―――パライソ中学校卒業式閉幕後―――

「じゃあ、お前は高校には進学しないのか?」
「ええ、いつか言った通り世界中を旅するわ。」
卒業書を貰った今年の卒業生二人が木の陰で討論をしていた。
「いつ頃戻ってくる?」
男子生徒の小波は質問を投げ掛ける。
「まだ決めてないわ。」
女子生徒―白瀬芙喜子―はあっさり言った。
「.........。」
「.........。」
多少の沈黙――我慢比べみたいになっているが――
先にその沈黙を破ったのは芙喜子だった。
「あのさ。」
「?」
「私さ、あんたのことを好きになっていたんだ。」
「へ?今何て。」
相当鈍感らしい。芙喜子は溜息をつきながらもう一度言う。
「だから、私はあんたのことが好きになってたのよ!二度も同じこと言わせないでよ。ばか!」
「そ、そうなのか...り理由は?」
小波は恐る恐る理由を聞く。
「あの時、そう、私がハタ人間にハタを刺されそうになったのは覚えてるわよね。」
「ああ、あの日か...」
ふと、思い出すあの日、芙喜子はトイレに行くといって、よそ見をしていて
ハタ人間に捕まった。なんとか応戦して芙喜子を助け出したあの日だ。
「そう、その日ね。私はあの時意識が朦朧とした時、あんたの顔が浮かんできたの。
その瞬間、私はこいつに恋をしているんだと気がついた。」
そして、すこし目をそらして小さい――今にも消え入りそうな――声で
「それに、助けられたから」
「......。」
芙喜子は話に区切りをつけるようにワンテンポ置いて。
「これが理由よ。わかった?」
「ああ。よくわかった。」
そして、芙喜子は小波に近づいて唇を重ねた。
「これがファーストなんだから、じゃあね。」
名残惜しそうに後ろを向いて歩きだした。
「おい!まてよ白瀬、告白の返事はいいのかよ。」
もう一度こちらを向いて
「それは、もう一度あんたのもとに帰ってから聞くわ。」
そして、また後ろを向いて歩きだした。


あのやり取りがあってからもう一年が経つ。このやり取りはまだ小波も鮮明に覚えている。
そして、きょうは休日部活もなく、一日休みで小波はゆっくり体を休めるつもりだった。
インターホンが鳴るまでは、
「ピンポーン、ピンポーン。」
「おれは今日休みたいんだ!関わらないでくれよ。」
それでも、いくらでもインターホンはなる。
「だあああ!もうだれだよ。」
渋々玄関に行く。もし、これで宗教とかだったら本気でなぐるぞ。
「は〜い、こんにちは〜。」
「し、白瀬ぇ?」
小波はとても驚いた。来るなんて聞いてないし、連絡も受けていない。
「誰からここに居るって教えたんだ。連絡しても――当たり前だけど――出なかったじゃないか。」
「居場所は元委員長から。突然来たのは、あんたを驚かすためよ。」
「とりあえず上がりなよ、お茶ぐらい出すよ。」
二人とも久しぶりに会ったので時間も忘れて夢中で話していた。



――そして夜―――
「なぁ...白瀬、戻ってきたけどまた、旅に出るのか?。」
「いいえ。もう、旅には出ないわ。」
「じゃ、じゃあ高校は?」
「今更行けないでしょ。」
「なぁ、告白の返事だけど...。」
芙喜子の体が一瞬ビクッと動いた。かなり緊張しているようだ。
「へ、返事は?」
「OKだ。」
「ほ、ホント?」
黙って小波は頷く。
「良かった...。」
二人とも見つめ始め、徐々に近づきゆっくりしかし、深く唇を貪り合う。
「ん...ぷはぁ。」
芙喜子から酸素を欲しがる声が漏れる。それでも、快楽には変えられず再び貪り合う。
「はぁ...はぁ...。」
名残惜しそうに小波が唇を離すと、頬は上気し、眼には次の行為への期待の色が浮かんでいた。
「服、脱がしていいかな?」
黙って頷く。服を脱がし合い、お互い生まれたままの姿になる。
そして、小波は自分の息子を芙喜子の秘所にあてがう。
「最初は一気に貫いたほうがいいって聞くけどけど...どうする?」
「じゃあ、そっちでお願い。」
「いくよ...白瀬。」
「ちょっと待って!その...ふ、芙喜子って呼んでくれないかな?」
小波は少し考えて、言い直した。
「わかった...いくよ、芙喜子。」
「うん。来て...。」
擬音を付けるならば、ずん、と表現したほうがいいぐらい一気に貫いた。
「痛っっっ!」
破瓜の痛みが芙喜子を襲った。痛みの余り顔を歪める。だが、これで彼女は女の子ではなく、一人の女になった。
一方、小波は芙喜子が痛みで苦しんでいる間、小波はずっと芙喜子を抱きしめていた。
「平気か?芙喜子。」
「ええ、もう動いて良いわ。」
了解を得て小波はゆっくり動き出した。
「んっ、あっ、はっ、うぁ、はぁっ!」
芙喜子が喘ぎ声を出す中、小波は更なる快楽を得ようと、動き速くする。
「えっ?ちょ、はげ、しい、やああああぁぁぁ!!」
芙喜子が一際大きな声を出す、どうやら絶頂を迎えたらしいが小波は動き続ける。
「やめっ、まだ、イッたばっか、ふあぁぁぁぁ」
「くっ、きついな。」
また絶頂を迎える、膣内がさらに締め付ける。
「芙喜子、そろそろ、出すぞ!」
「中に、中に出してお願い!!」
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
最後は二人同時にイッた。芙喜子は小波の精を受け幸福感に包まれた。
「芙喜子、愛してる。」
「わ、私も、私も愛してる。」

あれから少し時間が経ってふと、小波は言った。
「そういえば、中におもいっきし出したけど、今日安全日なのか?」
芙喜子の視線がそれる。イヤな予感がしてきた。
「まぁ良いんじゃない?もし、できっちゃてても私、高校行かないし、育児に専念できるじゃない」
「いや、俺は高校があるんだけど。」
「いいの、いいの。でも...」
芙喜子の言葉が不自然にとまる。小波は心配になり聞き返す。
「でも?」
「一生、責任とってね。」
小波は溜息をつきけれども、意を決してこう言い返す。
「当たり前じゃないか。」
「そう、それじゃこれからもよろしくね。小波。」
ゆっくり近づき誓いのキスをした。

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