午後からいつもと変わらず、草野球チームのビクトリーズの練習がある。
今は正午少し前、昼飯を取るのに最適な時間だ。

俺はあらためて空腹だったことを思い出す。

もうペコペコだ

大仕事はこれからだっていうのに
元気つけなきゃ

「よし
(維織さんに貰った金で)一発焼き肉でも入れていくか」

商店街の一角の焼き肉屋を発見、迷わず店に入る。早速オーダーを入れていく。
肉が来たところで手際よく順に焼いていく。

ジュ ジュ ジュ ジュ
うん こいつはなかなかいい肉だ

はふ

「うん うまい肉だ いかにも肉って肉だ」

もぐ もぐ

「これは… カルビか…」

はふ はふ

うん うまい

「すいませーん ご飯もう持ってきちゃって下さい」

高らかに叫んで店員に告げる。


ぐっ

乾いた喉に潤いを求めて、お冷やを飲む。

ひとりでまっ昼間に焼き肉なんて食うの初めてだ


ふぅ 暑い

高温に包まれた場に耐えきれず上着を脱ぐ。


「このミノもうまそうだ」

もぐ

まずいミノはゴムみたいだからなあ


「早くご飯こないかなぁ 焼き肉といったら白い飯だろうが」

もぐ もぐ


キムチはどうかな

シャリシャリ

うん
いい味でてる いい感じだ


あちゃあ
またネギこがしちゃった

「どうも野菜を焼くのは苦手なんだな」


むしゃ むしゃ むしゃ


ここでほどなく店員がやって来た。
「お待ちどうさま」

お…きたきたきましたよ


お待ちかねの白米だ。

はふ はふ はふ


くーっ
これですよ

スポーツマンに焼き肉が似合うということが今日よくわかったよ

まるで俺の体は製鉄所 胃はその溶鉱炉のようだ


はふ はふ

「すいませーん」
「あと上ロースと上カルビ一人前ずつ」
「それからサン、サン、…サンチュ」

「あ、サニーレタスですね」

「あ…そう それそれ」
「あと…この…チャプチュっていうのを ひとつ食べてみようかな」

「ハイ チャプチュですね」

一通り注文し終わったところで再び愉悦の時間に浸る。

むしゃ むしゃ むしゃ

なんだか一人で黙って焼き肉を食ってると次から次と休む間がない感じで忙しいな…アハハハハ


チャプチュ登場。思ったよりボリュームがあり食べごたえがあり白いご飯に合いそうだ。

「これがチャプチュかあ 思ったよりボリュームあるなあ」

あぐっ

「なんだか翌日あっためなおしたスキヤキのようだ ちょっと味つけが濃いというか…」

もぐ もぐ

「うーん ご飯…どうしよう」

一杯目を食べ終えてしまい、肉を持て余してしまった。このまま肉だけで食べるのはあまりにも忍びないというか、物足りない。


えい

「すいませーん ライスもうひとつ下さい あとウーロン茶も」

うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ

もぐもぐ はふはふ むしゃむしゃ

ようやく多大な量を食べ終わり、一息ついて会計を済ませる。

「うー いかん いくらなんでも食いすぎだ」

うー 苦しい

「焼き肉と野球ってのも 考えてみればものすごい ダイレクトだ」

げっぷうっ

しかし今はとても…

だめだ頭が回らん…

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