日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼1999年の建国50周年軍事パレードで初公開されたDF-31。

▼2009年の建国60周年軍事パレードで登場したDF-31A

▼DF-31の発射試験の連続写真。

▼DF-31Aの弾頭部とされる写真


性能緒元
全長13m
直径2.25m
重量42,000kg
構造三段式固体燃料ロケット
誘導方式慣性誘導+恒星更新
ペイロード700kg(もしくは1,050kg、1,750kgとの説もある。)
弾頭単弾頭/1,000kT(DF-31)
 多弾頭(MIRV)3〜5個/各150kT(DF-31A:推測)
射程8,000km(DF-31)
 10,000〜11,200km(DF-31A)
半数必中半径(CEP)100〜300m
発射準備時間15〜30分
配備方法固定サイロ格納式/大型車輌搭載移動式

DF-31(東風31/CSS-9)は中国火箭発動機技術研究院(ARMT:Academy of Rocket Motors Technology)で開発された固体燃料式の大陸間弾道ミサイルである。

中国は1978年から、旧式のDF-4大陸間弾道ミサイル(東風4/CSS-3)の後継として、新しいICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を始めた。主契約社は内蒙古のフフホト(呼和浩特)にあるARMT。当初の開発名称はDF-23だったが、JL-2潜水艦発射弾道ミサイル(巨浪2/CSS-NX-10)と技術を共有するICBMとして開発が進められることとなり、1985年1月にDF-31と名称を改めた。固体燃料ロケットエンジンの開発に難航したため、1990年代初期に計画されていた発射実験は延期が繰り返され、結局最初のテストが行われたのは1999年にずれ込んだ。1999年8月2日、中国メディアは一斉に新型ICBMの発射成功を伝え、同年10月に北京で行われた建国50周年記念パレードでDF-31が初めて公開された。DF-31の実戦配備は2002年3月から始まったとの説があったが、これ以降も発射試験が繰り返されたことから、2002年時点では実用化には達していなかったとみられる。

DF-31の配備の遅れは、高い命中精度、推力が高く信頼性のある固形推進剤の開発など、解決すべき各種要素が多かったこと、より射程の長い改良型であるDF-31Aに開発の中心が移ったことが背景にあると推測されている。

DF-31は三段式の固体燃料ロケットで8,000kmの射程を持っており、1,000kTの単一核弾頭を装備する事ができる。固体燃料ロケットは液体燃料のそれと比べて耐用年数が長く、発射準備時間が短くなる利点がある。ただし、長期間の保存でも劣化せず高推力の固体燃料を安定した品質で生産するには、高い技術とノウハウの蓄積、そして複数の実用試験で予定性能が達成できるかを実証する必要があった。DF-31は冷戦末期に開発に着手されたこともあって、その主要目標は国境を隔てて鋭く対峙していたソビエトであった。DF-31の8,000kmという射程は、ソビエト全土を射程範囲に治めることを目標に定められたと推測されている。ただし、この射程ではアメリカ西北部(アラスカ州やワシントン州など)を辛うじて捉えられる程度でしかなく、アメリカに対する核抑止力としては不十分な物に留まっている。

アメリカ本土を射程圏内に治める第二世代のICBMとして大形のDF-41(東風10/CSS-X-10)の開発が行われていたが、技術的な困難から開発は頓挫してしまった。中国は、核戦力の空白を避けるため、開発が比較的進んでいたDF-31をベースにしてアメリカ本土に到達可能なICBMへと発展させることを決定した。DF-31Aの開発では、アメリカ本土に到達可能な射程の確保と、核弾頭のMIRV(Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle:多弾頭独立目標再突入体)化の2つが主な目標とされたと見られている。DF-31/31AがICBMとしては小型の部類に属していたことは、MIRV化において不利な要因となった。従来の中国軍のICBMであるDF-5が3,200kgのペイロードを持っているのに対して、DF-31のペイロードはDF-5の4分の1以下である700kgに留まっている。ペイロードが少ないことは、弾頭に搭載できる核弾頭の重量に限界があることに繋がり、核兵器の小型化技術で遅れを取っているとされる中国にとっては不利な要因となる。少ないペイロードでMIRV化するには、個々の弾頭重量をより小型軽量化する必要があり、弾頭の小型化と核兵器としての威力の確保の間のバランスを取る事が難しくなる。小型でペイロードが少ないことは、当然射程の延長にも不利に働くことになる。DF-31Aの実用化には、上記のようなさまざまな技術的ハードルをクリアする必要があった。DF-31Aは、2006年9月4日に発射試験を実施して、実験は成功裏に終了したとされる[7]。

DF-31Aの射程は少なくとも10,000km以上を確保していると見られ(アメリカ国防総省のChina Military Power Report 2009ではDF-31Aの射程を11,200kmと見積もっている[6]。)、DF-31では不可能だったアメリカ全域を射程圏内に納めることが可能となった。弾頭については、150kTの弾頭を3〜5個装備するMIRVを装備すると見られている。MIRVは複数の弾頭がそれぞれ別の目標に対して攻撃可能で、ミサイルの配備数を増やさずに攻撃力を高めることが可能となる。ただし、中国がMIRV技術を実用化レベルに到達させたかについては論議がある。中国は1990年代以降、核兵器近代化のため弾頭の小型軽量化に開発の軸足を移しており、内外から合法・非合法の各種手段を通じて得られたノウハウも寄与して、基本的なMIRV技術の構築に成功したとされるが、その完成度に関しては明らかになっていない。

DF-31、DF-31Aとも敵のミサイル防衛を妨害するために複数のダミー弾頭を搭載しており、再突入時にそれらを射出するものと思われる。情報によれば誘導方式は慣性航法装置と恒星照合装置で、恒星照合装置はミサイルに搭載されているコンピューターが星図と実際の星の配置を比較して軌道を修正する。また最新型はGPSを併用しているといわれるが、定かではない。

DF-31はミサイルランチャーを大型車輌により牽引する自走型と固定式ミサイル・サイトから発射する2つのタイプがある。自走型はHY4031大型トレーラーに牽引されており、1999年の軍事パレードで公開されたのもこのタイプだった。この方式ではオフロード走行は難しく、もっぱら道路を移動する事が前提になっている。中国はこの点を弱点と考えており、ウクライナやロシアから優秀なオフロード走行能力を持つミサイル輸送用大型特殊車輌を購入するか、若しくは自分たちで開発する可能性があると考えているとされる。HY4031大型トレーラーには正確な自己位置を測定するためにGPSが搭載されている。さる情報では鉄道移動型が開発され、普段は山を繰り抜いたトンネル内に隠されていると言われているが詳細は不明。射程延長型のDF-31Aは、16×16の特大輸送車を元に製作されたTEL(Transporter-Erector Launcher 輸送・起立・発射機)にDF-31よりも大形のミサイルランチャーを搭載するとの情報もあったが[2]、2009年10月1日に開催された建国60周年軍事パレードで初公開されたDF-31AはDF-31と同じランチャー牽引式を採用していた[9]。

前述の「China Military Power Report 2009」によると、DF-31の配備は2006年に開始され、改良型のDF-31Aも2007年には初度作戦能力を獲得して配備が始まったとしている[6]。

【参考資料】
[1]阿部純一「第2砲兵部隊と核ミサイル戦力」所載:『中国をめぐる安全保障』(村井友秀・阿部純一・浅野亮・安田淳編著/ミネルヴァ書房/ 2007年)
[2]『人民解放軍-党と国家戦略を支える230万人の実力』(竹田純一/ビジネス社/2008年)
[3]間山克彦「中国の核戦力の現状と将来」所載:『中国の核・ミサイル・宇宙開発』(茅原郁生編著/蒼蒼社/2002年)
[4]榊純一「中国のミサイル戦力の現状と展望」所載:同上

[5]「ANNUAL REPORT TO CONGRESS-Military Power of the People’s Republic of China 2008」(アメリカ国防総省/2008年)
[6]「ANNUAL REPORT TO CONGRESS-Military Power of the People’s Republic of China 2009」(アメリカ国防総省/2009年)
[7]Chinese Defence Today「DongFeng 31A (CSS-9) Intercontinental Ballistic Missile」
[8]MissileThreat「CSS-9 (DF-31)」
[9]YouTube「China's 60th National Day parade 中華人民共和国60周年国慶閲兵 pt4」(2009年10月1日)

中国第二砲兵

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