日本の周辺国が装備する兵器のデータベース



▼「20121013 兵整開放--M42炮操表演」台湾陸軍兵工整備發展中心の開放日に行われたM42の操砲デモンストレーション映像


性能緒元
重量22.6トン
全長6.357m
車体長5,819m
全幅3.225m
全高2.847m
エンジン(M42)AOS-895-3 ガソリン・エンジン 500hp
 (M42A1)AOS-895-5 ガソリン・エンジン 500hp
最高速度72.4km/h
航続距離160km(M42)/190km(M42A1)
武装M2A1 66口径40mm機関砲×2(480発)
 M1919A4もしくはM60 7.62mm機関銃×1(1,750発)
装甲7.62〜25.4mm(防弾鋼板)
乗員6名(車長、操縦手、砲手、照準手、装填手×2)

M42 40mm自走機関砲「ダスター」は、1950年に開発が開始され1952年からアメリカ陸軍に引渡しが開始された戦後第一世代の対空自走砲である[1]。

M42は、M41軽戦車「ウォーカー・ブルドッグ」(開発時の名称はT41)をもとにしたシャーシに40mm連装機関砲M2A1を搭載した対空自走砲で、M41を手掛けたキャデラック社によって開発が行われた[1]。開発時の名称はT141。T141対空自走砲は、第二次大戦時から運用されていたM19対空自走砲の砲塔周りのコンポーネントを流用したため確実な信頼性が確保されており、新型のT41軽戦車の車体と組み合わせたことでM19対空自走砲よりも機動性が大きく向上していた[1]。T141は1953年10月22日に「M42 連装40mm自走砲」(Twin 40mm Self-propelled Gun M42)として制式化され、同時に「ダスター」(Duster:埃を払う人、はたきの意)の愛称も与えられた[1]。

M42の生産はアメリカン・カー&ファウンドリー社(1954年にACF工業に改組)により1953年12月から開始され、1956年6月まで続けられた[1]。生産数はM42と改良型のM42A1の合計で3,700両とされる[2]。

本車はM19対空自走砲に代わって、1954年から機甲師団や歩兵師団の高射大隊に配備された[1]。M42対空自走砲は1960年代初頭に勃発したヴェトナム戦争に投入されたが、この戦争では本業の対空任務は発生せず拠点防衛やコンボイ・エスコートなどの対地任務に多用された、M42の40mm連装機関砲は対地攻撃において大きな威力を発揮した[1]。

アメリカは200両のM42をヴェトナム戦争に投入していたが、1971年以降は南ヴェトナム軍への引き渡しが進められた[3]。アメリカ本土の州兵部隊で運用されていたM42も1988年までに全車が退役してアメリカ軍での運用にピリオドを打った[4]。

【性能】
M42対空自走砲の車体はM41軽戦車を原型としているが、車体正面に大型ハッチを設け、左右のフェンダーに弾薬や40mm機関砲の予備砲身を収納する装具箱を追加、マフラーも延長されてその上に工具箱が載せられるなど変化も見られる[1][2]。車体正面に大型ハッチを設けたのは、予備弾薬を迅速に車内に搬入するための措置[5]。

エンジンは500hpのAOS-895-3 ガソリン・エンジンを搭載。後に燃料噴射システムを取り入れたAOS-895-5 ガソリン・エンジンに換装され、型式名をM42A1と改めている。M42A1では燃費の向上により、航続距離がM42の160kmから190kmに延伸されている[2]。これとは別に、停車状態でもメインエンジンを駆動せずに砲塔を旋回させるための補助エンジンも搭載されている[5]。

乗員は6名で、車体前部左側に操縦手、車体前部右側に車長、砲塔左側に砲手、砲塔右側に照準手、砲塔後部に二名の装填手が位置しており、車長は無線手も兼任していた[1][2]。砲塔には砲手と照準手、2名の装填手が配置されていたが、コンパクトにまとめられていたため居住性の面では難があったとされる[1]。

円筒形の砲塔はオープントップ式で、砲塔中央に連装機関砲を配置してその周囲に乗員が位置する。砲塔正面には防盾を備えているが、側面と後面の装甲は乗員を完全に保護するだけの高さは有していない。砲塔の旋回速度は毎秒40度[2]

砲塔の真中におかれた40mm連装機関砲M2A1は、スウェーデンのボフォース社製40mm対空機関砲の改良型[1]。砲身長は66口径で、最大発射速度は毎分120発で、二門合わせて240発[1]。使用弾薬はHE(榴弾)、AP(徹甲弾)、TP(演習弾)で砲口初速は880〜872m/秒、最大射程は8,000mとされるが一般的な交戦距離は5,000m程度[1]。機関砲の動作は油気圧駆動で、付仰角は−3〜+85度[1]。弾薬装填はクリップ式で各クリップには砲弾4発が収納[1]。照準は目視照準方式で、全天候性能は有していない[1]。当初の計画では、レーダー照準機を備える発達型のT141E1が並行して開発される予定であったが、こちらは実用化には至らなかった[1]。

副武装として、砲塔右側面もしくは後面のピントルマウントに7.62mm機関銃を1挺装備[1]。当初はM1919A4が搭載されたが、後年多くの車両で新型のM60Dに換装されている[1]。また、エンジンルーム直後の装具箱には自衛用の3.5インチ対戦車ロケット発射器M20が収納されている[5]。

【台湾におけるM42】
台湾では1958年[3]、もしくは1960年[6]に17両を調達したのを皮切りに、1976年までに合計287両のM42/M42A1が引き渡された[6]。これらのM42はいずれも米軍の中古車両である[6]。

M42は台湾では陸軍師団の防空連および海軍陸戦隊に配備された。対空自走砲としてのM42は亜音速機やヘリコプターに対して一定の効果を発揮出来る程度と見なされ[3]、捜索/追尾レーダーの欠如によりその運用は昼間の目視圏内に制限されていた。また、米軍で運用された後の引渡し車両で、生産終了からかなりの時間が経っていたことで老朽化が目立っており、エンジンピストンの爆発や履帯の脱落などの問題が頻繁に発生していた[3]。

台湾軍では1998年〜2000年以降、国産のT82 20mm連装機関砲とアメリカから調達した「アベンジャー」近距離地対空ミサイルの配備が進んだことでM42の退役を進め、2012年まで大半のM42が現役を退いた[3][7]。しかし、2021年段階でも一定数のM42が島嶼部や飛行場の防空営に配備され、低空域の防空警戒任務に就いている[7]。これは、M42は台湾「唯一」の自走対空砲であり、M42を完全に退役させてしまった場合、それに代わる装備がなく防空網に穴が空いてしまうためM42の運用を止める訳には行かない事情が存在する[7]。

2017年には T92 40mm機関砲 を6×6トラックの荷台に搭載した自走対空砲が公開された[8]。しかし、2021年にはこの自走対空砲の採用も見送られることが決定[9]しており、M42の更新となり得る対空自走砲が欠如した状況はなおしばらく続くものとみられる。

台湾オリジナルのM42の派生型としては、1975年にM42の車体に、同じくアメリカ製のM18「ヘルキャット」駆逐戦車の砲塔を搭載した64式軽戦車(64式戦車/M64)が開発され、42両が生産され1981年まで運用されている。

【参考資料】
[1]戦車研究所「M42ダスター対空自走砲」http://combat1.sakura.ne.jp/M42.htm
[2]AFV Database「Twin 40mm Self-propelled Gun M42」http://afvdb.50megs.com/usa/m42duster.html
[3]NOWnews今日新聞「軍武》M42防空砲車 退役變身戰地觀光生財利器」(呂炯昌/2018-06-16)https://www.nownews.com/news/2772634
[4]「M42A1 Duster in SC ARMY NG SERVICE」http://nebula.wsimg.com/80ebc68c8be1c9226e2558e983...
[5]AFV Database「Twin 40mm Self-propelled Gun M42」http://afvdb.50megs.com/usa/pics/m42duster/m42dust...
[6] SIPRI公式サイト-SIPRI Arms Transfers Database-Trade registers(2022年3月8日検索) https://armstrade.sipri.org/armstrade/page/trade_r...
[7]上報「台灣野戰防空網抱殘守缺 M-42自走砲車後繼無人」(慕容懷瑩/2021年7月15日)https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=2&Serial...
[8]痞客邦-60砲的部落格「2017航太展(1)」(2017年8月21日)https://a2928796.pixnet.net/blog/post/460027405
[9]自由時報電子報「台海軍情》陸射劍二飛彈車僅配4枚飛彈 火力略嫌薄弱有強化空間」(2021年10月8日) https://news.ltn.com.tw/news/politics/breakingnews...

64式軽戦車(64式戦車/M64)
台湾陸軍

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