「ち ょ っ と 待 て」
小波は大声で言った。
「そもそも、ウチの浴槽に5人+俺が入れるとでも思ってるのかよ!!!」
「そんなこと言っても不公平は良くない」
紫杏が反論する。
「いや、でもさ」
まだバツの悪そうな小波。
すると、
「私はいい・・・」
五十鈴は小波に同意した。
「五十鈴はできた子やなぁ。
ウチは絶対小波とはいる!!」
「まぁまぁ、カズ。
少しは五十鈴を見習ってさ・・・・・」
「そんな!!
小波、やっぱウチやのーて五十鈴が良かったんか??」
諌めようとした小波だったが、和那はあろうことか涙目になってしまう。
「言ってないっしょそんなこと」
と言う小波だが和那は聞く耳持たない。
「うわーん!!!
小波のアホ!!浮気!!変態!!
実家に帰らせて頂きます!!」
カズはそう言って走り去ってしまった。
「お、おいカズ!!!」
「小波君、さすがにこれは追いかけたほうがいいんじゃ??」
さらが言う。
「そうね、さすがにこれは・・・・」
妙子も同意した。
「私たちのことは気にしないで・・・・」
「そうだよ、小波君行ってあげて」
五十鈴とナオも加わる
「分かった!!!
皆ごめんな」
皆の意見を聞いた小波は走って和那を追いかけた。
約一名が不機嫌になってることを除いて・・・・・・・・。

どっかに行ってしまったと思っていた和那だったが、家の押入れにいた。
「カズ・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふぇ・・・・こなみぃ・・・」
小波の姿を見つけるといきなり抱きついてきた。
「こんなこと自分勝手に言うのはどうかと思って黙ってたけど、やっぱウチは小波と二人っきりでここにいたい!!」
和那は涙ながらに懇願した。
「でも、皆悩みを持ってるんだ・・・
ほっとくことは・・・・・・・」
小波は和那に同意することはできなかった。
「ぐすっ」
「カズ〜」
このままじゃ言っても聞かない。
小波はジレンマを抜け出すべく、こんなことを言ってしまう。
「分かった、分かった。
今日秘密でお前と二人でお風呂入ってやるから・・・・・・・」
しかし、その言葉で和那は一変した。
「ホンマに??
小波大好き〜」
「抱きつくなって・・・・・・・。」
まぁでも、結局皆も結構夜更かしするしそんな時間がとれずに大丈夫だろうと小波は楽観していた。



そして夕刻。
夕食を食べ終わり小波がくつろいでいると、
「小波君、私もう眠いのでお先に眠らせてください」
とさらが言ってきた。
「じゃあ、私もさらと一緒に寝ようかなぁ・・・
たまには姉妹水入らずもいいしね」
ナオも加わり、二人は寝室に行ってしまった。
「あれ?まだ9時だぞ??
ちょっと早いような・・・・・」
小波は首を傾げる。
「私も眠くなってきちゃった。
いいかな??」
「ああいいよ?」
妙子も同様に・・・・。
「すまない、ずっと今日は小波と話していたかったけど限界だ」
「そうか、無理しなくていいよ」
五十鈴も同様に・・・・。
「ってこれおかしいぞ!!!!
こんなに早く皆ねるかっつーの!!!!」
結局、4人は全員寝室に残ったのは・・・・
「カズ・・・・お前なんかしたな・・・」
「エヘヘ、こんな時もあろうかと遠前町の漢方薬店から『これさえ、飲めば1分以内に超安眠!!武美印の漢方睡眠薬』をかっといたんや!!!」
「ソレカンポウヤクジャナーイ!」
小波はカズの行動力に驚く。
「じゃあ、皆寝たことやしね?」
「仕方ないか・・・・・・・」
結局、小波は誘われるがままに浴室に向かった。


「カズの奴・・・・・・・。
辛かったんだろうな」
浴槽に先に入っていた小波はため息をつく。
「でも、平和になって・・・・・カズと・・・紫杏が・・・普通に生きられるようになってよかった」
『あの』浜野朱里も小波と同じ職業の恋人ができて幸せにくらしているとか。
高校時代からはとてもじゃないが考えられない。
「でも、俺は少なくともナオやさら、五十鈴に妙子・・・。
皆をほっとけない。
カズには申し訳ないけど一人だけなんてことは・・・・・」
小波は独り言を続けていた。
そんな中、和那が入ってきた。
「エヘヘ、なんか恥ずかしいなぁ・・・・・・・」
ちょっとばかり照れながら入ってくる和那。
「!!!!!!!!」
小波は何も纏わぬ和那の姿に驚愕の表情を見せた。
「どうしたん?」
和那は、浴槽に浸かり小波に向き合う。
しかし、小波は目を見開いて黙ったままだ。
「ねぇ、こなみ・・・・・・ん!!」
バツが悪くなった和那は小波に話しかけるがいきなり小波は唇を重ねてきた。
「ちょっと!!いきなっ・・・んん!!」
キスを終えると小波は和那を強く抱きしめた。
「・・・・・う・・・・・う」
「小波??」
よく見ると小波は涙を浮かべていた。
「まだ、消えてない・・・・・・・」
「え?何が??」
「傷・・・・・。
カズ、こんなにお前が苦しんでるのに俺は・・・・・・・・」
和那は小波がここまで自分を心配してくれることに驚きとさらなる愛しさがこみ上げてきた。
彼女も小波を抱きしめ返す。
「ウチ・・・・大丈夫。
ずっと小波にあえるって・・・・・
会えるって・・・・・思って・・・・
だから辛いなんて思ってへんよ。
だって今ここに小波は・・・・・ウチの前におるから」
和那もつられるように涙を流していた。
またキスを交わしていく二人。
「んっ・・ふむっ・・ちゅ・・つ・・んっ・・小波・・・」
「どうした?」
「ウチ・・・・小波と・・・・」
小波は和那の意思を悟った。
「俺・・・・カズが好きだ」
「え!?」
「だから、抱きたい・・・・」
小波はそう告げた。


「そんなに改まらんでもええよ。
ウチらその・・・・2回目やし」
「ああ」
小波は和那と五十鈴は高校時代1度だけ抱いていた。
小波自身は和那が初めてであった。
あの時はなだめる様な感じで成り行きなシチュであったが今は違う。
今は彼女を誰よりも愛しく思っていた。
「は・・っああっんん・」
一度知ってる和那を攻めて行く。
「はっうう・・、ん・・・・ん・・。
覚えてる・・・ウチこの感じ・・・・・」
攻められながら嬉しそうに悶えていく和那。
「もう我慢できない、いいか???」
「うん・・・・」
小波は浴槽に入っている和那を後ろに向かせお尻を突き出させる。
「カズ・・・・いくよ」
小波は迷うことなく和那に自身のモノを突き入れた。
「・・・!!あぁっ・・」
小波は初めから激しく動かしていく。
後ろからの強い感覚に和那は声を制御できない。
「!!・・ふぅっ・・あ・・くぁ!
き、きもちええよ・・・・・」
「俺もだカズ・・・・・・・」
結局、二人は同時に果ててしまう。
「出すぞ、カズ」
「ひぅっくぁ!あひっ・・んぁあっああんっ!
な、中でだいじょうぶやか、ら・・・・・・・」
「く、・・・・・・」
「あああああああああああ!!!」
全てを出し尽くした小波だったが、倒れこみそうな和那をなんとか捕まえる。
「はぁはぁ・・・・小波・・・・」
「ん?」
「だいす、き・・・・・・」
「俺も」
二人はまた浴槽に浸かると唇を重ねあった。



「つ、つかれた〜」
激しい情事を終えて和那はぐったりしていた。
「悪いな、がっつきすぎた」
「ええよ、ウチだってしたかったし」
小波は決心していた。
「カズ、今日は俺の部屋にきな」
「ほ、ホンマ?」
「皆とは一緒にやっていく。
でも、俺はカズだけを好きだと思うから・・・・。」
「小波!!!!!」
抱きつく和那。
そのまま小波は彼女を自室に連れて行く。
そして和那を一緒にベッドに寝かせる。
「カズ、タオル巻いてるだけじゃ風邪引くぞ」
「ええよ、今日は小波を直に抱きしめたい・・・・・」
「カズ・・・・・・・・」


胸がいっぱいなりそうだ。
そうさ、皆にはしっかり誠意を持って言えばいい。
カズが好きと。
ナオ、妙子、さら、五十鈴。
もう寝ているであろう4人にしっかりと・・・・
「4人???」
「どうしたん小波?」
「そういや、紫杏はどうしたんだ?
アイツ夕方からずっと見てないぞ?」
「そういや、どうしたんやろ?」
小波はハッとした。
和那を押入れで宥めてからずっと紫杏を見ていないことに気づいた。
「まさか紫杏、小波をウチから奪おうと画策してるんじゃ・・・・」
「おいおい、いくらなんでもアイツはそんなやつじゃ」
カズが不安を口にした矢先だった。
「ご名答〜♪」
と部屋のドアを開けて一人の女性が入ってくる。
「紫杏!?」
それはずっと姿をくらましていた紫杏だった。
「お前ずっと何してたんだ?」
小波は半ば焦り気味に問う。
「小波がカズを必死になってさがしてたからあたしもそうしてくれると思ってずっと二階で待ってたのに・・・・」
紫杏はしょんぼりして答える。
それ以前に小波は違和感を感じていた。
「紫杏なんだよその口調・・・
いつもと雰囲気が違う」
いつもの尊大な気配が全く感じられない紫杏に違和感を感じていたのだ。
「それはさ、小波のためだよ」
「え?」
「あたしが何度も何度も考えて、この性格が一番小波が好きだって気づいたの。
だから、小波のためにあたしはこの人間になりきる。
だって小波が大好きだもん」
紫杏は少し照れながら答える。
「で、でもそんなんで自分を捨てるなんて・・・・」
小波は少し戸惑って返す。
「もともと普段の物も演じたものだから気にしてないよ。
一番気に入った物になれればそれでよかったから」
「でも俺のためだけにそんなのって」
「でも、小波と独り占めしたいからって睡眠薬を飲ませるそこの卑怯者よりはマシだと思うけど」
「な、なんやて?」
紫杏は今度は和那に言及した。
「だいたい小波は高校の時からカズカズ言い過ぎよ。
私の方がずっと可愛いのにこんな図体が大きくてガサツで人殺しの最低女にさ」
「紫杏!!!!」
遠慮の無い紫杏の物言いに小波は憤りの声を上げる。


「ウチは殺しまではしてへん!!
それに・・・・紫杏がいつまでもジャジメントをウチを襲わせんようにせんから・・・・」
「なんでそんなことしなきゃいけないのよ。
あたしはずっとあなたのことはジャジメントとオオガミ共倒れのために利用する駒としか考えてなかったし」
「こ、このアマ・・・・」
和那は目の色を変えて紫杏を睨み付ける。
「あなたみたいなのが女の子としての恋愛、しかも小波に愛してもらうなんて随分と図々しいのよ。
小波、あなたは今はカズが好きだって思ってるかもしれないけどそれは一瞬の気の迷い。
冷静になればほかの女の子、引いてはあたしが一番だって気づくはず」
「そんなことは・・・・」
「ある!」
言い返そうとした小波だったが、紫杏の自信に満ち溢れた口調に押し黙る。
「もう、我慢できへん。
紫杏、ジブンとはもう絶交や!!
そんで、ウチの小波を奪おうってなら容赦せえへん!!!」
和那はついに怒りを爆発させて詰め寄る。
「勝負したいっていうなら、遠慮なく受けるけど?」
「上等や!!!」
何を言ってるんだ二人は・・・・。
折角平和になった時に親友同士で殺しあいなんて・・・・。
小波は何とか止めようと割って入る。
「二人とも、思い出せ!!!!
仲良く遊んでいた高校時代を!!!」
だが、
「カズ・・・・・・・・・」
「紫杏・・・・・・・・・」
二人のにらみ合いは続く一方だ。
「おい!!!!」
小波は声を荒げる。
しかし、事は思わぬ展開に進展していた。
「いまから、小波を誘惑して上手く抱き込んだほうの勝ちや!!」
「臨むところ!」
「だから誘惑だなんてやめ・・・・・・・・・へ?」
意外な勝負の無いように小波は言葉を失った。
「エヘヘ、小波はもうウチの体以外はダメだよね?」
純愛を象徴するかのように笑顔で自分に語りかける和那。
「フフ、甲斐に教わったテクニック、小波におしえてア・ゲ・ル♪」
片や、略奪愛を象徴するように舌をだして不敵に笑む紫杏。
「エーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
二人の死闘?が始まろうとしていた。


一方同時刻。
「武美、お前また変な薬売ったろ」
「だって、ぅん!!!
なんか、秘密の愛って、ああん!!!ロマンじゃん・・・」
「でも、感心しないな。
おしおきだ」
「ああぁっ・・いいよぉ・・ぁあああ・・・もっとしてぇ・・・あぅん!!!」


亀田「どんなもんじゃーい!!!
亀田でやんす!
遂に始まったカズと紫杏の争い。
カズを愛すると決めた小波も紫杏の仕込まれた誘惑にどんどん堕ちていくでやんす
そして他の女子も遂に行動開始。
ますます駆け引きが複雑になるでやんす!!
次回は魔王の懐柔で貞操オーバーフロート!?
智美、今ならもう一回付き合ってやってもいいでやんすよ(泣)」

続く(一億円ルート)
続く(紫杏とカズの戦い)

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