日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


性能緒元
満載排水量13,800t
全長158m
全幅23m
主機統合電気推進方式(ポッド式スクリュー×2)
速力20kts
乗員

【搭載潜水艦救難艇】
LR-71隻
潜水鐘1基

927型潜水艦救難艦は2023年に就役したばかりの新型潜水艦救難艦[1]。満載排水量は13,800tに達し、中国海軍の潜水艦救難艦の中でも最大の艦となった[2]。

主な任務は、潜水艦救難艦としての救難、補給、整備、潜水艦母艦や病院船としての任務に加えて、海洋調査など多用途での使用が想定されている[1]。特に原子力潜水艦の事故に対する対応能力が重視されており、原潜事故および沿海地域に建設された原子力発電所の事故の際の救難活動にも用いることが出来る[1][3]。

【性能】
927型は13,800tという中国海軍の潜水艦救難艦の中で最も大きな艦となったが、これは外洋・深海域での潜水艦救難任務を想定したものであり、この排水量は外洋で救難活動に従事するための安定したプラットフォームとしての能力を追求したものとされる[1]。

927型は、潜水艦救難任務とそれに付随する病院船としての設備、艦艇の修理を行うための工作船としての機械加工・修理能力を有しており、さらに捜索、救難、潜水艦母艦、海洋調査、サルベージ任務と多種多様な任務に投入することが想定されている[1]。そのため、広い艦内スペースが必要となるため、高い喫水線高を有する艦艦楼に続いて大型の上部構造物を配している[1]。安定性を重視して艦幅を広く取っており、煙突を上部構造物両舷に並列に二本配置したのも、煙突を左右に分けることで排煙の影響を減ずると共に、重心を分散させて安定性を改善する目的がある[1]。

フラットな艦首部にはヘリコプターの発着甲板を設けている[1]。格納庫はないので固有の艦載ヘリは搭載されない。船体後部にはサルベージ・潜水艦救難用装備の搭載スペースとなる長大な甲板が確保されており、後甲板中央部には中折れ式大型クレーン1基と中折れ式小型クレーン1基、艦尾には大力量のAフレーム・クレーンを装備している[1]。艦尾のAフレーム・クレーンは潜水艦救難艇の発艦・収納に用いられる[1]。

927型の特徴として、モジュール化された潜水艦救難装備の採用があり、貨物用コンテナを利用してモジュール化された各種装備が後部甲板に搭載される[1]。潜水艦救難任務の際には、減圧装置、潜水救難艇の巻き上げ用ウインチ、発電機、バッテリ―、コントロールルームなどがコンテナモジュールに搭載されて甲板に配置される[1]。コンテナモジュールの採用により、任務に応じて迅速にモジュールを積み替えることで、多用途での活用が可能となる[1]。

927型はイギリス製LR-7潜水救難艇と国産の飽和式潜水鐘の二種類の救難装置が用意されている[1]。一刻を争う救難活動では、救難作業におけるミスを減らすために事故潜水艦に正確かつ確実に到着することが不可欠となる[1]。特に深海では、風・波・海流などにより救難艇が流されてしまい、アンカーチェーンの身に頼って安定化させるのも困難である[1]。このため、927型など中国の新型潜水艦救難艦では、高い即位能力を有するDP3型動力定位置装置(中国語だとDP3型动力定位装置)が採用されている。DP3は、「北斗」衛星位置測定システムを用いて高精度の位置情報を提供することが出来、シーステート6〜9で海流誤差1ktsを超える状況下においても、その位置を誤差0.1m以内に納める能力を備えている[1]。

艦自体を安定したプラットフォームとするため、927型は艦首スラスターに加えて、全周旋回可能なポッド式スクリュー二基を備えている。ポッドの前後にスクリューが配置され、スクリューの回転とポッド自体を駆動させることで微細な動きを可能とする[1]。

927型は艦尾に大量の救難用機材を搭載しているので艦尾重量が増し、甲板一平方メートルあたり少なくとも5tの圧力がかかってる[1]。また、救難効率を高めるため複数の高出力スラスターを用いているので、通常のスクリュー推進船と比較して艦尾に負荷がかかり共振が発生しやすくなり、聞きの安定性と信頼性に悪影響を及ぼしかねない[1]。それに対処するため、設計時には多数のシミュレーションが行われ、その結果を踏まえて救難機材の配置を工夫するとともに、機関に統合電気推進方式を採用した。統合電気推進の採用は、共振を抑制し、救難用機材の動作に必要な電力を確保すると共に、スラスターとポッド式スクリューに必要な出力を確保するための選択であった[1]。

【核・放射線事故への対策】
927型は中国の潜水艦救難艦としては初めてとなる本格的な核・放射線事故対策が施されているのが大きな特徴である[1]。

中国海軍では原子力潜水艦の戦力増強を進めており、今後ますます多くの原潜が就役し、その行動範囲も広くなっていく事が想定されている。それに伴い、原潜で重大な事故が発生した際の対策を用意しておく必要性が高まっている[1]。

原潜の救難作業では、事故原潜の船体周囲、救難艇とドッキングする箇所、乗員の表面汚染レベル、放射線濃度を測定して、リスクを踏まえて合理的な救難作業を行うことが求められる[1]。927型のために開発された水中放射線自動測定システムは、自動サンプリングシステム、水中ガンマ線測定装置、水中ガンマパルス探知装置、スペクトル解析技術、システム制御、スペクトル解析ソフトウェアなど技術的に解決すべき項目を考慮して開発された[1]。これにより、深度100m未満の救難目標に対する迅速な救難を可能とし、救難作業に当たる隊員と救難対象の人員双方の被曝を防ぎ、治療を行う技術的インフラを構築することが出来た[1]。

この能力は原潜の事故のみならず、沿海部に建設された原子力発電所の事故に際しても用いることが可能であり、原発事故においても投入されることが想定されている[3]。

1番艦鏡泊湖Jìngpō Hú8302015年12月起工、2019年12月進水、2023年7月就役。南海艦隊所属[4]。

【参考資料】
[1]肖易1973「微博-肖易1973-23-10-7 06:44投稿」https://weibo.com/5280454510/NmHjl9hct
[2]知乎「深蓝守护神,与生死竞速的援潜救生船」(了不起的中国制造/2023年10月21日)https://zhuanlan.zhihu.com/p/662507670
[3]风闻「海军装备:830舰(镜泊湖)」(C大调/2023年11月30日)https://user.guancha.cn/main/content?id=1136314&s=...
[4]今日头条「中国海军舰艇之龙江籍舰艇:2驱2护1登陆2救生船(含退役)」(浅尝人间风月/2023年9月10日)https://www.toutiao.com/article/727335283127135493...

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