もともと、この鞭毛神は、インテリジェントデザイン理論家Dr. Michael Beheの主張は「鞭毛は進化論では説明できないので、デザインだ」という理由で召喚したものである。
しかし、Matzke[
2003 ]などで、「進化論では説明できないので」の部分がこけてしまった。「鞭毛の進化」という自然現象の説明のために鞭毛神を召喚する必要性は失われている。
では、「細菌の鞭毛をデザインして、地球に配備した」鞭毛神の不在は証明されるのかと言えば、そうではない。
- Matzke[ 2003 ]の進化経路で鞭毛は進化していた
- しかし、進化が鞭毛にたどり着く直前に、先回りして鞭毛神が、鞭毛つき細菌を地球に配備した。
と主張されてしまうと、科学では覆せなくなる。
たとえ、鞭毛が進化可能であることを、DNAをデザインして、突然変異過程を再現することで、実験的に示せたとしても、全然この鞭毛神の存在を否定できない。
「先回りして配備した」という主張を否定したことにならないからだ。