「大悟君、次はあそこの焼肉屋に行くでやんす!」
「湯田君。ちょっと待ってよ。」
俺はチームメイトの湯田君に連れられ、夜のゴールデン銀座を歩いている。
このゴールデン銀座には情報収集のため、時々来ている。
しかし、来るたびに湯田君や本田君に会ってしまうので、思ったようにはならないことが多い。
ちなみに今日も同じだ。
しばらく歩いていると、金髪でコートを羽織っている女を見つけた。
「湯田君、ごめん。急用ができたから今日は帰るよ。」
急用ってなんでやんすか〜?という声を背に受け、俺はその女に向かって走りだした。
「何の用だ?リン。」
このリンという女は俺に用がある時にしか現われない。
ちなみに前の用事は、『お金貸して。』だった。
また金を貸せと言われるのか、と俺は思っていた。
しかし今日は目つきが違う。
それは鷹のように鋭い目つきだった。
何かある。そう思った俺はもう一度聞いた。
「何の用だ?リン。」
「情報よ。」
リンはそれだけしか答えない。
「何の情報だ?」
「詳しくはあなたの携帯に電話するわ。今からもう一人の客のほうに行くから。」
リンはそれだけ言い残し、俺の前から去っていった。


ピリリリリリ!!
「う…んん?」
時計を見た。現在四時半。
携帯が鳴っている。
誰だ?こんな時間にかけてくる奴は。
湯田君とかだったら、無視してやる。そう思った俺は携帯を開いた。
その瞬間、目が覚めた。
リンからだった。リンは電話で待たされるのが嫌いだ。
長年の付き合いからよく分かっている。
「リンか。どうした?」
「…待たせるなんていい度胸してるじゃない。大悟君。」
「こんな時間にかけてくるからだろ…。それよりなんだ?」
「あなたもう忘れたの?情報よ。」
あぁそんなことあったな、そう言いそうになった俺は慌てて口を閉じた。
こんなことリンに言ったら殺される。
「違う違う。朝早いからボケてただけだよ。」
「…そう。まあいいわ。九前町の三丁目木の下という住所の家から変な声が聞こえる。これが内容よ。買う?」
「どこだよそれ。俺住所覚えられないから分からないぞ。」
俺はCCRの座標コードで覚えているから、本当に覚えられない。
「ああそうよね。座標コード58341のD。これで分かるかしら?」
「!!なんでお前がCCR専用コードを知っている?」
「私は情報屋よ。そのくらいだったらとっくに知ってるわ。」
「まぁいい。買おう。振込みはいつものところでいいんだよな?」
「ええ。」
プッ。ツー、ツー、ツー。
電話の切れた音を聞いて、俺はもう一度布団にもぐった。


今日はホッパーズの試合だ。
俺は六番サードで先発出場している。
しかし、試合中にもリンの情報のことが頭をよぎっていた。
「(あの情報は何だ?変な声?とりあえず試合が終わったら行ってみよう。)」
その瞬間、カーンという気持ちのいい打球音が響いた。
「サード!!」
しまった。反応が遅れた。
届かないと思った俺は、ダイビングキャッチを試みた。
運良くグローブにボールが入ってくれた。
ホッパーズのスタンドからは大歓声。
相手チームのスタンドからは落胆の声が聞こえる。
俺はもう一度集中しなおした。

諸星さんのサヨナラソロホームランで試合はホッパーズが勝った。
勝利投手は八回から登板していた湯田君。今季初勝利だそうだ。
「今日はオイラの初勝利を祝って焼肉でやんす!」
「あ。ごめん湯田君。今日俺用事が…。」
言い終わる前に湯田君が携帯を取り出し、焼肉屋の予約をとっている。
「これで来なければならなくなったでやんす。」
してやったり!という顔でこっちを見る。
「しょうがないなあ。」
結局、湯田君に午後十時まで付き合わされた。

「58341のD…。この辺りか…。」
現在午後十一時。
俺はリンの情報の場所にいる。もちろん暗いのでCCR製のライトを持って。
しかし、なぜか見覚えがある。
青色のベンチ、灰色の塗装がしてあるトイレ、そしてステンレス製の水飲み場…。
ここまで来てようやく思い出した。
「茜の住んでいる公園か。」
俺は身構えた。茜の住んでいる公園に妙な輩がいては困る。
そのまま歩き出す。
三分ほど歩いた。気持ちを張っていて疲れた俺はベンチに座り込む。
この公園の近くは車もあまり通らないから、少しの音でも響きそうだ。
その瞬間、確かに聞こえた。変な声が。
「ウァァン…アァン…ゥン…。」
「リンの言っていた情報はこれか…。」
その音に向かって歩き出した。
一歩歩くたびに音が大きくなってゆく。
どうやら近いようだ。
俺は電池の消耗が激しいので使わなかったCCR製ライトを取り出す。
目の前が明るく照らされる。
「これは…アカネハウス11号…。」
間違いかと思い、耳を澄ますと確かに聞こえる。
アカネハウスの前に立ち、勢いよくドアを開けた。
「おい茜どうし…!?」
そこには茜がいた。それは当たり前のことだ。
しかし、状態がいつもとは違う。
「あ…大悟さん!?」
茜は下半身が裸で、自分の股間を指で触っていた。


「あ、茜?」
俺はさすがにショックを受けた。
子供だと思っていた茜がオナニーをしていたからだ。
しかしよく考えてみると茜はもう高校生。
胸は服の上からでも充分膨らんでいることがわかるし、スタイルにいたってはもう大人である。
気付くと俺のズボンのあの部分は盛り上がっていた。
俺は慌てて、すぐに隠す。
しかし茜にはもうバレていた。
「……………。」
沈黙が続く。
茜はしばらく俺を見ていた後、ニパッ!!と笑い近づいてきた。
一方俺は茜を見ながら頭の中でどうするべきか必死で考えていた。
サイボーグを捕まえるときは体が反射的に動くのに、こういうときはいい考えが浮かばない。
そのときズボンに何かが触れた。
茜はズボンのチャックに手をかけ、こう言った。
「わかりました!大悟さんもヤリたいんですね!」
「な!?わ、ちょ、ちょっと待て茜!」
しかしもう遅かった。
俺のチンコはズボンを飛び出し上を向いていた。
俺は覚悟を決めた。
茜をベットに押し倒し、胸を揉んだ。
「アァン…大悟さんもやっとその気になってくれましたか!…ンン!」
狭いアカネハウス11号の中に茜の喘ぎ声が響く。

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