創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

インテリジェントデザイン概説

とりあえずインテリジェントデザイン

米国憲法の政教分離原則に阻まれるたびに、姿を変え続ける創造論(運動)(NCSE)
  • 「進化論教育を禁止する」運動 (1922-1968)
  • 「進化論とともに創造科学も教えることを義務づける」運動(1969-1987)
  • 「インテリジェントデザインも教えることを義務付ける・教えることを可能にする」運動(1987-2005)
  • 「進化論に反する何かを教えてもよいことにする」運動(2005-)
その過程で、1987年に製造され、今も残っているのが「インテリジェントデザイン」

インテリジェントデザイン理論

インテリジェントデザインの基本用語「還元不可能な複雑さ (Irreducible Complexity)」「指定された複雑さ(Specified Complexiy / Complex Specified Information)」「デザインの検出」について:
あやしげな数学を振り回すDembskiだが、Beheによれば、あまり数学を語ることはマーケティング上、あまり良くないようである。

一方で、地球の年齢に言及できないことにより、進化論に対抗するような理論体系を原理的に創れなくなっているインテリジェントデザイン。生命の歴史の話なのに、時系列を言えないのでは、何も語れない。 ただ、次第に、「地球も宇宙も6000歳」だという「若い地球の創造論」から離れはじめているようである。


それなりにネタは作られているが、学校で教えるような内容はないというのが実情:
インテリジェントデザインの仲間内の論文誌すら投稿不足なのか維持できなかったので、まあ中味がないのも致し方ない。
所詮は手段でしかないと考える者もいる:
インテリジェントデザインと創造論はCommon Descent

若い地球の創造論及び古い地球の創造論との互換性をとりつつ、公立学校理科の授業への侵入のために創造論とは別だという建前を掲げる。しかし、その実態は創造科学(若い地球の創造論)の後継者。インテリジェントデザインの最も特徴的な主張と思われている「還元不可能な複雑さ」も、同様のネタが創造科学にあった。

「進化」を再定義するインテリジェントデザイン

進化と言う言葉を再定義し、進化を否定するわけではないと主張するインテリジェントデザイン。

科学の定義にまつわること

科学の原則「超自然に言及しない」を否定して、神への言及を科学に含めようとするインテリジェントデザイン:
しかし、超自然を持ち出すと、「God did it」という原理的に反証不可能な主張を行うことになる。
「デザイン」「還元不可能に複雑な器官」などと主張したものに進化経路が見つかると、「進化できるように情報を仕込んだ」というフロントローディングに移行するインテリジェントデザイン。それを際限なく追及していくと、有神論的進化論と同じになってしまう。
インテリジェントデザインを科学だと言うためには、占星術も科学にするような基準を用いるしかないとMichael Beheは認める。
ホメオパシーと占星術と創造論は、科学にすべきものだと主張するSTS学者もいる。
これに関連して、サウスダコタの地球温暖化否定州議会決議案にも「占星術」が登場した。

神学としてのインテリジェントデザイン
インテリジェントデザイン文献レビュー
インテリジェントデザインでないもの

「インテリジェントデザイン」を知らずに、自分定義の「インテリジェントデザイン」を語る人がいる。それらは、Discovery Instituteのインテリジェントデザインや若い地球の創造論とは別物。

これはインテリジェントデザイン運動側の都合でそうなっている面もある。
Furthermore, people don’t know enough about ID to realize what it stands for. When most people think about intelligent design, they assume it’s something closer to theistic evolution (evolution directed by God). Few people realize that ID is the complete antithesis to evolution and suggests that animals just suddenly appeared on Earth after being made by the “intelligent designer.” I’m certain ID advocates know this, which is why they remain vague with the public when it comes to explaining ID.

さらに、人々はインテリジェントデザインが何を言っているのか理解できるほどには、インテリジェントデザイン十分に知らない。大半の人々がインテリジェントデザインについて考えるとき、(神に方向付けられた)有進化論的進化論のようなものだと仮定する。インテリジェントデザインが完全に進化論に反対で、動物がインテリジェントデザイナーによって創られた後、突如として地球上に出現することを示唆していることを、ほとんどの人々は知らない。インテリジェントデザイン支持者たちはそのことをわかっているからこそ、インテリジェントデザインを説明するとき、あいまいなままにしておく。

[ Lord J-Bar:"Intelligent Design Is Actually Quite Clever (from a PR Standpoint) " (2007/01/17) on Lord J-Bar For Democracy, Not Theocracy ]


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