「ふう…ここらでおしまいかな?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございました。おかげで今年も無事に終わりました」
正月、日の出島にある神社で俺は神社の主、天本さんと参拝客に対応していた。
プロ球団に入団した年、オフシーズンということもあって実家に帰って来た時のことだ。
帰省直後に神社へ行くと、一人で正月のために準備をしている天本さんがいた。
一人で頑張っている姿を見て、手伝いたくなった。そして、それが毎年の恒例にもなった。
「おばあさんが亡くなってから一人でやるのは大変かなって思ってたけど本当に大変だね」
「ええ、今までは御祖母様が基本的にやってました。けどこれからは私がやらないと…」
「…大丈夫、正月なら俺はオフだし手伝うよ」
と、言ったあとに微笑んだ天本さんの笑顔だけでも元気になれた。

その年から4年目。無事一軍に昇格し、何とかレギュラーとして活躍できた年だった。
年俸も予想以上の金額となり、いよいよ決心がついただろう。
「天本さん、伝えたいことがあるんだ」
おそらく自分が作れる最高の真剣な表情で言えたと思う。
「はい、なんでしょうか?」
微笑みを崩さないまま、少々驚いた表情で天本さんは答える。
……九回裏、一打サヨナラの場面に立つよりも緊張する。
「…そ、その…俺と……結婚してください!!」
「はい、いいですよ。ふつつか者ですがよろしくお願いします」
緊張していた俺とは対照的に、冷静にあっさりと返事が貰えた。
「…あ、ありがとう。こちらこそよろしく」
「はい」

それから程なく、誰もいなくなった神社の一角で俺は天本さんの巫女服を脱がせていた。
「あの…どうして服を着たまま…その…するのですか?」
「ははは…それは俺が巫女服を着た天本さんが好きだからだよ」
「………とりあえず汚さないでくださいね」
顔を真っ赤にし、半ば諦めた表情をした天本さんの胸元を開けさせた。
「…触っていいかな?」
「優しくしてくださいね」
答えを聞いてから綺麗な形をした胸をゆっくり、撫で回す。
撫で回して慣れてきたら次は胸の先端を摘む。少しずつ天本さんの息が荒くなり始めている。
「舐めるよ?」
「ハァ…ハァ…あ、あの、私まだお風呂に入ってないから…ひゃん!?」
答えを待ちきれなかったので許可を得る前に先に胸に吸い付く。
舐める、吸う、舐める、優しく噛む。それを様々なリズムで左右の胸に繰り返す。
「そろそろ…かな?」
緋袴をゆっくりと捲り、秘所の準備ができているかを確かめる。


ゆっくりと秘所に触れると天本さんの身体が大きく跳ねた。
「…もしかしてイッたのかな?」
返事もできず、ただ荒い息をしていることからおそらくそうなのだろう。
軽く触っただけで絶頂に達したのか。そう思うだけで俺のあれが更に熱を帯びるのを感じた。
「ごめん、そろそろ我慢できそうにない。優しくするから入れていいかな?」
「…ハァハァ…は、初めてですから優しくお願いします」
「努力…するよ…いくよ」
あれを天本さんの秘所に当て、ゆっくりと中へと挿入し始める。
天本さんからは苦痛から痛みを堪えるような声が口からもれてくる。
「大丈夫?無理ならやめるよ?」
「だ、大丈夫です。私のことは気にしないで入れてください」
天本さんは瞳にうっすらと涙を浮かべている。
「わかった…あと少しだから」
ゆっくり、極力痛くないように奥へ、奥へと入れていく。
そしてようやく奥まで入ったのを確かめると、俺は天本さんに優しくキスをした。
「…天本さん、大丈夫?」
「はい…あの…お願いがあります」
辛そうなことを微笑みでごまかす表情。昔、見慣れていたあの顔。
自分を他人から守る為の偽りの笑顔。けど今はそれがとても愛しく思う。
「何かな?」
「…玲泉って呼んでもらえますか?」
「…いいの?」
昔、変な名前だから天本って呼んでくださいねと言われ、それからずっと天本さんと呼んできた。
「…はい。これからは天本じゃなくなりますから」
「…じゃ、じゃあ…玲泉…動いていいかな?」
「はい、もうだいぶ楽になりましたので大丈夫です」
嘘だ…まだあの微笑みが残っている。けど、もう我慢できない。
心の中で謝りながら、俺はゆっくりとピストン運動を開始した。

「ハァハァ…こ、小波さん…」
徐々に慣れてきたのか少しずつ玲泉の声が艶やかさを帯び始めている。
ぎゅうぎゅうに締め付けられ、既に限界は近い。
しかし、少しでも彼女を気持ち良くさせるためにまだ達する訳にはいかない。
「ハァ…ハァ…そ、そろそろ…いきそう…かも…ハァハァ」
「…わ、私も…いきそうです…」
「一緒に…一緒にいこう…くっ」
「は、はい…」
最後の力を振り絞り、渾身の力で腰を振る。そして限界が訪れる。
玲泉が絶頂に達した瞬間、一際きつくなった中に締め付けられ、俺も絶頂を迎えた。
「う、ああ…ハァ…うっ…」
「…あ…ああ…ハァ…ハァ」
互いに言葉が出なくなるほどだった。そして全てを出した俺は玲泉の上に倒れ込むのだった。


その後、巫女服を汚したことを玲泉に怒られたり、朝帰りを親父にからかわれた。
本土へと帰ったら俺はすぐに結婚を報告し、来年挙式をするつもりだ。
それまではこうしてのんびりと神社で玲泉と過ごそうと思う。
そして引退したらこっちで玲泉と暮らしながら日の出高校の監督になろう。
「うん、そうしよう」
「何をですか?」
思わず口から漏れていたのだろう。隣にいた玲泉が尋ねてきた。
「いや、これからはもっとヒマを見つけて玲泉に会いに来ようって話だよ」
それを聞いた玲泉の笑顔は偽ることのない、優しい微笑みだった。

終わり

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