―――某ファミレス

七波「うぉ〜、イテテテテッ…」
八波「まったく、シーズン中じゃなくてよかったな」
九波「まぁ、自業自得ってやつか」
七波「くっそ〜、東先輩と十一波め!」
八波「いや、全部おまえの所為だから」
七波「それと、レッ… じゃなかった九波の真央ちゃんに対する教育が良くないからコレだよ」
九波「俺の所為かよ! 今じゃおまえの方が付き合い長いだろうが! 後、今言いかけた名前言ったらぶん殴るぞ」
八波「それより、俺やおまえはプロ野球選手で有名人なんだから不倫とかしたら大変なことになるぞ」
九波「しかも、見た目がロリな女の子だもんな〜」
七波「良いだろ別に、俺の好みに文句言われる筋合いはない」
八波「おいおい、そんなこと言ってると和桐製作所の六波部長みたいになっちまうぞ」
七波「うっ!?」
九波「誰だそれ?」
八波「和桐製作所は知ってるだろ」
九波「ああ、今の世の中知らない奴の方がいないだろ、ワギリバッテリー作ってるところだ」
八波「でもあそこ一度倒産してるんだ」
九波「それは初耳だな」
七波「そりゃ、おまえあの時レッ…」

―――バッキィィィ!!

九波「すまん続けてくれ」
八波「そこに現れたのが六波さんだ、彼は工場を昔の仲間達と建て直すと、あの寺岡博士を招き入れたんだ」
九波「それは凄いな、確かその寺岡博士がワギリバッテリーを作るんだよな」
八波「そんな彼に目を付けたマスコミが彼のドキュメンタリーを制作しようとしたんだけど…」
九波「だけど?」
八波「昔彼が和桐に入社して1年足らずで、当時高校生の社長の一人娘をラブホテルに連れ込んだことがクローズアップされたんだ」
九波「それ犯罪じゃ…」
八波「それがケチのつき始めで、彼の前歴が全てデタラメなことや工場が倒産したのが彼の無謀な賭けの所為だったことが明るみになったんだ」
九波「なんか無茶苦茶な人だな」
八波「彼の元にそのことで連日マスコミが押し掛けるようになって、最後に『疲れた未来に帰る』の一言を親友の山田さんに言って行方不明に…」
九波「まさに、七波のその後の人生だな…」
七波「勝手に人の未来決めるな!!」


八波「それより、今の奥さんに何が不満なんだよ」
九波「そうだよな〜 ブラックって言ってみれば、おまえの妄想の産物だよな」
七波「それおまえもだよ…」
八波「良ければ話してくれないか?」
七波「それは… その〜」
九波「おい、男ならハッキリしろよ」
七波「いや〜 折角ロリな彼女が出来たら言って欲しいじゃないか、『お兄ちゃん』って!」
八波「!?」
九波「おまえ、妹萌えなのかよ!」
七波「それが真央ちゃんに頼んでもも無視されたんだよ!」
九波「当たりまえだ!」
七波「でも、春香ちゃんは頼んだら普通に呼んでくれたんだ♪」
九波「まあ、あの子なら何の抵抗もなく呼びそうだな、そういえば昔湯田の妹口説いてたのもそれか?」
七波「…うん、実は生徒手帳を見て知ってたんだ湯田君の妹だって…」
九波「見下げはてた奴だな! 八波さんコイツの事どう思う」
八波「えっ!? 湯田君の話?」
九波「違うよ、『お兄ちゃん』って呼ばすのは如何って」
八波「ちっ、違うんだ、あれは茜が自分からそう呼んでただけで、俺が言わしてた訳じゃないんだ!」
九波「えっ?」
八波「実際に俺は断腸の思いで断ったんだ! 本当なんだ信じてくれ〜」
九波「誰も八波さんの話は…」
七波「そうか、分かったぞ」
九波「えっ、何が?」
七波「つまり、八波は俺と同類だったんだ」
八波「ウッ!」



七波「へぇ〜、これが茜ちゃんか」
九波「二十歳超えてるのに、写真で見る限り小学生で通じそうだな…」
八波「だから、秘密にしときたかったんだよ。コラ! 俺のスイートハニーの写真に指紋を付けるな!」
九波「まあ、確かにハードボイルドが売りの人間の彼女に見えないな」
七波「なぁ、八波この子口説いていいか?」
八波「おまえ、死にたいか?」
七波「じょ、冗談だよ。だから頭にデザートイーグル突き付けるのやめて… お願い」
八波「まぁ、口止め料だ。何か一つ頼みを聞いてやる」
九波「本当か! じゃあここの支払頼む」
八波「いつも思うけどアンタ安いな…」
七波「じゃあ、俺の頼みを聞いてもらおうか」
八波「茜とデートさせろっていうのは無しだぞ」
七波「いや違う、サイボーグの女の子を紹介しろ」
八波「はっ?」


七波「この前、十一波とその高校生位の彼女が俺のところまで謝りに来たんだ」
九波「十一波君、どうしてそこまで君はお人好しなんだ」
七波「すると妙なことに気がついた。十一波の方がどう見ても年上なのに、彼女とまるで同級生のような会話をしてるんだ」
八波「そこで変だと思うおまえが凄いよ」
七波「聞いてみると、その子はサイボーグで永遠の高校生らしいじゃないか!」
九波「読めた…」
七波「年を取らない女の子なんて、真央ちゃんと幽霊だけだと思ってたのに、少し早まったんじゃないかと思った訳だ」
九波「おまえ、ブラックに本当に殺されるぞ」
八波「そうか! じゃあ写メ見るか」
七波「おお! さすが八波は話がわかるね〜」
九波「コラ! 何考えてるんだ」
八波「まあ、現実って奴が分かるから」



七波「あの〜 全員普通に大人なんですけど?」
八波「まぁ普通、成長過程の子供なんて改造しないんだ」
七波「ウソ…」
九波「……」
八波「無理に改造すれば成長を阻害して身体に悪影響が出る可能性もあるし、何より子供の小さい体は難しいしな」
七波「えっ? じゃあ…」
八波「その女の子は、急きょサイボーグが必要になったのか、特別な任務があったのか、まあ特殊な例だろうな」
七波「ううっ」
八波「元気出せよ。ちなみに写メの最後の女の子はサイボーグじゃないけど四十七億歳だそうだ」
七波「すでに地球人ですらねー!」
八波「もう、こうなれば四波さんに頼んで幽霊の女の子でも紹介してもらったら」
九波「……」
七波「その手があったか!」
八波「しかし、幾らロリでもサイボーグや幽霊なんて最初から知ってたら普通付き合わないだろ」
九波「!?」
七波「それを言い出したら普通の人間は正義の戦隊ヒーローとなんか付き合わないだろ」
八波「成程、一理あるな」
九波「……」
七波「どうしたんだ九波、なんかむしろ、先からイメージカラーと違うブルーだぞ?」
九波「…トイレ行ってくる」





―――TRRR♪、TRRR♪ ガチャ!

武美『あれ、今日は旧友と飲みに行くって言ってたのにどうしたの?』
九波「武美すまん、七波選手と八波選手に合わせてやる約束駄目になったんだ」
武美『別に良いけど、何で?』
九波「やっぱりプロ野球選手は忙しいらしいんだ」
武美『ふ〜ん、じゃあしょうがないか』
九波「それと武美、一つ聞いて良いか?」
武美『何?』
九波「俺がもし、正義の戦隊ヒーローでも好きでいてくれるか」
武美『あのね、普通のヒモよりマシじゃない』
九波「えっ?」
武美『もうふざるなら切るわよ』
九波「ちょっと、待っ…」

―――ガチャ!!

九波「うううっ、どうしよう怒ってる」
貴子(そりゃ、普通怒るわよ)
九波「背後霊だろ、何とかしてくれよ」
貴子(無理よ)
九波「そうだ、一緒に説得… 出来る訳ないか体無いし…」
貴子(もしあれば武美さんに負けないんだけどね)
九波「えっ? 何か言った?」
貴子(別に…、何でもない)
九波「それより貴子は横で聞いてたと思うけど」
貴子(うん、あの二人の前だけ貴方の傍を離れたら良いのね。それに私、正義のヒーロー好きよ)
九波「ありがとう!」
貴子(じゃあ、離れるね)
九波「えっ?」
七波「おい、先からおまえ誰と喋ってるんだ?」
九波「うわぁ! 何だいきなり!」
七波「それがさぁ〜 八波が思い出した事があるんだったって」
九波「えっ、何を思い出したの?」
八波「いや、九波さんって昔遠前町に住んでたんだよな?」
九波「そうだけど」
八波「じゃあ、広川武美って知ってるか?」
九波「!?」


七波「そういえば、今武美って人に電話してなかったか」
九波「えっ、ああ、多分君達が言ってるのと違う人だよ。僕の武美ちゃんはもう、三十路過ぎてるし…」
八波「!!」
七波「何だ、八波が知ってる唯一のロリなサイボーグじゃないのか」
九波「ははは、人違いだよ」
八波「なぁ、九波さん何で今聞かれてもいない年齢を答えたんだ」
九波「えぇ〜と、そりゃ、きっとそういう話題だと思ったからだよ。もし年齢の件が嘘だと思うなら町の人にも聞いても良いよ」
八波「それ、本人に聞いた方が早いよな」
九波「ちょっと人見知りが激しい子なんだよ」
八波「まあいい、そのトリックならもう解けてる。おい七波、写メの二番目の女の子見れるか」
七波「この森友子とかいう人か」
八波「この子は昔、友達の為に町の人間全員を見た目の年齢より十歳ほど上に、そして昔から住んでた様に洗脳したらしい」
七波「しかし、何でそんなことしたんだ? 普通は若く誤魔化すものだろ」
八波「それは俺が昔居たCCRから目を逸らすためだろ、普通はおまえと同じように考える」
七波「成程… んっ、そういえば九波、おまえの十八番森さん取られてるぞ」
九波「う、うるさい! だが君達が言ってる武美と俺の彼女が同一人物とは限らないだろ」
八波「確かにな、おい七波、写メの一番目の女の子の写真見せてやってくれないか」
七波「この白瀬芙喜子さんだな」
九波「ああっ!!」
八波「会った事あるよな、それ俺の元相棒なんだ。実は君達ウチの組織に監視されてたんだよね」
九波「卑怯だぞ。最初から知ってたんだな」
八波「まあな、あまりにも隠そうとするからついな」
七波「あれ? そういえばCCRってサイボーグを捕まえるのが仕事じゃなかったけ」
八波「まあ例外もあるってことだ」
七波「例外? 可愛いからか?」
八波「違う! 一つは能力的に脅威が無い、二つ目は仲間と連絡を取り合うところを押さえて一網打尽にする…」
九波「…三つ目は寿命タイマーだな」
八波「爆弾を抱えてる以上、迂闊なこと出来ないからな。しかし本人が生きてるって事は九波さんがそれを何とかしたのかい」
九波「いいや、やったのは本人だ、俺はその手伝いをしただけだ」
八波「だが、爆弾を解除するには大神の拠点の一つに侵入しなきゃならん、普通なら命がけだが」
九波「武美が助かるなら大した問題じゃない」
七波「ヒュ〜♪、言うね〜」
八波「そこまで本気なら、容姿とかで選んだわけじゃないな」
九波「当たり前だ」
七波「そうか、なら背後霊の女の子は?」
九波「その子は、滅茶苦茶可愛い女子高生で成仏する前に必死にお願いして背後霊になってもらった」
八波「どんな感じなんだ」
九波「子供が大人になる丁度一歩手前の最も美しい瞬間で止まってるまさに芸術だな」
七波「花丸高校の女の子たちに比べてどうだった」
九波「おまえのクラスメイトの女の子か? 残念ながら初めて会った時点で既に育ち過ぎだったな」
八波「どう違うんだ?」
九波「まず、胸が大きいのは駄目だ。手足は出来るだけ白く細くないと駄目だ。親孝行じゃないと駄目だ」
八波「…そうか」
九波「何より都会の子に無い純朴さがあり、まさに無菌室で育ったように汚れが無い!」
七波「何で俺、高校の時おまえと分かり合えあなかったのかな?」
九波「えっ… あっ! 卑怯だぞ誘導尋問なんて」
八波「誰も誘導してないだろうが!!」




七波「そうか、俺達は全員似た者どうしだったんだ」
九波「なあ、この場でコイツを殴り倒しても良いか」
八波「俺が撃ち殺してからにしろ」
バイト店員「あの〜 スイマセンもうそろそろオーダーストップ何ですけど」
七波「あれ、もうそんな時間」
八波「そうだな、俺は明日は自主トレもしないといけないし、そろそろ御開きにするか」
七波「じゃあ、俺は怪我のこともあるあし明日は病院でも行くか」
バイト店員「ああっ! ひょっとして、プロ野球選手の七波選手と、八波選手ですか!」
八波「そうだけど」
七波「知ってるって事は僕達のファンかな」
バイト店員「はい、不況で内定を貰った会社が倒産してショックを受けた時、御二人のプレイに何度も励まされました」
七波「嬉しいこと言うね♪」
八波「俺も前の職場が潰れたけど、運よく今の職場にそのまま転がり込めたのは奇跡だもんな」
九波「自分で前の職場つぶしといてよく言うよ…」
七波「まあ、このオジサンみたいに無職でも全く気にしない人も居るんだから、あまり気にしちゃ駄目だよ」
九波「違う、俺は何かに縛られるのが嫌なだけだ」
八波「ヒモなのに?」
九波「うっ…」
バイト店員「皆さん面白いですね。お会計一万三千八百六十円になります」
八波「じゃあ二万で、釣りは要らないから」
九波「済まんな」
七波「ヨッ! 八波太っ腹!」
八波「七波な、おまえに奢るとは誰も言ってないんだが」
バイト店員「こんなに沢山、ありがとうございます」
八波「ただ、店員さん先から気になっていることがあるんだが良いか?」
バイト店員「何でしょう?」
八波「この店は良い店だと思うのだが、こんな時間に中学生の女の子が一人で居るのに何で誰も注意しないんだ」
バイト店員「実はあの子は、僕の連れでして僕が仕事が終わるまで待っていてくれるんです」
八波「それじゃ、あの子は君の妹さんかい」
バイト店員「えっ?」
七波「こんな可愛い妹が居るなんて羨ましいな」
バイト店員「それは…」
九波「気にするな、この男変質者だから」
バイト店員「…」
七波「変質者とは失敬な、まぁ、後2〜3年経てば狙うかもしれないけどね」
バイト店員「あのー…」
八波「どうした?」
バイト店員「典子ちゃんは、僕の彼女なんで変な事を言うのは止めて貰えませんか」
七波・八波・九波「「「嘘…」」」

オマケ
―――その頃武美は?

武美「自分の事がヒーローなんて、昨日『天体戦士サンレッド』一日中一緒に見たのが悪かったのかな」
カンタ「おじさんにそれは拷問でやんす」

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