最終更新: jewel54palace 2010年02月16日(火) 18:08:14履歴
トック夫妻の騒がしい夜 パンスル(有)様
ある夜のことであった。夫と妻のせわしない話し声が響き渡る。
「まったく!あんたって人は!おとといは頭が痛くて、昨日は足が痛くて、今日は腰が痛い?痛くない日なんてあるのかい?」
「勘弁してくれよ〜。最近ずっとチャングムとイルトの遊びの相手をしてやってたから疲れているんだよ〜」
「父親のつとめは果たして夫のつとめは果たさないというのかい!」
「いや、それとこれとは別で……」
「あのね、貧乏人はこれしか楽しみがないんだよ。今日という今日は逃がさないよ!」
そう言うと妻は、後ろからトックをはがいじめにして服に手をかける。
「うわっ!ちよっ!ちょっ!やめんか!」
じたばたするトック。
「全く男らしくないね、この人は!」
その時、眠そうな顔をしたチャングムとイルトが扉を開けて入ってきた。
「ふあぁ〜。ん?おじさんとおばさん、何をしてるのですか?」
「どわっ!!」
慌てて離れる二人。
「いやあのその……体を鍛えていたんだな。泥棒とか入ってきても撃退できるように」
「そうそう!こういうことは日頃から訓練しておかないとね」
「……ふ〜ん……」
釈然としない表情のチャングムとイルト。
妻はまずいと思い、話題を変えようと質問を切り出す。
「でもどうしたのさ。こんな遅い時間に起きて」
「眠れないんです。」
「あれまあ。それは悪いことをしたね。うるさかったんだね。まったく、あんたのせいだよ!」
「何だよ……。わしだけのせいか?」
その言葉は無視。
「じゃあ、お話をしてあげるよ」
「わあ、本当ですか?」
寝室に向かう妻と嬉しそうなイルトとチャングム。
一人残されたトックは溜め息をつく。
「やれやれ……」
しばらくして
バーン!と勢い良く戸が開いて妻が突入。
「ひゃあ!何?どうしたんだ?」
「ちょっとあんた!これは何?」
バサッと床に本を叩きつける。それを見てトックは顔が青くなり
「おっ!そ、それは……わしの描いた春画……何故お前が!じゃなくて。いや、あの、実はだな。」
「へ〜え。これはあんたが描いたのかい?よく描けてるじゃないか。で、夫のつとめはおろそかに」
「いや、これは生活のために……」
「ああ?そりゃー、金になるなら文句は言わないよ。だけどね、そのお金はどこに消えてるのさ!それは、あんたの懐!だろ?」
そう言うと、妻はトックに掴みかかろうとする。
「おっと!」
素早く身をかわす。
「逃げるんじゃないよっ!」
狭い部屋の中を走り回る二人。
「ねえ、母ちゃんお話まだ〜」
再びイルトとチャングムが部屋に来る。
「ねえ、イルト。おじさんとおばさんは何をしているの?」
「さあ、よく分からないけど、お前が父ちゃんの部屋から持ち出していた、あの本が母ちゃんの気に触ったらしい。あ、チャングム。前から言おうと思っていたんだけど、いくら本が読みたいからって、勝手に持ち出したら駄目だろ?読みたい時は父ちゃんに断らないと」
「そ、そうね……。私、おじさんに謝らなきゃ……きゃっ!」
「チャングマ〜助けてくれい!」
チャングムの後ろに隠れるトック。
「こら!子供を盾にするなんて、卑怯だよ!」
騒がしい夜はそうして更けていった……。
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ある夜のことであった。夫と妻のせわしない話し声が響き渡る。
「まったく!あんたって人は!おとといは頭が痛くて、昨日は足が痛くて、今日は腰が痛い?痛くない日なんてあるのかい?」
「勘弁してくれよ〜。最近ずっとチャングムとイルトの遊びの相手をしてやってたから疲れているんだよ〜」
「父親のつとめは果たして夫のつとめは果たさないというのかい!」
「いや、それとこれとは別で……」
「あのね、貧乏人はこれしか楽しみがないんだよ。今日という今日は逃がさないよ!」
そう言うと妻は、後ろからトックをはがいじめにして服に手をかける。
「うわっ!ちよっ!ちょっ!やめんか!」
じたばたするトック。
「全く男らしくないね、この人は!」
その時、眠そうな顔をしたチャングムとイルトが扉を開けて入ってきた。
「ふあぁ〜。ん?おじさんとおばさん、何をしてるのですか?」
「どわっ!!」
慌てて離れる二人。
「いやあのその……体を鍛えていたんだな。泥棒とか入ってきても撃退できるように」
「そうそう!こういうことは日頃から訓練しておかないとね」
「……ふ〜ん……」
釈然としない表情のチャングムとイルト。
妻はまずいと思い、話題を変えようと質問を切り出す。
「でもどうしたのさ。こんな遅い時間に起きて」
「眠れないんです。」
「あれまあ。それは悪いことをしたね。うるさかったんだね。まったく、あんたのせいだよ!」
「何だよ……。わしだけのせいか?」
その言葉は無視。
「じゃあ、お話をしてあげるよ」
「わあ、本当ですか?」
寝室に向かう妻と嬉しそうなイルトとチャングム。
一人残されたトックは溜め息をつく。
「やれやれ……」
しばらくして
バーン!と勢い良く戸が開いて妻が突入。
「ひゃあ!何?どうしたんだ?」
「ちょっとあんた!これは何?」
バサッと床に本を叩きつける。それを見てトックは顔が青くなり
「おっ!そ、それは……わしの描いた春画……何故お前が!じゃなくて。いや、あの、実はだな。」
「へ〜え。これはあんたが描いたのかい?よく描けてるじゃないか。で、夫のつとめはおろそかに」
「いや、これは生活のために……」
「ああ?そりゃー、金になるなら文句は言わないよ。だけどね、そのお金はどこに消えてるのさ!それは、あんたの懐!だろ?」
そう言うと、妻はトックに掴みかかろうとする。
「おっと!」
素早く身をかわす。
「逃げるんじゃないよっ!」
狭い部屋の中を走り回る二人。
「ねえ、母ちゃんお話まだ〜」
再びイルトとチャングムが部屋に来る。
「ねえ、イルト。おじさんとおばさんは何をしているの?」
「さあ、よく分からないけど、お前が父ちゃんの部屋から持ち出していた、あの本が母ちゃんの気に触ったらしい。あ、チャングム。前から言おうと思っていたんだけど、いくら本が読みたいからって、勝手に持ち出したら駄目だろ?読みたい時は父ちゃんに断らないと」
「そ、そうね……。私、おじさんに謝らなきゃ……きゃっ!」
「チャングマ〜助けてくれい!」
チャングムの後ろに隠れるトック。
「こら!子供を盾にするなんて、卑怯だよ!」
騒がしい夜はそうして更けていった……。
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