文具屋さん

四季を愛する日本人の風景図として描かれてきた秋野は、古典蒔絵の題材として平安時代から好まれてきた。江戸時代、加賀蒔絵の礎を築いた五十嵐道甫の代表作といえる秋野を設えた硯箱は、古典蒔絵の秀逸品として残っている。
名工、田村一舟は今世の筆、万年筆に加賀高蒔絵で表描した。

尾長鳥柄は、古く中国で鳳凰に象徴されていた。日本では中国文化伝来の平安時代に独自の変化をとげ、想像上の鳳凰ではなく、存在する尾の長い鳥を吉兆鳥とみなし、公家や武家社会での優麗、高雅な有職文様として好んで使われた。
名工、田村一舟は加賀高蒔絵の世界で現代に甦らせた。

日本の伝統的な宮廷雅楽の一種。舞いを舞うだけの雅楽に対し、平安時代から宮中で「優雅に舞を伴う音楽」として人気を博した舞楽は、絵巻物や屏風絵などに多く伝えられている。中でも江戸時代に描かれた、俵屋宗達の「舞楽図屏風」が有名で、金を背景に奏演する様々な姿が描かれ人々を魅了する。
名工、田村一舟は加賀高蒔絵に創作して現代に甦らせた。

吉野山は古く（約１３００年前）から山岳宗教密教の神山として知られていた。
その御神木として崇められ植木された桜の山は、平安時代に桜の名勝地として名が高く、当時の詩句や「古今和歌集」などに謳われ、高貴な硯箱などに蒔絵として描かれていた。
山桜をあしらった古典の代表的な図柄。
名工、田村一舟により、加賀高蒔絵として現代に甦った逸品。

日本には古くから河川の下流域や湿地帯には芦が生育し、芦辺は鳥の住処や隠れであり餌場でもあった。その芦辺と千鳥の景色は水の豊かな日本の趣きのある風情であった。特に江戸時代では好まれ版画や蒔絵に描かれた。
名工、田村一舟は加賀高蒔絵の世界で現代に甦らせた。

楼閣は中国では高い建物のことで、水墨画のような風景と共に古くから図柄が使われてきた。日本では、平安朝から墨絵や蒔絵に崇高な趣きとして表現され、古典図として今に残る。
名工、大下香仙は現代に新しい感覚で加賀高蒔絵に甦らせた。

深淵な山深い景観を持つ中国で古くから描かれてきた遠山山水図は、平安時代に伝わり、自然を愛でる日本で古典図といえるほど、水墨画や蒔絵に描かれてきた。
名工、大下香仙は現代と古典を加賀高蒔絵で融合させた。