に変わっているのだろうとか思い…そもそも人間を止めてることを思い出して苦笑する。
きょとんとするラルバへ君のこと大好きだと再認識しただけだよと言うとまた嬉しそうに胸でむっちりと締め付けられた。

4

心地よい乳圧はより刺激的にずりずりと亀頭を包み込み上下に擦り上げてくれる。
「もっと滑りよくしてあげるね♡」
今でも十分に気持ちよいがラルバは気を抜くことなく次なる手を考えて躊躇いなく実行してくる。
一瞬口をもごもごさせているのが見え、唾液をまぶしてくれるのかと思ったがその動きが止まる。
どうしたのかと思っていたら胸を一度離し…
「せっかくなら使ってみないとね♡」
そう言うと乳輪のあたりをきゅっと摘まみ、母乳をペニスへとかけてくれた。
「ん…ちょっと難しい、かも…」
あらぬ方向へ…お腹や太ももの方へ、もしくはシーツの方へと飛んでいった母乳が徐々にペニスへと集中していく。
己の白濁に塗れて白くなっているのは何度も…何百回と見てきたがこうして母乳によって染められていくのは初めてであったか。
ラルバの体温そのもののミルクを浴びてペニスが喜びに猛っている。
「よし♪できた♡」
全体がある程度ミルク塗れになったところでミルク搾りは終わってしまった…これもまた絶対してもらおう。

5

母乳で滑りをよくした後はラルバのほうが我慢出来ない様子で早速ペニスを挟んできた。
ぎゅう…と育った胸で挟み込まれ、ドキドキと弾む彼女の鼓動が伝わってくる。
そのままぐっぐっと何度か強弱をつけて感覚を掴むと滑りを利用して上下に、または左右を互い違いにしたりしつつ乳房で扱き上げあられる。
たぷんと弾む柔らかな乳房を下から支えるようにたぷたぷと揺らされたり、乳首でカリ首を擦ったりと飽きないように変化をつけながら休むことなく奉仕が続く。
時折潤滑が良すぎて思わぬ動きでペニスが乳房の間で暴れてしまうが、それはお互いにとっても予想だにしない刺激となって襲い掛かってくる。
「ふやぁ♡おちんぽ元気すぎだよぉ…♡んぅ♡」
竿が乳首を強く押しつぶすような形となりラルバが喘ぐ。
意識してしたわけではないが謝りつつ奉仕してくれるラルバの頭を撫でる。
位置的に結構撫でてあげやすいので邪魔にならない程度に撫でているがふにゃりと緩む口元を見るに母親になっても撫でられるのは好きらしい。

6

頭に手を添えられただけでも奉仕に熱が入るのが分かる。
熱い息をお腹に吐き掛けるようにしながらぬちゅぬちゅと擦り上げる速度を上げていく。
パイズリは快感ももちろんだが奉仕されている…愛されている感じがとても強い。
顔を見せてくれるようにとお願いすると、ペニスのほうを気にしつつも上目遣いに見上げてくれる。
その瞳には変わらずハートが浮かんでおり、視線を交わしながら舌先がチロリと鈴口を舐められる。
熱烈な奉仕の合間にペロリと舌が悪戯に動き不意にねっとりと舐ってくるので油断ならない。
尽きる気はしないが現状ほとんど射精してしまったように思われた精子がまたぐつぐつと精製されていく。
この辺は恐らく妖精化の影響もあるのだろうが体力精力絶倫になれたので喜ばしい。
まだラルバに射精してあげられると思うとそれが余計に精液を色濃くしていく。
ラルバも胸で、舌でそれを感じ取り喜びに目を細めている。
そしてそろそろ出そうだと察して全体を擦る大きな動作から敏感な亀頭を中心に重点的に攻めるように動きを変えていく。

7

「もう射精するよね♡飲んでいい?♡それとも顔かどこかにかけたい?♡」
どっちでも大歓迎と笑いながら細かく乳房を震わせて亀頭へと快感を与えていく。
問いかけに一瞬悩むが、限界を察して少し強引に腰を引く。
距離を取ったことでぶっかけ希望だと察したラルバは瞳を閉じて精液を待つ。
口を広げその舌で掌を差し出すようにしているのは少しでも飲み込みたいからだろう。
貪欲に精子を欲するその様に興奮し我慢も出来ずびゅるるっ!と一気に欲望が迸る。
「んぅっ!♡あっ♡ふやぁっ♡」
口に射精してあげようとしたのだが修正する余裕もなくびしゃっ!と額に一射目がかかり、どろりと可憐な顔を穢していく。
次に口に、差し出された舌にどっぷりと濃厚な精液が降りかかり喜びの声があがった直後、敏感な触覚にもたっぷりと白濁が塗されてふにゃふにゃと力が抜けそうになっている。
かけることを意識したためか、その後もどびゅっ、どぴゅるっと何回かに分けてラルバへ向けて射精が続いた。

8

時に瞼へ、時に頬へ髪を穢し唇を染めて胸へと垂れて滲んだ母乳と混じっていく。
「はっ♡はぁ♡あぁ…♡あったかい…♡この香りも好きぃ…♡」
精液が瞳に入らないように目は閉じたまま興奮しきったように熱い吐息をハァハァと吐き出すラルバ。
精液が自身を染め汚していくことを喜び、口に入ったものはそのまま飲み込んでいる。
ぽぅと朱に染まった頬に白い精液が妙に映えて生々しく美しく彩っている。
淫靡な色気を醸し出すラルバは射精が勢いを弱めているのを感じ取り、
「いただきまぁす…♡」
未だに射精を続けていたペニスへと口を近づけてパクリと亀頭を咥えこんだ。
唇で柔々咥えながら敏感な亀頭を舌で包んだ瞬間どびゅるるるっ!と最後にありったけというように精液が迸った。
喉奥に一気に叩きつけられた焼けるように熱い精を受けても一切引かずに受け止めた。
「んっ♡すっごぉい…♡こんなにいっぱぁい…♡」
最後に十分飲む量を注がれてぱっと気色ばみながらゴクリゴクリと飲み込んでいった。

9

自身の母乳と混じった精液を美味しそうに飲み終えてからも暫くもごもごとペニスを咥えこんでいたが、ちゅぷっ…と口から放し…そのまままた頬擦りを始めた。
好いてくれるのは嬉しいがこのままでは精液に汚れて目も空けられないままだと宥めすかしてようやく身体を起こして座ってもらうに至った。
最初は自分で顔を拭こうとしていたラルバだったがぽんぽんと手拭を探して周囲を探っている間に拭かせてもらった。
自分が穢してしまったのだから綺麗にしてあげるのも自分の役目だ。
ラルバも拭いてもらったほうが早いし気持ちいいからと大人しく身を清められた。
一通り頭から胸元まで…ラルバは精液に包まれてる感あるから最低限顔だけでいいと言ったのだがそうもいくまいと拭かせてもらい…綺麗になったことで目をゆっくりと開く。
予想通り蕩け切った瞳の中にハートが乱舞していて視線を交えているだけでまた勃起してくる。
「ふふふぅ♡やっぱりおっぱいだけじゃ満足できないかな?♡」

10

チラチラとペニスと瞳へ視線を行ったり来たりさせながら再び距離を詰めてくるラルバ。
無論ラルバのパイズリやフェラは極上で満足できないなんてことは無いのだが…
「やっぱり…こうだよね♡」
ふわりと飛び上がったかと思うとするりと抱き合う形に収まっているラルバ。
そうくると思って受け入れ態勢だったので難なく対面座位へと至れる形になる。
また愛し合うことを考えると疲れもふっとんで元気が湧いてくる。
身体が離れないように脚と腕でがっちりホールドされて色々と押し付けられる。
特に胸は母乳が身体を濡らして甘い香りもして興奮を掻き立ててくる。
すっかり母乳はエッチなものとして刷り込みされてしまったようだ。
「お尻におちんぽが当たってる♡太くて熱くて火傷しちゃいそうね♡」
ペニスがお腹の中をいっぱいにするのを想像してにへっと笑みを浮かべながらチュッと首筋にキス…そのまま強めに吸い付かれてしっかりキスマークを付けられてしまった。

11

このままでは気のすむまで幾らでもキスマークを付けられてしまいそうで…それでも構わないといえば構わないのだが…こちらとしても収まりがつかないと愚息が訴えてくるので頬を撫でるようにして離れてもらう。
すると今度は嬉しそうに掌に頬擦りするラルバをそのまま撫で続けてしまいそうで困る。
しようか、と声をかけてようやく互いに気持ちを切り替える。
性交は無しで思いっきり健全に甘やかすのもありだなと考えながらお尻を掴みラルバを持ち上げ…
「あっはぁ…♡入ってくる度に硬さが増してる気がする♡やぁ♡あっぁ〜…全部きもちぃ〜…♡」
ぬぷ…んっ♡キツイ入り口を掻き分けた後は抵抗はあれどスムーズに中へと誘われて子宮口が亀頭に持ち上げられるような形でがっちりと性器同士が固定される。
はぁ〜…♡熱い熱い快感と愛情に湯だった頭からほんの少しでも熱を逃がそうとするように吐き出されるため息。
圧倒的な充足感満足感によって自然と吐き出されたそれが互いの身体を擽って余計にムラムラしてしまう。

12

なんとなくそのまま二人動き出せずゆらゆらと揺り籠のように前後にゆるりと揺れていた。
それだけでも胎の奥、腰の奥へと熱いものが込み上げるのだが不思議と安らぎのほうが大きかった。
ラルバも何も言わずに腕に包まれたままゆったりとあやすようにして抱かれていたが…
「すごく落ち着くけど…落ち着き過ぎて寝ちゃいそう…♡」
ずっとこのまま、それこそ眠ってしまいたいけどそれは困ると頭を振る。
ぷるぷると揺れる触覚を目で追いながら、そろそろ動こうかと腕に力を籠める。
ラルバも合わせて軽く身体を揺さぶって応える。
ただ、今の安らかな状態をいきなり崩すのも勿体なく感じたので動きはやはりゆっくりであった。
多少妊娠のためお肉がついてなお軽かったラルバは出産でまた身体が軽くなり、無理なく抱えて動きをサポートできる。
脚でこちらの腰を抱え込みながら器用な力加減で腰を浮かすのを手で支えて一緒に持ち上げる。
腰を下ろす時も勢いがつきすぎないように支えてと、体力の消費が少なくなるように努める。

13

そうしてゆっくりとでも動き始めれば情熱の火が燃え上がるのは時間の問題であった。
ぬちゅ…ぷにゅぅ…膣肉がペニスを咥えこみゾリゾリと肌を擦りながら亀頭を子宮口でチュッと吸い上げる。
「ふっ…♡ぅ〜…♡っしょっと…♡んっぅ♡」
多少でも浮力を得ているのかふよふよと僅かに羽を動かしながら抽挿を続けるラルバ。
こちらも腰を、お尻を支えるに止まらずリズムに合わせて少しでも腰を突き上げて応える。
がっしりとラルバの身体を抱え込んで揺さぶってしまうのが一番楽で早いのだが、今は二人で協力して気持ちよくなろうという空気なので余裕をもって穏やかに楽しんでいる。
「あっ♡…くす♡…幸せだなぁ…♡ぅっ…♡」
ぶるりと大きく羽が震え、なにより膣内がきゅっと締まったことで彼女の絶頂を感じ取る。
手を止めて休ませてあげようかと思ったがラルバ自身が動きを止めないので合わせて手を動かす。
「もう慣れっこだもん…♡」

14

私がイく度に休んでたらお兄さんイけないでしょと笑う。
多少ペースが落ちたがそれもすぐに元に戻る。
「お兄さんにたっぷり愛してもらってぇ…♡いっぱい射精してもらうのが一番嬉しいから、ね…♡」
こうしてゆったりと快感を高めていけばいっぱい溜まって射精できるでしょう?と期待の眼差し。
そんな瞳に晒されたら興奮して今すぐにでも射精しそうだが…そんな思いを察してか、
「射精したいなら我慢しなくていいよ♡」
クスクス笑いながら腰をぐりぐりと押し付けられて本当に射精しそうになる。
もう少しだけ我慢するよと何とか言うとやっと腰が元の動きに戻る。
無理はしなくていいからね♡なんて言いながら今の腰の動きで軽イキしているラルバに苦笑する。
ぽんぽんと背を叩き、そうはかからないからと再度言うと、うん♡と頷いてくれた。
そこからより熱の入る膣奉仕にきゅっきゅと膣が締まり、柔らかい肉のヤスリに削られるようにして竿が、カリ首が歓喜の悲鳴を上げる。

15

脈動する膣肉は精液を搾り上げるために、何より気持ちよくなってもらうためにとぎゅうっと愛しい人のペニスを抱擁する。
なんとなく普段ラルバが自分に抱き着いて擦りついてくる様とダブって感じて、強い快感に腰が浮きそうになりながらもほんわかと和んでしまう。
貪欲にペニスを求めてくれるが本質的には甘えてきてくれているのだと思えば可愛さが際立つ。
愛しさが爆発的に高まってラルバをぎゅっと抱きしめる。
ラルバももう以心伝心どういう気持ちかはほとんど察してくれるので膣だけでなく全身を押し付けるようにして甘えてくれる。
「ふふぅ♡私もだけど、お兄さんも甘えん坊なんだから♡」
確かにラルバの包容力の前ではそれも否定できないと肯定しこちらからもより触れる範囲を多くするべくべったりと甘えにいく。
ん〜♡と嬉しそうな声をあげて優しく力強く全てを肯定するように受け止められて、ぐぐぐっと一気に射精感が高まる。

16

ラルバは敏感に射精が近いのを感じとり、抱き合ったまま小さく腰を振るってくれる。
身体を抱く腕に少し力が入るがそれが嬉しいのだというようにねっとりと膣が熱く絡みついてくる。
腰が、その奥が痺れたように思うように動けぬまま献身的な奉仕を受けて…
「好きなタイミングで…ね♡」
ポソリと囁かれた小さな声、ふぅ♡と吹きかけられた吐息にぞくりと芯まで快感が奔り、達する。
どくんっ!どくんっ!小さな子宮をまたいっぱいにするように次々と注ぎ込まれる精液。
回数を重ねるたびにより色濃く粘着くように濃厚になっていっているような気さえする薄くなる気配すら感じさせない精の塊がどびゅっ!と更に子宮口に送り込まれる。
射精を受けると流石にラルバも感覚が通じ合っている故か強烈な快感に深く深く絶頂して身体を預けてくれる。
成すがまま奉仕されていた代わりというわけではないが、ラルバの身体を支えてやりながら尚も精液を放っていく。

17

子宮に収まらない余剰分が結合部からどぶりと溢れる。
寝屋は濃厚な精の匂いと汗や愛液などのフェロモンに加えて母乳の甘い香りも混ざり合いむせかえるようであった。
今までの情事により深くまで染み入っている痕跡も浮かび上がってくるようでこの一年を思い起こさせる。
この一年でラルバに出会うまでの人生の何百倍も色濃い日々を送れたと思う。
全ては彼女が齎してくれたもので、もうなくてはならないものでもある。
今胸の内で幸せに打ち震えてくれている愛しい伴侶へと何度目かしれぬ愛の言葉を囁く。
「…♡ずっと一緒だからね♡」
背に添えられた指がさっと、すき♡と文字を書くのを感じた。
お返しとばかりに額に口付けをすると、またふにゃっと顔を綻ばせる。
ポロリと零れた嬉し涙を掬ってあげていると、自分も同じように泣いているのに気が付く。
ラルバもそれに気づき…二人してくすくすと笑い合い、互いの間に確かにある愛情を感じながら口付けをするのだった。

18

―――翌朝…
対面座位の後はそのまま繋がった状態でこの一年を振り返ってしみじみと話に花を咲かせた。
快感がずっと深い所にまで染み渡り満足感に包まれていたので積極的に求め合うこともなく緩やかに眠りへと向けて進んだのであった。
眠りにつくまでの短い時間での触合い話し合いにも得難い幸福感に満ち溢れ、互いに相手の深い深い愛情に包まれていることを再確認出来た非常に有意義な時間と言えただろう。
続く眠りにしても互いの温もりに身も心も温かな安らぎに満ちたものであった。
なので目覚めも穏やかに迎えられた…薄っすらと明けた瞼の先には当然ながらラルバの顔がある。
「おはよう♡…で、これだけど…♡」
彼女の手には花束へ仕込んだ恋文…無論ラルバ宛…その端が大切そうに握られている。
ちょっとしたサプライズのつもりだったのだがもう見つかってしまったようだ。
「私から二品だったのに特に何にもリアクションなかったから何かあるかな〜…って思って♡」

19

確かに自分から差し出す物が少なければ多少慌てたかもしれない…よく見てらっしゃる。
流石に目の前で朗読会は勘弁してほしいなと思ったがすっと手を引いてもらえた。
「ん〜…ほんとは読んでみてほしい気持ちもあるけど…当日に見つけられなかったし我慢してあげるっ…っとぉ?♡」
気を使わせるのも悪いというか、あんまりにも可愛かったので抱きしめて恋文の中身と同様のことを囁きかけた。
端的に、愛しているよとだけだったが、万感の想いは籠めてあるので彼女なら十分察してくれる。
「♡…♡…ふふっ♡ん…♡」
軽く口付けをしてから…そのまま暫く行為の余韻に浸ってから、朝の支度に動き始める。
仲良く朝風呂に入ってもう一回愛し合うのもいいかなと思っていたが朝も早い内から誰か来ているようだ。
なんとなく気配で娘だと察して…慌てて身体を最低限清めて様子を見に行くと…
「わぁ…♡」
ぱっと空に綺麗な弾幕が舞い踊った。
少々不格好なところもあったが、それでも自分達にはいかなる佳景美景に勝る美しさに感じられた。

20

数分間の短い時間であったが空を彩った弾幕と当人の慣れないちょっとテンポのズレた舞に見入っていた。
やがてゆっくりと降りて来た娘を迎えて口々に褒めてあげ…里の中であんまりああいうことはしちゃダメと軽く注意はさせてもらったがご近所には話を通してあるというので感心する…それでこれはどうかしたのかと問うてみると両親の記念日に何かしてあげたかったそうな。
当日は二人で楽しむだろうからとあえて翌日を選ぶあたりよく考えている。
ラルバは娘の気持ちが余程嬉しかったのか涙ぐみながら抱きしめて感謝している。
自分も純粋に嬉しいので存分に頭を撫でて感謝の気持ちを伝えた。
それを受けて娘も張り切って来年もするからと言っていたが、ひょっとしてこれは毎年人数が増えていく感じだろうか…
若干の不安と大きな期待に胸膨らませて、楽しみにしていると夫婦で声をそろえる。
来年…またその先もこうして家族で仲良く暮らせていることを祈りながら娘も家に招き朝食の準備を始めるのだった。

百五十話

1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
いつかの遠い日に。
人間の里から少し離れた地点、空の太陽を見上げて現在の時間を計る。
そろそろ頃合いだろうかと悩んでいると妹達がまだかまだかと急かしてくる。
特に去年産まれた末っ子が早くお家に行こうよと手を引いてくるので号令を出す。
皆へ向けて家に向かうよと言うと、木や草場の陰にいた皆が一斉に空に舞い上がる。
空一面を覆いそうな数、皆血を分けた可愛い同胞なのだけどこの数は圧倒される。
長子の私を慕ってくれる可愛い子達だけど妖精だから割と自由だ。
お父さんが最低限のことは教えてくれているから完全に野良の子よりはだいぶ楽なんだろうけど…
普段ならあんまり気にしないけど今日は大切な日だから少し緊張する。
まあ皆も大切な日だとしっかり分かってくれているから心配し過ぎなんだけど。
きっとこうして気苦労しちゃうのはお父さんに似たんだと思う。
もしくはいつも私達のことを心配してくれているのを見てうつったのかな?
そんなことを考えながら人里の上空へと移動して行った。

2

沢山の妖精が人里へなだれ込んだりしたら普通なら異変扱いされるだろう。
でも毎年のことなので里の人も、もうそんな時期かと思うくらいだ。
大通りを見れば仲睦まじい恋人や夫婦の姿がよく見られる。
手を振ってくれる人に振り返したりしている内に家から少し離れた地点にたどり着く。
練習通りに同胞が位置を整えていると家の縁側に両親が顔を出す。
少し距離があるけど微笑んでいるように見える。
でもお母さんは純粋に喜んでくれているけどお父さんは少しだけ恥ずかしそうな顔をして大きなお腹を抱えたお母さん隣で支えている。
結婚してもうどれだけ経つか分からないくらいなのに見てて恥ずかしくなるくらい仲良しだ。
お母さんが手を振るのを見て私の隣にいるもうすぐ末っ子を卒業する妹が気合を入れている。
長子の私とその年一番の末っ子が真ん中で他の子は指定の位置に収まる。
ドキドキするけどいつまでもこうしてはいられない。
光弾をぽんっと軽く打ち上げて合図を出す。
そうして始まった妖精達の祝福のダンス。

3

皆で集まって大きな蝶を模した形で家の周りと言わず里の上にも飛び回る。
両親の結婚記念日を祝おうと私が始めた蝶の舞。
昔の私は妖精だから独り立ちは出来るけど産まれたばかりで何も持っていなかった。
だから自分に出来る精一杯のこととしてダンスを披露したら両親に凄く喜んでもらえた。
それが嬉しくて、来年もその次もずっとする!なんて言ったのでこんな状況だ。
家族が増えて規模が大きくなってきた時にはもう里でもイベントとして認識されていた。
両親の結婚記念日を祝っていると言ったら家族を大切にするお祭りになってしまった。
一年に一回くらいはそういう日があってもいいとは思う。
両親は年に一度と言わず毎日ずっと愛し合っているし私達を心配してくれているのだけど。
ダンスは段階を経て次々に様相を変えて、何組かに分かれて里の上を飛び回ったりする。
皆で相談して今年はこういうことしたい、なんて意見を取り入れているので毎年飽きないと評判だ。
鱗粉や光弾も出すのもありなかなか派手なのだ。

4

里中に広まっていた皆が集まってきて最後に大きなハートを作って締める。
一面からしかハートに見えないけど元々両親のためのダンスだから構わない。
見たい者は勝手に実家の後ろのほうに陣取って見物しているので問題はない。
両親が二人で手を振ってくれている。
飛び出そうとするお母さんをお父さんが宥めているようなので予め決めておいたメンバーで実家に向かう。
人数が多すぎるから全員で向かうと家に収まらないしご近所迷惑なのだ。
お父さんは真剣に増築も考えているけど基本皆里の外で暮らしているから今は構想だけだ。
ふわりと縁側の前に降り立つのをお母さんが一人一人抱きしめて褒めてくれた。
お父さんもしっかり一人ずつ頭を撫でて労ってくれる。
幾つになってもこうして両親と触れ合うのが嬉しいのは妖精だからなのかしら?
遠くにいる他の子にも改めて手を振るとなりで小さな光弾を出して解散の合図を送る。
皆本当は家に寄りたいけどこればっかりは仕方ない。
長子だから毎年来ているのが心苦しいけど皆からお姉ちゃんはいいのと言ってもらえているので助かっている。

5

こういう気持ちはお父さんがよく分かってくれてるからまた相談しようかな。
お母さんはちょっと大らかなとこあるからね。
そのお母さんのお腹を撫でながら次の子はいつ産まれるのかと末の妹が聞いている。
八意先生のお話だとそろそろだったような気がするけど…お母さんももうすぐだと答えている。
楽しみだと笑いあう母と末の妹を囲って皆で近況などをお父さんに報告。
とりあえず自分の話を終わらせて別の妹に場所を譲ってお母さんのほうへ。
お腹を撫でさせてもらいながら、そういえば結婚記念日に産まれた子っていないな…なんて思ったのが悪かったのかしら?
お母さんが急に陣痛で苦しみだしてもう皆大慌て。
私含め何人かが出産を手伝ったことがあったので急いで出産の準備にとりかかった。
時期も近いからとお父さんがばっちり支度は済ませていてくれたから慌てずに対応出来た。
一人は八意先生の下に飛んでもらい、他の出産の立ち合い未経験の子は特に心配してる末の妹の相手を任せて別室で待機。

6

お母さんは体質なのか妖精だからか基本安産だ…知る限り難産だったと聞いたことはない。
それもあってか既に熟練の助産師と化しているお父さんが的確に対処して何事も無く出産は無事成功。
別室で待ってた子達がお母さんと新たな末っ子のお世話をかって出たのでお任せしてお父さんのほうをケアする。
もうすっかり慣れたはずなのに万一を考えてすっごく緊張と心配してるんだもん。
何人目でも嬉しいのは変わらないのかボロボロ泣いてるのを手の空いてる子達で囲って、お父さん頑張った凄くかっこよかったと褒めまくって癒す。
心配させてすまないと謝られるけど、こういうお父さんだから皆尊敬してるし大好きなんだ。
お母さんもくったりしてるけど元気そうだし赤ちゃんも当然元気いっぱいだ。
その後は駆けつけてくれた八意先生と鈴仙ちゃんにお任せして何人か残して一旦解散。
いつもなら全員外の家に戻るけど今日は色々産後のお手伝いしていきたいので隣の部屋で待機。
私の時みたいに…というか毎度のことのようにまた子作りするんだろうし末っ子はお姉ちゃんが相手をしておこう…授乳以外は。

7

私含め皆まだお相手見つかってないから代わりに授乳するのは無理なのよね。
妖精は普通結婚出産なんてしないんだから当然といえば当然なんだけど。
それだけに両親の関係性がちょっと羨ましい時もある。
私もお父さんに甘えることは出来るけどお母さんと同じようにというわけにもいかない。
こういう節目の時はなんとなく、私にも誰か良い人出来ないかな…なんて思ってしまうのだ。
他の子達も同じように思ってる子は多いから、これはお父さんから受け継いだ人間要素なのかしら?
あなたも将来苦労するかもね、なんて思いながら隣の部屋で診察されているであろう妹を想う。
妖精として奔放に生きられればいいのだけどそうすると絶対両親に迷惑がかかる。
両親のためにイメージアップ戦略で里の外で人間を結構助けたおかげで多少何かあっても目を瞑ってもらえるようになったけど外では何かあれば蝶の妖精を頼ればいいなんて定説が出来ちゃって少し面倒。
皆遊びや暇つぶし感覚で案内や護衛してるだけなんだけどな…
まあ良くしてくれたご近所さんの家の子は頼まれなくても全力で助けるけどね。

8

とりてめもなくぼーっとそんなことを考えていると鈴仙ちゃんがやってきた。
診察の結果何も問題は無いから後は私に任せて先生と一緒に帰るというのでお見送りして両親から妹を預かる。
産まれたばかりの子と一緒にいたい気持ちも大きいのは分かるけどやる事を先に終わらせたほうがいいでしょ。
お互い何かあれば呼ぶという事で私達居残り組は末の妹を抱えて寝屋から離れる。
両親共複雑な表情をしてたけどお互い意識しまくってるのがバレバレだからさっさと終わらせちゃってほしい。
末の子をまたお腹にこさえてから存分に今の末の子を可愛がればいい。
出来ればついでに気を使いまくってる長子も可愛がってくれてもいいのだけども。
親の喘ぎ声なんか聞こうものなら気まず過ぎるけど色々あって…うん、色々あって防音はしっかり対策しているので大丈夫だ。
数時間の我慢だと皆で妹を見守りながらぽそぽそと近況などを話し合うけど結局私も良い人ほしいなって話になってしまう。
お母さんみたいに上手くはいかないのは分かるんだけどね。

9

人間止めて妖精と一生添い遂げようなんて人はそうそういない。
人間同士でさえ十年二十年の間で熱が冷めてしまうことがあるのに未だに良好過ぎる関係を築いているお父さんが特殊枠過ぎる。
お母さん達喧嘩したことあるのかなぁ?と誰かだ言っても割と年長組が多いのに誰もあの時に云々と例を出せない。
いつどこでイチャイチャしてたという話なら年少組でも幾らでも出せるのにね。
そんな両親が皆大好きなのだけど…切り替えて近況報告会に戻す。
話す内に皆落ち着きを取り戻し最近どこで誰を助けただの何が美味しかっただの軽めの話題で場が明るくなる。
末の子も明るい雰囲気にむにゃむにゃしながら微かに笑ったように見える。
大変なこともあるけど楽しいことも沢山あるから一緒に楽しくに生きていこうね。
少々知恵はついているものの生来お気楽な気性なおかげでまったり時間を過ごしていたら一仕事終えたのかお父さんがやってきた。
もうそんなに経ったかと思いながらも特に何も聞かずにこちらは何もなかったよと伝えておく。

10

お父さんはありがとうとお礼を言うと末っ子…元末っ子になってるんだろうな…に歩み寄り、そろそろ授乳の時間だろうからとお母さんの下へ抱えていくのを皆でついて行く。
お母さんは産後とは思えない艶々した良い笑顔で私達を迎え入れて、ちょうどよく目を覚ました妹に嬉しそうにおっぱいをあげることに。
皆あのおっぱいで育ったのだと思うと感慨深いというかちょっと恥ずかしいかも?
久し振りに飲んでみる?なんて言われて遠慮はしたけど内心迷ったのは秘密だ。
誤魔化すように、お母さんあと何人産むの?なんて聞いてみたけど、産めるだけ産みたいな♡とお父さんに色っぽい視線を向けるので呆れ半分尊敬半分なため息を吐く。
お父さんも恥ずかしいなら頑張るよ、とか言わなくていいんだよ?
まだまだ愛冷めやらぬ両親の様子に皆どこか安心してクスクスと笑いだす。
たぶん大変なことも多いんだろうけど…どうやらまだまだ家族は増える予定のようだ。 めでたしめでたし

編集にはIDが必要です