742 名前:『FATE in The dark fate』[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 10:22:14 ID:RiS4mLti
743 名前:『FATE in The dark fate』[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 10:22:54 ID:RiS4mLti
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751 名前:『FATE in The dark fate』[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 10:31:15 ID:RiS4mLti

 間章之二


 ザフィーラはアルフと共に空を駆け回っていた。
 ここ数年、滅多に取らなくなった人間形態であったり、主の仕事にあわせさまざまな世
界をめぐる際に取る狼形態であったりと、めまぐるしく変転しながら、それでもアルフと
共に駆け巡る時間は楽しみと言うものを感じさせた。
 雪の降りしきる冬の枯れ山、陽光の照り注ぐ夏の海上、落ち葉の零れ落ちる秋の森林、
花びら舞い散る春の公園。
 主とともにあり仲間達と共にいるときの高揚感や安心感とは違う、落ち着きながらも胸
の奥が暖かさを覚える奇妙な思いを抱いて、ザフィーラは口元に小さく笑みを浮かべた。


 不意に体が揺すられて、目が覚めた。
『ん……』
 見上げた視界に大きな姿があって、まだ夢を見ているのだろうかと、思わずザフィーラ
は思ってしまう。
 そこに立っていたのが、久しぶりに見る大人姿のアルフだったから。
「オハヨ、ザフィーラ」
 その声にやっと意識が覚醒して、ザフィーラは大きなあくびをする。
『ああ、久しぶりだな。アルフ』
 思念通話で答えを返しながら、少し訝る。
 なぜ、アルフがここにこの姿でいるのか、それが理解できない。
「久しぶりだってのに、つれないねぇ。それはさておき、ちょっと人間フォームになって
くんない?」
『なぜだ? 話しをするだけならこのままでも、かまわんだろう』
 何となく思った言葉を思念で向けて、見上げたアルフの困ったような微笑みに首をかし
げた。
 らしくない表情だと、思えたから。
「ん? 別に良いじゃん、たまには普通に話しをしたいって思ってもさ。それとも、アタ
シと話すのはいや?」
 アルフの言葉にかぶりを振った。
 まあ、久しぶりに人間形態になってもかまわないだろうと、そんな風に思う。
『だがまあ、ここだと人目につくな』
「ん? あ、結界はったから大丈夫さね。ほら、そんなことよりさ」
 にんまりと笑うアルフに、苦笑しながらザフィーラは犬小屋からのっそりと外に出る。
 そのまま庭の中央あたりまで出て、人間形態を取った。
「ふむ、この姿を取るのも久しぶりだな」
 こきこきと首をならし、腕や足を軽く動かしてみる。
 狼形態や子犬形態に馴れてしまうと、人間形態には違和感を覚えてしまう。
 元々、ザフィーラにとって――きっとアルフもだろうが――人間形態は主に与えられた
使い魔としての姿で、どちらかと言えば狼形態の方が素に近いからだ。
「そうだね。いつも見かけるの子犬フォームばっかりだしさ」
「そういうお前も、子供形態ばかりだと思うが」
 言葉を返しながら、久しぶりにアルフを見下ろす。
 苦笑を浮かべて上目遣いで見つめてくるアルフ。
 その顔を見て、なぜか心臓の鼓動が少し早まった。
「あはは、まあね。フェイトからもらう魔力を減らすには、丁度よかったからさ」
「それに関しては、私も同感ではある。だが、最近は主からの供給より、食事から補充し
ている率の方が多い」
 この胸の高鳴りがなんなのか理解できないまま、ザフィーラはふと疑問を浮かべた。
 アルフがなぜかすぐそばに立っていたから。
 以前はもう半歩くらい間を開けていた筈。
「まあ、ご飯も供給元って言えるかもね。あ、そうそう、フェイトがクッキー作ってきた
んだよ、一緒に食べよ?」
「ふむ、そうだな」
 そのわずかな疑念にこだわることなく頷いて、アルフが持っている更に手を伸ばす。
 ひょいっと、その手が躱された。
 もう一度手を伸ばして、また躱される。
「アルフ。いたずらがしたいのなら、他を当たれ」

 わずかな苛立ちを浮かべて口を開く。
 同時に、アルフが楽しげな笑みを口元に浮かべて、地面に指先を向けた。
 要するに座れと言っているのだと、遅れて理解する。
「解った。…………これでよかろう」
 ぺたんとそのまま腰を下ろす。
 そして、正面に座ると思っていたアルフが、隣にちょこんと腰掛けたことに、少しの戸
惑いと奇妙な嬉しさを感じて、ザフィーラは視線を右に向けた。
 嬉しそうで楽しそうな笑顔を浮かべたアルフが、手に持ったクッキーを一枚つまむ。
「はい、ザフィーラ、あ〜ん」
 そして、そのまま突き出してきた。
 そのクッキーを見てから、アルフの顔に視線を向けて、もう一度クッキーに戻す。
「む?」
 何がしたいのか解らないまま、ザフィーラは首をかしげる。
 とたんに、アルフが膨れっ面を浮かべた。
「いいから、口を開く!」
 その不機嫌な様子がなぜなのか理解できずに、それでも言われるままに口を開けて。
 しばし戸惑いを浮かべてしまう。
 そのまま、アルフがクッキーを口に押しつけてきたのだ。
「……」
 だから、そのクッキーを食べようとして、唇に触れたアルフの指の感触に、また不思議
な高鳴りを感じた。
 それが何なのか理解できずに、それでも口の中に入ったクッキーを咀嚼する。
「……ふむ、美味いな」
「ザフィーラもそう思う?」
「ああ……だがな、アルフ」
 嬉しそうに笑ったアルフが小首をかしげるのを見ながら、ザフィーラは小さくため息を
吐く。
「どうして、直接食べさせる。普通に手渡しでもよかろう」
 実際、以前に似たようなことがあったときは、大抵手渡しをしてきたのだ。
 どうして、こんなことをしようとするのかが、理解できない。
「んーと、これイヤ?」
 そんなアルフの問い掛けに、小さくため息を吐く。
 アルフの手から食べさせられる行為は、上手く言葉に出来ないむずがゆさをザフィーラ
に感じさせるのだが、
「……いやだと言うわけではない」
 アルフの行動が、なぜか拒否できない。
 いや、むしろ、アルフのやり方に嬉しさを覚えていた。
「ならいいじゃん」
 嬉しそうに笑ったアルフが、そのままこちらの肩にもたれかかってくる。
 甘い香りと柔らかな感触に、とくんっと心臓が妙な鼓動を拍した。
「それにさ、こーしてあんたと一緒にいられると気持ちいいし」
 確かに傍らにアルフがいる安心感は、心地よいと表現してもよいもの。
 だが、先程から全身が妙な熱に包まれるような感覚が、ザフィーラを苛んでいた。
「それは、認めるが」
「だからさ、セックスしよ?」
 いきなり、言われた言葉が理解できない。
 首を曲げて、しばし正面からアルフを見つめる。
「セックス? なんだ、それは?」
「ん? ザフィーラ知らないの?」
 疑問の言葉を口にして、アルフの不思議そうな返事に、ただ首肯する。
 他のヴォルケンリッターと違い守護の獣であるザフィーラは、この世界の知識にはさほ
ど興味を持っていない。
 人間形態を取ることも少なく、外の犬小屋が住処のザフィーラにとっては、それは当然
のこと。
「セックスでわかんないんだったら、交尾ってのが一番わかりやすいかね」
 その言葉を聞いた瞬間、目が点になった様な気がした。
 確かに、その言葉なら意味はわかる。
 解るが、だからといって、なぜそれを求めてくるのかが理解できなかった。
「……なぜ、そんなことをしたがる。お前はどうか知らないが、私には子供を作る機能な
どついていない」

 所詮はプログラムでしかないザフィーラにとって、それは自明の理。
 だから、アルフがいつの間にか上半身を押しつけるようにしなだれてきても、答えよう
がない。
 ……ただ、アルフがそこにいると思うだけで、体の内側に奇妙な温もりを感じてはいた。
「なんでって、気持ちいいからだよ。ザフィーラは一人でしたことないの?」
 そういいながら見つめてくるアルフが、口の端を上げてにやりと笑ってくる。
 その目が、いたずらっぽい光を浮かべていることに気づきながら、ザフィーラは首をか
しげた。
「一人でとは?」
「はぁ〜〜、本気で知らないわけ?」
 アルフが何を言いたいのかが、理解できない。
 性に関する話題など、主は勿論、仲間達とさえしたことがないザフィーラにとって、ア
ルフの語る言葉は全て理解不可能だった。
「じゃ、さ。アタシに全部任せなよ」
 そんなことを言いながら、アルフが更に身を乗り出してきた。
 上半身だけが正対するような体勢になるのと同時、アルフが自身の唇を此方に押しつけ
てくる。
 そんなことが楽しいのか? そんな疑問を覚えながら、それでもザフィーラはアルフの
したいがままにさせていた。
 否、抵抗するという気持ちが一切生まれなかったのだ。
「んっ……ちゅぅっちゅっ」
 小鳥がついばむように、何度も唇を押しつけてくるアルフ。
 弾力のある唇が触れ、時折強く押しつけられる。
 そのたびに、眼前に迫るアルフの顔。
 緩く目を閉じて、頬を朱に染める表情が艶めいて見えて。
 どくんっと心臓が強く鼓動した。
 同時に、ザフィーラは下半身に違和感を覚えた。
「んぅ……ふん、ふん」
 アルフの鼻息が頬をくすぐる。いつの間にかのばされていた腕が首筋に回されている。
 上半身を投げ出してしがみついてくるアルフに、言葉に出来ない奇妙な感覚が全身を支
配した。
 その感覚に押されるように、ザフィーラもアルフの背中に手を回して、ぐっと抱きしめ
る。
 ここまで近く、アルフを抱き寄せていることに、
 そのふくよかな胸が此方の胸板に押しつけられることに、
 ザフィーラの感じる奇妙な感覚がますます強くなった。
「ふぅっ……ちゅっ……れろっ」
 そして、予想外のアルフの行動に、思わず全身を硬直させた。
 舌を伸ばしたアルフが、此方の唇を強引に割って中にそれを押し込んできたのだ。
「んうっ!?」
「んふっ……ちゅぅ、ちゅぷっ、じゅっ」
 れろれろと、歯と唇の裏側の間をなめ回されて、全身が火照ってくる。
 その熱が股間へと集まっていくことに違和感を感じながら、気がつけば顎を開いてアル
フの舌を受け入れていた。
 上あごをちろちろとなめられ、舌と下あごの間にこじ入れられる。
 そのたびに、全身と股間の熱が高まりを見せていく。
 なぜか無性に怖くなって、ザフィーラはアルフを更に強く抱きしめた。
 そして、アルフがしているように、ザフィーラも舌を動かす。
「んっんっ、んぅ!?」
 びくっと、アルフの体が小さく震える。
 れろんっと、アルフの少しだけざらつきを感じさせる舌に舐められて、ザフィーラは自
身のそれを絡めさせた。
 頭の中で粘液質の音が鳴り響く。


 しばらくして、ちゅぽっと音を立てて、アルフの唇が離れた。
 つっ、と銀色の筋が舌と舌を結んで、地面に落ちる。
「む」
 唯それだけの光景に、びくんっと股間に感じている違和感が強さを増した。
 熱が集まって、ズボンを押し上げるほどに堅くなっている。

 それは、初めての経験で、ザフィーラには戸惑いしか浮かばない。
「あはっ、ザフィーラのもう元気だ。おっきいねえ」
 ニヤニヤと笑うアルフがそこに手を伸ばしてくる。
 待て、と言葉を放つより早くアルフの手がそれに触れて。
「っ」
 思わず漏れそうになった声を、歯を食いしばって押さえるザフィーラ。
 そこから走った心地よさが、一気に背筋を這い上がってきたのだ。
 それは想像すらしたことのない奇妙な心地よさだった。
「ふふっ、敏感なんだね、ザフィーラ。じゃ、ズボン下ろしてっと」
「ま、待て」
 ズボンの脇にのばされたアルフの手を思わず押しとどめた。
「ん?」
 不思議そうな表情で見上げてくるアルフ。
 止めた理由が自分でもわからなくて、何をどういったものか悩む。
「あ、そっか」
 と、一人で理解したと言ったように、ぽんっと自分の手の平に拳固を落とすアルフ。
 どうしたとザフィーラが問い掛けるよりも早く、アルフがマントに手を掛けた。
「な、何をしている?」
 意味が理解できないまま、アルフがマントを脱ぎ捨て、服を脱いだ。
 ぶるんっと解放された大きな胸が震える。
 その揺れ方を見ただけで、それがどこまでも柔らかくて、同時に張り詰めていることが
見て取れて。
 また股間の熱が強くなった。
 あの固まりを思う存分、弄り倒したい。そんな奇妙な感情を覚えた。
「何してるって、服脱いでるんだけど? セックスするには服脱がなきゃねー」
 そんなことを良いながら、にこにこと笑うアルフ。
 上半身を裸にしながらの笑顔に、なぜか生唾が湧いて、ザフィーラは自然にそれを飲み
込んだ。
「あはは、なんだかんだ言ってザフィーラも男だね。アタシのこれそんなにじっと見て、
気になるんだ?」
「あ、ああ」
 真っ白なふくらみ、その頂点にある色づいた突起を凝視してしまう自分があることを、
戸惑いと共にザフィーラは自覚していた。
 だからその言葉に頷いて、それから慌てて首を横に振る。
「いや、そういうことではなくだな」
 何をどういえば伝わるのか、そんなことを考えながらも、視線はアルフの体を眺めてし
まう。
 それがアルフにも解っているのだろう、にっと口の端を上げて笑ったアルフが、そのま
ま今度はホットパンツに手を伸ばした。
 ゴクリと喉を鳴らして、その行動をじっと凝視してしまう。
 アルフがゆっくりと見せつけるようにズボンを脱ぎ捨てて、一糸纏わぬ姿になった。
「ふふっ、どうアタシ綺麗かな?」
 何も身につけないアルフの姿は、形容できないほどの美しさだった。
 股間の淡い茂みと丸い形が、自身のそことは違うことに、今更ながらアルフが女性なの
だと認識する。
 同時に、びくんびくんっと股間にあるモノが震えた。
「……あのさ、ザフィーラ。アタシだけってのは恥ずかしいんだけど」
 頬を赤く染めたアルフの言葉に、思わず我に返った。
 何を言っているのかは理解できて、だからザフィーラは恥ずかしさを堪えて、服を脱ぎ
捨てていく。
「これで、いいか」
 少しアルフから視線を外して問い掛ける。
 つい気になってちらちらとアルフを見つめそうになるが、慌てて視線をそらした。
「うん。でもこの格好で座るとちくちくするからさ、魔法でちょこっと浮いてくれる?」
「うむ、解った」
 それは確かにその通りだから、十センチくらいの高さに浮かんだ。
 同時にアルフがにじり寄ってくる。
「それで、両足開いて座ってくれるかい?」
 すぐそばに来たアルフがそんな言葉を掛けてきて、同時にぴくんっと腰が震えた。
 アルフが、堅く張り詰めているモノをなで上げてきたのだ。

 アルフの柔らかな手の平や細い指が、それをなで回す感触に訳のわからない熱と焦燥感
を煽られる。
「くっ、わ、解った」
 言われるままに、両足を開いて座り込むザフィーラ。
 それで、アルフの手が離れたのが残念で、そう感じる自分に訝しさを覚えた。
 もっと、アルフにさわってほしい。この熱をもっと感じたい。
 そんなことを願っている自分が奇妙に思えて。
「そんな顔しなくても良いってば」
 座り込んだ自分の足の間に、アルフがうつぶせに寝そべりながら、そんなことを言って。
「うっ」
 そのまま、こちらの堅く張り詰めたモノに触れてきた。
 途端に腰裏あたりに熱が湧いて、一気に背筋に沿って這い上がってくる。
「くっ、んっ」
「ふふっ……、ザフィーラの声、可愛い」
 しゅにしゅにとアルフの手が上下する度、その熱が強さを増し全身に広がっていく。
 ぬるま湯に身を浸しているような奇妙な安堵感。
 潤んだ瞳で見上げてくるアルフ。
 その表情が、胸の奥に不思議な温もりを与えた。
「こんなの、どう?」
「っ!」
 呟きながら、アルフがそれの先端に、キスしてきた。
 ぞくんっとまた全身に熱が走って、ザフィーラはまた生唾を飲み込む。
「よ、よせ、アルフ……そこは、不潔だ……くっ」
「そんなこと言ってさ、ぴくんぴくん震えてるじゃん。もっと気持ちよくしたげるね?」
 そんなことを言うと同時に、アルフがれろんとそこに舌を這わせて来る。
 その熱の強さに、思わず腰を引こうとして、また舐められた。
「ア、アルフ……」
 ゾクゾクと背筋から這い上がってくる熱が理解できない。
 理解できないのに、もっとしてほしいと思ってしまう自分が、ザフィーラには理解不能
だった。
「ちゅっちゅぅっ……れろ……れろんっ……」
 先端に何度もキスをされて、先のふくらんだ部分をなめ回され、下の棒の部分を舐め下
ろし、舐め上げられる。
 それは、今にも叫び出しそうになるほど切羽詰まった感覚で。
 アルフが不潔な場所に嬉しそうに舌を這わせる光景に、頭がぼうっとしてくる。
「れろん、れろ……、気持ちよさそうにひくひくしてる、ザフィーラ気持ちいい?」
 アルフの問い掛けに、この体を駆け巡る熱の正体をやっと悟った。
 それが気持ちよさだと、……快感なのだと得心できた。
「あ、ああ、気持ちいい」
 けれど、その快感の先にまだ何かがあるような気がして、ザフィーラは訳もわからず歯
を食いしばる。
「じゃ、もっと気持ちよくしたげるよ、あー」
 む、とアルフがそこをくわえ込んだ瞬間。
 思わず天を仰ぎながら、ザフィーラは拳を握りしめた。
 今まで以上の快感が、一気に駆け上がってきたのだ。
「ア、アルフ、な、何を」
 股間から響くあまりにも強い快感。
 生暖かく粘ついたモノに四方八方から包み込まれる感触の意味が解らずに、視線を下に
向けるザフィーラ。
 アルフが、それをくわえ込んでいた。
「はひっへ、ふぇはひおはほ……ひもひひい?」
 アルフが言葉を放つことで、細かな震えが襲ってくる。
 視界が明滅するほどの快楽に、ただ頷くザフィーラ。
「じゅるっじゅぷ……れろ……れお……」
 アルフの口元から粘液をかき回すような音が聞こえてきた。
 頬や唇をすぼめて密着させてきたり、中で舌を動かしてなめ回してきているのだ。
 そのことを見て取った瞬間、何かがこみ上げてくる。
 だが、そんなザフィーラを追い詰めるように、じゅぽじゅぽと、アルフの頭が上下し始
めた。
「ま、まて、アルフ。こんな、こんなことは……」

 自分でも何を言いたいのか解らないまま、言葉を紡ごうとしたザフィーラにまた別の感
覚が襲ってきた。
 アルフが、たわわな双丘でザフィーラのそれをぎゅうっっと挟み込んできたのだ。
「うくっ!」
 その柔らかな圧迫感に声が漏れて、アルフが楽しげな表情で見上げてくる。
 そのまま、何も言わずに、激しく胸を上下させ始める。
 柔らかな固まりに包み込まれる感触は、堪えきれないほどの快感を与えてきた。
「むっ……、くぅ」
 我慢しようと思っても勝手に声が漏れてしまう。
 それに気付いたのだろう。
 アルフの動きが激しさを増した。
「ザフィーラ、もうイくんだ? いいよ、いつイっても」
 その言葉の意味が理解できなくて、けれどその疑問を口にする余裕などどこにもなくて。
 口元に笑みを浮かべて、見上げてくるアルフ
「ぐっ」
 腰裏から快楽が這い上がり、股間から何かがこみ上げてくる。
 だから、アルフに離れろと、言葉を口にするよりも早く、びゅくんっと何かが一気に吹
き出した。
「ぅわっ!」
 飛び出した白濁色の粘ついた液体が、アルフの顔に降り注いで汚していく。
 その液体を、指でこそげ落としながら、己の口に運ぶアルフ。
 指に絡みついた液体をこそげる仕草に、ぞくりと背筋が震えた。
「ふわ、結構出たねぇ。ザフィーラだいぶ溜まってた?」
「あ、いや、その何が出たのだ」
 小水とは明らかに違う液体に、戸惑いながら問い掛けるザフィーラ。
 ぱちくりと、目をしばたかせたアルフが、あからさまな苦笑を作る。
「ザフィーラ、交尾は知っててなんで精液とか知らないんだい? これが子供の元だって
ことくらいはいくら何でも知ってるだろ?」
 そのバカにしたような言葉に、わずかに顔を赤くしたザフィーラは、アルフをしっかり
と見つめる。
「私が知っているのは、交尾というのが子を作ることだと言うことだけだ」
 そして、告げた言葉に、アルフが苦笑から嬉しそうな笑顔に変えた。
 そのまま、此方の肩を押して仰向けにさせる。
「アルフ?」
 そんなアルフの行為に、なぜかザフィーラは逆らえない。
 アルフが何を求めているのか理解できなくて、それでもアルフが求めることには応えた
いと思う己がいた。
 アルフがふらりと立ち上がる。
 股間のあたりから液体が零れ、太ももを伝っている。
 それはきっと、自身がはき出した液体と似たようなものだろう。

 ……交尾、セックスを潤滑に進めるためのもの。
 そう、納得して、同時に悟る。
 それが準備だというのなら、アルフは発情しているのだろうと。
「アルフ……、待ってくれ」
 そんな風に求められたくなかった。
 たとえ機能が無いとしても、アルフとの行為を単なる発情に身を任せた結果だなどと言
いたくなかった。
 だから、アルフの動きを止めて、だけど、丁度良い言葉がわからなくて、想いを纏める
ことを諦めて、ただ舌に言の葉を乗せた。
「私はお前と共にありたいと思っている」
「え?」
 アルフが驚いた表情でこちらを見つめてくる。
 それを見ながら、しずかに語を繋ぐ。
「お前と共にある時間を、私は非常に好ましいと感じている。主と共に在る時の使命感と
も、仲間達と共にいる時の信頼感とも違う、暖かさを胸の奥に感じる」
「……うん」
「だからこそ、私はお前の求めに応じたい。この胸の奥にある暖かさを大切にしたい。お
前を大事にしたい、それだけは解ってくれ」
 そこまで言葉を告げて、見上げたアルフの目から、頬を伝って涙が一滴こぼれ落ちた。
 ほんの一瞬、自分が何か酷いことを言ってしまったのか、そんな戸惑いを生じさせたザ

フィーラに向かって、アルフが倒れ込んできた。
「アルフ?」
 そのままアルフが抱きついてきて、また、唇を押しつけてきた。
 先ほどのように、舌をねじ込まれて貪られるようなそれとは違い、ただふれあわせてい
るだけ。
 なのに、心の奥底から、震え出すほどの歓喜がわき上がってくる。
 どれほどの間、そうして、唇を押しつけあっていたのか、不意に、アルフが顔を上げた。
「……ザフィーラ、その言葉、信じて良いんだね?」
 潤んだ瞳で見つめてくるアルフ。
 その目が浮かべる問いに、ただ頷くことで応えた。


「それじゃ、いくよ……」
 膝立ちになったアルフが、腰の上にまたがっていた。
 先端がアルフのそこに触れて、ぬちゃりとした感触と奇妙な熱さを覚える。
「アルフ」
「あはは、大丈夫だよ、そんな心配そうな顔しなくてもさ。気持ちいいんだから」
 その気持ちよさが怖いのだと告げるよりも早く、アルフが少し腰を下ろしてくる。
「くっ……」
「んぅ」
 熱く滑る感触に先端が包み込まれて、それだけのことが気持ちよくてもうこみ上げそう
になってくる。
 このまま、最期まで包まれたとき、どうなるか解らない。
 そう思った瞬間。
「いくよ」
 ずぷんっと、一気にアルフの最奥まで飲み込まれた。
 四方八方から熱くぬるついた襞に包み込まれて、堪えきれない。
「くぁっ!」
「んくっ……おなかの奥、出てるぅ」
 いきなり、アルフの中に精液をはき出していた。
 それほど気持ちよかったけれど、なぜか、少し情けない気分をザフィーラは感じていた。
「ザフィーラ、そんなに気持ちよかったんだ?」
 嬉しそうな笑顔を浮かべるアルフに、それでもいいかと言う気持ちになって。
 けれど、体の熱は全然収まらない。
「……って、ザフィーラ、全然萎えないね。これだったら、まだ出来るね」
 そんな言葉を言ってきたアルフが、ザフィーラのそれを締め付けてきた。
「ぐっ」
 まるで奥に向かって絞られるような感触に、強烈なまでの快感を叩き付けられる。
 また、放出しそうになって、ザフィーラは唇をかみしめる。
「ふふっ……んっっ、ガマン、しなくても、いいんだよ? ふくっ」
 ゆっくりとアルフが腰を上下させ始めた。
「んくっ! ザフィーラの、堅くて……ふぁっあんっ! おっきい……よ! あんっっ、
ひゃくっっ! 良いよ……ザフィーラの気持ちいいよぉ」
 甘い声音でささやくアルフ。
 上下に腰を振り、時折横に回転させ、ザフィーラを気持ちよくさせようと動いてくるア
ルフ。
 言葉に出来ないほど強い思いが、わき上がってくる。
「アルフ……アルフッッ!」
「ん、ひゃんっっ! ど、どうしたのさ、ザフィーラ、っ! いきなり、動、ひぁぁっっ
っ! ちょ、まって、あひっっ! ふぁんっっ! あひっ!」
 腰が、勝手に動き出していた。
 アルフの甘い声が耳朶を打ち、股間からは筆舌に尽くしがたい快楽が全身へと染み渡っ
てくる。
 強く吸い込みながらアルフが腰を引くのにあわせて、こちらも腰を引く。
「あああぁぁっっ!」
「ぐぅ」
 奥歯を噛み締めなければ、堪えられないほどの快感。
 アルフが腰を下ろすのと同時に、こちらも思い切り腰を打ち上げた。
「ひぅっっ! や、っっんくっ!」
「っっ!」

 アルフが、腰の上で身もだえするのを見ながら、拳を握り締めた。
 強く締め付けられながら、それをかき分けるように突き込む感触は、もう、形容する言
葉すらない。
「あんっ、ひんっ! んくっ! や、やだっ! ザフィーラ、強いっ! つよいよぉっ
っ!」
 目に涙を溜めて見下ろしてくるアルフが愛おしい。
 ずんっと腰を突き上げる度、背筋をそらして、涙目を浮かべて首を左右に振るアルフ。
「あひっっ……あんっ! ……あふっ、ふぁぁっっ! あぁ、んぅ……ひゃふっ……あん
っっ、ひぁっっ……」
 アルフが腰を揺らす度、こちらが突き上げる度、アルフの大きな胸がふるんふるんっと
揺れ動く。
 それをただ見ていることなど出来るわけもなくて。
 両手を伸ばして、そのたわわなふくらみを包み込んだ。
「も、もぅっ……ひんっ…お、おっぱい良い?」
「あ、ああ……上手く、ぐっ……言えんが、お前の胸を、ふぅ……触っていると、幸せな、
気分だ」
「だ、だったら、さ」
 腰を揺らめかせながら、アルフがこちらを見つめてくる。
 目尻に涙を浮かべて、半開きにした口からはよだれが零れていく。
 ぞくぞくと、背筋が震えた。
「おっぱいの、先っぽ……、解るよね……硬く尖ってるの」
 たしかに、解っていた。
 さっきから手の平をくすぐる固まりがあることは。
「そこくりくりしてぇ……ひふっ! そ、そう、もっと! もっとぉ」
 言われるまま、胸をもみながら人差し指で先端をこすってやると、途端にとろけた笑み
を浮かべるアルフ。
「良いよぉ……気持ちいいよぉ……、もっとしてぇ、ザフィーラ、アタシのおっぱいもん
で、もっとおなかの奥こんこんしてぇ」
 その甘くただれた声は、今まで聞いたことも、想像したこともないほど全身を熱くさせ
る。
 何度も腰を打ち上げて、アルフの甘い声を聞く度、もっとその声が聞きたくなる。
「はくっっ! ひぁっっ! や、っ! よ、良すぎぃ……、ザフィーラの、良すぎるよ
ぉ! ……ひくっっ! う、ウソっ! なんで、アタシ、ひぁっっ!」
 不意に、アルフの声の調子が変わった。
 その理由がわからなくて、けれど動きを止めることなど今更出来なくて。
「ぐっ……アルフ……私は、そろそろ……だ」
 また、こみ上げてくるモノがあることを告げると同時。
 アルフが体を倒して来た。
 そのままぎゅうっっとしがみついてくる。
「アル、フ……」
「ザフィーラ、ざふぃーらぁ」
 子供の様な舌足らずの言葉で呼びかけられて、しかもしっかりとしがみつかれる。
 その感覚は、言葉に出来ないほどの心地よさで。
 アルフに対する愛おしさが、幾重にも幾重にも、強まっていく。
「アルフ」
「ざふぃーぁ……」
 自分からアルフの唇に、自身のそれを押しつけるザフィーラ。
 そのまま、アルフにされたように舌を押し込む。
 そうしながら、アルフの胸に廻していた手を、揺れ動く尻にむけてわしづかみにした。
「んっっ……んぅ……はひーは……ちゅぅっ」
「あふ……ふ…………」
 アルフの尻は、胸とはまた違った柔らかさと感触があってもう、ガマンの限界がすぐそ
こにあった。
「んっっっ!? んんぅぅぅぅうううううううっっっっっ!!」
「う゛……」
 アルフのそこが細かく痙攣しながら強く喰い締めてきて、痛くなるほどに舌を吸われる
のと同時に、ザフィーラはどくんっと精液を溶きはなった。
 どくんっ、どくんっ、どくっどくっ……と、自分でも驚くほどの量を注ぎ込む。
 ぎゅぅっっと強く抱きついてくるアルフがとてつもなく愛おしい。
 だから、ただアルフを強く抱きしめた。

 しばらくして、アルフの体から力が抜けた。
 唇を話して、上半身を起こしたアルフがこちらを見つめながら、ほほえんでくれる。
 それがただ嬉しくて、嬉しいと思える自分が少しだけ可笑しく思えた。
「……はぁ、ザフィーラ凄いいっぱいでたねぇ、そんなに気持ちよかった?」
「ああ……、確かに、体も気持ちよかった……だが」
 自分の感じていることを表現するだけ。
 その程度のことに、躊躇する自分がイヤで、ザフィーラはしっかりとアルフを見つめる。
「だがな。体だけではなく、お前が気持ちよさそうにしていることが、私には心地よかっ
たのだ」
 言うと同時、またアルフが唇を重ねてきた。
 そっと離れたアルフが、微笑みをうかべて見つめてくる。
「アリガト、凄く嬉しいよ」
 その言葉と微笑みに、体が熱くなって、股間がまたぴくりと動いた。
「あ、ザフィーラのまだ元気」
 その嬉しげな声がすこし恥ずかしくて、視線をそらす。
 けれど、アルフが腰を上げて移動したのが、少し寂しい。
「ねえ、ザフィーラ」
 だから、呼びかけられて、視線を声の方に向けた。
 そして息をのんだ。
 アルフが四つん這いになって、股間をこちらに向けていたのだ。
「こんどは後ろからして? こっちだとさ、さっきとは違うところに当たって気持ちいい
んだよ?」
 とろりと、複雑な形状をしているアルフのそこから液体がこぼれ落ちる光景に、ゴクリ
と生唾を飲み込む。
 ゆらりと体を起こして、アルフの背後に膝立ちになるザフィーラ。
 もはや言葉を掛けることもせず、一気にアルフの最奥に突き込んだ。




 ……先ほどまでの光景を脳裏に浮かべて、ザフィーラは拘束をふりほどこうとあばれる。
「アルフ、帰るよ」
「うん。ザフィーラまた今度Hしようね〜」
 そして、聞こえてきた声に、仲間達にもてあそばれながらもザフィーラはアルフに視線
を向けた。
(待ってくれ、アルフっ! 私は、私はこのようなことは、お前とだけに)
(大丈夫だよ)
 唇をふさがれ、腰からは先ほど覚えたばかりの……だが、どこか違う感触が響いてくる。
(アタシはザフィーラのこと大好きだから、何してても構わないよ?)
 伝わっていない。
 その事実が哀しい。
(女はさ、気持ちいいことにどん欲だから、みんなのそれもしょうがないことだし。だか
ら、また今度セックスしようね?)
 最後にこちらに手を振って、アルフの姿が消えた。
 ……例え、実際に子供を作ることが出来なくても、それでも子を為す行為は特別なもの。
 だからこそ、アルフに求められたと思っていた。
 だからこそ、アルフの求めに応じたのだ。
 なのにアルフは。
 そんなザフィーラの気持ちに気付いていない。
 ただ、愛の言葉を受け入れてくれただけ。
 この行為に特別を感じていた自分が愚かに見えて、ザフィーラは涙を流す。
 アルフが、そう思っているなら、もうそれで良い。
 どこか、自棄になりながら、ザフィーラは仲間達を満足させるために、動き始めた。


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目次:『FATE in The Dark Fate』
著者:暗愚丸

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