◆単独株主権(1株以上)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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株主総会・種類株主総会の議決権 | 308条1項、325条 | |
株主総会・種類株主総会の議案提案権 | 304条、325条 | |
説明請求権 | 314条、325条 | |
累積投票請求権 | 342条 | |
株主総会・種類株主総会等の決議の取消訴権 | 831条 | |
株式発行等差止請求権 | 210条 | |
新株予約権発行差止請求権 | 247条 | |
株式発行・自己株式処分・新株予約権発行の無効訴権 | 828条1項2号〜4号・2項 | |
設立・資本金額減少・組織変更・合併・会社分割・株式交換または株式移転の無効訴権 | 828条1項1号・5号〜12号・2項 | |
代表訴訟提起権 | 847条 | |
取締役の違法行為の差止請求権 | 360条 | |
特別清算申立権 | 511条1項 | |
取締役会の招集請求権 | 367条 | |
定款の閲覧等請求権 | 31条2項・3項 | |
株主名簿の閲覧等請求権 | 125条2項〜5項 | ※1 |
株主総会議事録の閲覧等請求権 | 318条4項・5項 | |
取締役会議事録の閲覧等請求権 | 371条2項〜5項 | ※2 |
計算書類の閲覧等請求権 | 442条3項・4項 | |
吸収合併契約等に関する書面等の閲覧等請求権 | 782条3項、794条3項 | |
新設合併契約等に関する書面等の閲覧等請求権 | 803条3項、815条4項 | |
※1 請求者は、請求の理由を明らかにしなければならない。会社は、一定の場合には請求を拒むことができる。
※2 監査役設置会社は、裁判所の許可を得る必要がある。なお、監査役の監査の範囲を会計監査に限定する旨の定款の定めがある会社は、監査役設置会社に該当しないので(会2九)、裁判所の許可を得る必要はない。
◆少数株主権(総株主の議決権の1%以上又は300個以上の議決権)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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株主総会および種類株主総会の議題提案権、議案の要領の通知請求権 | 303条、305条、325条 | |
◆少数株主権(総株主の議決権の1%以上又は300個以上の議決権)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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総会検査役選任請求権 | 306条、325条 | ※3 |
※3 不適法として却下される場合を除き、必ず選任される。株主総会の招集手続や決議の方法が適当であるかを総会検査役(弁護士)が調査する。適正な総会運営のために少数株主から請求されることが多い。
◆少数株主権(総株主の議決権の3%以上)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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株主総会および種類株主総会の招集請求権 | 297条、325条 | |
役員等の責任免除に対する異議申述権 | 426条5項 | |
◆少数株主権(総株主の議決権の3%以上又は発行済株式(自己株式除く)の3%以上)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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業務執行に関する検査役選任請求権 | 358条 | ※4 |
会計帳簿の閲覧等請求権 | 433条 | ※5 |
役員解任請求権、清算人解任請求権 | 854条、479条2項・3項 | ※6 |
※4 権利濫用を理由に、申立てが却下されるケースも少なくない。検査役が選任されることは少ない。
※5 会計帳簿等=元帳、仕訳日記帳、伝票、受領書、契約書、信書など。請求者は、請求の理由を明らかにしなければならない。会社は、一定の場合には請求を拒むことができる。
※6 役員解任議案が否決された株主総会の日から30日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。実際は、有効な手段ではない。判決が確定するまで1年以上かかり、会社又は役員が上訴する限り、解任の効力は発生しない。当該訴えと同時に、役員の職務執行停止と職務代行者を選任する仮処分を申請する場合もあるが、仮処分の発令率は相当低い。
◆少数株主権(総株主の議決権の10%以上又は発行済株式(自己株式除く)の10%以上)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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解散判決請求訴権 | 833条1項 | |
◆少数株主権(会社法施行規則197条で定める数の株式)
権利内容 | 根拠条文(会社法) | メモ |
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簡易合併等に対する反対権 | 796条4項 | |
【参考】
法務Q&A 非上場会社の支配権獲得戦 高野隆司 中央経済社