VS1

時空管理局には魔物が棲む。
「僕はそう言った超常現象の類は信じてない…。そう言った物は人間の心理に起因する事が多く、
科学的に説明が付いてしまうんだ。」
「別に私はそう言う話をしてるわけじゃないよ。」
「じゃ、どういう話なんだいなのは?」
「まあここでウダウダ言っててもラチがあかない。まず確認してみないと。」
時空管理局に棲む魔物の噂の真相を確かめるべく集まったユーノ・なのは・フェイトの三人は
ついにその魔物が棲むとされる部屋までやって来たのである。
「じゃ、行くよ。せーの!」
そしてついにドアが開かれた時、そこには一頭のゴリラの姿が…
「ほらね。」
「…。」
「まだこの世には科学では解明出来ない物が沢山ある…。」
「科学とかそう言う問題じゃないでしょ。」
何故時空管理局にゴリラがいるのか? そのあまりにも非現実的な現実を受け入れる事の出来ない
ユーノとフェイトの二人は呆れる他無かった。
「確かにこの時空管理局には全次元世界中から魔法少女が集まってくるけど…
まさかこれ程の魔法少女がいたなんてビックリなの…。」
「魔法少女じゃないよなのは! と言うか人間じゃないでしょあれは!」
「いくら時空管理局が色んな次元世界の人にオープンだと言ってもゴリラを入局させるとは思えない。
となれば彼は人間だと考えるべきなんじゃないかな? 毛深い人ってたまにいるじゃない。」
「そうそう、部隊に一人は必ずいるよね。ああいう毛深い人。」
「いないよ! なのはにしてもユーノにしても何を根拠にアイツを人間だと言い張れるの?
「だってデバイス持ってるよ。」
「あっ! 本当だ!」
何と言う事か、そのゴリラはデバイスを持っていたのである。これにはフェイトもびびる。
「いや…デバイスを持っているからと言って人間と認めるわけには…
とは言え何を持って人間とするか…。」
「あ…思念通話してる…。」
「何ですってぇ!?」
「ザフィーラも思念通話してる!」
「まさかザフィーラがゴリラと思念通話してるの!?」
とにかくそんな感じでゴリラはザフィーラと思念通話していた。
「デバイス持って、思念通話してるんだから人間として認めてあげても言いんじゃない?」
「いいやダメ! 思念通話くらいゴリラだって出来るよ!」
「フェイトちゃんも強情なの…。」
と言う事で、ゴリラが人間か否かを調べる為に新たな実検を行う事となった。

「箱と棒と吊るしたバナナなの?」
「ユーノ、一体何を始める気?」
「以前なのはの家でお世話になってた頃にテレビで見たんだけど、地球のアメリカって国の
研究所で行ったチンパンジーの知能を調べる為のテストだよ。道具を使ってあのバナナを
取れれば少なくともチンパンジー以上の知能を持つ証拠だよ。」
「じゃ、あのバナナが取れたらアイツを人間として認めろって事?」
「その通りだよフェイト。」
「なるほど。じゃあユーノ君、それでどうやったらあのバナナ取れるの?」
「ユーノ! 早速実検開始!」
「ちょっと待ってよフェイトちゃん。ザフィーラさんがバナナ欲しがってるの。」
「よし、じゃあ取ってみて。」
そんなこんなでゴリラに先駆けてザフィーラで実検を行う事となった。が…
ザフィーラはバナナの取り方が分からず、暴れ出し、取り押さえねばならなかった。
「やめて! もう良いよ!」
「箱の上に乗って棒でバナナを取るだけなのに何でこんな事になるかな?」
「え? そうやって取るの!?」
「なのは…。ま…いずれにせよあのバナナを取る事が出来れば流石の私も人間として認めるよ。
ザフィーラは取れなかったけど。」
そこで噂をすれば影、ゴリラがやって来たのである。
「あ! 来たぞ!」
「ウホウホ。」
「よし! これでアイツが人間かゴリラかハッキリするよ!」
「あのバナナ! 取れる物なら取って見なさい!」
すると、ゴリラは脚立を使ってバナナを取っていた。
「僕達より頭良いよぉぉぉぉぉぉ!!」

今日も何処かの次元でゴリラの時空管理局員が大活躍してるのかもしれない。
                  おわり

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2007年05月31日(木) 22:08:09 Modified by beast0916




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