最終更新: matsue_kaigo 2009年09月04日(金) 13:36:24履歴
講師:全労済在宅介護サービスセンターほほえみ 施設長 井筒清一郎氏
日時:平成21年8月28日(金)
場所:いきいきプラザ島根 405研修室
参加者:特養、デイサービス、居宅支援事業所などから計12名
今回は、領域2から8までを一気に解説。駆け足でしたが、予定をオーバーし、20:30まで。重要な部分はていねいに、むずかしい話はわかりやすく説明していただきました。
※体力が基礎にあり、その上に「機能」「意欲」「環境」が乗っている。
2. 普段の生活が「寝たり起きたり」、あるいは(ほとんど、まったく)寝たきりでも体力は低下する。
・家での離床時間(要介護3〜5の重度の介護者で最低3時間/日、要介護1〜2では原則として就寝時、もしくは習慣的な昼寝の時間以外) →「起こすプログラム」を立案
病気でADLが急に落ちるのは急性の病気によるもので、その中で最も多いのは「脱水」
すべてのケアで確認すべきは「脱水」(わきの下に手を入れて確認)と「便秘」
(水分を与えることについては腎臓、心臓の疾患に注意)
・家族と一緒に食事をしたり、居間で一緒に楽しむ時間があるか
→家族は「あたりまえ」という前提で、「他の人」(施設であれば、他の入居者)との関係を作るケアプランを!
・離床時間をチェック
・日中の活動……「テレビをみて過ごしている」とは何も活動していないと同じ!
・「昼夜逆転」をみたら「通所サービス」と「脱水」の解消
日時:平成21年8月28日(金)
場所:いきいきプラザ島根 405研修室
参加者:特養、デイサービス、居宅支援事業所などから計12名
今回は、領域2から8までを一気に解説。駆け足でしたが、予定をオーバーし、20:30まで。重要な部分はていねいに、むずかしい話はわかりやすく説明していただきました。
私たちは十分なケアをしているのでしょうか? できない言い訳ばかりを見つけてしまいますが、それは「われわれの都合」ではないのでしょうか? 「食事が楽しくなるような支援」「入浴が楽しくなるような支援」を、もう少しできないかなと思います。今やっている範囲の中で、すこしずつでも変えていきたい、変えていけるのではないかと思わせてくれるような内容でした。
1. 「参加レベル」での支援を行なうような援助
2. 家族以外の関係をつくるようなケアプラン
3. なじみながらのケア--援助者が孤独を埋めているか
4. ケアプランは弱者に対して行なう
ADLなどのアセスメントは、ただ現状を評価(チェック)するだけのものではない
- 基礎知識
高齢者のADL(IADL)がどのような要素で成り立っているのか?
機能 | 意欲 | 環境 |
体力 |
- 体力低下の原因
2. 普段の生活が「寝たり起きたり」、あるいは(ほとんど、まったく)寝たきりでも体力は低下する。
- 「体力」のアセスメント(居宅)
・家での離床時間(要介護3〜5の重度の介護者で最低3時間/日、要介護1〜2では原則として就寝時、もしくは習慣的な昼寝の時間以外) →「起こすプログラム」を立案
ex. 特養などのオムツはずしプロジェクトは、まず「離床」から!離床は体力の改善や維持に大きな効果を発揮する
- 「体力」のアセスメントの次に行なうのは、ADL、IADLのレベル低下の原因を探る
病気でADLが急に落ちるのは急性の病気によるもので、その中で最も多いのは「脱水」
すべてのケアで確認すべきは「脱水」(わきの下に手を入れて確認)と「便秘」
(水分を与えることについては腎臓、心臓の疾患に注意)
- 「機能」・「環境」のアセスメント
- 「機能」の評価のために訪問リハビリを組む
- 「機能」の評価では病気と水分摂取量もチェックする
- 「環境」アセスメントでは、福祉用具の活用度も考慮する
- 家の中の人的環境は、介護者が過保護か放置傾向かもチェックする
- 家の外の物理的環境は、利用者の家を訪問前にチェックする
- 家の外の人的環境は親しい友人や仲間がいるかチェックする
- 「意欲」の基礎知識
人は孤独だと意欲がわかない。 人は孤立していると意欲を失う。
- 「意欲」のアセスメント
・家族と一緒に食事をしたり、居間で一緒に楽しむ時間があるか
→家族は「あたりまえ」という前提で、「他の人」(施設であれば、他の入居者)との関係を作るケアプランを!
- ◇「自立」・「重度化予防」のケアプラン
- 「デイサービス脱水」のトリビア……当面のゴール
- 「人疲れ」は根拠のない屁理屈!
- デイサービスでは800cc/日の水分を飲ませて帰せ!
- 「特別養護老人ホームへの入所(ショートステイを含む)を考える
みなさんの施設では、そのような援助がなされているでしょうか?
- 規則的な生活は在宅生活の基本−−施設ケアにも通じる
- 普通寝たきりの生活になりがちで、体力低下・虚弱化の原因になりやすい
- 家族に余分な負担を生じやすい。この代表的なものが昼夜逆転である
- 生活全般がなげやりなものになりがちである
- 日中の活動性が低いと不規則な生活に陥りやすい
- ◇「規則的生活」のアセスメント
・離床時間をチェック
・日中の活動……「テレビをみて過ごしている」とは何も活動していないと同じ!
- ◇「規則的生活」のケアプラン
・「昼夜逆転」をみたら「通所サービス」と「脱水」の解消
「認知症の周辺症状を軽減すること」を目標にするのはプロではない。
- 認知症は「孤独の病」
- 援助者は「孤独」を埋めているか?
- 家族への説明は十分なされているか?
- 認知症の4つの型
- 環境不適応型
- 身体不調型
- 知的衰退型
- 周辺症状型
- 葛藤型
- 遊離型
- 回帰型
- 認知症高齢者には、
- 孤独にしない
- 水分
- 便秘
- 急性の病
- これまでとちがった症状が現れたときは、認知症の進行より、まずケアプランがよくなかったのではと考える。
- 同じ症状がなかなかよくならない→「今日よかった理由は?」→記録の重要性
- 「入浴」「排泄」「食事」の順に情報を集める
- 介護者の状況(年齢、病気や障害の有無、体力、人数等)をチェックする
- 家屋環境をチェックする
- 家屋環境のチェックポイント
- 起き上がりに要介助の場合→ベッド
- ベッドから車椅子への移動の際に要介助→ベッドに移動バーがあるか
- 歩行が要介助→手すり
- トイレ→腰掛式、手すりは?
- 浴室→手すり、滑り止めマット、シャワー、シャワーいすの有無
- 動作別負担のケアプラン
- ◇ケアマネジャーが行なうべきアセスメント
- ケアマネジャーは1日の大まかな摂取カロリー数をつかめばよい。
- 栄養素のバランスは「毎日カップラーメン」というような特殊な場合を除いては、ケアマネジャーとしてはアセスメントしなくて良い。
- ◇利用者に必要な1日のカロリー数
- ADLがほぼ自立している ―― 1500kcal
- ADLがほとんど介助である(寝たきり)―― 1300kcal
- ◇摂取カロリー数のアセスメント方法
- 1日の主食のカロリー数×2≒1日の摂取カロリー数
- ◇代表的な主食のカロリー数
ご飯 | 普通の茶碗で軽く1杯 | 80kcal | |
普通の茶碗で普通盛り | 120kcal | ||
お粥 | 全粥 | 普通の茶碗で普通盛り | 60kcal |
5分粥 | 普通の茶碗で普通盛り | 40kcal | |
重 湯 | 普通の茶碗で普通盛り | 15kcal | |
パ ン | 6枚切り 1枚 | 160kcal | |
6枚切り+バター 1枚 | 240kcal |
粥食の場合は栄養不足を一番に疑う
- ただし、糖尿病(カロリー制限)、慢性腎不全(低タンパク高糖質食、塩分、水分)に注意
- 他職種を使う
- 携帯で写真を撮り、栄養士に見せてカロリーを計算してもらう。
- ◇買出しの利点……「参加」レベル
- 買出しは閉じこもり解消(自立への機会、重度化予防)の効果がある。
- 買出しは利用者による食材の選択に結びつく。
- 食材の選択は、食事づくりへの意欲のもとになる。
- 何回かの訪問のあと、「念のために」とさりげなく聞く
- 収入について聞くべきこと
- 年金の種類と金額(月額)
- 年金以外の収入 ―― 子供からの仕送りや動産・不動産収入など。
- 経済的に苦しいとの言葉が出るようなら銀行預金などを話題に。
- 特別な出費
- 住宅ローン
- 事業などによる借金
- 訪問販売などによる高額商品の支払い
- 時には、息子や娘が親の年金をねだりに来る場合も
- 最近では「悪徳商法」も注意が必要。「訪問販売」などは、家の中に見かけなかった家具や健康機器があったり、工事が始まっていたりする「変化」でわかる。「いつもと違う」と思ったら尋ねてみることである。
- 家族関係に重大な問題がないことが大切
- 「非の打ち所がない介護」「判で押したような介護」などは「あやしい」と疑がっているか
- 「引き離し」に通所サービスを利用し、アセスメントを行ったことがあるか
- 主介護者に、それ以外の家族の態度に関する聞き取りを行っているか
- 介護者以外の家族に、主介護者の介護に対する気持ちの聞き取りを行っているか
- ケアマネ自身がケアの中心を担っているか
- 高齢者をめぐる「家族関係」は強弱関係
- 本人-介護者が「義理関係」のものをチェック
- ◇家族構成と家族関係
- 独居者には家族関係の問題はない。つまり“けんか相手がいない”。
- 夫婦のみの世帯にも家族関係の問題(夫婦間の関係)はまずない。例外:若いころから浮気し、何年も家庭を省みなかった男性が寝たきりになって、介護者である妻から虐待を受けている。
- 姉妹で暮らしているケースも家族関係に問題のあるケースはない。
- 実の娘が介護している場合も、ほとんどの例で問題は生じない。※まれに「親子癒着」などのケースがあるので要注意。
- 介護放棄か過保護かをチェックする。
- 家族関係の問題が疑われたら個別面談を。ポイントは「不満」
- ◇嫁が介護しているケース
- 必ず夫の態度について質問すること。
- 普段介護に協力しない夫をなじったり非難したりする。これはいたって健全である。
- 「夫は私の介護が気に入らないようだ」という場合、夫が妻の介護に不満を感じている答えの時が危ない。普通は、自分の親をみてもらっているのだから、気が引けて不満などいえる立場ではない。
- 必ず夫の態度について質問すること。
- ◇注意する言葉
- 「この親のためなら何でもしてあげたい」
- 「自分はどんなにつらくても…」
- 「自分以外の人には介護を任せられない(任せるもりはない)」
- 家族関係のアセスメントは、きちんとしたやり方でないと、いつまでたっても問題の本質がわからない。
(1) 家族関係が悪いといってもほどほどのレベルである。
本当に家族関係が悪ければ、在宅生活そのものがすでに失われているはず。ex. 施設入所など
(2) 家族の中に悪人をつくるな!
プロのケアマネジャーとすれば、「加害者性」(逆の被害者性)、つまり、“なぜかれらが加害者になるにいたったか”を冷静に分析し、その過程への共感を持つ。家族関係には永い歴史があり、現在の家族関係はそれを土台に構築されている事実に着目。
(3) 介護以前の家族関係まで改善しようとするな!
私たちがめざすものは、「介護」という事態が生じてからの家族関係の悪化を食い止め、強者も弱者なく、適切な介護が行われる家庭生活を実現すること。
本当に家族関係が悪ければ、在宅生活そのものがすでに失われているはず。ex. 施設入所など
(2) 家族の中に悪人をつくるな!
プロのケアマネジャーとすれば、「加害者性」(逆の被害者性)、つまり、“なぜかれらが加害者になるにいたったか”を冷静に分析し、その過程への共感を持つ。家族関係には永い歴史があり、現在の家族関係はそれを土台に構築されている事実に着目。
(3) 介護以前の家族関係まで改善しようとするな!
私たちがめざすものは、「介護」という事態が生じてからの家族関係の悪化を食い止め、強者も弱者なく、適切な介護が行われる家庭生活を実現すること。
- ◇「家族関係」のケアプラン
- 引き離し
- とりなし
- 弱者の愚痴聞き
- ◇ケアマネジャーがケア(介入)の中心
- 「引き離し」には通所系サービスをパッケージする。
- 「とりなし」は弱者の価値を強者に発見させること。ex.「こういういいところもあるじゃない」
- 弱者は孤立しており、同時にストレスを抱えている。愚痴は弱者からつねに出てくるものであり、わざわざ“聞いてあげる”必要はない。むしろ聞き手の態度が重要。「何とか助けなければ…」と決意し傾聴すること。共感、同情、思いやりなどが弱者に伝わった時、弱者は“自分を理解してくれる人”の存在を知り、孤立から救われる。
- ◇「ストレス」のチェックポイント
- 何となく生気がない。
- 憔悴しきっているような顔つき(雰囲気)
- 「気が重い」「気持ちが暗くなる」などという。
- “今後の不安”を口にする。
- 本人、介護者が普段の生活で他人と触れ合う機会があるかチェックする。
- ◇孤立、ストレス発散の機会をみるチェックポイント
- 近所に顔なじみや、言葉を交わす相手がいない。
- 友達とあったり、ブラブラと買物をするなどの気分転換の機会などもない。
日時 平成21年9月25日(金)19:00〜20:00
場所 いきいきプラザ島根 405研修室
講師 全労済在宅介護サービスセンターほほえみ 施設長 井筒清一郎氏
申込・お問い合わせ matsue_kaigo@livedoor.com
場所 いきいきプラザ島根 405研修室
講師 全労済在宅介護サービスセンターほほえみ 施設長 井筒清一郎氏
申込・お問い合わせ matsue_kaigo@livedoor.com
次回はいよいよ事例検討に入ります。先生から事例をお持ちいただき、グループワークを行なう予定です。2回の講義に参加いただけなかった方でも、自施設での事例検討を見直す観点からも、参加して見られませんか? 有意義な勉強会になると思います。
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TKPzOw Muchos Gracias for your blog.Really thank you! Cool.