終わりに
9.終わりに
暗黙知と形式知
「暗黙知」「形式知」というのは、もしかしたら聞きなれない言葉かもしれない。例えば、僕が映像の作り方を知識として知っている、というのは「暗黙知」だ。そして、このwikiのように、それを文章化したものは「形式知」と呼ばれる。形式知は後世に残るが、暗黙知は消えてしまいやすい。だから、ある組織の力というものは、誰かが考えたり、思いついたり、学んだりした事を、どれだけ「形式知」に変換したかで決まる。そうして、綺畸という団体は、残念ながら圧倒的に暗黙知が多い。そして、暗黙知を伝え続ける上で、消失してしまったものは多い。それは、とても残念なことだ。それは、とても、悲しいことだ。
そんな思いを胸に、せめて僕は映像技術についての僕の持てる暗黙知を、このように形式知に変換したいと思う。ここは編集が自由にできるwikiなのだから、是非、何か学んだこと、何か気づいた事を、文章にして、書き溜めて行って欲しい。書くことで再確認できる事、整理できる事もあるはずだし、それは必ず自分にとってもリターンがある。
知識の構造化
形式知を書き下していく上で、注意すべき点が一つある。それは「構造化」という観点だ。知識がバラバラに存在していては、せっかく形式知に変換しても意味が無い。構造化というのは、つまりは、切り口だ。例えば、このwikiの構成は以下のようになっている。1.はじめに 2.綺畸と映像 3.映像技術セクションの仕事内容 4.映像技術セクションの仕事の進め方 5.PCと映像の基礎知識 6.各種ソフトウェアの使い方とTIPS 7.実際の、映像製作の流れ 8.その他雑多なデータベース 9.終わりに
このwikiは、映像技術を知ってもらう事と、その技術を身につけてもらう事、そして、新しく学んだ事を団体として残すべきだという観点に立って作られているから、「はじめに」と「綺畸と映像」で心構えを述べた後、「仕事の内容」「仕事の進め方」で仕事の全体像を俯瞰してもらい、その後、実際に作っていく上で必要になってくるであろう「基礎知識」と「ソフトウェアの使い方」および、「製作の流れ」を書き、そこまでで触れられなかったが書きたい事を、「その他」としてまとめ、映像技術が、綺畸がよりよいものを作れるようになる為の暗黙知と形式知という話を「終わりに」に置いている。
だから、本当に構造化しようと思えば
心構え
はじめに
綺畸と映像
映像技術とは
映像技術セクションの仕事内容
映像技術セクションの仕事の進め方
映像技術を身につけよう
PCと映像の基礎知識
各種ソフトウェアの使い方とTIPS
実際の、映像製作の流れ
後世に残す
終わりに
その他
というような構造になる。しかし、構造と全体のバランスは同じように大切だから、現在のように章立てをしている。「構造化とバランス」を気にするというのは、つまりは、どうすれば便利に、使い勝手よく、情報を取り出せるか、という事を気にしているのだ。
だから、是非、自分の知ったこと、知っていること、学んだことは、どこに分類できるのか、という事を考えつつ、書き加えて行って欲しいと思う。
石井 遼介
2007年04月21日(土) 16:24:21 Modified by kiki_m