NHW-10型
1997年12月10日発売され2000年4月まで生産された初期型(初代)プリウス。
車両形式HK-NHW-10-AEEEBを略して「NHW-10型」あるいは「10型」と呼ばれる。
初めて世に出た量産ハイブリッドカーとして自動車の歴史に新たなる一ページを刻んだ車である。
ハイブリッドシステムに注目が集まるが、プリウスは燃費だけでなく、デザイン、パッケージングで、当時のコンパクトカーの水準を遥かに凌駕していた。この車からトヨタ以外の多くのメーカーにも背高パッケージングが広まり、当時1400mm前後が一般的であったコンパクトセダンの車高が数年で1500mm近くまで高くなるのである。
駆動用バッテリーは後席後ろに配置され、自己充放電による発熱と室内の空気を用いた冷却で温度調整がなされる。
普通のガソリン車と比較して、エンジンON-OFFの振動が抑えられており、乗り換えても違和感の無い実用車として世に出せる程度の完成度は備えていると言えよう。
モーターだけの走行で時速45キロまで加速が可能であるが、普通は時速20キロ前後でエンジンが始動する。
高速域(時速80km/h)となれば、このエンジンでは少々非力となるが、空力性能の高いボディ形状のおかげで、ゆったり流れに乗って走る分には支障は無い。
全体的に静かな車であり、信号待ちでアイドリングストップ?した際の静けさに感動するユーザーは多い。
逆に、駆動用電池のSOC(State Of Charge =残容量)が低下した場合の発電機を回した音はかなり耳障りに聞こえる。
1500CCクラスの動力性能は確保されているが、電池容量次第と言ったところだろうか。
シフトは P→R→N→D⇔Bとなる
Bレンジはアクセルを踏まない場合の回生能力を高めてあり、普通のエンジンブレーキのような減速力は無い。
驚くべきことにDレンジよりもBレンジの方が燃費が良く、それは開発者自らが認めている。
回生ブレーキと油圧ブレーキをリンクさせたブレーキは剛性感があり、電車が止まる時のような作動音を伴う。
油圧ブレーキが加わった際の制動力の増加量が大きく、普通に停車しようとするとカックンブレーキ気味となってしまう。
視線移動の少ないデジタル式センターメーターは見やすく、車両情報は標準装備のEMV?に表示される。これは乗員に現在の走行状況(エンジン走行、モーター走行)を認知させる道具としても大いに役立つ。
また、5分ごとの時間燃費表示はドライバーの嗜好を省燃費方向に向ける非常に啓蒙的な装置となっている。
ステアリングの切れ角が大きく(ロック-TO-ロックは4回転)取り回しは抜群である。片側二車線道路なら軽自動車のように楽々とUターンをこなす。
背高3BOXセダンらしいデザインであるが、量産車にはあまり見られない複雑なキャラクターラインが何本も伸びている。
アルミホイールに樹脂キャップが組み合わされており、実際に傷が付くので実用性は高い。
反対に、バンパーに組み込まれた樹脂カバーは、実際の衝突ではバンパーごと破損し、何故かカバーだけ無傷であることもしばしばであった。
プリウスを営業車っぽく見せてしまう為、不評を買い、マイナーチェンジで廃止された。
開発段階では左右対称のA案と、運転席上方から一本のラインでえぐりこむようなB案が存在した。
B案は30系エスティマに採用され、復活を果たす。
運転席の座面高が600mmと背高パッケージのおかげで、セダンにしては高い位置に設定された運転席からの高いアイポイントにより、見晴らしと乗降性は良い。後席も背もたれの角度がアップライトに設定され、当時のカローラクラスより全長が短いにもかかわらず足元の余裕があった。
シート組み込み式チャイルドシートが設定されていたが、11型以降は廃止されている。
AMFMラジオ(文字放送受信可能)カセットが標準であり、1DINスペースに6連装のCDチェンジャーがオプションで選択できた。
莫大な開発費を要したはずだが、当時のトヨタがこのプライスで利益を出したとは到底思えない価格設定である。
最初に選択できたのは下記の2グレード
車体色は
1998年11月に特別仕様車Gセレクションが追加された
車体色
Gセレクションは標準装備に加えて
ウッド調パネル、シート表皮上級タイプ、レザー風ステアリング、CDチェンジャー
1999年10月にはCDチェンジャーを省いたGセレクションが発売
車体色
車両形式HK-NHW-10-AEEEBを略して「NHW-10型」あるいは「10型」と呼ばれる。
概要
初めて世に出た量産ハイブリッドカーとして自動車の歴史に新たなる一ページを刻んだ車である。
ハイブリッドシステムに注目が集まるが、プリウスは燃費だけでなく、デザイン、パッケージングで、当時のコンパクトカーの水準を遥かに凌駕していた。この車からトヨタ以外の多くのメーカーにも背高パッケージングが広まり、当時1400mm前後が一般的であったコンパクトセダンの車高が数年で1500mm近くまで高くなるのである。
車両概要
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | 車両重量 | 最少回転半径 |
4275 | 1695 | 1490 | 2550 | 1240kg | 4.7m |
ハイブリッドシステム
ボンネットを開けるとエンジンの隣には大きなインバーターが鎮座し、288Vの電流が流れるオレンジの電線が目を引く。駆動用バッテリーは後席後ろに配置され、自己充放電による発熱と室内の空気を用いた冷却で温度調整がなされる。
普通のガソリン車と比較して、エンジンON-OFFの振動が抑えられており、乗り換えても違和感の無い実用車として世に出せる程度の完成度は備えていると言えよう。
動力性能
新開発の1500CCアトキンソンサイクルエンジンと電気モーターを組み合わせたTHSを動力源とし、当時のカローラ?とほぼ同じ大きさの車体を走らせている。58PSと非力なエンジンで1240kgの車体は重荷に思えるかもしれないが、低回転で最大トルクを発揮するモーターの力で低速域の加速は良い。モーターだけの走行で時速45キロまで加速が可能であるが、普通は時速20キロ前後でエンジンが始動する。
高速域(時速80km/h)となれば、このエンジンでは少々非力となるが、空力性能の高いボディ形状のおかげで、ゆったり流れに乗って走る分には支障は無い。
全体的に静かな車であり、信号待ちでアイドリングストップ?した際の静けさに感動するユーザーは多い。
逆に、駆動用電池のSOC(State Of Charge =残容量)が低下した場合の発電機を回した音はかなり耳障りに聞こえる。
1500CCクラスの動力性能は確保されているが、電池容量次第と言ったところだろうか。
操作性
足踏み式パーキングブレーキとコラムシフトは、国内ではほとんど例を見ない、当時としてはラウムぐらいのものだ。シフトは P→R→N→D⇔Bとなる
Bレンジはアクセルを踏まない場合の回生能力を高めてあり、普通のエンジンブレーキのような減速力は無い。
驚くべきことにDレンジよりもBレンジの方が燃費が良く、それは開発者自らが認めている。
回生ブレーキと油圧ブレーキをリンクさせたブレーキは剛性感があり、電車が止まる時のような作動音を伴う。
油圧ブレーキが加わった際の制動力の増加量が大きく、普通に停車しようとするとカックンブレーキ気味となってしまう。
視線移動の少ないデジタル式センターメーターは見やすく、車両情報は標準装備のEMV?に表示される。これは乗員に現在の走行状況(エンジン走行、モーター走行)を認知させる道具としても大いに役立つ。
また、5分ごとの時間燃費表示はドライバーの嗜好を省燃費方向に向ける非常に啓蒙的な装置となっている。
乗り心地、取り回し
1240kgのこのクラスとしては少々重いボディと、細めの165タイヤのおかげで乗り心地は素晴らしい。しかしトヨタ初の電動パワステと相まって接地感の無さが欠点として指摘される。ステアリングの切れ角が大きく(ロック-TO-ロックは4回転)取り回しは抜群である。片側二車線道路なら軽自動車のように楽々とUターンをこなす。
エクステリア
トヨタの北米デザイン拠点、カリフォルニア州ポートビーチのCALTY DESIGN RESEARCHで10型のボディデザインは生まれた。提案された様々な案の中から最も革新的だったのがCALTYのデザインであった。背高3BOXセダンらしいデザインであるが、量産車にはあまり見られない複雑なキャラクターラインが何本も伸びている。
アルミホイールに樹脂キャップが組み合わされており、実際に傷が付くので実用性は高い。
反対に、バンパーに組み込まれた樹脂カバーは、実際の衝突ではバンパーごと破損し、何故かカバーだけ無傷であることもしばしばであった。
プリウスを営業車っぽく見せてしまう為、不評を買い、マイナーチェンジで廃止された。
インテリア
センターメーターとモニターが中央に配置された優美な左右対称デザイン。内装色と相まって車内の明るい雰囲気を演出している。開発段階では左右対称のA案と、運転席上方から一本のラインでえぐりこむようなB案が存在した。
B案は30系エスティマに採用され、復活を果たす。
居住性
運転席の座面高が600mmと背高パッケージのおかげで、セダンにしては高い位置に設定された運転席からの高いアイポイントにより、見晴らしと乗降性は良い。後席も背もたれの角度がアップライトに設定され、当時のカローラクラスより全長が短いにもかかわらず足元の余裕があった。
シート組み込み式チャイルドシートが設定されていたが、11型以降は廃止されている。
積載性能
駆動用バッテリーのおかげでトランクスルーは不可能だが、上下方向の高さで稼いだトランクルームにはゴルフバック4個が収納可能とされる(実際は無理と思われるが)ナビ、オーディオ
液晶モニターが標準装備される為、音声案内の可能なCDナビが割安な価格で装備できる。ピアノタッチのナビ操作も快適であった。AMFMラジオ(文字放送受信可能)カセットが標準であり、1DINスペースに6連装のCDチェンジャーがオプションで選択できた。
グレード、価格
莫大な開発費を要したはずだが、当時のトヨタがこのプライスで利益を出したとは到底思えない価格設定である。
最初に選択できたのは下記の2グレード
車体色は
- ライトアクアメタリックオパール
- ライトバープルメタリック
- ダークブルーマイカメタリック
- グリーンマイかメタリック
プリウス | 215.0万円 |
ナビパッケージ | 227万円 |
1998年11月に特別仕様車Gセレクションが追加された
車体色
- パールホワイト 追加
Gセレクションは標準装備に加えて
ウッド調パネル、シート表皮上級タイプ、レザー風ステアリング、CDチェンジャー
Gセレクション | 225.0万円 |
Gセレクションナビパッケージ | 237.0万円 |
1999年10月にはCDチェンジャーを省いたGセレクションが発売
車体色
- シルバーメタリック 追加
Gセレクション | 220.0万円 |
2006年02月18日(土) 14:40:32 Modified by prius_hybrid