BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

   −SS職人への涵養−       壱参弐様


小壱参弐、反尚宮に連れられその部屋に初めて入り、正座する。

 「SSという言葉を聞いたことがない、大人の時間を覗いたこともなかった子が、
 いきなりやってきて>>184と書き込むなんて。煽られるか不安だっただろうに。
 そこまでしてなぜ、好色諧謔板に書き込みたいの? 構わないから言ってごらん。」
 「@bbspinkの最高SS職人になりたいんです。尚宮様、どうすれば、早く最高SS職人に
 なれますか?」
 反尚宮、ちょっと戸惑うような、むっとしたような表情で、
 「書込(カキコ)を書いてみなさい。 書込を持ってきて。」
 「尚宮様どうぞ。」
 小壱参弐の日常を綴った、長文の書込には目もくれずに、
 「やり直しなさい! 何度言わせる気なの?」
 「はい。」
 小壱参弐、これならどうかと、知らぬ人のない吉牛写貼(コピペ)を持ってくるが、
反尚宮、冷たい表情で床に就く。
 それから何度書き直しても、見ようともしない。言葉を掛けてももらえない。

 朝早くから身支度をする小壱参弐が心配になって、様子を伺おうと部屋から出てきた
反尚宮、小壱参弐が大きな紙に文字絵(AA)を貼り付け、持ってくるのを見て呆れ顔で、
 「これは何?」
 「こうすれば目を引いていただけるかと・・・。」
 「明日の朝、もう一度持っておいで。」

 酢楽観で井戸水黄砂騒動があった後、再び小壱参弐、反尚宮の前に座る。
 「書込を持ってきなさい。 持っておいで・・・。」
 「どうしてそればかり何度もおっしゃるのですか。普通に日記を書いても駄目、
 面白おかしい写貼も駄目、文字絵も見ていただけない。」
 「お前はもう判っているはずよ。お母様はどうされていたの?」
 「あ!」

 「書込を持ってくるかい?」
 「あの、熟女萌えはお好きですか。」
 「大好きよ。」
 「あの百合の花を添えても構わないでしょうか。」
 「いいわよ。でも、薔薇は雰囲気に馴染まないわね。」
 「痛々しいとか汚らしいのはどうですか。」
 「ちょっと痛いぐらいなら大丈夫よ。」

 小壱参弐、もう一度書込を書いて持ってくる。
 反尚宮、さっと目を通し、満足そうに微笑む。小壱参弐、受け入れられたことが嬉しくて
たまらない。
 「本編に忠実に、妄想をほんの少し入れました。一度に読み切らず、連載小説を
 お読みになるようにゆっくりとお楽しみください。」
 「ええ、ありがとう。 お母様は物語をお話しされるのに、それだけのことを
 お聞きになったの?」
 「はい。こと細かく聞いてから、私にお話しくださいました。」
 「そうよ、こと細かく聞くこと。それがまさにお前に書込を持ってこさせた理由よ。
 書き込む前に、読む人の好きな物、嫌いな物、生理的に受け入れられるもの、できない
 もの。その全てを考えること。板の空気をよむこと。それがSS職人の心得だということを
 言いたかった。
  しかしお前は知っていたのね。お母様は実に立派だわ。例え保守のための
 一言(ひとこと)でも、書き込まれた瞬間から作品になることをご存知だったのね。
 そして書込は、読む人への配慮が一番だということ、SSは人への気持ちだということを
 ご存知だったのね。
  私はお前がそのような者とは知らず、□なところから来たから馴染みの者も居ぬとて
 受け狙いで、必死になって釣ろうとしているのだと誤解していたわ。
  躾(しつけ)ようとしたのが、逆に私の方が教わることになったわね。」

 小壱参弐、優しく言葉をかけられ涙ぐむ。
 「泣くのはおよしなさい。心を強く持たなければいけないわ。
  もし即答(レス)があっても、悦に入るのはおよし。場を弁(わきま)えない馬が
 太ったような評語が続いても、他の論場(スレ)で『変。』呼ばわりされても、
 むくれてはいけない。そして今後、ずっと放置されても泣かないようにしなさい。
  打たれ強くなりなさい。心が弱くては、お前がそんなにも早くなりたい最高SS職人に
 はなれないわよ。」
                                             <終>



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