なのはStS+仮面ライダー2-1話

スバル「うう…えぐっ…ひっく…」
なのは「私のこと、覚えててくれたんだ?」
スバル「あの…覚えてるというか…。私、ずっと…なのはさんに憧れてて…」
なのは「嬉しいなぁ。バスターみて、ちょっとビックリしたよ?」
スバル「!?」

スバルはいきなり涙を拭き、なのはに頭を下げる。

スバル「す、すみません勝手に!!」
なのは「うふふふっ。いいよ、そんなの」
スバル「…で、でも」

シャマルの治療を受けていたティアナはなのはとスバルのやり取りを見ていた。

ティアナ「…」
シャマル「ランスター二等陸士は、なのはちゃんのことご存知?」
ティア「あ、はい。知ってます。本局武装隊のエース・オブ・エース。航空戦技教導隊の若手ナンバーワン。高町なのは一等空尉」
シャマル「うふふ…やっぱり有名ね。」
矢車「全くだな…」

変身を解除していた矢車は呟く。

矢車「肉弾戦なら俺のほうが上だって言うのに…」
シャマル「想さんと違って、なのはちゃんは魔法が主体よ。比べる対象が違うわ。
それに、貴方も本局の女の子達に「ワイルドな男」って言われてて、結構人気があるのよ?」
矢車「ふん…妬いてるのか?」
シャマル「冗談、あたしは目が高いのよ。」
矢車「そりゃ悪かったな。」

一方、上空のヘリの内部では…

フェイト「知り合いなの?」
はやて「あれやよ、四年前の、二人と五代さん達があたしの演習場に遊びに来てくれた時の空港火災。」
フェイト「ああ…災害救助の手伝いを皆でした時?」
はやて「そう、スバルはなのはちゃんが助けた要救助者の一人、ちなみに、フェイトちゃんはスバルのお姉ちゃんを助けてるんよ。」
フェイト「本当?女の子を助けたのは、よく覚えてるけど。」
はやて「それそれ!その子や!今は二人揃って管理局員…部隊は別なんやけどね。」
フェイト「…」

フェイトは立ち上がり、窓から地上を見つめる。
真下には自分に笑いかけるなのはと自分に向かって敬礼しているスバルの姿が目に写る。

フェイト「そっか…そういえば、確かに似てるかな。」

この数日後、スバルとティアナははやてに呼ばれ、新たな出会いをすることとなる。
だが二人がはやてに呼ばれた頃、地球では、恐るべき事件が発生していた。
今回は第一部「黒き太陽の決意」と第二部「機動六課」に分けて、物語を進めていこう。

二話第一部 「黒き太陽の決意」

【サハラ砂漠】

サハラ砂漠…
東南アジアから旅立った仮面ライダーBLACKRXの新たな戦場はここだった。
しかし…

BLACK「はあ…はあ…はあ…」

そこにRXの姿は無かった。
変わりにそこにあったのはRXの前身である仮面ライダーBLACKの姿だったのだ。

大蜘蛛怪人「クッックック…ついにそこまで退化してしまったようだな…」

BLACKに話しかけたのは体が赤く、体長も三メートルに達する巨大な怪人「大蜘蛛怪人」であった。

そして大蜘蛛怪人の周りには、かつての光太郎の初陣の相手であった蜘蛛怪人の姿があった。
しかし、蜘蛛怪人の数ははじめて戦った時より遥かに増えていた。
十体…いや二十体…三十体…いや、もっと多い。

BLACK「クッ…何体居るんだ?」
大蜘蛛怪人「知りたいか?現時点で八十体だ!いや…」

大蜘蛛怪人の腹部にある穴から更に蜘蛛怪人が五体出現する。

BLACK「何!?」
大蜘蛛怪人「八十五体に増えたな…」

増えた五体の蜘蛛怪人はBLACKの体を蹂躙する。
そして自身の牙でBLACKの体に噛み付いた。

BLACK「ぐわあ!!」
蜘蛛怪人1「苦しいかブラックサン…いや、仮面ライダーBLACK!」
蜘蛛怪人2「だが我々の同胞を失った悲しみはこんなものではない…」
蜘蛛怪人3「我々の同胞は貴様に敗れ死んだ。」
蜘蛛怪人4「奴等の恨み…」
蜘蛛怪人5「苦しみを味わえ!!」

五体はさらに深く牙をBLACKに突き立てる。

BLACK「ぐああぁぁぁぁあ!!」

そして、苦しむBLACKに追い討ちをかけるように大量の蜘蛛怪人がBLACKに飛びかかり、糸で締め上げ、暴力を振るい、牙を突き立てる。

ジョー「兄貴!待ってろ、今助けるぜ!!」

光太郎の弟分であり、親友である霞流拳法の達人「霞のジョー」は双剣を構え蜘蛛怪人達に飛びかかるが、人間であるジョーに太刀打ちできる筈も無く、簡単にあしらわれてしまう。

ジョー「ちくしょお…兄貴ぃ…アニキイィィィィィイ!!」

【数日前 東南アジア】

事態は数日前にさかのぼる…
FBI長官滝一也の息子であり、彼の副官である滝竜介から連絡を貰ったことが始まりだった。

光太郎「サハラ砂漠?」
竜介「ああ、近頃、そこで多数の次元震が確認されている。「奴ら」が大量に乗り込んできている可能性が高い。光太郎君、東南アジアで戦いを終えたばかりで悪いが、行って調査して欲しい。」
光太郎「分かりました、滝さん。」
ジョー「ちょっと待ってくれ!!」

笑顔で応対する光太郎に対し、ジョーは怒りにも近い感情で竜介に食いかかった。。

ジョー「冗談じゃないぜ!兄貴は最近ろくに休みもせずに、戦い漬けの日々なんだ!」
玲子「そうよ!」

光太郎の仲間であるベテラン女性カメラマン、白鳥玲子も竜介に抗議する。

玲子「このままじゃ、光太郎さんが死んでしまうわ!勝君や耕司君に頼んで頂戴!」
光太郎「玲ちゃん、ジョー。」

光太郎は二人を諭すように語りかける。

光太郎「勝も耕司も、次世代戦闘用改造人間プロジェクトの、候補生の訓練で忙しいんだ。
今二人に頼るわけには行かないよ。」
ジョー「けどよ!!」
光太郎「ジョー!!」

光太郎のいきなりの大声にジョーは驚き、黙る。

光太郎「俺は十三年前、先輩達と一緒にミッドに行かなかった。そしてそのせいで先輩達は力が足りず、かろうじて「奴」を倒すことが出来たものの、行方不明になってしまった。
これは僕の責任なんだ。」
玲子「でも、「地球に残れ」って言ったのは10人ライダーの意思だったんでしょ?
光太郎さんのせいじゃないわ!」
光太郎「いや…確かにそう言ってくれたのは皆の意思を代表した本郷先輩だったけど、本当はあの時、先輩の言葉を振り切ってでもミッドに行かなくちゃならなかったんだ。
だからこれは一歩踏み出す勇気が出せなかった僕の責任だ。
だから僕は、「奴ら」と刺し違えてでも地球を守らなきゃいけないんだ!」
ジョー「兄貴!なんてこと言うんだ!?」
玲子「そんな不吉なこと言わないで!?」

光太郎の不謹慎な発言に二人は抗議する。

光太郎「…ハハハ、ごめん二人とも、冗談だよ。」
ジョー「兄貴…気をつけてくれよ。」
光太郎「分かったよ。」
竜介「話は済んだかい?」

滝が再び光太郎に話しかける。

光太郎「はい。」
竜介「すまんな光太郎君…我々が不甲斐ないばかりに…」
光太郎「気にしないでください。」
竜介「飛行機をこちらで用意している。明日には着くと思うから、ジョー君や白鳥さん達と共に、サハラ砂漠に向かってくれ。」
光太郎「はい!」

竜介は通信を切る。

光太郎「さてと、明日は早いぞ!吾郎ちゃんや響子ちゃん達と合流して、早く準備に取り掛かろう!」
ジョー「ああ…」
玲子「分かったわ…」
明るい表情で笑いかける光太郎に対し、二人は拭いきれない不安を感じていた。

そして翌日、飛行機が光太郎達の元へ到着し、一向はサハラ砂漠に向かう。
一向は二三日でアフリカ大陸に到着し。
サハラ砂漠に向かうメンバーは光太郎とジョーに決めた。

響子「二人とも、気をつけてくださいね。」
吾郎「美味しい料理作って待ってますから!どうかご無事で!」
玲子「光太郎さん、ジョー…」
光太郎「大丈夫だって!心配性だなぁ…なぁ?ジョー。」
ジョー「お…おお!そうだぜ皆!」
光太郎「少ししたら戻ってくるから、ほんとに心配しないで!」

光太郎はそういうものの、玲子達は余計に心配そうな表情でサハラ砂漠へと向かう光太郎達を見つめるのであった。

【サハラ砂漠】
そして二人は、サハラ砂漠に到着した。

光太郎「こ…これは!?」
ジョー「マジかよ…」

光太郎とジョーはそこで恐るべきものを目にした。
二人がサハラ砂漠に着いた瞬間、砂地から百を越える数の蜘蛛怪人が現れたのだ。
竜介が言っていた「多数の次元震」は、彼の言ったとおり沢山の怪人達がサハラ砂漠に乗り込んできているという意味だったのだ。

ジョー「兄貴!こんな数、俺達で防ぎきれるのかよ!?」
光太郎「弱音を吐くなジョー!」
?「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」
光太郎・ジョー「!?」

二人の前に巨大な赤い蜘蛛怪人が出現する。
体長は三メートルに達する巨大な怪人だ。
腹部には奇妙な穴が開いている。

光太郎「貴様は!?」
大蜘蛛怪人「ワシは大蜘蛛怪人、蜘蛛怪人達のボスであり、そして!」

大蜘蛛怪人の腹から数匹の蜘蛛怪人が出現する。

光太郎「!?」
大蜘蛛怪人「こやつらを呼び寄せた男よ。」
光太郎「そうか、貴様の腹の穴は、異次元空間に繋がっていて、そこから蜘蛛怪人達を!?」
大蜘蛛怪人「流石は仮面ライダーBLACKRX、素晴らしい洞察力だ。貴様の言うとおり、次元震はワシがこやつらを召還した時に起きたものよ!」
光太郎「大蜘蛛怪人、貴様何を企んでいる!」
大蜘蛛怪人「なぁに、単なるエサやりじゃよ。」
光太郎「なんだと!?」
大蜘蛛怪人「こやつらは腹が減っているようでな、腹ごしらえにこのアフリカにいる人間達を食わせようと思っただけじゃよ。」

大蜘蛛怪人は冷たく言い放つ。

光太郎「貴様…絶対許さん!!…変身!!」

光太郎は変身ポーズを取り、仮面ライダーBLACKRXに変身する。

大蜘蛛怪人「ほお…噂には聞いていたが、それが貴様の姿か…面白い…来るが良い!」
RX「行くぞ!トゥア!!」

かくして、RXと蜘蛛怪人軍団の死闘が始まった。

【一日後】
そして今に至る。
倒しても倒しても蜘蛛怪人は時間が経つごとに増えていき、二十四時間という長い時間をかけた持久戦となった。
RXは初めは圧倒的な力で蜘蛛怪人達を蹴散らしていたが、時間が経つたびにRXのエネルギーは減っていき、ついにエネルギーが底をついてしまう。
普段はエネルギーが切れることは皆無に近いのだが、RXの体には疲労が蓄積されており、それが仇となった。
だがそれでもRXは戦い続け、気力だけで蜘蛛怪人達と戦っていく。
だがそんな戦い方が長く続く筈も無く、戦いの末、RXはBLACKに退化してしまったのだ。

BLACK「トゥア!」

BLACKは渾身の力を振り絞り、体に巻きついていた糸を纏わり付いていた蜘蛛怪人ごと引きちぎる。
そして、バイタルチャージを行い、ライダーパンチの体制を取る。

BLACK「ライダアァァァァア!パンチ!!」

BLACKは両腕が使い物にならなくなるまでライダーパンチを蜘蛛怪人達に叩き込んでいく。
そして、両腕の力が尽きた後は再びバイタルチャージを行い、ライダーキックを使う。

BLACK「ライダアァァァァア!キック!!」

BLACKは自分の足に残ったエネルギーを全て注ぎ込み、渾身のライダーキックを放ち、怪人達を打ち砕く。
これでさっきのライダーパンチの分と合わせ、四十体近くの怪人が爆散した。


BLACK「ハァ…ハァ…どうだ!大蜘蛛怪人!!」
大蜘蛛怪人「ふふ…退化してまでよく頑張るものだ。だが、肩で息をしているようだな?」
BLACK「ハァ…ハァ…何を!」
大蜘蛛怪人「無理をするな…ブラックサンよ!」

大蜘蛛怪人は口から毒針を吐き、BLACKの体を貫く。

BLACK「ぐあぁぁぁぁぁぁあ!」
ジョー「アニキイィィィィィイ!!」

BLACKは遂に地に崩れ落ちた。

大蜘蛛怪人「フフフ…くたばったか…」

大蜘蛛怪人は倒れたBLACKを拾い上げると、砂地に手を突き刺し、強力な念力で巨大な流砂を作り上げる。

大蜘蛛怪人「永遠に眠るが良いブラックサン…いや、仮面ライダーBLACKよ!」

大蜘蛛怪人は流砂の中にBLACKを投げ込んだ。

そしてBLACKは、流砂の中へと飲み込まれていった…

ジョー「兄貴!アニキイィィィィィイ!!」
大蜘蛛怪人「ふん、先輩ライダーの元へ旅立ったか…」
ジョー「大蜘蛛怪人!キサマアァァァァア!」
大蜘蛛怪人「ふん、貴様など相手にならんわ!蜘蛛怪人達よ!あの男を食い殺せ!!」

残った四十五体の蜘蛛怪人達がジョーに牙を向ける。
そして大蜘蛛怪人の指令により、一斉にジョーに襲い掛かった。

ジョー「負けるもんかよ!うおぉぉぉぉぉぉぉお!!」

ジョーは双剣を構え、蜘蛛怪人達に挑んでいった。

【流砂内】
その頃、光太郎は思い出していた…

親友である秋月信彦と共にゴルゴムに捕らえられ、改造されたあの日…

【光太郎の回想】
ダロム「これより、改造手術を開始する…」

ダロムの腕から伸びた光線状のメスが二人の腹を裂く

光太郎「うわあぁぁぁああ!!信彦おぉぉぉぉぉぉお!?」
信彦「こ…光太郎おぉぉぉぉぉぉお!?」

脳改造寸前で助けてくれた養父・秋月総一郎をゴルゴムに殺され、ゴルゴムと戦うことを決意した、あの日…

BLACK「仮面ライダー…BLACK!」

邪悪な剣聖ビルゲニアとの戦い…

ビルゲニア「俺は貴様を倒し、ゴルゴムの世紀王となる!」

親友・秋月信彦がシャドームーンとして蘇ったあの日…

シャドームーン「ブラックサン、貴様のキングストーンは私が貰う!」
BLACK「俺はお前とは戦いたくないんだ信彦!信彦おぉぉぉぉぉお!!」

ゴルゴムとの最終決戦…

シャドームーン「ブラックサン…俺は死ぬ…だが勝ったと思うな!お前は一生苦しむことになるんだ…親友を…この…信彦を抹殺したんだからな!
一生後悔して生きていくんだ…ハッハッハ…フッハッッハッハッハッハッハッハ!!
俺こそ次期創世王だ!!!」

創世王「グギャアァァァァァァア!
おのれブラックサン…私は必ず蘇る…人間の心に悪がある限り、必ず蘇る!!
忘れるなあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

光太郎「信彦…信彦おぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」

クライシス帝国に掴まり変身機能を破壊され…

光太郎「人々に必要なものは支配なんかじゃない…平和だあぁぁぁぁぁぁあ!!」

大気圏に落とされ…

光太郎「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

太陽の光を浴び、RXにパワーアップし…

RX「俺は太陽の子!仮面ライダーッBLACKッRッX!!」

クライシス帝国と戦い続けた日々…

そして忘れもしないあの日…

【十三年前…】
この年、11人のライダー達はミッドチルダに逃げた「奴」を追うため、「アースラ」に集まっていた。
だが、出発寸前、10人ライダー達は光太郎だけ地球に残すと決定したのだ。

光太郎「何故です!?」

光太郎は怒りにも近い感情で叫んだ。

光太郎「なぜ僕だけ「奴」の追撃に参加させてくれないんですか!?本郷先輩!?」
本郷「さっき言ったとおりだ。お前は勝や耕司達と共に地球を守れ。」
光太郎「地球には、勝と耕司だけいれば十分です!さっき先輩たちだってそう言ったじゃないですか!?」
風見「事情が変わったんだ。「奴」が我々の想像以上の力を持っていたように、この悪との戦い、「奴」を倒しても終わりじゃないような気がする…
もしかしたら、未知の敵が現れる可能性だってあるんだ
そうなった場合、あいつら二人だけで地球を守るのは辛い。」
結城「だが、最強のライダーであるお前を残した場合、地球は大幅な戦力アップが期待できる。
未知の敵が現れたとしても、十分対抗できるんだ。」
一文字「俺達に免じて、頼むよ、光太郎。」

光太郎は悩んだ。
そして悩んだ末、結論を出した。
先輩達の言うとおり、地球に残って戦う決心をしたのだ。
それが、クライシスとの最終決戦で自分を助けてくれた先輩達に出来る最高の恩返しだと思ったからだった。

光太郎「…分かりました。」
敬介「そうか…ありがとう、光太郎、おやっさん達を…地球を頼むぞ…」
アマゾン「俺達も、必ず帰ってくる!」
茂「だからその時まで、地球を守ってくれよ!」
洋「頑張れ、光太郎!」
一也「挫けるなよ、光太郎!」
良「お前は一人じゃない、いつも俺達が傍に居る!」
光太郎「はい!!」
本郷「良い返事だ!さらばだ光太郎!また会う日まで!」

そう言い残し、10人ライダーは地球を去っていった…
たが…10人ライダーがミッドから戻ってくる予定だった、一週間後…

竜介「…」
光太郎「滝さん!それはどういうことなんだ!?」
竜介「言ったとおりだ…10人ライダーが…行方不明になった…」

別れから数日たった嵐の日、10人ライダーを待っていた者達に届いたのは、10人ライダーが行方不明になったと言う報告だったのだ…

竜介「確認は出来ていないが…おそらく…」
玲子「そんな…」
藤兵衛「ちくしょお…猛…隼人…志郎…丈二…敬介…アマゾン…茂…」
谷「洋…一也…年寄りのワシを残して…」
ルミ「うう…良さん…良さん…」

今は亡き立花藤兵衛が経営していた「立花レーシングクラブ」店内は悲しみに包まれていた…

光太郎「…!!」

光太郎は店内を飛び出し、嵐の中へ飛び込んでいった。

ジョー「兄貴!」
藤兵衛「光太郎君!?」

光太郎は大雨に打たれながら夜道を走り続けた。
やがて地面に膝を付き、夜空に向けて叫んだ。

光太郎「先輩…センパアァァァァァァァァアイ!!」

この日、光太郎は決心した。
「この地球を死んでも守ろう、それが僕が出来る先輩への最大の手向けだ。」
と…

【回想終了】
光太郎「でも、僕はそれができなかった…地球の守りは、残された僕がやらなきゃいけないことだったのに…
先輩…ごめんなさい…
こんな意気地の無い僕なんて、先輩達に同行を断られても当然だ…」

?「それは違う!!」

全てを諦めていた光太郎の耳に、懐かしく、力強い声が響いた。

光太郎「!?…本郷…先輩?」

声の主は仮面ライダー第1号・本郷猛のものであった。

本郷「俺は…いや、俺達は意気地なしに地球の守りを頼んだ思えは無いぞ。」
光太郎「先輩…」
本郷「俺達がお前を地球に残す決定をしたのは、お前が強いからだ!
弱くて頼りにならないから地球に残したわけじゃない!!
お前が誰より強いから、俺達が愛するこの地球をお前に託したんだ!
それを放棄するなど、俺達は絶対に許さん!!」
光太郎「…」
本郷「それに、お前はこの程度で諦めるような男ではないだろう?
共に戦った俺達が、よく知っている…」
光太郎「本郷…先輩…」

光太郎の頬から涙が零れ落ちる。

本郷「泣くな!立ち上がれ光太郎!!嬉し涙を流す元気があるんだったら、その元気を悪と戦う力に変えろ!!
俺達が愛する地球を守るために!!」
光太郎「ハイ!」
本郷「行け!仮面ライダーBLACKRX!!」
光太郎「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

【地上】
一方地上ではジョーが磔にされ、今にも蜘蛛怪人達の餌になろうとしていた。

ジョー「ちっくしょお…」
大蜘蛛怪人「悔しいか?美味そうな顔だな…その表情、負の感情を糧とする我々にとって最高のご馳走だ!」

蜘蛛怪人達は一斉にジョーに襲い掛かった。

ジョー「クッ!」
大蜘蛛怪人「ヒャーハッハッハッハ!!」

「その時奇跡が起こった!」

突如流砂の中から眩い光が放たれ、ジョーに襲い掛かった蜘蛛怪人達を溶かしたのだ!

ジョー「!?」
大蜘蛛怪人「な…馬鹿な!?」

そして光の中から、仮面ライダーBLACKRXが現れた。

(BGM・仮面ライダーBLACKRX)
RX「俺は太陽の子!この世の生…生きるもの全てを守る! 仮面ライダー!ブラァック!アール!エックス!」

大蜘蛛怪人「おのれえぇぇぇぇえ!!」
ジョー「RX!」

RX「大蜘蛛怪人!人々を喰らい、この世界に絶望をもたらすなど、俺は絶対許さん!」

大蜘蛛怪人「ええい!蜘蛛怪人達よ!貴様らの新しい力を見せてやれ!!」

残った二十五体ほどの蜘蛛怪人は大型の火炎放射器を取り出し、RXに照準を合わせた。

大蜘蛛怪人「撃てえぇぇぇぇぇぇえ!!」

蜘蛛怪人達はRXに向けてトリガーを引く。
そして放たれた爆炎はRXを容赦なく包み込んだ。

大蜘蛛怪人「フフフフ…奴め、跡形もあるまい。」

大蜘蛛怪人は再び勝利を確信していた。
だが…

大蜘蛛怪人「ム!?何が起こった!?」

RXを包み込んだ炎がみるみる吸収されて行ったのだ。
そして吸収された炎の中から新たなライダーが姿を現す。

(BGM・光の戦士)

大蜘蛛怪人「貴様は!?」

ロボライダー(声)「俺は悲しみの王子…アール、エックス、ロボライダァ!」

大蜘蛛怪人「何!?ロボライダーだと!?」
ロボライダー「大蜘蛛怪人!俺は炎に包まれた瞬間ロボライダーに変身し、炎を吸収していたのだ!!」
大蜘蛛怪人「おのれえぇぇぇえ!!」
ロボライダー「そして炎の力は俺の力!喰らえ蜘蛛怪人共!バーニングロボライダーパンチ!!」
蜘蛛怪人「グギャアァァァァァァァァァア!!」
ロボライダーの拳から発射された炎の弾丸状のバーニングロボライダーパンチは、二十五体の蜘蛛怪人達を一瞬で焼き払った。

大蜘蛛怪人「くっ…あの数の蜘蛛怪人を…ならばもう一度腹のワームホールから召喚するまで…」
ロボライダー「させん!ボルティックシューター!!」

ロボライダーは専用拳銃「ボルティックシューター」を構え、「ハードショット」で大蜘蛛怪人の腹部を撃ちぬいた。

大蜘蛛怪人「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁあ!!」
ロボライダー「これで蜘蛛怪人を呼ぶことは出来まい!」
大蜘蛛怪人「おのれぇ…」
ロボライダー「止めだ!!」

ロボライダーは瞬時にRXに戻り、リボルケインをサンバイザーから引き抜く。
そして空高くジャンプ→急降下し、リボルケインを大蜘蛛怪人の腹部に突き刺し、「リボルクラッシュ」を決める。

大蜘蛛怪人「ぐおぉぉぉぉお…おのれRX…だが我々は負けん…きっと…新たな同胞が…貴様らの息の根を…」
RX「!!」

RXはリボルケインを引き抜き、フィニッシュポーズを決める。
そしてフィニッシュポーズが終わると同時に蜘蛛怪人は光の粒となって消滅した…

RX「やった…大蜘蛛怪人を倒したぞ…」

RXは磔にされたジョーを助け、その後変身を解除し、光太郎の姿に戻る。

ジョー「兄貴、やったな!」
光太郎「ジョー、俺だけの力じゃない。本郷先輩の…1号ライダーのおかげでもあるんだ。」
ジョー「?」

ジョーは首を傾げる。

光太郎「ハハ、何でもないよ!とにかく戻ろう、玲ちゃん達が待ってる!」

光太郎は玲子達が待っているホテルに向かって走り出す。

ジョー「!?兄貴!待ってくれよ!?」

沢山の仲間をおびき寄せ、アフリカ中の人間を喰らおうとした大蜘蛛怪人は、RXによって倒された。
そして光太郎は、10人ライダーから託された地球の平和を守るべく、「地球を守る」という決意を新たにするのだった。
託された平和を守るために、これからも頼むぞ!仮面ライダーBLACKRX!!

次回予告
次回お送りするのは、第二部「機動六課」
はやてに呼ばれたスバルとティアナは三人の勧誘を受け、機動六課への入隊を決意する。
そして、少年と少女の出会い…
運命の歯車が遂に動き始めた!
次回、二話第二部「機動六課」
ぶっち切るぜぇ!!

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2007年08月06日(月) 12:27:40 Modified by beast0916




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