THE BELKA OF MAZIKAL6話

スーパーリリカル大戦(!?)外伝 魔装機神 THE BELKA OF MAZIKAL 6話 別荘

「はあ……」
アリサはため息を付きながらぼぅっと空を見上げる。
今彼女がいるのは彼女の家が持っている別荘である。
少し前から夏休みに入っていて、毎年この季節になるとアリサは家族と一緒にバカンスでこの別荘にやってくる。
この別荘は海のそばにたれられていて、窓からは青い海が広がっている。
今回はすずかも一緒なのだが、どうも二人とも気が乗っていない。
海は青い、今日は天気もいいのですらも快晴なのだが、現在の二人の気分は曇り空であった。
いや、どしゃ降りの雨が降っててもいいだろう。
数日前のフェイトとはやての話を聞いて、あれからずっと二人はこの調子だ。
だが、友達がもう歩けなくなるかもといわれたら誰だってショックは受ける。
さらに、それを本人に黙っていろと言うのがまだアリサには納得できない。
何でまだなのはにそんな大事な事を言わないのだろうか。
そんな事をいろいろ考えてしまい、二人はせっかくの外出もそんなに楽しくないものになってしまった。
だから、両親が買い物に行こうといってもこうやって二人で別荘に残っているのだ。
「あー、もう!どうすればいいのよ〜〜!!」
「あ、アリサちゃんおちついて」
アリサが頭をかきむしりながら叫びわめくのをすずかがなだめる。
そんなときだった。
ずどおん、となにやら砂浜ですさまじい音が聞こえた。
二人は砂浜のほうを向くと、そこには砂煙が舞っている事に気付く。
どうしたのだろうと二人はその現場まで身長に向かっていく。
「いてて、プロテクション張ってたとはいえ、砂浜じゃなかったら危なかったなこりゃ。
やっぱり急な転送なんてするもんじゃないな」
砂塵が消えると、そこには一人の男がいた。
さらに、なのはたちが持っているような杖を持っていた。
いきなり現れたから、魔術師と言うものだろうか。
男もアリサの存在に気付く。
「くそ、全く、いきなり現地人に見つかるとはついてねえ……いや……」
そういって男は二人にバインドをかける。
「きゃ、な、何なのよこれ!?」
アリサはいきなりの事に少々パニックに陥ってしまう。
「まだ子供だが、人質としては役に立つな」
男は醜悪な笑みを浮かべながら傀儡兵を出し、二人を見た。

その事、艦船アースラにいきなりのアラートが鳴り響いた。
「艦長!なのはちゃんの世界にロストロギアの反応が!!」
エイミィは、いきなりロストロギアの反応に驚きながらもリンディに報告する。
それと同時に通信が鳴り響く。
「こちら、本局に所属のゼンガー・ゾンボルト三佐だ。アースラ、応答願いたい」
通信越しに聞こえてきたのは、古風な感じがする一人の男性だった。
「こちらアースラ艦長、リンディ・ハラオウンです。どうしたのですか?」
おそらく先ほどのロストロギアの一軒につながりがあることなのだろうとは思うのだが、わざわざすぐにこちらに通信をかけるのも珍しいものだと思った。
「違法でロストロギアの所持をしているものを追っていたのだが、向こうが無理やりロストロギアの能力で転移して逃してしまった。
転移場所を調べたらそちらの世界へ行ったはずだが?」
ゼンガーの言葉に頷くリンディ。
それにしてもそこまで既に把握しているとは……
「すまないがこちらは向こうがいきなり転移しその後始末で手が終えない状態だ。
すまぬがそちらで処理を頼みたいのだが」
勿論リンディの言葉は決まっていた。
「了解しました。後は任せてください」
「すまぬな。こちらも終ればすぐに駆けつける。では」
といって通信を切る。
堅実で礼儀正しい人だ、とリンディは思った。
「艦長、現場にはフェイトちゃんとはやてちゃんを向かわせました」
そういって現場のモニターを映し出したと、エイミィは唖然とする。
「うっそ………」
エイミィは唖然としてその映像を見る。
そこにはおそらくそのロストロギアを持っている人物なのだが、あろう事か人じぢをとっていた。
「アリサちゃん。それにすずかちゃんが人質になっています!」
エイミィは急いでモニターを出す。
そこには、見慣れたなのは太刀の親友がバインドでくるめられていた。
そこへフェイトたちも到着する……
それと同時に。
「え?現場のそばに魔力反応がふたつ!」
モニターを移すと、アリサたちのところからそう離れていないところに、浮いている二人の人がいた。
「あれは……」
リンディはその二人に見覚えがあった。
確か、翠屋で働いていた女性と、その連れの男の子。
名前は確か、パイ・エンダーと安藤正樹。

ゼンガー・ゾンボルトは通信を切ると周囲を見る。
そこにはロストロギアを無理矢理使用して転移し、その余波で周囲の状況は悲惨なものであった。
「隊長、周囲の作業はあらかた終りました」
ブリットの言葉にそうか、と静かに頷く。
「すみません、ゼンガー隊長」
彼の後ろで、ブルックリン・ラックフィールドはこの事態を悔やんで俯いたままだった。
「自分が早く気付いていれば、こんな事には……」
「そ、そんな……ブリット君だけのせいじゃないよ」
ブリットの横にいる女性、クスハ・ミズハは彼をなぐさめようとする。
「クスハの言うとおりだ」
ブリットの後ろで3人の男女がやってくる。
キョウスケ・ナンブとエクセレン・ブロウニング・ラミア・ラヴレス。
この6人は本局に所属している「ATX」チーム。
隊長はゼンガー・ゾンボルトで、かつては戦技教導官を勤めていた。
「そうよブリット君。まさかあのロストロギアがあんな転移能力を持ってたなんて、普通は気付かないわよ」
「エクセ姉さまの言うとおりだ。これは私達全員の失態だ」
ラミアの言葉にうむとゼンガーは頷く。
「だから、早めに終らせて救援に行くぞ」
ゼンガーの言葉に全員が頷く。

「私達は管理局のものです。おとなしく投稿してください!」
フェイトとはやて突如この世界へやって駆他事空犯罪者を捕まえるためにその場所へとやってきた。
運よくまだ犯罪者はここを動いていないらしく。それどころか逆に管理局員を迎えているようであった。
男の周囲には傀儡兵も多数見受けられ、出迎える準備は万全といったところだろうか。
「ようこそ、管理局員の諸君」
男は、まるでここが自分の家のように振舞う。
二人はむっとして周囲を見る。
ここはアリサの別荘だ。
自分も一度だけなのはやはやてとともに招待された事がある。
(ん?)
はやては考える。
ここは確かアリサの別荘のはずだ。
そして今はアリサはすずかとここにいるはず。
まさか……
「だが、うごかないでもらおうか。人質を殺されたくなかったな」
そういうと、傀儡兵はバインドで拘束されている二人の子供を見せる。
「アリサ!すずか!!」
フェイトハ二人の名前を叫ぶ。
男はそれに驚く。
(はやてちゃん、誰なんですか?)
リィンフォースはまだ見ぬ二人に首をかしげる。
(なのはちゃんやフェイトちゃんとおなじで、私の大事な友達や)
ハヤテはそうリィン2に教えて、再度前を見る。
「どうやら知り合いみたいだな。それならばちょうどいい」
男は指を鳴らすと、傀儡兵は手に持っている武器をそれぞれアリサとすずかに向けた。
それを見て、二人は動揺の姿を見せる。
「見逃してくれるだけでいいんだ、頼むよ。おれだって無駄な血は流したくない」
男は二夜つきながら二人を見る。
「あなたは…そのロストロギアをどうするつもりや?」
はやての言葉に、男はさあ、とわざとらしく腕を上げる。
「俺は雇われてるだけなんでね。詳しい事は知らないんだよ」
そういうと同時に、二人の周りに傀儡兵を呼び出すのだった。
「アリサ!すずかちゃん!!」
声が聞こえ、フェイトは首だけをそちらに向けると、そこにはアリサの両親がいた。
おそらく買い物にでも行っていたのだろうか、買い物袋をぶら下げている。
「おやおや、こんなところでご両親が到着ですか。ですけど動かないでくださいね」
そういうと、すぐに、傀儡兵をまた出現させる。
「動けば、あなたはともかく、真っ先にお子さんをなくす事になりますよ」
これも仕事でね、と男は言う。
どうしようか本当に迷ったフェイト。
このままでは逃げられてしまうし、しかし行動を起こせば、アリサたちに危険が及ぶ。
自分の速さなら何とかできるとフェイトは思ったが、もしもな担ったときの事を考えるとどうしても動けなくなる。
「見逃してくれる気はないのですか……」
そういって男が指示を出すと、傀儡兵はアリサをすずかを少々首を絞めるようにして空高く浮き上がる。
「魔力が使えない人間が砂浜でもあの高さから落ちたら……どうなるかわかるよな」
男の卑劣な行為に、二人は行動する事もできなかった。
その時だった、キイィーンと言う音が聞こえる。
一番似ているのはジェット飛行機の音だが、何か違うような気がする。
その時、二人の間を何かが通り過ぎる。
あまりの速さで二人のバリアジャケットはひらひらどころかビュオっとめくれる。
二人は瞬何が起こったのかわからなくなってスカートを直すのを忘れる(バリアジャケットなのでどうでもいいことだとは思うが)
「魔法剣、エーテルちゃぷ台返し!!」
なにかは速度を避けずにアリサ、そしてすずかを掴んでいる傀儡兵を叩ききる。
「……うそ」
「何!?」
男もそれは予想外の事に驚く。
「「きゃーーーー!!?」」
そして、二人を支えていた傀儡兵を倒されたアリサとすずかは勿論落ちていく。
しかし、それもすぐの事であった。
「「え?」」
二人はふわり宙に浮いた。
そのうちにある人物が二人を優しく抱きしめる。
「パイさん!?それに……」
はやてはすずかを救った人物に驚く。
そして、アリサを助けた者に衝撃を覚える。
「アンノウン……01」
何故ここにいるのだろうとおおもった」
「そこまでだ、おとなしく投稿しろ」
急に後ろからクロノがやってきた。
おそらく凍った傀儡兵はクロノがやったものだろう。
しかし、二人はアンノウン01を見ても驚かない。
その理由は、いつの間にはアリサの両親を助けたシグナムが教えてくれた。
「二人とは今回の件で、一時的に協力する事になった」

マサキ、そしてパイは現場を見て考える。
いきなり急激な反応があったのでシュウが絡んでいるかもしれないと思い二人で様子を見に行ったのだ。
だが、見てみれば全然違う反応で、さらには管理局がらみであった。
だから素通りしようとしたが、どうやら人質を取っているようで、素通りするのも何か気が引ける。
「だが、ここにとどまっていては管理局に見られているだろうな、ただでさえ現場に近いのだ」
パイの言うとおりだ。
仕方なくこの場を後にしようとしたのだが。
「残念だな、一足遅かったようだ」
その言葉と同時に、パイの首筋に剣がつき立てられる。
パイは首だけを動かすと、そこには烈火の将、シグナムがいた。
その目は二人を睨んでいる。
マサキは動こうとするが、
(マサキ、後ろニャ!)
クロノ言葉もむなしく、マサキの背中に杖をつきたてるクロノがいた。
「時空管理局のものだ。身柄を拘束させてもらう」
クロノはそういうが、パイがふっと笑う。
「私達に時間を割いていいのですか?私達よりも先にあれをどうにかしたほうがいいとおもいますが」
パイの言葉にクロノはう、と言葉をなくす。
痛いところを突かれた。
「それに、私達もあのロストロギアの反応に気付いてきただけです。間違っても犯罪者ではありません」
と自身ありげに言う。(思いっきり間違っているようにも見えるが)
「そんな事、口ではどうでも言える」
シグナムのほうはかわらず厳しい目で見る。
それを見てまたパイが笑う。
「それではあの人質はこちらでどうにかしましょう。その代わり、これ以上の追求は無しにしてくれませんか?」
パイの言葉に驚く二人。
簡単に言ってしまえば取引のようなものだ。
「早くしなければ逃げられてしまいますよ」
まさに今の状況をうまく使った作戦であった。
だが、疑問がのこる。
「もし君の提案を受け入れたとして、本当にうまくいくのか?」
クロノの言葉にパイは黙りこむ。
「もし受け入れられないのなら、私達はここを無理にでも強行突破します」
その言葉に反応するシグナム。
この状況をどうやって切り抜けようというのか……
その時だった。
シグナムとクロノの、パイからとてつもないほどの魔力が放出されるのを感じた。
その量に冷や汗をかいたのだ。
「私達二人なら、お前達二人を意識不能にする事ぐらいならできるぞ……」
先ほどまでとはうってかわって、リィンフォースは険しい表情を浮かべる。
パイの言葉に、あながち嘘ではなさそうだった。
その時、アースラから声が聞こえた。
「わかりました、お願いできますか」
その声を聞いて、クロノは驚く。
「提督!」
「向こうも人質を取っている以上、時間がありません。わかりましたね」
リンディン言葉に仕方なく従うクロノ。
シグナムも剣をパイの首筋から外す。
「それで、何か手立てはあるのですか?」
聞こえてくるリンディの声に、頷くパイ。
「成功するかどうかは彼の手にかかっている」
そういってマサキを見るパイ。
マサキは「ち、わかったよ」といってペンダントのようなものを取り出す。
正直こういうのは嫌いだが、今回は話別だ。
厄介ごとになる前にさっさと終らせて退散しよう。
「サイバスター、GO!」
掛け声とともに、マサキは白い甲冑のようなものに包まれたような姿になる。
「アンノウン01……」
シグナムはマサキがアンノウン01、サイバスターであったことに驚きを隠せないでいた。
「つまり、あの二人の子供を助けたらいいんだろ?」
ああ、と頷くパイ。
余裕だ、といわんばかりにマサキは頷く。
「後は任せます」
それと同時に二人は現場に向けて移動する。
サイバスターの速さは実際に見るとすさまじいものがある。
本当に、あっという間にこの場からいなくなったのだ。
「とりあえず、僕たちも行こう」
クロノの言葉にシグナムは頷きマサキの後を追うのだった。

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2007年08月06日(月) 12:40:58 Modified by beast0916




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