日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼動画「军版BJ80,柴油康明斯2 8T发动机#汽车 #科普 #car」BJ80のショート動画。
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性能緒元
重量2.8トン(CTL151-A)
全長4.705m(CTL151-B)
全幅1.890m(CTL151-B)
車高2.135m(CTL151-B)/2.006m(CTL151-A)
エンジン福田康明斯isf 28s4161P型直列四気筒ターボチャージドディーゼルエンジン117kW(156.9馬力)
変速機唐山弘基8T型マニュアル式変速機(前進6段・後進1段)
最高速度120km/h
最大登攀角70度
最大安定傾斜角30度
航続距離1,000km
渡河深度0.60m
搭載重量500〜750kg
乗員1+4(CTL151-A)/1+7(CTL151-B)

BJ80「勇士」0.5/0.75トン戦地越野車は2016年頃から中国軍への配備が開始された小型多用途四輪駆動車である[1][2][3]。開発・生産は北京汽車工業控股有限責任公司(略称:北京汽车/BAIC MOTOR)傘下の北京ベンツ汽車有限公司(中国語だと北京奔驰汽车有限公司/英語名称Beijing Benz Automotive Co., Ltd. (BBAC)。

【BBACについて】
BBACの前身となる北京吉普(ジープ)汽車有限公司(BJC)は1983年にアメリカン・モーターズ社(AMC)と北京汽車工業が共同で設立した合弁企業で、その後、北京汽車工業控股有限責任公司(BAIC)に改名し(「控股」は合弁の意味。)、BAICとAMCを傘下に収めたダイムラー・クライスラーの合弁会社となった[4]。さらに、ダイムラー・クライスラー社の企業再編に伴い2005年10月から北京奔馳(ベンツ)、正式名「北京ベンツ・ダイムラークライスラー汽車有限公司(原文:北京奔馳-戴姆勒・克莱斯勒汽車有限公司/略称:BBDC)」と社名を変更[5]。ダイムラーとクライスラーは2007年に企業合同を解消し、BBDCの名称は2009年頃までは確認できたが、その後社名を北京ベンツ汽車有限公司(中国語だと北京奔驰汽车有限公司/英語名称Beijing Benz Automotive Co., Ltd. /略称BBAC)と改めている。

同社は、1965年からBJ212、その後継のBJ2020Sなどの人民解放軍で広く使用されてきた小型四輪駆動車の開発生産を行ってきた。そして改革解放後は海外企業と提携し、ジープチェロキー、パジェロ等の日米両国の系列企業のオフロード4WD車をライセンス生産することで小型四輪駆動車に関する技術蓄積に務めてきた。

【BJ80の開発経緯】
中国軍では1999年にBJ2020S四輪駆動車に替わる次世代汎用小型軍用車両に関する要求を各自動車メーカーに提示した。このような民間企業に対する入札により装備を調達する方式は中国では初めてのことだった。10社が入札に参加し激しい受注競争を行ったが、4回の入札を経て最終的にはBJCの設計案が最も高い評価を受けた[6]。開発メーカーに指名されたBJCは、2002年から正式な開発を開始、2005年に開発を完了した。この車両がBJ2022「勇士」戦地越野車であり、2007年に量産が承認され、同年8月からBBDCでの生産が開始、2008年に制式採用を勝ち得た[3]。

長期間の運用を想定した次世代四輪駆動車として配備が進められたBJ2022であるが、その配備開始から10年程度でそれに続くBJ80が登場することになった。その理由としては資料[1]では、当初の意図よりもサイズと重量が大きくなってしまったため、更新対象であるBJ212/BJ2020Sとの差が広がり、中国軍の四輪駆動車のラインナップに空白が生じる結果となった[1]。そのため、BJ2022と並行して、より小型の四輪駆動車を採用することが決定したと説明している[1]。ただし、BJ2022とBJ80のスペックを比較すると、むしろBJ80のほうが大きくなっているので資料[1]の説明では道理が通らないことになる。
BJ2022BJ80(CTL151-B)
全長4.487m4.705m
全幅1.855m1.890m
車高1.870m2.135m

資料[2]ではBJ2022は技術的にBJ2020およびその原型となったジープチェロキーの流れを組んでおり、開発開始から実用化まで20年以上の期間を経ているので、技術的に理想的ではなく、頻発した車両の品質上の問題もあって2015年以降は少数生産に切り替えられたとしている[2]。今後、BJ80の採用に関するさらなる情報が出ることが期待される。

最初から軍用として開発されたBJ2022とは異なり、BJ80は軍民共用車両として開発され、まず2014年から民間向けの量産が開始され、中国軍がこれを制式採用するのは2016年頃になる[1][3]。一般にその存在が知られるようになったのは、2017年7月1日の香港返還20周年記念式典や同年7月30日に開催された中国人民解放軍創設90周年記念軍事パレードの舞台であった[3]。

BJ2022とBJ80はどちらも「勇士」の愛称が付与されているので、両者を識別する際には前者は「1代勇士」、後者は「2代勇士」の呼称が用いられる[2]。2015年からはBJ2022の大規模配備を終えて小規模発注に切り替えて、翌2016年からBJ80の生産が開始された[2]。

【性能】
BJ80の中国軍向けバージョンはBJ80Jの識別名が与えられている[1]。これとは別に、軍が付与した装備ナンバー(装备编号)があり、指揮車型はCTL151-A、兵員輸送型はCTL151-Bの型式名が与えられており、このほかに特殊部隊向けのオープントップ型、通信車、電子戦車両、装甲車型などがあり、各種兵装や装備のプラットフォームとして用いることが出来る[2]。中国以外ではチェコ共和国で生産されており、同国のSVOSと共同開発して現地生産されているSVOS S80が存在する[1][2]。

BJ80の車体は一般的なフレーム構造を採用している[1]。前タイプのBJ2022はグラスファイバー製ボディを採用していたが、BJ80では開発当初からスチールボディ構造を採用することが定められていた[2]。なお、BJ80の通常型は車体に防弾板を装着するような構造は備わってない[2]。そのため、通常型とは別に小銃弾などに対する抗湛性を有する装甲車型が開発されている[1]。

CTL151-Aは5人乗り・積載量0.5トン、CTL151-Bは8人乗り、積載量0.75トン。前者は4ドア、後者は2ドアとなっており、兵員輸送型であるCTL151-Bの方が車高が129mm高い2135mmとなっている[2]。サイズはCTL151-Bの方が大きくなっており、全長4705mm、全幅1890mm、全高2135mmだが、両車ともホイールベースは2800mm[2]。

エンジンは、北京福田康明斯発動機有限公司が提供するisf 2.8T直列四気筒ターボチャージドディーゼルエンジンを搭載[2]。isf 2.8Tシリーズは主にピックアップトラックに用いられており、BJ80Jが搭載するのはその軍用規格版であるisf 28s4161P型である[2]。エンジン出力は117kW(156.9馬力)、最大トルクは340Nm[2]。変速装置は前進6段、後進1段で、4WDについても4H、4L、4HLOCK、4L LOCKを選択可能[2]。BJ80は120km/hの路上最高速度、1,000kmの航続距離を有している[1]。走破性能については最大安定傾斜角30度、最大登攀能力70度、40cmまでの塀を乗り越え、50cmまでの溝を走行する能力を備えている[1]。最大渡渉深度は60cm[1]。

中国軍のBJ80ファミリーは共通して、第二世代「北斗」軍用衛星位置測定システムを標準装備しており、車体頂部の前部右側にアンテナが付いている[2]。

座席やハンドル、車内内装は市販車と同等の装備が採用されており、人間工学に配慮した設計が施されている。キャビン中央にある7インチ多機能液晶ディスプレイは、「北斗」カーナビ、ラジオ、車両のハード/ソフト制御系統などの操作端末として使用される[2]。エアコンも標準装備されており、さまざまな気象条件下での運用の利便性を向上させている。

座席配置は、指揮車型のCTL151-AではBJ2022JCでは前席2名と後席3名、兵員輸送型のCTL151-Bでは前席2名、後席は3名用座席が対面で配置されている[2]。BJ80の搭載能力はタイプによって差があるが概ね500〜750kgであり、軽トレーラーや火砲を牽引することもできる[1]。

車内配置はフロントエンジン式で足回りは前輪がフロントアスクル+ディスコネクト機構+ダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用しており、後輪はインテグラルアクスル+マルチリンク非独立サスペンションを採用し、中国全土、東アジア、東南アジア、中央アジア、シベリアなど多様な地形・道路状況での運用が可能であるとしている[2]。

固定武装は無いが、必要に応じて小火器などの武装を搭載することが可能。特殊部隊向け車両では、オープントップ化されて車体中央フレームを兵装搭載スペースとして用いることで防盾付き機関銃を搭載したバージョンの存在が確認されている[1]。

【評価】
BJ80はBJ212/BJ2020、BJ2022に続く中国第三世代の小型汎用四輪駆動車として、中国軍や武装警察への配備が進められている。長期間にわたり配備と改良が重ねられてきたBJ212とは対照的に、新世代の技術を盛り込んで開発されたBJ2022の装備開始から9年で登場することになったBJ80。世代交代の速度が速まっていることについては、中国軍の兵器開発と製造能力の大幅な向上の現れであるとする分析もある。

軍用車両として開発されたBJ2022とは異なり、BJ80は先に商用車として販売を開始した後に軍用車両となるという対象的な開発経緯をたどることとなった。これについては、軍民双方で生産されることで部品調達量を増やしてコスト削減に繋げられる利点が存在する。それに加えて、中国の自動車産業の技術水準が向上し、軍用として開発せずとも商用車ベースで十分な性能を有する車両を調達できるようになった証だと見なすことも可能であろう。

BJ80 は前線での高脅威度下での戦闘任務向けには設計されていないが、信頼性の高さと高い悪路走破性を生かして小型汎用四輪駆動車として活用される[2]。小〜中隊レベルで平時の物資や人員の輸送・連絡などの普段使いの軽車両として、戦時においても先の任務に加え作戦指揮、通信、連絡、輸送、偵察、さらに各種装備を搭載するプラットフォームとして、多様な任務での使用が想定されている[1][2]。

【参考資料】
[1]MILITARY TODAY「Beijing B80 Light Utility Vehicle」https://www.militarytoday.com/trucks/beijing_bj80....
[2]汽车之家「宋楠:解析人民解放军“3代军”BJ80车族技战术」(宋楠/2017年8月6日)https://chejiahao.autohome.com.cn/info/2030707
[3]汽车之家「宋楠:深度研判北京汽车BJ80阅兵车背后的军事意义」(宋楠/2017年8月1日)https://chejiahao.autohome.com.cn/info/2027150
[4]矢吹晋中国研究室(yabuki's china watch)「中国自動車産業の歴史」(矢吹晋/1994年)
http://www25.big.or.jp/~yabuki/doc/hou10720.htm
[5]急変する中国自動車産業と日本メーカーの行方(関満博)
http://www.president.co.jp/pre/20030714/003.html
[6]新浪網「北京吉普“勇士”戦地越野車亮相 明年投産」(2005年5月23日)
http://auto.sina.com.cn/news/2005-05-23/1435117361...

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