否定派の主張

蒋介石の国民党は軍事的に劣勢であったため、南京陥落の直前から宣伝戦に総力を挙げていた。そのための機関が「中央宣伝部」であり、その中の一部門で特に国際宣伝を担当していたのが「国際宣伝処」である。

南京虐殺の直後に虐殺の記事を書いた新聞記者は、いずれも中国国民党のエージェントであった。彼らは中華民国政府顧問ベイツから送られたレポートを下敷にして、見てもいない「虐殺」の記事を書いたのである。

当時、電信局は国民党政府に管理されており、外国人記者たちは国際宣伝処の検閲を通った記事しか本国に打電できなかった。

反論

新聞記者というのがダーディンやスティールのことであるなら、中国側の主催する報道関係者のサロンに出入りしたり、中国側のお膳立てする会見や取材旅行に参加したりしていたに過ぎない。
これを国民党のエージェントとまでいう人は、報道と行政機関の関係というものにあまりにナイーブである。今も昔もジャーナリストという人種は、利用できるものは利用するのである。
たとえばダーディンは後年、台湾に移った国民党の圧制を批判する記事を書いている。このことからも国民党に操られていたのではないことは明らかだろう。

「ニューヨーク・タイムズ」のダーディン、「シカゴ・デイリー・ニューズ」のスティールら南京に滞在していた新聞記者は、自分の目で見た日本軍の暴行を記事にした。ロイター通信社のスミス記者も講演で日本軍の暴行を発表した。
長大な記事の一部の類似を挙げ、「ベイツのレポート」を参考に記事を書いたというのはあまりに強引というしかない。同じ事件を記事にしているのだから、似たような箇所がいくつか存在するのは当たり前である。
なおベイツが「顧問」だという話についてはベイツは国民党の顧問でも手先でもないを参照。

外国人記者の記事が嘘だった、国民党が嘘の記事を書かせた、という説は単なる妄想に過ぎない。ベイツだけではなくすべての外国人観察者が、新聞記事と同様の日本兵の暴行を記録しているのである。さらに戦後になってからは中国人も日本兵も同様の証言をしている。「ベイツのレポート」を参考にして書いたという話が、いかに馬鹿げているかわかるだろう。

国民党は上海においては確かに電信を検閲していた。しかし、上海陥落以後は、日本が電信局を接収し、電信を検閲していたのである。南京陥落時には国民政府の批判をすることはできたが、日本軍の批判を上海を経由して流すことはできなかった。そのためダーディンらは揚子江上のアメリカ砲艦オアフ号から打電して日本軍の暴行を世界に知らせた。もちろん国民党がアメリカ艦船の電信を検閲できるわけがない。

ベイツ文書と新聞記事
http://www.geocities.jp/yu77799/bates2.html
ダーディンの記事
http://www.geocities.jp/yu77799/durdin.html
スティールの記事
http://www.geocities.jp/yu77799/steele.html
スミス記者の講演
http://www.geocities.jp/yu77799/smythekouen.html

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