10 名前:Nの系譜 5 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/06/29(日) 10:49:26 ID:NBAnLL6y
11 名前:Nの系譜 6 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/06/29(日) 10:51:52 ID:NBAnLL6y

あくる日、なのはjr・ジェーハ・機のはの三人は揃って非番だったのだが、
かと言って特にやる事も無い故、訓練場の空いている所で自主訓練に励んでいた。

訓練場の上空を三つの光が高速で駆け巡っていた。無論なのはjr・ジェーハ・機のはの三人である。
訓練内容は模擬戦形式の物で、その模擬戦もなのはjr・ジェーハ対機のはと言う物。
ニ対一と言う状況で一見不利に見える機のはだが…そう思わせない程彼女は強かった。
左右からのなのはjr・ジェーハの連続攻撃を左右の手で機用に捌いて行くのである。

三式機のは…。外見・言動共に薄気味悪い故に管理局内でも過小評価されがちであったが、
そう言った先入観を省いて真面目に見た場合、彼女程の魔導師はそういないかもしれない。
同じく諸事情により過小評価されがちであるが、真面目に見さえすれば管理局若手魔導師の中でも
トップレベルに位置してたら良いなと思えるなのはjr・ジェーハの二人を軽くあしらえる
実力がその証明となっている。

一時して…訓練場の真ん中に座り込み、きつそうに息を荒くさせていたなのはjr・ジェーハと
何事も無かったかの様にその場に直立している機のはの姿があった。

「いや〜本当に機のはさんって強いんだね。」
「全く…しかも本気の半分も出してないってんだから…下手すりゃ教導隊より強いんじゃないか?」
『…………………………………。』
勤務中はなのはjr・ジェーハ共に管理局の各教官連中から戦闘技術を学んでいるが、
こうして今日の様に機のはから訓練を付けてもらう事も度々あった。
しかも機のはの訓練は不思議と教官連中よりも実践的なのである。
確かに二人が若手トップレベルの魔導師になれたのも、二人共に高い才能を持っていると言う事もあるが、
機のはに付けてもらった高度な訓練…と言う点の方が強いのかもしれない。

『…………………………………。』
機のはは言葉を喋らない。涙も流さない。ロボットだから。マシンだから。ダダッダー!
それ故に…何度も説明した通り管理局内でも不気味がられていたのだが…だけど分かるぜ! 萌える友情!
なのはjrとジェーハの二人に対しては不思議と温かかく、二人はそんな彼女が大好きだった。
特に人工授精児である故に両親のいないジェーハにとって機のはの存在は母親も同然だったのである。

「やあ、せっかくの休日なのに訓練熱心なんだね。」
「あ! お父さ……じゃなかったスクライア無限書庫司書長!!」
「今は別に勤務中じゃないから普通に父さんで良いよ。」
なおも休憩を取っていたなのはjr達の前に、なのはjrの実父であるユーノ=スクライア無限書庫司書長が
やって来ていた。と、そこでジェーハがやや頬を赤くさせながらユーノの方へ近寄った。

「ゆ…ユーノ司書長! あ…あの…この間自分が提出したリンカーコア作動式の
魔導師用義手義足に関する論文…読んていただけたでしょうか!?」
「勿論読んだとも。魔導師をやりながら技術者も…と言うのは大変な事だけど…僕は期待しているよ。
何しろ既に旧式化してしまったレイジングハート・エクセリオンをレイジングハート・エルトリウムに
最新鋭改装してくれたのは君なんだからね。それに君が目指す魔導師用義手も…完成する事が出来れば
事故等で手足を亡くした人も元の通り物を掴んだり歩いたり出来る様になるだろうし…頑張りなさい。」
「は! はい! ありがとうございます!!」
ジェーハにとってユーノは憧れの人だった。技術者と考古学者と言う違いはあるが…そんなの関係無い。
一人の人間として…ジェーハはユーノに憧れ…彼が大好きだった。と、こう表現すると
腐女子とかならばジェーハとユーノをカップリングしたBL的な何かを妄想するであろうが…
別にそんな事にはならないから安心して欲しい。

そして次にユーノは機のはの方へ向いていた。
「何時も二人に訓練を付けてくれてありがとう。僕の方からも礼を言うよ。」
と、笑顔で言うユーノだったが…
『……………………………………………。』
機のはは、なのはjr・ジェーハの二人に対する温かさとは打って変わって
ユーノに対しそっぽを向くのみだった。それにはユーノもややショック。
「あらら…何で…僕…嫌われてるのかな…。まあとやかく言っても仕方が無い。
それじゃあ僕はもう行くから…三人とも頑張ってね。」
「うん!」
「司書長もお気を付けて。」
機のはからは相変わらずそっぽを向かれたままだったが、なのはjr・ジェーハの二人は
手を振りつつ、去って行くユーノを見送っていた。

ユーノが去った後で、なのはjrとジェーハの二人は機のはへ質問していた。
「機のはさんはどうして何時もお父さんに対してそっぽ向くの?」
「やっぱりユーノ司書長の事が嫌いなのかい?」
『…………………………。』
質問する二人に対し、機のはは無言で首を左右に振った。それ即ち、嫌いでは無いと言う事になる。
「嫌いじゃないならどうして何時もお父さんから目を背けるの?」
『…………………………。』
機のはは無言のまま…答える事は無かった。まあ基本的に彼女はしゃべらないのであるが…
そんな時だった。

『非番なのに自主訓練に励んでるなのは=スクライア・ジェーハ=マチエティ・三式機のはの三名は
緊急の用がある為、管理局内第○○会議室へ出頭せよ! 繰り返す! 非番なのに自主訓練に励んでる
なのは=スクライア・ジェーハ=マチエティ・三式機のはの三名は緊急の用がある為、
管理局内第○○会議室へ出頭せよ!』
と、突然その様なアナウンスがかかっていたのである。

「おや? 何かあったのかな?」
「とりあえず言ってみよう。」
『………………………………。』
呼ばれたのなら仕方が無いと、早速三人は指定された第○○会議室へ向かう事にした。


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目次:Nの系譜
著者:◆6BmcNJgox2

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