全国の迷路

7．kisanjin - 09/07/13 16:33:31 - ID:xDMtzJjxyA

（続き）

　正規のランズボローメイズは、考案者の理念とそれをメイズプロダクツが優先遵守する姿勢により特徴づけられている。
　４箇所のチェックポイント通過で小さな課題をクリアしながら全部で30分から１時間を脱出タイムにしたこと、自体にも考案者の心理学的な計算がある。これより容易では達成感を味わえず面白みが失せ再挑戦の意欲がわかない、これより難渋では恐怖感が沸き起こりストレスを感じて嫌悪感が残る。これらの心理がメイズ利用者にとって顕在に意識されなくても、結果的に「子供だまし」や「恐怖の館」と潜在意識化されることをランズボロー氏とメイズプロダクツは警戒していた。
　木製の板塀を構造体にしたことも、コストや工期などの運営メリット以外にも、どの国どの地方でも入手可能であり、温かみを感じる自然材料で構成したいという理念があった。板塀は必ず下部には（小児が這えば通れる高さの）空間を設けること、巨大な一枚板は使わずに横板を張り上げ（隙間から塀の向こうを感じさせ）ること、など安全性や過剰な圧迫感排除に配慮した作りをセオリーにしていたこともランズボローメイズの理念の象徴である。
大づかみに形態をまね、隙間無く壁を作った施設や難度の高さだけを煽った施設など、正規外の模倣された巨大迷路に対しては、ランズボロー氏も福田氏も模倣への憤慨以上に「質」の低下を嘆いていた（1987年当時、筆者は両氏から直接聞き及んでいる）。
　他にも、壁の色や施設内の文言表示（少しイジワルな煽り文句など）などにも利用者の潜在意識までを読んだ考案者の計算と配慮があり、実際にそれが完璧に具現化されたか否かはともあれ、こうした考案者意図を汲み取って開設されたものだけが、正規のランズボローメイズといえる（た）。

9． den04nejiddd - 09/07/14 22:45:44

＞kisanjinさん

書き込みありがとうございます！
kisanjinさんの文章は素晴らしいですよ！とても的確でわかりやすく、これだけの情報をよくまとめられるものだと感嘆しています。私には書けません。文章からにじみ出る人生、ただものじゃない気がします(笑)

内容を読んで：　そうだったのか〜！なるほどそうだったのかー！と、次々明かされるお話に私は興奮しきりです。今までよくわからなかったランズボローメイズのこと(ランズボロー氏はなぜ日本に来たのか？、なぜ迷路がたくさんできたのか？、迷路関係で裁判があったらしいがそれはなんだったのか？、板塀下の空間、などなどがわかり)、特に未知だった経営側のことがだいぶわかり、ちょっと感動しております。たくさんの迷路が作られたことばかりが多くの人の記憶に残っているわけですが、ランズボロー氏とメイズプロダクツの福田氏が始めたビジネスは、そのように理念あるものだったなんて！プロジェクトＸみたい。あの形態にはそんな意志があったのですね。直接聞いた方からこのようなお話を聞けてなんともありがたいです。質を落とし増えていった迷路の末路がせつないですね。

kisanjinさんのお話、ちゃんと活かせるのか自分の力不足が少し心配になってきましたが、ありがたくサイトで使わせていただきますね(いつになるやらわかりませんが…)。ブログの方も利用させていただきたいです。掲載許可など色々配慮していただき感謝です。掲示板に書き込んでいただけてよかった。きっとこのランズボローメイズにまつわるお話を見て、楽しくなったり納得したりする人がいると思います。素晴らしいお話を聞かせていただきありがとうございます！m(__)mまた機会ありましたら書き込みよろしくお願いします！

11．kisanjin - 09/08/20 11:43:51 - ID:O6kSroIvDg

拙文を使っていただき恐縮次第です。
しかも新たなページ作成まで…冥利です。
メイズ情報に関しては、迷路よりも複雑な押入れ奥を探して、もし発掘？できましたら、懲りずに公開します。

13．帰山人 - 12/02/17 21:46:48 - ID:APkNQP9ZBg

den04nejidddさま
ご無沙汰しています。拙具ブログに戯れの記事「過ぎし日の迷い２」をＵＰしました。
文は乱調、画像は旅行中のプリント写真のスキャニングなので不鮮明でありますが、
もしもお役に立つのであれば、何をどう持っていっても、使っても結構です。
ランズボロー博士も私も四半世紀前の若き日の姿ですから、チョット恥ずかしいのですが（笑）