BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

   チョンホ×チャングム  ミン・ジョンホの独り言       パンスル(有)様


ハン尚宮の死後、チャングムが済州島に流刑にされてから二年が経った。ここへ来てからというもの、チャングムは、一人で海を眺めていることが、よくある。
そして、ミン・ジョンホは、そんなチャングムを、少し離れた所から見つめていることが、よくある。


チャングムさん、また今日も、一人で海を見ておられるのですね。あなたの頭の中は、仇を打つことで一杯なのでしょう。今日もそのことを考えておられるのでしょうね。
以前、鍼の失敗に苦しむチャングムさんが心配で、お声をかけたのに、
「復讐と医術、どちらもやり遂げます。お戻り下さい」と、素っ気無い言い方。私の想いは、チャングムさんには通過なのですか?私のことは、気にして下さらないのですか?

………いけませんね。こんなことを申し上げては…。真の愛は、見返りを求めてはいけないのです。私は、何年先もチャングムさんの側にいると誓ったのですから。

……そういえば、二年前、ハン最高尚宮様がお亡くなりになって、私はチャングムさんを追って済州島に渡った時。悲しみにくれるあなたに私は、「十年後であっても私はチャングムさんの側にいます。だから無謀な逃亡はしないで欲しい」と言いました。
なのに、あなたは…私の言葉を無視し、洞窟を出て行きました。私が追っていくと、チャングムさんは一人浜辺に座っていました。
亡くなられたハン尚宮様のことを考えておられたのですか?
いや!違う!あの時のチャングムさんは…単なる悲しみではなく、切なくて、優しくて、手の届かない愛おしい方、恋しい方を想っておられる…そんな表情をしておられました。私には決して見せない表情でした……。
チャングムさん、あなたには想い人がおられるのですか?いったい…いったい誰なのです?
水刺間におられた頃は、殿方と親しくしておられるようには見えませんでしたが…。まさか、女官の間でひそかに行われているという、“対食”(同性愛)?
と、なると、同室だったイ・ヨンセン殿か?いや、私が見る限り、チャングムさんはあっさりした態度だったから、それはないでしょう。
では、いったい誰なんです?
……嫉妬に狂うとは。愚かですね。愛は見返りを求めないと、頭では分かっていながら。でも、チャングムさんの心の中には、明らかに、私ではない別の方がおられるのですね。

「チョンホ様、何を悲しそうな顔をしているのですか?」
チャングムさん、いつの間に来たのか。
「いえ。別に。チャングムさんこそ、海を見て何をお考えになられていたのですか?」
「はい。ハン尚宮様のことを思い出していました」

一瞬見せたチャングムさんの顔…そうだ、この表情だ!切なくて、優しくて、愛おしい方を想っているような表情…。
チャングムさんは、ハン尚宮様を……。そうだったのですね。ただの仇討ちでは、なかったのですね?師匠として、母としてではなく、一人の人間として、愛しておられるのですね…。

「チョンホ様、どうかされましたか?」
「な、何でもありません。さあ、戻りましょう」

…私は、ハン尚宮様を越えられるだろうか…。
復讐が終わるまで、いや、もしかして、永遠に越えられないかもしれない…。

でも、それでもいいのです。私は、チャングムさんの側にいられれば……ただそれだけでいいのです。
だから、これからもずっと、チャングムさんを見守り続けます。

[終]



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