東方元ネタwiki 2nd - 玉造魅須丸
(たまつくり みすまる/Tamatsukuri Misumaru)

玉造魅須丸

名前

  • 玉造(たまつくり)
    • 玉造部、玉作部(たまつくりべ)
      • 勾玉(まがたま)などの玉(ぎょく)類を制作した古代の「職業部(しょくぎょうべ)」の一つ。
        職業部は古代のヤマト政権・王権時代の「部民(べみん、ぶみん)」*1の一つで、国家の維持に必要な技能・技術を持った民の集団で官有民とされた。*2
        勾玉などの玉類は国家祭祀に必須であることから、その生産技術を持った民は大切に遇されたと考えられる。
      • 玉造部は、玉の生産地(材料となる原石の産地)となる全国各地*3に分布していたことが古代の文献で確認できる。
      • 玉造部を中央で統括する氏族は「玉祖連(たまのおやのむらじ)」(玉作連(たまつくりのむらじ)とも呼ばれていた)で、日本神話における玉祖命(たまのおやのみこと)を祖とする。
        (玉祖命については種族の項を参照)
        「連(むらじ)」とは、それぞれの職業部を内部で統括する者に与えられた姓(かばね)の一つでその最上位のもの。*4
私が造った陰陽玉を そこまで使いこなせているとは
玉造部 冥利に尽きます
東方虹龍洞 STAGE4 伊弉諾物質 Mine of Izanagi Object 博麗霊夢ストーリー 玉造魅須丸のセリフより引用)
  • 魅須丸(ミスマル)
    • みすまる(美須麻流、御統)
      • 古代日本の装身具で、勾玉や菅玉を緒に貫いて(紐に通して)輪とし、首や腕に巻いて飾りとしたもの。現代における「真珠のネックレス」の形状をイメージすると理解しやすい。
        語源は、緒を通してまとめた様子を「すまる」とし、それに尊敬語の「御(み)」をつけた言葉が「みすまる」。
    • 「八尺勾璁(やさかのまがたま)の五百津(いほつ)のみすまるの珠」
      • 『古事記』に登場するアイテムの名称。
      • 現代語に直訳すると「大きな勾玉をたくさん紐に通してまとめた飾り」。
        八尺(やさか):尺は長さの単位だが、八尺は具体的な長さではなく単に「大きい」ことを意味する。
        五百津(いほつ):「津(つ)」は数を数えるときの「一つ(ひとつ)」「五つ(いつつ)」「九つ(ここのつ)」等の「つ」で、五百津は500個のこと。ただし、ここでは具体的な個数ではなく単に「たくさん」を意味する。


備考
  • 「八尺勾璁(やさかのまがたま)の五百津(いほつ)のみすまるの珠」について
    • 『古事記』には、同名のアイテムが2種類登場する。
  1. イザナギから海を治めるよう言われたがスサノオは駄々をこねて治めようとしなかった。
    イザナギの怒りを買ったスサノオは国を追放されてしまい、そのまま旅に出ることにした。
    スサノオは旅立つ前に姉のアマテラスに挨拶しようと考え、姉の住む高天原(たかあまはら)に向かった。
    スサノオが高天原に向かってくることを知ったアマテラスは、スサノオが高天原を奪いに来たと誤解し、臨戦態勢をとるため髪を解いて男性型の髪型(かづら)にまとめたうえで、様々なアイテムを装備してスサノオを待ち受けた。
    この時、装備したアイテムの一つが「八尺勾璁の五百津のみすまるの珠」で、「左右にまとめた髪それぞれ」と「両手それぞれ」に巻き付けたと記述されている。
  2. アマテラスが天の岩戸にこもった際、思金神(おもいかねのかみ)(参照:八意永琳)の指示で玉祖命(たまのおやのみこと)は「八尺勾璁の五百津のみすまるの珠」を作成した。
    このアイテムはアマテラスを岩の外に出す作戦で使用される。
    また、のちの天孫降臨の際にも再登場し、アマテラスからニニギノミコト(天皇家の祖先)に授けられた。
    これが『三種の神器』のひとつ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」となる。(関連:国符_三種の神器)
    • 2は1より後の出来事のため、1のアイテムと2のアイテムは時系列から別の物と考えられる。
  • 地名としての玉造・玉作
    • 大阪府大阪市中央区「玉造」、島根県松江市玉湯町「玉造」にある「玉造」温泉・「玉作」湯神社、千葉県成田市「玉造」など、各地に名が残っている。
      多くは上記の玉造部が由来であり、勾玉をシンボルにしている事も多い。

二つ名

  • 本物の勾玉制作職人
ここは、龍珠の採掘場です
(中略)
私はこの龍珠から本物の勾玉を
造っているのです
(STAGE4 伊弉諾物質 Mine of Izanagi Object 十六夜咲夜ストーリー 玉造魅須丸のセリフより引用)

能力

勾玉を作る程度の能力
  • 勾玉(まがたま)
    • 古代日本において祭祀や装飾品として用いられたとされる道具。
    • 独特な形状をしており、Cの字形に歪曲し片側が太くもう片側が細くなっている。
      太いほうに穴をあけ紐を通し装飾品とした。
      語源はその形状から来た「曲がった玉」から。
    • 起源の詳細は不明だが、玉(ぎょく)を勾玉の形状への加工は日本独自と言える。
    • 勾玉は縄文時代前期〜飛鳥時代ごろまで生産されていたとされる。
      縄文時代前期の遺跡(山梨県)から発掘されたものが最古とされ、弥生時代の遺跡や古墳時代の古墳からも出土されている。
      幅広い素材のものが確認されているが、全体として翡翠(ひすい)製のものが一番重宝されていたとされる。
      新潟県糸魚川産の翡翠(関連:源符「厭い川の翡翠」)を使用した勾玉が沖縄や朝鮮半島など遠方の遺跡から出土しており、『魏志倭人伝』にも卑弥呼が魏に翡翠の勾玉を贈った記録があることから、交易品や国家間の贈答品としても使用されていたと考えられている。
  • 博麗霊夢の使用する「陰陽玉」は玉造魅須丸が作成した。(名前の項の引用を参照)
    • 陰陽玉のデザインは陰陽を図で表した太極図の一種で、これを日本では「陰陽勾玉巴」(いんようまがたまともえ)と呼んでいる。*5
      • 陰と陽(黒と白)が穴も含めて(日本人の目には)勾玉の形状に見える。*6
      • 東方における陰陽玉は勾玉で作られている?

種族

神様
  • 玉祖命(たまのおやのみこと)
    • 天津神の一柱。『古事記』では玉祖命、『日本書紀』では玉屋命(たまのやのみこと)と表記される。豊玉者(とよたまのみこと)という別名もある。
    • 天照大神(アマテラスオオミカミ)が天の岩戸にこもった際、思金神(オモイカネノカミ)(参照:八意永琳)の指示で八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)を作成し、天照大神を岩の外に出す作戦に貢献した。
      八尺瓊勾玉は三種の神器の一つ。(関連:国符_三種の神器)
思金神(おもひかねのかみ)は思はしめて
(中略)
玉祖命に科(おほ)せて八尺勾璁(やさかのまがたま)の五百津(いほつ)のみすまるの珠を作らしめて
(『古事記』より 天の岩戸の場面から引用)
    • 天孫降臨の際、玉祖命はニニギノミコトに付き従い葦原中国(地上)に降り立った。
      玉祖連(たまのおやのむらじ)はその子孫となる。
    • ちなみに名前は似ているが、国津神の一柱である豊玉姫(トヨタマヒメ)(参照:綿月豊姫)とは全く別の神で関連性はほとんどない。

見た目

スペルカード

テーマ曲

登場

備考


参考