後書き
我々が正しい方法で瞑想を行っていると、やがて何もないはずの空間に、鮮やかな光の輝きが見えてくるということを、昔から多くの神秘家たちがいってきた。
インドのヨーガでは、この光をチャクラと呼んだ。中国の仙道では「丹光」と名付けた。西洋の魔術やオカルトでは、アストラルライトなどといっている。名称はさまざまだが、それらが指し示しているものは、いずれも同一のものである。
この光は目を閉じて瞑想している時に見えるため、よく内的光(インナーライト)と呼ばれる。しかし、それだけのものではない。行が進むにつれ、やがては目を開けた状態でも、現実の空間に鮮やかな光として見えるようになる。
さらこれをコントロールしていけば、その人の意識のままに、文字、図形、人物、風景とさまざまな形をとり、玄妙不可思議な光景を現してくれるのだ。もちろん、その人に力がついてくれば、自分が見えるだけでなく、他人にもそのありさまを見せることさえできる。
本書では、著者の考案したスーパービジョンのさまざまなテクニックを紹介した。その広がりは、オーラ、チャクラの開発を始めとして、ありとあらゆる応用を含み、さらには既成の呪術の最高奥義まで網羅している。
ただし、断っておくが、これでスーパービジョンの全貌を紹介し終えたわけではない。これは、さらに奥へ奥へと連なっている。その世界は、おそらく極まりないといってもいいだろう。なぜなら、スーパービジョンは、人の持つ意識という広大な領域と密接に結びついているからである。
つまり、各人の持つ意識によって、無数のスーパービジョンの応用が出現してくる可能性があるのだ。著者の紹介した方法など、それから見れば大海の一滴に過ぎない。
著者の体験からいって、幻術、呪術というものは、意識のスーパービジョンの点滅(出現と消滅)を使えば、誰にでもやれると思っている。なぜなら、そのところまでトレーニングしていくと、意識とこの現実の世界が、ひとつにつながった空間になってしまうという事実があるからだ。その人の見ている個人的な世界(主観的世界)と現実の空間が、スーパービジョンを行っていると、完全に重なってしまう(というより区別がなくなる)ことがよくわかるのである。
幻術師や呪術師がつくりだしてきた謎めいた空間とは、どうやらそうしたものらしい。彼らは自分自身が見ている意識空間に、他人をも巻き込んでしまうのである。
なお、本書は著者の前著である『秘法!超能力仙道入門』『驚異の超人気功法』『秘術!超能力気功法奥義』などの仙道・気功法シリーズのさらに上の段階を目指す人を対象にして書いたものである。その程度は、著者の体系中、最高奥義に属する(この上にもうひとつあるのだが、いまのところ書けない)。
読者の修行に成果のあることを祈りつつ、筆を置きたい。